INSYDIUM Fused 2025.4 アップデート:NeXus GPUコアの刷新、GPU対応ツールの追加、アニメーションツールキット追加など

プラグイン

2025年12月8日(現地時間)、INSYDIUMは、 INSYDIUM は、同社のCinema4D向けプラグインコレクションの最新アップデート「INSYDIUM Fused 2025.4」をリリースしました。

新機能ハイライト

今回のアップデートでは、NeXus GPUコアの完全な再設計によるパフォーマンス向上に加え、煙・炎・流体エフェクト向けの新しいツール群、およびアーティストのユーザビリティを重視したレイヤーベースのモディファイアワークフローが導入されています。

さらに、「Jidou」(おそらく日本語の自動)と呼ばれるプロシージャルアニメーションツールセットも新たに追加されています。

NeXus Coreの再構築とパフォーマンス

NeXus GPU Coreは基礎部分からコードが完全に書き直されました(Re-engineered)。これにより、シミュレーション処理が顕著に高速化(テストシーンでは約20%〜30%の時短を実現)され、VRAMの使用効率も大幅に改善されています。

  • アーティスト体験の向上:従来のGPUパーティクル再生時に発生していた「初回再生時の初期化ラグ(一時停止)」が解消されました。再生ボタンを押した瞬間からスムーズにシミュレーションが開始されます。
  • レイヤー化されたGPUフォールオフ:モディファイアの各レイヤーに対して個別にフォールオフを適用可能になり、効率的な制御が可能です。
  • データマッピングの拡張:各レイヤーごとにデータマッピングを適用でき、ループ(Cycle)オプションによるプロシージャルなアニメーション制御の精度が向上しています。
INSYDIUM Fused 2025 Tech Preview – Core Improvements

シミュレーションツールの強化

nxExplosiaFX:GPU駆動の煙・炎シミュレーション

NeXusに完全なGPUベースの煙と炎のシミュレーション機能「nxExplosiaFX」が追加されました。

直感的な操作性を重視して設計されており、ろうそくの煙のような微細な表現から大規模な爆発まで対応します。すべての設定が単一のオブジェクト内で完結するため、シーン管理が容易です。

INSYDIUM Fused 2025 Tech Preview – NeXus ExplosiaFX

動画:NeXus ExplosiaFX Tech Preview

  • 多様なエミッションソース:ポリゴンオブジェクト、スプライン、パーティクル、エミッターなどから流体を発生可能です。Vertex MapやINSYDIUM GPUノイズを使用して、発生箇所のウェイト付けやマスク処理を行えます。
  • フォースのレイヤリング:Turbulence(乱流)、Vorticity(渦度)、Wind(風)などのカスタムGPUフォースをレイヤーとして重ね合わせ、Data Mappingを用いて高さや時間に応じた強度の制御が可能です。
  • Upscaling(アップスケーリング):低解像度でシミュレーションを行い、その動き(Velocity)をベースにディテールのみを高解像度化する機能です。VRAM効率良く高品質な結果を得られます。
  • Particle Advection(移流)とデータ連携:流体の動きに合わせてパーティクルを動かすだけでなく、温度(Temperature)や煙濃度(Smoke)のデータをパーティクルに渡し、色を変えたり、煙が薄くなったらパーティクルを消滅させるといった高度な連携が可能です。
  • GPUビューポートレンダラー:「Volume Ray Marching」により、影付きの高品質なボリュメトリックプレビューをビューポート上でリアルタイムに確認できます。適応境界(Adaptive Bounds)などの診断ツールも充実しています。

nxFluidsの強化

nxFluidsは大幅に機能強化され、FLIPおよびAPICソルバーを搭載しました。

INSYDIUM Fused 2025 Final Tech Preview

動画:NeXus Liquid Improvements (nxFluids, nxMesher, nxSplash)

