Blender用レイヤーベースのペイントツール「MATPLUS」がV 1.1にアップデート!スマートマテリアル&デカール機能が追加!

プラグイン

B3FX Studios によるBlender用レイヤーベースのペイントツール「MATPLUS」バージョン1.1.0がリリースされました。

今回の更新では、最新のBlender 5.0への対応をはじめ、ワークフローを効率化する数多くの新機能が追加されています。

Trailer – MatPlus 1.1 Material Paint Layer Unified System for Blender

ここでは、新機能リストと今回の主要なアップデートである新しいスマートマテリアルとデカール&リンク機能について詳しく紹介したいと思います。

 スマートマテリアル

モデルの幾何学的な「特徴」を自動的に認識し、リアルな質感を構築することができるインテリジェントなシステム「スマートマテリアル」が追加されました。

通常マテリアルとの違い

通常のマテリアルは、モデル全体に均一なテクスチャを適用するため、エッジの摩耗や窪みの汚れを手作業で描き込む必要があります。対してスマートマテリアルは、ベイクされた各種マップを「座標データ」として利用します。

これにより、エッジの摩耗(Edge Wear)や窪みの汚れ(Dirt)を、形状に合わせて自動配置することが可能です。

  • エッジの摩耗(Edge Wear): Edgeマップを参照し、モデルの角だけに剥げや傷を自動配置。
  • 窪みの汚れ(Dirt/Crevice): AO(アンビエントオクルージョン)やCurvature(曲率)を参照し、深い部分に汚れや錆を蓄積。

スマートマテリアルの内部構造

スマートマテリアルは、複数のレイヤー、エフェクト、フィルターが格納された「フォルダ単位」で構成されています。例えば、Base(基本色)、Dirt(汚れ)、Edge(角の摩耗)、Detail(微細な傷)といったレイヤーが重なり合っています。

  • ブラックマスクとインテリジェントマスク: 各レイヤーはブラックマスクで制御され、そこに「インテリジェントマスク」を適用することで、モデルの形状に合わせた自動的なマスク生成が行われます。
  • マスクのブレンドモード: Photoshopのように、複数のマスク同士を「乗算(Multiply)」や「追加(Add)」で重ね合わせることが可能です。これにより、汚れの上にさらに錆を重ねるといった複雑な質感を論理的に構築できます。
  • 高度なカスタマイズ: 各マスクのBalance(バランス)やContrast(コントラスト)をスライダーで調整するだけで、モデルの経年劣化具合を瞬時に変更可能です。

ワークフローの標準化と再利用性

一度構築した複雑なレイヤー構造は「Create Smart Material」機能でライブラリ化できます。保存されたマテリアルは、他のプロジェクトの異なるモデル(Suzanneやロボットなど)に適用しても、そのモデルのベイクデータに基づき、最適化された状態で質感が再現されます。

注意:導入前の準備

スマートマテリアルを正しく動作させるには、モデルのEdge、AO、Curvature等のベイクが必須です。また、配布ファイルの解凍には、互換性の問題を防ぐためWinRAR等の外部ソフトの使用が推奨されています。

BFX Studios Tutorial Series

MATPLUS スマートマテリアル完全ガイド

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デカール&リンク機能

バージョン1.1.0で追加された「デカール(Decals)」と「リンク(Links)」は、モデルにスタンプやステッカーのような装飾を追加し、それを周囲の質感と完全に調和させることができる機能です。

デカールの基本操作

  • 直感的な配置: デカールを追加するとBlender上に「エンプティ(Empty)」オブジェクトが生成されます。これに対し、Blender標準の移動(G)・回転(R)・拡大縮小(S)コマンドを使って、モデル表面の任意の場所にステッカーを貼る感覚で配置できます。
  • 投影深度の調整: 複雑な曲面に配置する際、表示が途切れる場合は「Decal Texture Depth」を上げることで正しく投影できます。ただし、値を上げすぎると裏側まで貫通して投影されるため注意が必要です。
  • ブレンドモードの活用: デカールの「Height(高さ)」チャンネルにおいて、ブレンドモードを「Mix」に設定することで、下の層の質感を遮断し、独立した「厚みのあるステッカー」としての実存感を出すことができます。

