2026年6月15日(現地時間) – Chaosより、「V-Ray for Blender」の最新アップデートである「Update 3」がリリースされました。
主な新機能
このアップデートでは、Linux版の提供による主要OSの完全サポート、最新のBlender 5.1への対応、そしてHIPを通じたAMD GPUレンダリングのサポートなど、ハードウェアとプラットフォームの選択肢がさらに広がりました。
また、シェーダーノードの編集作業を高速化する「V-Ray Wrangler」や、建築の外観レンダリングにおいて実際のジオメトリを増やすことなくメモリ効率よく室内の窓を表現できる「Parallax Texture(視差テクスチャ)」といった新機能も追加されています。
OSとハードウェア、最新環境への対応

Linuxサポートによる完全なOS対応
V-Ray for Blenderが新たにLinuxに対応しました。これにより、WindowsおよびmacOSと合わせ、主要なOS環境がすべてサポートされます。個人の制作環境から、オープンソースツールを中心に構築されたスタジオのパイプライン、さらにはLinuxベースのレンダーファームまで、どのような環境であってもシームレスにV-Rayを利用できるようになります。
Blender 5.1 サポート
最新の安定版であるBlender 5.1に対応しています。レンダラーの対応状況を理由にアップデートを控える必要はなくなり、常に最新バージョンのBlender機能を活用しながら、安定してV-Rayでのレンダリングを継続することが可能です。
AMD GPUレンダリング対応
HIPプラットフォームを介して、AMDグラフィックカードでのV-Ray GPUレンダリングが可能になりました。16GBのVRAMを搭載したモデルなど、複雑なシーンの計算に適したハードウェアの選択肢が増加します。また、搭載VRAM容量を超えるデータに対する「アウトオブコア」レンダリングにおいても、安定したパフォーマンスを発揮します。詳しい比較はこちらから
V-Ray Wranglerによるノード編集の効率化
広く使われている標準アドオン「Node Wrangler」の代替となる、「V-Ray Wrangler」がネイティブ機能として搭載されました。
これにより、すでに使い慣れているキーボードショートカットをそのまま利用して、複雑なノード構成の接続、入れ替え、プレビューなどを瞬時に行うことができるようになり、シェーダー構築にかかる作業時間を短縮することが可能です。

機能とショートカットを見る
| ツール機能 (Tool Function) | ショートカットキー |
|---|---|
| Preview Node (プレビューノード) ノードをクリックすると、その出力をツリーのMaterial/BRDF出力に接続します。同じノードを複数回クリックすると出力が順番に切り替わります。状態は記憶されるため、ノードごとに前回の続きから切り替わります。 | Ctrl + Shift + 左クリック |
| Link to Output (出力へのリンク) アクティブなノードをツリーの出力ノードに接続し、最適な入力を自動で選択します。出力ノードがない場合は自動作成され、アクティブノードの右側に配置されます。 | O |
| Link Active to Selected (アクティブを選択にリンク) アクティブなノードと1つ以上の選択ノード間でワイヤーを接続します。V-Rayが方向を自動検出するため、選択ノードが1つで入力条件を満たす場合は、リンクが逆向き(選択→アクティブ)になります。 | K |
| Swap Links (リンクの入れ替え) 選択したノード数によって動作が変わります。2つ選択時は出力接続を入れ替えます。1つ選択時は入力の入れ替えや、次の空き入力への切り替え(Shift+Alt+Sで逆順)などを行います。 | Alt + S |
| Detach Outputs (出力の切り離し) 選択したノードとその入力を複製し、元のノードを削除(出力リンクを切断)します。 | Shift + Alt + D |
| Delete Unused (未使用ノードの削除) 出力がリンクされていないノードを反復的に削除します。出力ノード、レンダーチャンネルコンテナ、ライト、フレームなどは除外されます。 | Alt + X |
|
Add Reroutes (リルートの追加)
選択した各ノードの右側にリルートノードを挿入します。 ・すべての出力:/ ・リンクされていない出力のみ:Shift + / ・リンクされている出力のみ:Alt + / |
/ Shift + / Alt + / |
| Align Selected (選択ノードの整列) 選択範囲が水平か垂直かを検出し、ノードを一定間隔(デフォルト50px)の直線状にスナップして整列させます。 | Shift + = |
| Center Selected (選択ノードを中央に配置) 選択したノードを、表示されているノードエディタの中央に移動します。 | (なし) |
| Arrange Tree (ツリーの整理) 出力ノードを基準にノードツリー全体を整列させます。ワンクリックでの整理に便利です。 | (なし) |
| Merge Selected (選択ノードの結合) 選択したノードを結合(Merge)オペレーターを介してチェーン状に繋ぎます。Y座標の上から下へ順にソートされます。 |
Ctrl + テンキー0 + - * ÷ Ctrl + Shift + テンキー+ - * ÷ |
| Copy Settings (設定のコピー) アクティブなノードの設定を、同じプラグインタイプの他の選択ノードすべてにコピーします。異なるタイプのノードはスキップされます。 | Shift + C |
| Reset Selected (選択ノードのリセット) 選択したノードの全パラメーターをデフォルト値に戻します。ノード構成を壊さないよう、ランプや動的リストなどの構造属性は維持されます。 | Backspace |
|
Add PBR Texture Setup (PBRテクスチャの自動設定)
※Shader Node Tree専用。 MaterialツリーにVRayMtlが存在する場合、指定フォルダからPBRマップをスキャンして自動接続します。(Diffuse, Metallic, Roughness, Normal, Displacement等に対応) | Ctrl + Shift + T |
| Add UV Mapping (UVマッピングの追加) マッピングノードを作成し、選択したノードのuvwgen入力に接続します。マッピングタイプはサブメニューから選択でき、複数ノードでUV制御を共有したい場合に便利です。 | (なし) |
|
Wrap Selected (選択ノードのラップ)
※Shader Node Tree専用。 選択したBRDFまたはマテリアルノードをコンテナでラップします。(Switch Material, Layered BRDF, Bump / Normal, Displacement, Overrideの5種類から選択) | (なし) |
|
Add Displacement + Subdivision (ディスプレイス+サブディビジョンの追加)
※Object Node Tree専用。 DisplacementとSubdivisionのコンテナを作成・再利用し、Object出力に接続します。 | (なし) |
|
Make Shadow Catcher (シャドウキャッチャーの作成)
※Object Node Tree専用。 選択したオブジェクトのV-Ray Objectプロパティにおいて、Matte Surface, Affect Alpha等の必要な項目を自動で有効化します。 | (なし) |
|
Import Displacement Texture (ディスプレイスメントテクスチャのインポート)
※Object Node Tree専用。 Displacementコンテナを作成・再利用し、ビットマップをデータとしてインポートして接続します。 | (なし) |
| Copy Labels (ラベルのコピー) アクティブなノードのラベルを他の選択ノードにコピーします。 | Shift + V |
| Clear Labels (ラベルのクリア) 選択したすべてのノードのラベルをクリアします。 | Alt + L |
| Modify Labels (ラベルの変更) 一括変更用のダイアログを開き、プレペンド(先頭追加)、アペンド(末尾追加)、検索、置換を行えます。 | Shift + Alt + L |
ジオメトリ負荷を抑える視差インテリア
「V‑Ray Parallax Texture」が追加され、建築外観のレンダリングにおいて、窓の奥に見える室内表現を簡易的に再現できるようになりました。室内ジオメトリを個別にモデリングする必要はなく、窓ごとに奥行きや照明の効果を適用できます。
計算負荷が比較的軽く、設定もシンプルなため、室内照明が印象に影響する夜景シーンなどで、レンダリング時間を抑えながら一定の説得力を持つ表現を行う際に役立ちます。