  • FLIP / APIC ソルバー:「FLIP」は水しぶきや波のディテールなどの乱流的な表現に適しており、「APIC」は角運動量を保存するため、波紋が遠くまで伝わるようなスムーズで詳細な流れの表現に優れています。
  • 可変粘度(Variable Viscosity):内蔵の粘度ソルバーにより、溶けたチョコレートやスライムのような表現が可能です。データマッピングを使用して、「速く動く部分はサラサラ、遅い部分はドロドロ」や「冷えて固まる(色が変化すると粘度が増す)」といった複雑な挙動を制御できます。
  • 表面張力とシーティング:薄い液膜(Sheeting)や、表面張力による糸引き(Tendrils)の再現性が向上し、マクロ撮影のような詳細な表現が可能になりました。

nxMesher:GPU液体メッシュ生成

nxMesherは、完全にGPUで動作する新しい液体メッシュ生成ツールです。

  • 高速かつフリッカーフリー:高解像度のシミュレーションでもスムーズなメッシュを高速に生成します。
  • メッシュタイプ:従来の「Spheres」に加え、「Zhu-Bridson」モードを搭載。スムージングフィルタを多用せずとも、自然で滑らかなメッシュが得られます。
  • データ転送:パーティクルの色(Color)、速度(Velocity)、エミッターIDなどをVertex Mapとして出力し、Redshiftなどのレンダラーで利用可能です。これにより、溶けた液体と固まった液体の質感を使い分けるような表現がしやすくなりました。

nxSplash:プロシージャルなスプラッシュ生成

「王冠型スプラッシュ(Crown Splash)」をプロシージャルに生成する専用ツール「nxSplash」が追加されました

  • 直感的なハンドル制御:スプラッシュの広がりや高さ、ピークの数などをビューポート上のハンドルで直感的に操作できます。
  • シェイピングハンドル:ベジェ曲線のようなハンドルを用いて、スプラッシュの側面形状(くびれや膨らみ)を自由にデザインできます。
  • リアルとスタイライズの両立:流体ソルバー(FLIP/APIC)と組み合わせることで、物理的に正しい挙動と、アートディレクションされた形状を両立させた表現が可能です。

モディファイアの刷新とレイヤーワークフロー

今回のアップデートでのNeXusモディファイアにおける最大の変更点は、直感的なレイヤーシステムの導入です。単一のモディファイア内で複数のエフェクトやノイズをPhotoshopのような描画モード(乗算や加算など)でブレンドすることが可能になりました。

nxTurbulence:高度な乱流制御

新しいレイヤーシステムにより、複数の3Dノイズレイヤーを混合してカスタム乱流を作成できるようになりました。これにより1つのオブジェクト内で複雑な気流表現が完結します。

  • ノイズのレイヤリング:ベースの大きな動きに「Curl Turbulence」、中規模な動きに「Voronoi」、微細なディテールに「FBM」を重ねるなど、異なる周波数やスケールのノイズを自由に合成できます。
  • Direction Mode:パーティクルの「方向」のみをアニメーションさせるモードが追加されました。
INSYDIUM Fused 2025 Tech Preview – Modifier Improvements Part 1

動画:Modifier Improvements Part 1 (nxTurbulence, nxScale, nxLimit)

nxQuestion:有機的な制御と高度な分岐

条件分岐を行う「nxQuestion」も大幅に進化し、より自然で複雑な挙動を作成できるようになりました。

  • バリエーションの追加:Question(条件)だけでなく、Action(動作)にもバリエーションスライダーが追加されました。これにより、「条件を満たしたパーティクルが一斉に色を変える」のではなく、個体差を持ってランダムなタイミングや強度で変化するといった、有機的な表現が容易になります。
  • 高度な近傍探索(Neighbor Search):「特定のエミッターに属するパーティクル」のみをカウント対象にする機能が追加されました。例えば、「別のエミッター(Stream)が近づいた時だけ、対象(Fox)の表面が反応して崩れる」といった高度なインタラクションが可能になります。
INSYDIUM Fused 2025 Tech Preview – Core Improvements

