Topaz Gigapixel 1.2&1.3がリリース!大規模モデルのローカル対応、「Wonder 3」「High Fidelity v3」モデルの追加など

CGソフト

更新情報:「Topaz Gigapixel」のバージョン1.3の情報を追加

Topaz Labsより、画像拡大・高画質化ソフトウェア「Topaz Gigapixel」のバージョン1.2.0がリリースされました。

主な新機能

今回のアップデートでは、強力なAIモデルをローカル環境で実行可能にする新技術「NeuroStream」および「NeuroServer」が Gigapixelにも導入されたほか、TopazPhoto で先に導入されていた高画質画像向けの新しいモデルが追加されています。

NeuroStream & NeuroServer — 大規模モデルのローカル処理

AI モデルの高性能化に伴い、必要となるハードウェアスペックも年々上がり続けていました。最良の結果を得るには非常に強力な GPU が求められ、多くのユーザーにとってローカル環境での実行は現実的ではありませんでした。

この課題を解決するために開発されたのが 「NeuroStream」 技術です。業界初となる独自の仕組みで、モデル実行時に必要な VRAM を最大 95% まで削減します。これにより、Wonder 2 や Wonder 3 のような大規模モデルを、出力品質を落とすことなく一般的なハードウェアで実行可能になりました。わずかに処理速度が低下するというトレードオフはありますが、これまでクラウドでしか扱えなかった高負荷処理を、手元のマシンで利用できるようになりました。

この技術をユーザーのデバイス上で動作させる役割を担うのが 「NeuroServer」 です。NeuroServer は軽量なローカルサーバープログラムで、対応モデルを選択すると自動的にバックグラウンドで起動し、処理が終われば自動的に終了します。特別な設定や操作は不要で、ユーザーは従来どおりのワークフローのまま利用できます。

NeuroStream と NeuroServer の組み合わせにより、これまでローカル実行の最大の障壁だった VRAM 要件が大幅に緩和され、強力なモデルを一般的なハードウェアでも扱えるようになりました。Topaz Labs は今後、この技術を活用したモデルをさらに拡充していく予定とのことです。

Wonder 2 のローカルレンダリング対応

前バージョンで追加され、アーティファクトの少ない強化処理やテキスト保持、写真のような復元力で高く評価されていた Wonder 2 モデルですが、その高いリソース要件から、これまではクラウド処理に限定されていました。

今回、NeuroStream と NeuroServer の導入によって、この高品質モデルがついに ローカル環境でも利用可能になりました。これにより、クラウドに依存せず手元のマシンで Wonder 2 の性能を活かせるようになりました。

Wonder 2による正確なテキスト保持の例
Wonder 2による自然な肌のテクスチャ復元の例

対応ハードウェアをお持ちの場合は、用途や好みに応じて ローカル処理 と クラウド処理 を切り替えて使うことができます。ローカルモデルはクラウド版と比べてわずかにシャープでノイズが少なく、特に 顔や肌のディテール再現に優れているという特徴があります。

ポートレートやキャラクターのレンダリング画像を扱う際は、両方の出力を比較してみると違いが分かりやすいはずです。また、ローカル処理で完結するため アップロード時間を気にせず作業を進められる点も大きな利点です。

ローカルレンダリングの対応環境

現在、ローカルレンダリングは以下の環境でサポートされています。

  • NVIDIA GPU: VRAM 8GB以上
  • AMD GPU: VRAM 8GB以上
  • Apple Silicon: メモリ16GB以上、macOS 14以降

※ Intel MacおよびWindows ARM(Snapdragon)のユーザーは、引き続きクラウドレンダリング(最大100MPの出力に対応)を使用することになります。

Wonder 3 — 低品質画像からのスマートな復元

Wonder 2 は、一般的な高画質化において非常に高い基準を確立したモデルでしたが、ぼやけやソフトフォーカス、過度に引き伸ばされた偽解像度など、もともとのディテールが極端に少ない画像の復元には限界がありました。

