Savage Interactive は、iPad向け2Dアニメーションアプリの最新アップデート Procreate Dreams 2.0 を正式リリースしました。
新機能ハイライト
このアップデートでは、新しいブラシライブラリ、刷新されたタイムラインとフリップブックを中心に、制作体験を大幅に進化させています。透明動画や GIF 出力などの新しいエクスポート機能も加わり、アニメーション制作の幅がさらに広がっています。
タイムラインの刷新
タイムライン操作が全面的に再設計され、編集ワークフローを明確にするために画面下部に3つの新しいモードが導入されました。これにより、誤操作を防ぎつつ目的に応じた作業に集中できます。
- 構成 (Compose):設定済みのキーフレームに影響を与えることなく、コンテンツの配置や編集を行うためのモードです。
- パフォーム (Perform):タッチ操作によってモーションやエフェクトをリアルタイムで記録することに特化しています。
- キーフレーム (Keyframe):モーションやエフェクトのキーフレームを精密に作成・編集するための専用スペースとして機能します。
新しいコンテンツを追加するフローも改善されました。再生ヘッドを配置し「+ボタン」からコンテンツタイプを選択する形式になり、より意図的で集中しやすい設計になっています。

マルチセレクト(複数選択)機能
待望の複数選択機能が追加され、複数のトラック、コンテンツ、キーフレームを一度に選択・移動・編集できるようになりました。Apple Pencilを使えば、タイムラインやフリップブック上で直感的に範囲選択が可能です。
タイムラインでの操作
メインツールバー左側の「Theater」横にあるボタンから有効化します。Apple Pencilでトラックやコンテンツ、キーフレームを囲むと赤い光跡が残り、選択範囲が赤枠で表示されます。
- 選択の追加・解除:選択範囲に追加したい場合はさらに囲み、逆に削除したい場合は既に選択済みの要素をなぞることで解除できます。
- コンテキストメニュー:複数要素を選択した状態で長押しすると、カット・コピー・ペーストなどのメニューが表示されます。
- 一括編集:コンテンツをまとめて移動したり、ハンドルをドラッグして一括でリタイミング(タイミング調整)を行うこともできます。
フリップブックでの操作
フリップブック編集画面でも同様に利用可能です。右端のアイコンから有効化した後、Apple Pencilでフレームを囲んで選択します。
- 編集操作:長押しすることで、カット・コピー・ペースト・複製・反転などの操作が行えます。
- リタイミング:フレームのハンドルを使えば、選択したフレームをまとめてリタイミングすることも可能です。

指での操作も可能
Apple Pencilがなくても利用可能です。タイムラインでは「Movie Settings → Prefs → Gestures」で Enable Multi-select with a finger をオンにすることで指での操作が可能になります。フリップブックでは複数フレームを個別にタップして選択できます。
描画機能の強化
Procreate Dreams では、描画や編集の体験が大きく進化しました。
Procreate Dreams では、まず ピクセルパーフェクト描画(Pixel Perfect Painting) に対応しました。これにより Procreate と同様の描画体験が実現し、ブラシストロークがぼやけることはありません。ズームしても筆跡が鮮明で正確に保たれるため、細部まで安心して制作できる環境が整っています。
描画モードに入ると、制作に集中するための専用スペースが表示されます。ここでは以下の新機能が利用可能です。
- 選択&変形ツール:選択&変形ツールが追加されました。ラソ(投げ縄ツール)を使ってマスクを作成し、描画レイヤーの特定領域を保護できます。その上で、スケールや回転、位置の変更に加え、ゆがみやワープといった高度な変形を確定して適用することが可能です。
- フィルター機能:ぼかし、レンズのぼかし、HSB、ノイズ、シャープなどの調整を描画レイヤーに直接適用できるようになりました。
- レイヤー操作の改善:ライブラリでは下方向へのスワイプで文字や絵文字を使った検索が可能になり、ピンチ操作によってライブラリの作成・編集・共有を簡単に行えます。レイヤー操作では、ピンチで複数レイヤーを統合できるほか、ステージ上で三本指スワイプを行うことでコピー&ペーストメニューを呼び出せるようになり、作業効率が大幅に向上しました。

150種類以上の新アニメーションブラシ
Procreate Dreams 2.0 では、社内のブラシ開発者である Kyle T. Webster 氏によって手作りされた、アニメーション制作に特化したブラシが新たに 150 種類以上追加されました。これにより、表現の幅が大きく広がり、制作の効率も向上しています。
ラインナップには、精密な線を描けるライナー、独特の揺らぎを表現できるボイルペン、柔らかな質感を出すウォッシュ、そして時間を節約できる多彩なテクスチャブラシが含まれています。用途に応じて選べる豊富な種類が揃っているため、アニメーションの下描きから仕上げまで幅広く対応可能です。