動画:Core Improvements (Performance, GPU Falloffs, nxQuestion)

nxFollowGeo:スプライン追従の強化

スプラインに沿ってパーティクルを制御する機能が大幅に強化されました。

  • 複数スプラインのサポート:1つのモディファイア内で複数のスプラインオブジェクトを登録し、制御可能です。
  • Guide ModeとForce Mode:パスに厳密に従う「Guide Mode」と、他のフォースとブレンドしやすい「Force Mode」を選択できます。
  • Twist & Offset:スプラインに沿ったねじれや位置オフセットをグラフ制御できます。

nxScale:GPUネイティブなスケール制御

パーティクルのスケールや質量のアニメーションも、GPU上で高速に処理されます。

  • Data Mapping & Falloff:各レイヤーごとに個別のデータマッピングやGPUフォールオフを適用できます。例えば、あるレイヤーではノイズでサイズを変化させつつ、別のレイヤーではAge(年齢)に基づいてサイズをループ(Cycle)させるなど、複雑な挙動を重ね合わせることが可能です。
  • Range Layer:イージングカーブを用いたグラフ制御が可能です。

nxUpres:アップレス制御の精密化

低解像度のシミュレーションを高解像度化する「Upres」機能が強化されました。

  • チャンネル別強度スライダー:Velocity、Position、Color、Radius、Massの各チャンネルごとに、アップレスの強度を個別に調整できます。

nxSpeed:プロシージャルな速度制御

パーティクルの速度制御にもレイヤーシステムが採用されました。Range Layerを使用することで、イージングカーブを用いた時間経過に伴う速度変化(加速、減速、停止、ループ)を直感的に作成できます。

INSYDIUM Fused 2025 Tech Preview – Modifier Improvements Part 3

動画:Modifier Improvements Part 3 (nxFollowGeo, nxUpres, nxSpeed)

nxLimit:プロパティの制限と固定

パーティクルの位置、速度、半径などのプロパティを物理的に制限・固定するためのツールです。特定軸への固定や範囲制限、値のクランプなどが可能です。

nxSpin:回転と配向の完全制御

パーティクルの回転(Rotation)とスピン(Spinning)を単一モディファイアで完結させます。進行方向への接線合わせ(Tangential)や、イージングカーブを用いた回転アニメーション制御が可能です。

nxDirection:指向性フォースの進化

レイヤーベースの「nxDirection」には、強力な「Direction Force」レイヤーが搭載されました。カオスでありながら制御可能なパーティクルの流れや渦を生成します。

nxColor:GPUノイズと近傍探索による着色

「Noise Layer」によるGPUノイズ着色や、「Neighbor Gradient」によるパーティクル近傍数に基づいたグラデーションマッピングが可能です。

INSYDIUM Fused 2025 Tech Preview – Modifier Improvements Part 2

動画:Modifier Improvements Part 2 (nxColor, nxSpin, nxDirection)

Jidou(プロシージャルアニメーションツール群)

新たに「Jidou」と呼ばれる5つのプロシージャルアニメーションツールセットが追加されました。これらはCinema 4D向けの完全なプロシージャルツールキットとして設計されています。

Jidou – Tech Preview

動画:Jidou Tech Preview

jdDriver:万能ドライビングシステム

Jidouの中核となる「jdDriver」は、あらゆるパラメータで他のパラメータを駆動できるシステムです。

  • 内蔵ドライバー:Noise(各種ノイズ)、Wave(サイン波、矩形波など)、Value(スライダーによるリグ構築)、Time(ループアニメーション)、Color(テクスチャや色情報による駆動)、Switch(On/Off制御)といった多彩なドライバーが用意されています。
  • 汎用性:オブジェクトの座標や回転だけでなく、デフォーマーの強度やライトの明滅など、あらゆる属性をリンクさせて制御可能です。