その他の新機能と機能改善
その他の主な新機能
- ライトキャッシュのデノイズ(ノイズ除去)機能が導入
- マテリアルから直接トゥーンアウトライン(輪郭線)を追加できる機能が実装
- V-Ray Frame Buffer (VFB) 内で直接マテリアル、オブジェクト、フォーカスポイントを選択する機能の追加
- ジオメトリをV-Ray Proxyファイル(.vrmesh)としてエクスポートする機能の導入
- レンダリング設定のRenderボタン横に「Submit to Cloud(Chaos Cloudへ送信)」ボタンの追加
- ワンクリックでShadow Catcher(シャドウキャッチャー)オブジェクトを作成できる機能の導入
- レンダリング後、VFBからBlenderのコンポジターへレンダーチャンネルを転送する機能の追加
主な機能変更と改善点
- V-Rayレンダリング設定のUIを再構築し、新たに「Common(共通)」タブが追加
- ジオメトリノードツリー内でのライトのサポート
- ビューポートのデノイズをデフォルトで有効化し、Intel Denoiserを使用するよう変更
- V-Ray Blenderノードをノードグループとしてまとめる機能の追加
- V-Ray Cosmosアセットの編集機能を追加、およびトライプラナーマッピング付きでのインポートに対応
- VFBから直接DenoiserおよびLight Mixチャンネルの追加が可能に
- VFBのLight Mix設定をBlenderのシーンへ転送(反映)する機能の追加
- VFBでEffects Resultチャンネルへ自動切り替えするオプションの追加
- VFBのレンダー領域とBlenderのレンダー領域を同期
- サブディビジョン向けにエッジのクリース(折り目)のエクスポートの追加
- V-Ray Worldのプレビューをサポート
- V-Ray Proxyオブジェクトから編集可能なメッシュへの変換に対応
- 本番レンダリング時のマルチスレッドによるジオメトリエクスポートの導入や、カーブヘアのエクスポート最適化によるパフォーマンス向上
- V-Ray Cryptomatteのサポート改善およびパラメーターのアクティブ条件の追加
- その他、操作性を向上させるためのアイコン・名称変更、無効なノード接続の制限、ツールチップの修正など多数のUI改善を実施
価格とシステム要件
V-Ray for Blenderは、Blender 4.2 LTS~5.1を公式にサポートしています。最新のLTSリリースと直近2つの公式バージョンとの互換性を維持することを目標としているとのことです。
V-Ray for Blenderは現在WindowsとMacOSで利用可能です。Linuxへのサポートも計画されており、今後のアップデートで導入される予定です。
より詳しいシステム要件の価格はこちらから
V-Ray for Blender 料金プラン
| 月額プラン | 年額プラン | |
|---|---|---|
| 支払い方法 | 毎月払い | 年間一括 |
| 月額換算料金 | ¥4,698 | ¥2,389 |
| 年間一括料金 | – | ¥28,674 |
| 主な内容 | ・Blender版 V-Ray ライセンス x1 ・高品質なレンダリング機能 ・3Dアセットコレクション | ・Blender版 V-Ray ライセンス x1 ・高品質なレンダリング機能 ・3Dアセットコレクション |
補足事項
- 上記の価格はすべて税抜きです。
- 全てのプランに、無料の学習リソース、サポート、14日間の返金保証、継続的なアップデートが含まれます。
- V-Ray for Blender は V-Ray Solo ライセンスにも含まれています。
- さらに年間20,400円の学生ライセンスも用意されています。
V-Ray for Blender, update 3: Full OS parity, AMD GPUs & smarter workflows
































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