2026年6月17日(現地時間)- Epic Gamesより、MetaHumanの最新バージョンである「MetaHuman 5.8」がリリースされました。
主な新機能
今回のアップデートでは、数十人から数千人規模の群衆を効率的に構築できる「MetaHuman Crowd」関連機能の追加をはじめ、任意のメッシュから頭部と身体を同時に変換できる「Mesh to MetaHuman」機能の強化、アンベイクドテクスチャを活用した詳細なルックデヴ、そしてカスタムライティングによるプレビュー機能などが実装されました。
さらに、基幹となるコアライブラリが初めてMITライセンスのもとオープンソースとして提供されたほか、MetaHuman AnimatorがLinuxとmacOSにも対応し、より幅広い環境で高度なキャラクターアニメーション制作が可能になっています。
群衆表現を可能にする「MetaHuman Collections」
新たに実験的機能として導入されたアセットタイプ「MetaHuman Collections」により、モバイル環境で数百、ハイエンドプラットフォームで数千規模のMetaHumanの群衆をリアルタイムで配置することが可能になりました。
この機能は、カメラとの距離に基づいて、高精細な個別のActorと、描画負荷の低いInstanced Skinned Meshes (ISKMs) をシームレスに切り替えます。これにより、至近距離での高い視覚的忠実度と、最適化されたパフォーマンスおよびメモリ消費を両立しています。その他以下のような特長があります。
- 頭、体、髪、服などのモジュラーコンポーネントを組み合わせ、手動またはBlueprintを用いたプロシージャルな方法で群衆の外観を制御できます。
- 群衆の制御には「Mass」フレームワークを使用し、対応環境では「Nanite」仮想化ジオメトリによるレンダリングが可能です。
- アニメーションは、距離に応じて「Animation Blueprints」またはシンプルなシーケンスが使用されます。
- テクスチャメモリの消費を大幅に抑える「スケーラブル・ノーマルマップ」が追加されました。顔に適用することで、メモリ使用量を抑えつつ、近距離でもシネマティックに近い品質を維持できます。
本機能を体験できる「MetaHuman Crowds Sample」がFabにてダウンロード可能です。
「Mesh to MetaHuman」の全身対応
MetaHuman Creatorに統合されている「Mesh to MetaHuman」機能が強化され、従来の頭部に加えて、体のコンフォーム(適合)も可能になりました。頭部と体は別々に、あるいは同時に処理することができます。
このアップデートにより、スキャンデータや外部DCCツールで作成されたキャラクター、MeshyやTripoなどで生成されたメッシュなど、任意のトポロジーを持つヒューマンキャラクターメッシュを、MetaHumanトポロジーを持つフルリグ済みのキャラクターに変換できるようになりました。
対象は人型に限られますが、デフォルメされた様式化キャラクターにも対応しており、Fabで提供中の「MetaHuman Vampire Asset」でその実例を確認できます。
単一カメラによる全身アニメーションの生成
これまで顔に限定されていたアニメーションキャプチャ機能が全身に拡張されました。
「MetaHuman Animator」を使用することで、単一の外部カメラから、顔、体、またはその両方のパフォーマンスを同時にキャプチャすることが可能とです。
モーションキャプチャ用のリグ、ヘルメットカメラ、マーカーなどは不要で、一般的なWebカメラでも高品質な結果を得ることができます。処理はローカルPC上でオフラインで行われます。
この機能は実験的機能として提供され、買収したMeshcapadeのマーカーレス・モーションキャプチャ技術が統合されています。利用にはFabで提供されているWindows用の「MetaHuman Animator Markerless Motion Capture Plugin」が必要です。
コアライブラリ「RigLogic / DNA」のオープンソース化
サードパーティ製アプリケーションにMetaHuman互換の機能を組み込みたい開発者に向けて、コア技術である「RigLogicおよびDNAライブラリ」がMITライセンスの下、GitHubで公開されました。
これにより、Unreal Engine上のMetaHuman CreatorやAnimatorとの互換性を保ちながら、開発者が任意のプラットフォームでMetaHumanを活用することが可能になります。これは、今後展開される「MetaHuman Devkit」の第一歩として位置づけられています。
テクスチャとマテリアルの外部編集対応
特定のルックを追求するアーティスト向けに、ベイクされていないテクスチャやマテリアルアセットをエクスポートし、Unreal Engineの標準エディタや外部DCCツールで編集する機能が追加されました。
さらに、カスタマイズした設定をMetaHuman Creator内でオーバーライド(上書き)として適用できるため、システムの恩恵を受けつつ独自の表現を実現できます。

カスタムライティングのプレビュー機能
MetaHuman Creatorにカスタムライティングシーンをインポートし、最終的なターゲット環境を想定したプレビューが可能になりました。
スカイドーム、ポストプロセスボリューム、ライトグループを含むテンプレートを使用し、制作中に視覚的な品質を検証できます。Lumenもフルサポートされており、MetaHuman Creator上での見え方と、実際のUnreal Engine内での見え方のギャップを埋めるのに役立ちます。
MetaHuman Animatorの改善と対応OS拡大
多様なカメラアングル、レンズの歪み、赤外線照明などの条件下において、リアルタイムおよびオフラインでのアニメーション解決(ソルブ)の品質が向上しました。
- ソルブおよびカーブ品質の向上: 新しいアニメーションモデルの導入により、様々なカメラアングル、レンズの歪み、赤外線ライティングなど、幅広いキャプチャ環境下での解析品質が向上しました。また、アニメーションカーブの出力がより扱いやすくなり、キーポーズでのクリーンなアクティベーションによって編集や微調整が容易になっています。
- MetaHuman Animatorのバッチ処理効率化: 大量のキャプチャデータを処理するためのAPIが改善されました。ソルブ(解析)からアニメーションのレビュー、エクスポートまでの全工程をカバーし、パイプラインの拡張に役立つリファレンス用のブループリントサンプルも提供されます。
- 対応OS拡大: MetaHuman Animatorが新たにLinuxおよびmacOSプラットフォームをサポートしました。これにより、Windowsマシンを用意することなく、パフォーマンスキャプチャからアニメーションを生成できるようになります。(プラットフォーム間でサポートされる機能には一部差異があります)。
- さらに、リアルタイムのオーディオ駆動モデルに、自然な頻度で発生するプロシージャルなまばたきや、音声からの自動感情検出機能が追加され停るようです。

Live Link Faceビデオのリアルタイムレビュー
iOSおよびAndroid上のLive Link Faceアプリから、映像をUnreal Engineへ直接リアルタイムでストリーミングできるようになりました。
Unreal EngineのMedia Profilesと統合することで、収録現場のスーパーバイザーやディレクターが、キャプチャ映像と解決済みのアニメーションを並べて確認することができます。
上記はMetaHuman 5.8における新機能の一部です。すべてのアップデート詳細は、公式のリリースノートをご確認ください。
利用について
MetaHuman CreatorおよびMetaHuman AnimatorはUnreal Engineの一部として提供されています。ご利用を開始するには、Unreal Engineの公式サイトから最新リリースをダウンロードしてください。
また、各種プラグインやアプリ、MetaHuman Devkitを利用して、パイプラインをさらに拡張することも可能です。































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