noise driver

jdAniMate:簡易アニメーション生成

オブジェクトの「開始状態」と「終了状態」を保存するだけで、その間のアニメーションを自動生成するツールです。

  • 階層とクローン:単一オブジェクトだけでなく、階層構造を持つオブジェクトやクローナーに対しても有効です。
  • バリエーション:開始・終了時の位置、スケール、回転にランダムなばらつき(Variation)を加えることで、複雑な集合・拡散アニメーションを瞬時に作成できます。
  • タイミング制御:イージングカーブや、位置・回転・スケールごとのタイミングオフセットを調整可能です。

jdGeoRoll:プロシージャルな回転制御

地面に沿ってオブジェクトを転がすアニメーションを簡単に作成します。

  • 自動計算:オブジェクトの形状(バウンディングボックス)と移動距離に基づいて、適切な回転量を自動的に適用します。
  • 接地制御:仮想フロアまたはシーン内の特定のオブジェクト(地形など)をコライダとして認識し、その表面に沿って転がすことができます。重力方向のカスタマイズも可能です。

jdFlowCam:カメラアニメーション

プロシージャルなカメラ制御ツールです。

  • Connect Pointsモード:複数のカメラポイントを配置し、それらを通過するアニメーションを作成します。各ポイントで焦点距離、停止時間(Hold)、イージング、テンションなどを個別に設定できます。
  • Pathモード:円、円弧、螺旋、直線、あるいはカスタムスプラインに沿ってカメラを動かします。
  • ターゲットシステム:複数のターゲットオブジェクトを指定し、時間経過とともに注視点をスムーズに切り替えることができます。
  • 自動バンキング:移動方向に応じたカメラの傾き(バンク)を自動生成します。

jdGeoFlow:オブジェクトのパスアニメーション

jdFlowCamの機能をオブジェクトのアニメーションに応用したツールです。

  • パスに沿った変形:「Deform」オプションを有効にすることで、オブジェクトをパスの形状に合わせて曲げながら移動させることができます。有機的な動きや、触手のような表現に適しています。
  • 接線制御:パスの進行方向に合わせてオブジェクトの向きを自動調整(Tangential alignment)します。

価格とシステム要件

INSYDIUM Fused は、Windows 7 以降、macOS Mojave (10.14.6) 以降で利用できます。各機能は以下のCinema 4Dバージョンに対応しています。

  • X-Particles, NeXus, Taiao, MeshTools, Jidou: Cinema 4D R19* 以降
  • TerraformFX: Cinema 4D R20 以降
  • * xpExplosiaFXのOpenGLビューポート表示にはOpenGL対応GPUが必要です。MaxonがCinema 4D S22以降でOpenGLを削除したため、S22以降ではこの機能はサポートされません。

INSYDIUM Fusedの利用には、永久ライセンス、サブスクリプション、学生版など、ニーズに合わせた複数のプランが用意されています。

プラン名概要価格 (税抜)
INSYDIUM Fused Completeアーティストに必要なすべてを含む完全なコレクション(永久ライセンス)。$855.50
INSYDIUM Fused CreateVFX、モーショングラフィックスなど、必要な製品を選択して自分だけのバンドルを作成。製品構成による
INSYDIUM Fused Annual Subscription12ヶ月間、すべてのコレクションにアクセス可能な年間サブスクリプション。$565.50 / 年($47.13 / 月 相当)
INSYDIUM Fused 6-Monthly Subscription6ヶ月ごとに更新されるサブスクリプションプラン。$362.50 / 6ヶ月($60.42 / 月 相当)
INSYDIUM Fused 3-Monthly Subscription短期プロジェクト向けの3ヶ月アクセスプラン。$232.00 / 3ヶ月($77.33 / 月 相当)
INSYDIUM Fused Learning Edition教育機関向け(Maxon One Studentライセンスが必要)。6ヶ月間のアクセス権。$72.50 / 6ヶ月

※ メンテナンスとアップグレードについては、Customer Accountにログインしてご確認ください。


より詳しい情報は公式ウェブサイトへ

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