さらに、正確なブラシサイズと不透明度を保存して線の一貫性を保つ「メモリ機能」や、ブラシをタップして調整できる「手ブレ補正(Stabilization)」が利用でき、より精度の高い描画が可能になりました。
フリップブック機能の刷新
Procreate Dreams 2.0 では、フリップブック機能が完全に刷新されました。従来の Procreate「アニメーションアシスト」で培われた直感的な操作感に、Dreams が持つレイヤーや合成機能の強力さが加わり、より柔軟で表現力豊かなアニメーション制作が可能になっています。
これまで一つのトラックに制限されていた構造は取り払われ、必要に応じて複数のトラックを追加してブレンドできるようになりました。これにより、複雑なレイヤー構成や多彩な表現をフリップブック上で直接実現できます。さらに、複数のフレームをまとめて再生や編集できるようになり、フリップブック画面から離れることなくフレームの並べ替えや調整をスムーズに行えるようになりました。
オニオンスキンの設定は専用メニューに移動し、より整理された環境で管理できるようになっています。
エクスポート機能の強化
エクスポート機能も大幅に強化され、より柔軟な出力が可能になりました。
- 透過ビデオ書き出し:透明なHEVCおよびProResビデオの書き出しがサポートされ、背景をオフにするだけで透過ビデオを出力可能です。
- GIF書き出しの進化:GIFのインポート/エクスポート機能も進化しており、カスタムパレットの使用、色数の指定、ディザリング処理など、これまで以上に詳細なカスタマイズが可能になりました。

その他
上記以外にも、ワークフローを改善する多くの機能追加が行われています。
- キーボードショートカットのカスタマイズ:80以上のアクションを割り当て可能で、標準的なショートカットも使用できます。
- マスク機能の拡充:アルファマスクと輝度(Luminance)マスクの選択が可能になりました。
- タイムライン操作の改善:指一本でタイムラインの高さやスケールを調整可能。ムービー全体の長さを変更するハンドルも追加されました。
- シアターでの並べ替え:ドラッグ&ドロップでのムービーファイルの並べ替えに対応。
- ColorDropの機能強化:「続けて塗りつぶし(Continue Fill)」機能に加え、フリンジ(境界の滲み)問題が修正されました。
- UIと操作性の向上:カラーパネルの刷新、Undo/Redo(取り消し/やり直し)の挙動改善、インポート動画の色空間処理の改善などが含まれます。
更新情報
v2.02
主な新機能
- キーフレーム反転(Reverse Keyframes):キーフレームの位置を反転させて、ピンポン再生などのタイミング効果を作成できます。
- フリップブックのトラック名とハイライト:トラックタイトルを長押しして、名前変更や色付けが可能。
- アルファロック(Alpha Lock):アクティブな描画レイヤーでアルファロックをオンにすると、すでに描いたピクセルだけに影響を与えられます。影やハイライト追加に便利。
- 音声と映像の分離(Separate Audio and Video):音声付き動画を読み込み、音声と映像を別トラックとして編集できます。
- トランスフォーム微調整(Transform Nudge):バウンディングボックス外をタップして、コンテンツを少しずつ移動できます。
- コンポーズのスナップ(Compose Snapping):キーフレームに依存しない位置・回転・スケール調整時に、ステージの端や中心にスナップしたり、15°刻みで回転できます。
- 高度なワープメッシュ(Advanced Warp Mesh):描画時、ワープメッシュの交点ごとにノードを追加して、より精密な変形が可能。
- 加算ノイズ & マルチチャンネルノイズ(Additive and Multi‑channel Noise):描画フィルターで、カラー付きノイズやキャンバス全体に広がるノイズを生成できます。
修正された問題
- フリップブックで非表示フレームを変形すると内容が失われる問題
- スクラブ中にクラッシュする問題
- デバイス性能を超える操作を行った際のクラッシュ
アップグレードについて
Procreate Dreams 2.0への移行は、エンジンの根本的な刷新を伴うため、ブラシシステムとファイル形式のアップグレードが必要です。アップデート後、以下の手順で移行が行われます。
ブラシのアップグレード
アプリをアップデート後、初回起動時に「次へ」をタップするとブラシのアップグレードが実行されます。 これにより、ブラシの保存場所がアプリ内からiPadの「ファイル」アプリへと変更されます(iCloud使用時は Files → iCloud Drive → Procreate Dreams → Brushes)。この変更に伴い、ライブラリ機能や検索機能、ブラシサイズメモリ機能などが利用可能になります。
ファイルのアップグレード
Procreate Dreams 1で作成したムービーは、新しいシステムで閲覧・編集するために変換が必要です。シアターでファイルを開くと変換プロセスが始まります。 この変換処理には十分な空き容量が必要です。目安として、ファイルサイズの150%(1.5倍)の空き容量を確保してください(例:10GBのファイルなら15GBの空きが必要)。
コンテンツの調整と変換
新しいエンジンではキャンバスエリアに制限が設けられるため、既存の作品に対して調整が必要になる場合があります。 コンテンツが新しいキャンバス境界を超える場合、「自動修正 (Fix it for me)」「クロップ (Crop)」「カスタムリサンプル」といったオプションが提示され、適切なリサイズを選択できます。 また、動画やキーフレームアニメーションを含むコンテンツは、変換時に「フリップブック」の各フレームにレンダリングされる場合がありますが、静的要素はそのまま維持されます。
価格とシステム要件
Procreate Dreams 2.0は、iPadOS 16.3以降で利用可能です。
新規購入価格は 1,800円 ($12.99 USD) です。既存ユーザーに対しては、バージョン2.0は無料アップデートとして提供されます。

























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