2025年12月9日(現地時間)- Chaos は、建築ビジュアライゼーションとVFXアーティスト向けのリアルタイムツールのメジャーアップデート Chaos Vantage 3 アップデート 1 のリリースを発表しました。
新機能ハイライト
今回のアップデートでは、Houdini向けの新しいHydra Delegateの導入や、Maya用Live Linkの強化によって、VFXワークフローとの統合が一段と進みました。完全にパストレースされたプロダクション品質の映像を、DCCツールのビューポート上でリアルタイムに確認できるようになり、プリプロダクションのスピードアップや制作状況の把握に大きく役立ちます。
さらに、煙や炎のエフェクトに対応するリアルタイム流体シミュレーターや、作業環境を効率化できる分割可能なサイドパネルなど、新しいクリエイティブツールも追加されました。これらの機能によって、制作現場の柔軟性と効率性が一層向上しています。
Houdini向けリアルタイムレンダリングプラグイン
Houdini向けにChaos Vantage Hydra Delegateが新たに追加されました。
特にSolaris環境でのUSDシーンやMaterialXマテリアルのプレビューにおいて、その効果を発揮します。ビューポートのドロップダウンメニューからVantageを選択するだけで起動でき、従来のワークフローを保ったまま利用可能です。

さらに、ヘッドランプからドームライトへの切り替えや、マテリアルの透過度・ラフネスの調整、法線マップの変更なども、シェーディンググラフを通じて即座にビューポートへ反映されます。レンダリング設定ノードを使えば、GIバウンス、露出、トーンマッピングといったVantageのレンダリングパラメータをHoudini内から直接コントロールすることができます。
注意:このプラグインを実行するには、有効なChaos VantageライセンスおよびVantage Hydra Delegateビルドのインストールが必要です。
MayaビューポートでのChaos Vantage統合
Chaos Vantage Live Linkが拡張され、Autodesk Mayaのビューポートへリアルタイムレンダリング出力を直接ストリーミングできるようになりました。VantageはHydra Delegateとしてではなく別プロセスとして動作しますが、処理は合理化されており、ユーザーはシームレスに最終ピクセルをビューポート内で確認できます。

追加のツールを必要とせず、被写界深度(デフォーカス)の付与、オブジェクトの再配置、ドームライトの回転といった調整が可能です。これにより、レイアウト、ライティング、ルックデヴの各工程で迅速かつ高品質なフィードバックを得ることができます。さらに、ネイティブなMayaジオメトリに加えて、USDやMaterialXのセットアップも並行してレンダリング可能となっています(現時点では部分的なサポート)。
注意:強化されたLive Linkを使用し、MayaビューポートでVantageのレンダリング出力を得るには、最新のV-Ray for Mayaビルドをダウンロードする必要があります。
リアルタイム流体シミュレーター
煙や炎をVantage内で直接シミュレーションし、即座にフィードバックを得ることが可能になりました。コンテナを作成して暖炉などに配置し、薪などのオブジェクトを発生源として指定することで、手軽に炎のエフェクトを追加できます。
シミュレーション速度は解像度に大きく依存するため、用途に合わせて調整が可能です。放出速度や渦度(Vorticity)、煙の不透明度や色などを細かく設定できるほか、用意されているプリセットを使用して素早くルックデヴを行うこともできます。
※本機能は現在、実験的な機能として提供されています。
分割可能なサイドパネル
新しい「分割可能なサイドパネル」機能により、プロパティやリスト項目が多数ある場合のスクロールの手間を大幅に削減できます。トグルスイッチを使用することで、左または右のパネルを2列に分割可能です。
特にワイドモニター環境において作業スペースを有効活用できます。列の幅は好みに応じて調整可能で、頻繁に組み合わせて使用するウィジェットを並べて表示することで、よりスムーズで効率的なワークフローを構築できます。

その他の新機能と改善
- ライセンスの柔軟化:クラウドライセンスが導入され、ライセンスサーバーを介さずにVantageのライセンスを取得可能になりました。(※Vantage Hydra delegateの使用には引き続きライセンスサーバーが必要です)
- マテリアルエディタの強化:エディタ内でマテリアルを直接複製するオプションが追加され、編集作業が効率化されました。
- ボリューム表現の拡張:Volume Gridオブジェクトにおいて、温度、煙、燃料、または定数カラーに基づいた異なる「煙の色(Smoke Color)」ソースの指定がサポートされました。
- ポストエフェクトの追加:オーバーレイレイヤーが追加され、レンダリング画像に対して単色やテクスチャを重ねて表示することが可能になりました。
- 空(Sky)の改善:天の川の色味が調整され、V-Rayのレンダリング結果とより一致するように改善されました。
価格とシステム要件
Chaos Vantage は、Windows 10 Update 2004 (バージョン 10.0.19041) 以降で利用できます。
価格は97,200円/年または16,200円/月です。
また、Chaos Vantageは、ArchViz Collection: V-Rayエディション、ArchViz Collection: Coronaエディション、M&E Collectionにも含まれています。

























コメント