Google、リアルタイムで仮想環境を生成して探索することができる実験的ウェブアプリ「Project Genie」を公開

CGソフト

2026年1月29日(現地時間) – Google DeepMindは、リアルタイムで探索できる研究プロトタイプ「Project Genie」の展開を発表しました。

Project Genie とは

「Project Genie」は、テキストプロンプトや画像から操作可能な仮想環境を生成し、リアルタイムで探索できる実験的ウェブアプリです。Genie 3、Nano Banana Pro、そして Gemini をエンジンとして構築されており、最先端の世界モデルが生み出す没入型体験を、ユーザー自身が直接試せる場として設計されています。

これまでのゲーム開発や3Dシミュレーションとは異なり、Project Genie は「ワールドモデル(World Model)」としての性質を備えています。これは環境の動きや変化を模倣し、プレイヤーの行動に応じて環境がどのように変化するかを AI がリアルタイムで予測し、描き出す仕組みです。この革新的なアプローチにより、事前に定義された範囲を超えた動的な世界のシミュレーションが可能となりました。

Project Genie | Experimenting with infinite interactive worlds

Genie 3 をベースとした世界モデル

世界モデルとは、環境のダイナミクスをシミュレーションし、その変化や行動による影響を予測する仕組みを指します。Google はこれまで、チェスや囲碁といった特定の環境に特化したエージェントを数多く開発してきましたが、AGI(汎用人工知能)を実現するには、現実世界の多様性を自在に扱えるシステムが不可欠です。

この課題に応えるべく、そして AGI 研究を前進させるために開発されたのが「Genie 3」です。2025年8月、Google は多様な対話型環境を生成できる汎用世界モデル「Genie 3」をプレビュー公開しました。これは、従来の静的な 3D スナップショットを探索する体験とは異なり、Genie 3 はユーザーの移動や操作に合わせて「これから進む先の世界」をリアルタイムで生成します。

物理挙動やインタラクションを伴う動的な世界をシミュレートできるうえ、その高い一貫性により、ロボティクス、アニメーション制作、フィクション構築、ロケーション探索、歴史的環境の再現など、あらゆる現実世界のシナリオに対応可能です。

こうした多様な業界・領域のテスターとの共同研究を経て、次のステップとして公開されたのが Project Genie です。

この体験は、主に3つのコア能力を中心に構成されています。

Project Genieが提供する3つの核となる体験

このプロトタイプでは、主に「スケッチ」「探索」「リミックス」という3つの切り口で、AIによる世界構築を体験できます。

世界のスケッチ

テキストでの指示に加えて、生成した画像やアップロードした画像を組み合わせることで、生きた世界が広がっていく環境を作り出せます。キャラクターや世界そのものを自由に作成し、歩く・乗る・飛ぶ・運転するなど、どのように探索したいかも思い通りに設定できます。

より細かくコントロールしたい場合は、「World Sketching」が Nano Banana Pro と統合されているため、世界に入る前に外観をプレビューし、画像を調整して理想の世界に仕上げることができます。さらに、キャラクターの視点(一人称・三人称など)も事前に設定でき、どのような体験にしたいかをあらかじめ決めておけます。

Project Genie | How world sketching works

世界の探索

構築された世界は、自由に歩き回れる探索可能な環境となります。

ユーザーが移動するたびに、Project Genie があなたの行動に合わせて「これから進む道」をリアルタイムで生成します。探索中はカメラアングルも自由に調整でき、好みの視点で世界を楽しめます。

世界のリミックス

既存の世界をもとに、プロンプトを追加して新しい解釈へと作り変えることができます。

ギャラリーに並ぶ厳選されたワールドや、ランダマイザーで生成される世界を参考にしながら、自分の世界をさらに発展させることも可能です。作成した探索結果は動画としてダウンロードし、共有することも可能です。

Project Genie | How world remixing works

責任ある開発と現在の課題

Project Genieは、Google Labsにおける実験的なプロトタイプです。AI研究と生成メディアの融合を探求する重要なステップですが、Genie 3が初期の研究モデルであるため、いくつかの既知の課題も存在します

  • 生成された世界が完全に写実的でなかったり、物理法則やプロンプトの指示から外れる場合がある。
  • キャラクター操作が不安定になることや、操作に対して遅延(レイテンシ)が発生することがある。
  • 現在、生成処理は1回につき最大60秒までに制限されている。

プロンプトによって世界の事象を劇的に変化させる機能など、研究段階の能力の中には今回のプロトタイプにまだ搭載されていないものもあります。Google はこれらの課題を継続的に改善し、モデルの制約を克服するためのアップデートを予定しているとのことです。

利用方法と今後の展開

現在、米国の18歳以上のGoogle AI Ultra(Google One AIプラン)サブスクライバーを対象に、Project Genieのロールアウトが開始されました。

今後は、さらに多くの地域への展開が予定されています。


Project Genie: Experimenting with infinite, interactive worlds

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