Blender向けリトポロジーツールの最新アップデート「RetopoFlow 4.1.8」が公開されました。
主な新機能
直近のアップデート(v4.1.6〜v4.1.8)では、モデリング作業の効率を向上させる多数の機能追加と改善が行われました。
ループ操作の微調整機能やスライド操作の拡張、自動プロジェクションの最適化など、日々のリトポロジー作業における細かなストレスを軽減する実用的なアップデートが中心となっています。
ここでは、新たに追加された主要な機能や改善点について詳しく紹介します。
ループの微調整(Loops Tweaking)機能の追加
ループを扱うツール群に、新たに「ループ微調整オプション」が追加されました。この機能は、特に腕や脚などの円柱状のメッシュを作成する際に多用される「Contours」ツールではデフォルトで有効になっています。
- エッジ(辺)をクリックしてドラッグするだけで、ループ全体を上下にスライドさせることができます。
- 境界部分(バウンダリ)のループであっても機能し、ドラッグ中は自動的にクランプ(移動制限)がオフになるため、境界を越えて自由にスライド可能です。
- StrokesツールやPolyPenツールではデフォルトでオフになっていますが、設定から有効にできます。有効時でも、頂点や面をドラッグした場合は対象のループが特定できないため、従来通りの微調整として機能します。
「G」キー2回押しによるスライド機能のサポート
これまでRetopoFlowのトランスフォーム機能では対応していなかった、「Gキーを2回押すことによるスライド」が利用可能になりました。Blender標準の操作感に近づき、より直感的にメッシュを整えることができます。
- 頂点を選択して「G」を2回押すと頂点スライド、辺やループを選択した場合はエッジスライドが行われます。
- 境界部分をスライドさせる際は、デフォルトでクランプがオフになっており、境界の外側へ少しはみ出すような調整も容易です(「C」キーを押すことでクランプのオン・オフを切り替えられます)。
自動プロジェクション(投影)方式の最適化
メッシュを表面にスナップさせる際、内部で自動的に「Face Project(面への投影)」と「Face Nearest(最も近い面)」を切り替えるようになり、より滑らかで安全な編集が可能になりました。
- 選択したすべての頂点がカメラ側(手前)を向いている場合は、視覚的に滑らかな「Face Project」を使用します。
- 選択範囲の中に、メッシュの裏側に回り込んでいる頂点が一つでも含まれている場合は、意図せぬ位置へのジャンプを防ぐために安全な「Face Nearest」が自動で選ばれます。
- ユーザーがこの設定を意識する必要はほぼありませんが、Tweakingオプションの「Automatic projection」をオフにすることで、手動で固定することも可能です。

PolyPenツールのナイフ機能の修正・安定化
PolyPenツールにおけるナイフツール(ループカットなど)に多数のバグ修正が入り、動作が劇的に安定しました。
- 面の中央に向かってループカットを入れた際も、適切に面が分割されるようになりました。
- 五角形(ペンタゴン)以上の多角形(Nゴン)を連続して通過するようなループカットの作成・終了が正常に行えるようになっています。
- メッシュの流れに自動追従するループカットの挙動が不要な場合は、ツール設定からオフにすることも可能です。
Relaxツールのパフォーマンスと安定性の向上
今回のアップデートの大きな目玉の一つとして、Relax(リラックス)ツールの処理速度と安定性が大幅に改善されています。
- 高密度のメッシュや、頂点が複雑に絡み合った状態でも、ドラッグした瞬間にラグなくスムーズにリラックス処理が開始されます。
- すべての面を同じくらいのサイズに整える「Equalize faces(面の均等化)」オプションも高速化されました。3ポールや5ポールの周りで頂点が収縮・膨張してしまう現象を防ぎつつ、安定して面を均等化できます。
- 極小サイズのメッシュで作業した際の問題も修正され、あらゆるスケールのオブジェクトに対して正常に機能するようになりました。
シーム・シャープ・クリースに沿ったスライド機能
TweakツールやRelaxツールを使用する際、あらかじめ設定した「シーム(UVの切れ目)」「シャープな辺」「クリース(折り目)」に沿って(固定して)頂点をスライドさせる機能が追加されました。
- マスキングオプションから、Seams(シームなど)の設定を「Include(含める)」から「Slide(スライド)」に変更することで機能します。
- これにより、ハードサーフェスのエッジや、衣服の縫い目などの重要なラインの形状を保ったまま、頂点の間隔だけを均等に再配置(リラックス)することができるようになります。
特定のオブジェクトやコレクションの直接指定機能
複数のオブジェクトが重なっているシーンにおいて、リトポロジーの対象とするオブジェクトを選ぶ作業がシンプルになりました。
これまでは、対象外のオブジェクトをアウトライナーで「選択不可」に設定するなどの手間が必要でしたが、General Options(一般オプション)内に新たに設けられた項目から、特定のオブジェクトやコレクションを直接指定(Include)できるようになりました。これにより、アウトライナーを操作することなく、狙った対象の表面だけに直接描画できます。
Blender内部からの直接アップデート機能
RetopoFlow自体の機能ではありませんが、Blenderの新しい拡張機能(Extensions)システムと連携し、Blender内から直接RetopoFlowをアップデートできるようになりました。
- アドオン販売サイト「Superhive」の購入履歴ページから、直接Blender内にドラッグ&ドロップし、APIトークンを入力することでリポジトリとして追加されます。
- 設定後は、Blenderのプリファレンス画面の「Extensions」一覧に新しいバージョンが表示され、他の標準アドオンと同様にボタン一つでアップデートが完了します。毎回サイトからZIPファイルをダウンロードし直す手間が省けます。
その他の新機能・修正・改善点
主な機能以外にも、直近のアップデート(v4.1.6〜v4.1.8)において以下の追加オプションやバグ修正が行われています。
- 法線補正の無効化: トランスフォーム時の面法線補正を無効にするオプションが追加されました。
- スナップ精度の向上: 「Face Nearest」スナップ時のデフォルトのステップ数が増加しました。
- ミラー境界付近でのRelax改善: ミラー境界におけるクリッピング問題が修正され、安定性が向上しました(v4.1.8)。
- PolyPenツールの判定修正: ブリッジが意図される箇所で誤ってループカットを行おうとする問題が修正されました。
- 法線反転バグの修正: 薄い曲面でのトランスフォーム時に法線が反転してしまう問題が修正されました。
- 自己スナップの回避: ループカットとスライドの最中に、メッシュ自身にスナップしてしまう問題が修正されました。
- ループ選択の修正: Blender 5.1以上において、ダブルクリックによるループ選択が正しく機能するように修正されました。
- 安定性の向上: 終了時にBlenderの設定が元に戻らない問題や、使用中にアドオンを無効化した際のクラッシュが修正されました。
- UIの整理: マイナーなUIのクリーンアップが行われました。
今回のRetopoFlow 4のアップデートは、地味ながらも日々のモデリング作業におけるストレスを軽減し、より快適なリトポロジー環境を提供してくれる機能改善が多数含まれています。主な新機能の動作は以下の動画でより詳しく見ることができます。
価格とシステム要件
Retopoflow 4は、Blender 4.2 以降で利用可能です。
ライセンスは、個人から大規模スタジオまで、複数のプランが用意されています。
価格は以下の通りです。
| Retopoflow 4 Personal | 商用利用可 | $85.99 |
| Retopoflow 4 Indie Team | 2〜5名 | $151.99 |
| Retopoflow 4 Full Team | 6〜14名 | $425.99 |
| Retopoflow 4 Studio | 15名以上 | $1,285.99 |
































コメント