新たに実装された Wonder 3 は、画像サイズや品質を問わず幅広く対応できるモデルで、Wonder 2 では改善しきれなかった低品質画像も、写実性を重視して自然に復元します。特に、複雑な構造を持つ画像に対しても、特別な調整を行わずに自然なディテールを生成できる点が大きな特徴です。

人物画像の処理では、従来の AI モデルだと肌や髪が不自然に滑らかになったり、同じパターンが繰り返し生成されるといった問題が起きることがありました。Wonder 3 では、髪の毛の流れや肌の微細なテクスチャなど、自然な質感(不完全さを含むリアリティ)をそのまま再現できるようになっています。

Wonder 3によるポートレートの処理結果。AIモデルにありがちな不自然に滑らかな肌や規則的すぎる髪の毛の描写が抑えられ、髪の自然な流れや、滑らかになりすぎない写実的な肌の質感が表現されています。

野生動物の復元でも同様で、目の鋭さや羽毛のディテールが、柔らかさと精細さのバランスを保ちながら描写されます。複雑な構造を持つ被写体でも、特別な調整をしなくても自然なディテールが生成される点が大きな強みです。

コントロールパネルには Scale(出力サイズ) と Enhancement strength(生成の強さ) の 2 つのスライダーが用意されており、低ディテール画像が検出されると自動的に適切な強度が設定されます。そのため、多くのケースでは手動調整を行う必要がありません。Wonder 3 のローカルレンダリング環境も、前述の Wonder 2 と同じ仕組みで動作します。

High Fidelity v3 — ディテールの保持とアーティファクトの低減

「High Fidelity(高忠実度)」モデルは、すでに状態の良い画像をさらに引き上げるためのモデルです。元の画像に存在しない情報を推測して補うのではなく、既存のディテールをよりシャープにし、テクスチャを整え、フル解像度でも破綻しない品質へアップスケールすることを目的としています。

前バージョンの v2 では、残すべき細かなディテール(意図的なノイズや質感)まで除去してしまったり、反復的なパターンが発生したり、過度にシャープネスがかかるといった課題がありました。こうした問題は、特に自然物や微細なテクスチャを含む画像で目立つことがあり、改善が求められていました。

High Fidelity v3 の中心となる改良は、2 段階構造のアーキテクチャです。アップスケール処理に入る前に、まず分析モデルが画像全体とブロック単位の両方を読み取り、細かな文脈まで把握します。そのうえでアップスケールモデルが処理を行うことで、高倍率でも元の印象を損なわず、より現実的で自然なディテールを生成できるようになりました。

この仕組みにより、植物(葉や草)で発生しがちだった 人工的な反復パターンが大幅に減少し、自然なばらつきが表現されます。また、従来は滑らかになりすぎたり粗くなったりしていた 肌の質感も、自然な柔らかさを保ったまま再現されます。

Before imageAfter image

上の比較で、v2の出力は空のノイズを平滑化しようとした結果、旗のノイズが不自然に残り、ディテールが少しぼやけています。一方新しいv3の出力は、ノイズを画像の重要な構成要素として扱い一貫性を保ちつつ、旗のラインや星のディテールをシャープにしています。

High Fidelity v3 は、RAW ファイルや 6 メガピクセル以上の高解像度画像に最適です。、元画像の品質や解像度が低い場合は、より復元力に優れた Wonder 3 を使用する方が適しています。

既知の問題

  • High Fidelity v3の初期設定における強度が、初回起動時に高すぎる状態に設定されている場合があります。使用を開始する際は、強度の数値を「50」に下げてから調整を始めることが推奨されています。

Recover Faces 3 — ポートレート品質の顔修復モデル

v1.3アップデートでは、ポートレート品質の顔修復モデル「Recover Faces 3」が追加されました。このモデルでは、従来の「Recover Faces 2」が抱えていた次の2つの大きな課題が解決し、実用性が大きく向上しています。

新しい「Recover Faces 3」ではこのサイズ制限が撤廃されました。画像内の顔の大きさに関わらず、シャープでポートレート品質のディテールを復元できるようになっています。

