2026年3月23日(現地時間)- AMDは同社の開発者向けポータルサイト「GPUOpen」にて、最新の「AMD FSR SDK 2.2」を公開しました。このアップデートは、2025年12月に発表された「Redstone」アーキテクチャの提供開始以来、初めてとなる大規模な更新となっています。
バージョン2.2の主な新機能
AMD FSR “Redstone” SDK は、機械学習(ML)と解析的手法を組み合わせることで、アップスケーリング、フレーム生成、レイトレーシング用デノイズ、ライティング処理などにおいて高い映像品質とパフォーマンスを実現する技術です。
このSDK には、RDNA 4 アーキテクチャ向けに最適化された 4 つのニューラルレンダリング機能(Upscaling、Frame Generation、Ray Regeneration、Radiance Caching)が収録されており、今回のバージョン 2.2 では特に「AMD FSR Upscaling 4.1」と「AMD FSR Ray Regeneration 1.1」が大幅に強化されています。
また、機械学習機能を利用できない RDNA 3.5 以前のハードウェアに向けては、従来の解析ベース手法(FSR 3)を用いたフォールバックモードも用意されており、幅広い AMD ハードウェア環境を単一の実装でサポートできます。
AMD FSR Upscaling 4.1
「AMD FSR Upscaling」は、低解像度のフレームからネイティブレンダリングと同等、あるいはそれ以上の品質を再構築する最先端のアップスケーリング技術です。
バージョン 4.1 では推論処理がアップデートされ、特に オブジェクトが動いているシーンにおける画質が向上し、よりシャープで安定した映像が得られるようになりました。
さらに、ウルトラパフォーマンスモードや動的解像度スケーリング(DRS)の挙動も改善されています。


AMD FSR Ray Regeneration 1.1
「AMD FSR Ray Regeneration」は、レイトレーシング特有のノイズを除去し、クリアな映像へと再構築する機械学習ベースのリアルタイムデノイザーです。
バージョン 1.1 では、全体的な画質向上に加えてメモリ使用量が削減され、より効率的に動作するようになりました。また、開発時の検証に役立つデバッグビューモードも新たに追加されています。


開発者への注意点: FSR Ray Regeneration 1.1は、バージョン1.0からのABIの破壊的変更(互換性のない変更)が含まれています。移行に関する詳細は、FSR Ray Regeneration SDK ドキュメントをご確認ください。
ブランド名の「AMD FSR」への統一について
昨年12月のリリースに伴い、AMDは関連技術のブランド名を整理しました。
これまで「AMD FidelityFX」として提供されてきた一連の技術は、すべて「AMD FSR」ブランドの下に統合されます。これにより、ゲームのUI等において開発者が実装しやすくなり、ゲーマーにとっても機能の認識が容易になります。
AMDはこれに合わせ、ゲーム内での機能表記に関する命名ガイドラインも公開しています。
システム要件
このSDKを統合・実行するにあたり、以下の動作要件が指定されています。
対応GPUハードウェア
- FSR Upscaling 4.1.0: AMD Radeon RX 9000 シリーズ以降(※Shader Model 6.4対応が必須)
- FSR Frame Generation 4.0.0 / Ray Regeneration 1.1.0 / Radiance Caching 0.9.0 (プレビュー版): AMD Radeon RX 9000 シリーズ以降(※Shader Model 6.6対応が必須。DirectX 12 Agility SDK 1.4.9以降が必要)
- FSR 3.1.5 / 2.3.4 (フォールバック用): AMD Radeon RX 500 シリーズ以降、または他社製同等GPU(※Shader Model 6.2対応が必須)
- FSR Frame Generation 3.1.6 (フォールバック用): AMD Radeon RX 5000 シリーズ以降、または他社製同等GPU(※Shader Model 6.2対応が必須)
対応グラフィックスAPIおよびエンジン
- DirectX 12
- Unreal Engine 5 FSRプラグイン(※現在プラグイン側はFSR Upscaling 4.0.3が利用されており、後日4.1へと更新される予定です)
対応OS
- Windows 10
- Windows 11(※FSR Frame Generation 4.0.0 および FSR Ray Regeneration 1.1.0 の使用にはWindows 11が必須)
ダウンロードと関連リソース
AMD FSR SDK 2.2 のバイナリファイルおよび限定的なソースコードは、現在GitHubにて公開されています。詳細な実装方法やフィードバックの提供については、以下のAMD公式リンクをご参照ください。
- GitHub: FSR SDK 2.2 ページ
- AMD FSR Upscaling ページ
- AMD FSR Ray Regeneration ページ
- AMD FSR SDK 公式ドキュメント
- AMD FSR SDK ページ (GPUOpen)
- AMD FSR 命名ガイドライン
























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