リンク機能による質感の統合

「リンク」は配置したデカールを他のレイヤーから参照する機能です。これにより、単にステッカーを「上に乗せる」だけではなく、周囲の質感と馴染ませることができます。

  • エフェクトの適用: リンクを介して「ブラー」や「ハイパス」フィルタを適用することで、デカールの縁に影(コンタクトシャドウ)をつけたり、ステッカーに「折り目(Folds)」の質感を加えたりすることが可能です。
  • エッジダメージの共有: リンクを有効にすると、デカールの境界線をモデルの「エッジ(角)」として認識させることができます。これにより、デカールの端にだけ摩耗や傷(Edge Wear)を発生させるといった高度な表現が可能になります。
  • グローバルアップデート: デカールの位置やサイズを変更した際、「Update All Layers Global」ボタンを押すだけで、リンクされたすべての影や汚れの効果が新しい位置に一括更新されます。

注意:リンクの解像度

リンクは内部的にテクスチャをベイクするため、解像度設定(2K, 4K等)が品質に直結します。細かな文字などを含む場合は4K以上の設定が推奨されますが、PCのパフォーマンスとのバランスに注意してください。また、現在デカール削除時にノード接続が途切れる不具合が確認されていますが、次期アップデートで修正予定です。

BFX Studios Tutorial Series

MATPLUS デカール&リンク機能ガイド

チャプターを選択すると解説が表示されます。

新機能一覧

以下は、バージョン1.1.0で実装されたすべての更新内容です。

コアシステムと拡張機能

  • Blender 5.0 サポート: 最新環境への完全対応。
  • スマートマテリアル機能: 形状認識型プリセットの導入。
  • レイヤー上の直接編集: マスク不要でテクスチャ、ジェネレーター、フィルターを直接使用可能に。
  • デカール(Decals)機能: スタンプ/ステッカー配置機能の実装。
  • 平面投影(Planar Projection): テクスチャ投影モードに追加。
  • インテリジェントマスクのリセット: 調整内容の初期化オプション。
  • リンク画像の追加: マテリアルチャンネルへの画像リンク対応。

新規フィルター・エフェクト・ジェネレーター

  • 新規フィルター: HSV、RGBカーブ、マップ範囲(Map Range)、ヒストグラムシフト。
  • 新規エフェクト: ベベル(Bevel)効果。
  • 新規ジェネレーター: スクラッチ(擦り傷)、ホワイトノイズ。
  • 機能向上: Slope Blur(スロープブラー)の改善、Dotジェネレーターへの回転・スケール項目の追加。

UX・操作性の向上

  • パラメータの露出(Exposed): チャンネルやエフェクトの係数(Factor)やブレンドモードを直接編集可能。
  • マスクの許容値(Tolerance): カラーピッカー使用時の調整に対応。
  • ベースマスクの色変更: 最初からやり直さずに色を修正できる機能。
  • ショートカットキー: レイヤー/グループの複製、上下移動への対応。
  • ブラシ統合カラー表示: ペイントレイヤーでの色表示サポート。
  • カスタムアイコン: アイコンの追加および更新。
  • ベイク高速化: 単一マップ選択時のベイク処理スピード向上。

主な不具合修正

  • AmbientCG素材の解像度変更時のsRGB設定ミスを修正。
  • レイヤー/グループのミュート解除時におけるノード同期の問題を解決。
  • ブラシの「Global Color」オプションの適用不具合を修正。
  • ベイクが頂点カラーではなくテクスチャに対して行われるよう保証。
  • アドオンオプション内のパス(Path)問題を修正。
  • エクスポートセクションのローカル設定が消失する問題を修正。
  • マテリアルライブラリ追加時のチャンネル作成ロジックを改善。

MATPLUSとは

「MATPLUS」は、外部ソフトウェアを使用せずBlender内部だけで完結する、Substance PainterやMariのようなレイヤーベースの非破壊的なペイントツールへと拡張するアドオンです。

マスク、リアルタイムエフェクト、ブレンドモード、UDIM対応など、プロフェッショナルなテクスチャ制作に必要な機能を備えています。詳細は以下の記事をご覧ください。

価格とシステム要件

MatPlusは、Blender 4.5 以降で利用できます。

価格は75ドルです。

他にも、複数シートのあるIndie&Studioライセンスも用意されています。

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