また、従来モデルのもう一つの問題点は、適用強度(Strength)を高く設定した際にドット状のノイズ(アーティファクト)が発生することでした。ぼやけた顔や低品質な顔を修復する際には強い効果が必要になりますが、ノイズの発生により結果が使い物にならなくなることがありました。

「Recover Faces 3」ではこの問題も解決されており、画質が要求する高さまで強度を上げても、アーティファクトを心配する必要がなくなりました。これにより、大きく劣化した顔画像であっても、高品質な修復が可能になります。

「Recover Faces 3」適用時の結果。細部のディテールがシャープに復元されています。

さらに詳しい情報は同モデルが搭載されているTopazPhoto の記事をご覧ください。

NeuroServerモデルの速度向上

さらに、v1.3アップデートでは、NeuroServerを基盤とするモデルの処理速度が大幅に向上しました。モデルの読み込み時間が短縮され、Wonder 3、Super Focus v3、およびDenoise Maxの処理速度が向上しています。

NVIDIA RTX 3080を使用し、2,000万画素の出力でテストを行った結果、処理速度が330%向上したことが確認されています。より解像度の高い画像や、より高性能なGPUを使用している場合、この速度向上はさらに顕著になる可能性があります。

処理時間がネックでこれらのモデルの使用を控えていたユーザーにとって、非常に有益なアップデートと言えます。

既知の問題 

現在、以下の問題が確認されており、次回のパッチで修正される予定です。

  • 8GBのVRAMを搭載した環境において、「Recover Faces 3」を使用中に、断続的にGPUメモリ不足(Out of GPU memory)エラーが発生する。

その他の変更点

バージョン1.2.0

  • Redefine creativity(クリエイティビティの再定義)の設定がLow(低)に戻ってしまう問題の修正。
  • クロップ(切り抜き)機能が最大スケールを誤って制限してしまう問題の修正。
  • 「ヘルプ(Get help)」ダイアログ上でショートカットキーが意図せず動作してしまう問題の修正。
  • Mac用のインストーラーが、x86_64(Intel)用とarm64(Apple Silicon)用で分離されました。

バージョン1.3.0

  • NVIDIA、AMD、Apple Siliconデバイス向けに、NeuroServerを介した「Face Recovery v3 (Recover Faces 3)」を追加。
  • 「Wonder 3」および「Face Recovery v3」の処理を高速化するためのNeuroServerのアップデート。
  • 画像分析における顔解析(Face Parse)モデルで発生していたクラッシュを修正。
  • Windowsデバイスで外国語ロケール(英語以外など)を使用している環境において、「Recover v3」の出力結果がグレーになってしまう問題を修正。

価格とシステム要件

Topaz Gigapixel は、Windows 10 or 11(intel or AMD)、Windows 11(ARM)、macOS 12 Monterey 以降で利用することができます。

Topaz Gigapixel の価格は以下の通りです。

月額払い 年額払いお得
主な機能
  • 無制限のローカルレンダリング
  • 無制限のクラウドイメージレンダリング
  • 標準モデル

    Standard, High Fidelity, Low Res, Text & Shapes, Art & CG, Recover, Redefine, Face Recovery

  • Wonder (クラウド) モデル
  • Standard MAX (クラウド) モデル
  • 2イメージのクラウド同時処理
  • 限定的な商用利用

    年間収益100万ドル未満の組織向け

Pro
$50 /月
年間コミットメント
Personalプランの全機能, さらに…
  • シート管理 (1〜5)
  • Wonder (ローカル) モデル
  • Standard MAX (ローカル) モデル
  • 4イメージのクラウド同時処理
  • 完全な商用利用

より大規模な組織向けのEnterpriseプランについては、別途お問い合わせください。

最新の価格システム要件の価格の確認は Topaz Gigapixel 公式ウェブサイトへ

また、3つのデスクトップアプリが含まれた Desktop Collection や Topaz Studio の一部としても利用することができます。

詳しい価格オプションはこちらから

Topaz Studio に関してはこちらの記事をご覧ください。

ダウンロード

Topaz Gigapixel v1.2.0は以下のリンクよりダウンロード可能です。

Topaz Gigapixel v1.3.0は以下のリンクよりダウンロード可能です。

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました