CRT (pgcrt)氏によるBlenderアドオン「OpenBlender」の紹介です。
OpenBlenderとは
OpenBlenderは、生成AIなワークフローをBlenderに直接統合することができるアドオンです。このアドオンにより、Blenderを離れることなく、画像の生成、動画の作成、3Dモデルの生成、そしてAIアシスタントの活用が可能になります。
このアドオンは、CRT (pgcrt)という3Dレンダリング、音響エンジニアの方によって作成されているようです。civitaiでComfyUIのワークフローなんかも公開しています。
アドオンの内部では、Zimage Turbo、Flux Klein、LTX2、Trellis 2といった最先端の生成モデルが連携して動作しています。すべての処理はバックグラウンドスレッドで実行されるノンブロッキング設計となっているため、生成中であってもBlenderの応答性が失われることはなく、クリエイティブな作業を妨げないようになっています。
主要なシステム
OpenBlenderは、ユーザーの作業を邪魔しない直感的でスマートな設計思想に基づいています。主な特徴は以下の通りです。
スマートモニタリングとビューポート統合
カメラビューやフリービューにおいてアスペクト比を正確に維持。「変更時実行(Run on Change)」モードを有効にすると、カメラの視点変更などを自動で検知し、操作を止めたタイミングで新たな生成を自動的にトリガーします。
カスタムワークフローの読み込み
本アドオンは、単なるプリセット集ではありません。ComfyUI で作成した任意のワークフロー(JSON 形式)を読み込み、Blender 内から独自の AI パイプラインをそのまま実行できます。
スマートなアセット管理
生成された画像は、画像エディター内に「Result」「Result_001」「Result_002」…といった形で自動的に連番保存されます。生成した動画は自動的に Blender のビデオシーケンサー(VSE)に配置されるため、そのまま編集作業へスムーズに移行できます。
モジュラーUIと高速化オプション
サイドバー(N パネル)が機能で埋まりすぎないよう、設定画面から必要なパネルだけを表示できるトグル機能を備えています。さらに、推論速度を大きく向上させる「SageAttention」のオプションインストールにも対応しています。
主な機能
OpenBlenderには、生成、リミックス、LoRA、HDRI生成、チャット、リモート制御を網羅する8つの主要機能が搭載されています。
IMG to IMG(画像生成)
Blenderのビューポート(フリービューまたはカメラビュー)の見た目をベースに、直接画像を生成します。任意のタイミングで生成する「Run」モードと、視点変更ごとに自動生成される「Run on Change」モードを搭載しています。
Megapixels (解像度)
0.1 ~ 1.0 の範囲で設定可能
Steps (推論ステップ数)
1 ~ 12 の範囲で調整可能
Denoise (ノイズ除去強度)
0.0 ~ 1.0。元の形状をどれだけ維持するかを決定します。(※Z-Image turbo使用時のみ有効。Flux2 Klein使用時は 1 に固定されます)
IMG to VID(動画生成)
シーン内の「開始・中間・終了」となる3つのキーフレーム画像から、滑らかな動画クリップを生成することが可能です。指定したキーフレームを再度クリックするだけで、画像を簡単に置き換えることができます。
フレーム数と生成解像度を個別に設定でき、生成完了後の動画は自動的にBlenderのビデオシーケンサー(VSE)へ配置されるため、すぐに確認・編集が可能です。
IMG to 3D(3Dモデル生成)
参照画像をドロップして「Start」をクリックするだけで、数分でテクスチャ付きのフル3Dモデル(GLB)を生成し、Blenderにインポートできます。
ローカルGPU上で「Trellis 2」モデルを直接実行するため、生成されたアセットで背景やシーンを素早く構築するのに最適です。(※初回実行時のみ、必要なモデルの自動ダウンロードが行われます)
Remix(画像リミックス)
画像エディターのサイドパネルから、現在表示されている画像を使用して、モードを切り替えることなく新たな画像を生成(IMG to IMG)することができます。
レンダリング結果やモデルのテクスチャ、環境テクスチャなどを自由にリミックスできるだけでなく、純粋な空白画像に対してプロンプトのみでゼロから生成することも可能です。元の画像が上書きされることはなく、結果は別名(Remix.001等)で保存されます。
さらに、気に入った生成結果をそのままワンクリックで「IMG to 3D」へ送り、即座に立体化させる強力な連携機能も備えています。
Steps / Denoise
ステップ数は 1〜20。ノイズ除去強度(0.0〜1.0)で変化の度合いを制御します。
LoRAサポート
お好みのカスタムLoRAモデルを、画像や動画の生成ワークフローに簡単に組み込むことができます。
使用方法は、ComfyUIのWebインターフェースで「IMG to IMG」や「IMG to VID」のワークフローを開き、LoRAノードを追加してAPI JSON形式で保存するだけです。保存後は、OpenBlender内で生成するたびに設定したLoRAのスタックが自動的に適用されます。CivitAIなどで公開されている一般的なComfyUI互換LoRAを利用可能です。
TXT to HDRI
テキストプロンプトから、正距円筒図法の完全な360度パノラマHDRI環境マップを生成することができます。
「FLUX.2-Klein」モデルと、パノラマシーンに最適化された専用のHDRI LoRAを組み合わせて高品質な出力を実現し、生成された画像は直接Blenderのワールド環境(World Environment)として適用可能です。
AI Chat
BlenderのUI上にフローティングボタンとして統合されたAIアシスタント機能が利用可能です。チャット画面は、Blenderの作業画面(ビューポートなど)の上に、常に表示されます。
- クラウド接続: OpenRouterを経由して、Claude 3.5 Sonnet、GPT-4、Llama 3、Mistralなどの高性能モデルを利用できます。
- ローカル接続: LM Studioを経由して、GLM 4.7やQwen Coderなどのローカルサーバーで稼働するモデルに接続することも可能です。
MCP Server
外部のAIアシスタントやプログラムが、リモートでBlenderを直接制御できるようにするMCP Serverにも対応しています。
OpenBlenderに組み込まれた「OpenClaw (MCP Server)」は、外部のAIエージェントがBlenderをリモート制御するためのHTTP/SSEエンドポイントを提供します。デフォルトポートは 9876 で、APIキーによる認証も設定可能です。
- 幅広い制御: シーン内のオブジェクト操作、マテリアル編集、アニメーションの設定、レンダリングの実行など、Blenderの各種機能を外部からコントロールできます。制御可能な項目例は、シーン操作、オブジェクト作成・変更、マテリアル編集、レンダリング制御、アニメーションツール、ビューポート操作が挙げられています。
- AIツール連携: Claude DesktopやCursorなどのMCP対応ツールと繋ぐことで、「チャットで指示して自動でシーンを構築させる」といった次世代のワークフローを実現します。
- セキュリティ: オプションでAPIキーによる認証を設定できるため、安全なリモート操作環境を構築できます。デフォルトポートは
9876です。
APIリファレンス
GET /
サーバーのステータスを確認します。
GET /sse
MCPプロトコル用のサーバー送信イベント(SSE)接続を確立します。
POST /message
サーバーに対して操作メッセージを送信します。
システム要件とインストール
- システム環境: Blender 5.0以降(旧バージョンでの動作は未保証)。
- 推奨GPU: EEVEEでの描画と各種AIモデルをローカルで同時実行するため、RTX 4090 または同等の十分なVRAMを搭載したNVIDIA製GPUの搭載が強く推奨されています。
- ネットワーク: MCPサーバーはデフォルトでポート
9876、ComfyUIは8188、ローカルチャット(LM Studio)は1234を使用します。
2. インストール手順
アドオンのインストール
OpenBlenderの拡張機能パッケージ(zipファイル)をダウンロードします。Blenderを開き、編集 → プリファレンス → 拡張機能 (Extensions) に移動します。「ディスクからインストール (Install from Disk)」をクリックしてzipファイルを選択し、チェックボックスをオンにして有効化します。
ComfyUIとモデルのセットアップ(自動インストーラー)
画像・動画・3D生成の基盤となるComfyUI環境を構築します。
- Visual C++ 再頒布可能パッケージ をインストールします。
- Windows PowerShell 7 をインストールします。
- NVIDIAグラフィックドライバを最新バージョンに更新します。
- エクスプローラーでアドオンのディレクトリ(通常は
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Blender Foundation\Blender\5.0\extensions\user_default\openblender)を開きます。 install_comfyui_aio.batを実行し、画面の指示に従います。これによりComfyUI本体、必須ノード、依存ライブラリ(SageAttention等)、およびすべてのAIモデルが自動的にインストールされます。- インストール後、ComfyUIのWebUI上で同梱されている4つのワークフロー用
.jsonファイルをドラッグ&ドロップして動作確認を行ってください。正常に出力されれば設定完了です(以降はワークフローを編集しない限りWebUIを開く必要はありません)。
LM Studioのインストール(任意・ローカルLLM用)
ローカルでチャットAIを動かす場合は、lmstudio.ai からLM Studioをダウンロード・インストールします。目的のモデルを検索してダウンロードし、Developerタブからサーバーを起動します。
初期設定(Configuration)
Blenderの 編集 → プリファレンス → アドオン → OpenBlender を開きます。モデルのプロバイダー(OpenRouter または LM Studio)、APIキー、ComfyUIのサーバーURL(デフォルト: http://127.0.0.1:8188)を設定します。サイドバー(Nパネル)に表示する機能のオン・オフもここで切り替え可能です。
アップデート方法
新バージョンがリリースされた場合は、購入先(Gumroad)からパッケージを再ダウンロードし、アドオンフォルダ内のファイルを上書きします。その後、フォルダ内の Verify_UpdateModels.bat を実行することで、新規や不足しているモデルが自動で追加ダウンロードされます。
Tipsとトラブルシューティング
パフォーマンスを向上させるには
- RAMを最大限に生成へ割り当てるため、ComfyUIの生成ワークフローを実行する前には、LM Studioの言語モデルをアンロードしておくことが推奨されています。
- 「SageAttention」をインストールすることで、推論速度の向上が見込めます。
- IMG to VID実行時にVRAM不足のエラーが出る場合、設定ファイル(
ComfyUI/comfy/supported_models.py)内のmemory_usage_factorの数値を0.061から0.2程度に変更して調整してください。
接続や動作に関する問題
- 接続エラー: 各種生成機能を使用する前に、ComfyUIを手動で起動しているか確認してください。設定されたサーバーURL(デフォルト:
http://127.0.0.1:8188)にブラウザでアクセスし、画面が表示されるか確認します。 - モデル・ノード不足: モデルが見つからない場合は
Verify_UpdateModels.batを実行してください。ノード不足の場合はComfyUI Managerの「Install Missing」を利用してインストールし、再起動します。 - デバッグ方法: Blenderの上部メニューから
ウィンドウ → システムコンソールを切り替えを選択します。コンソール上の[OpenBlender]や[PostProcess]のログ出力を確認することで、エラーの原因を特定しやすくなります。
価格について
OpenBlenderはの価格は€12.99+となっています。

























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