2025年9月10日(現地時間)- Maxon は、同社の開発する製品スイート Maxon One の2025年秋のアップデートのリリースを発表しました。
今回の主要な発表には、ZBrush 、Redshift、Red Giantのアップデート、そして新しく統一されたブランドビジュアルが含まれています。
ここでは、Redshift 2026.0 の新機能を紹介したいと思います。
新機能ハイライト
新しいPhysical Sun & Skyオブジェクト
太陽光の貢献度をより詳細に制御できる、新しいPhysical Sun & Skyモデルが導入されました。
これにより、太陽円盤の表現が改善され、これまで以上にリアルな空を作成できます。
※Mayaでは次のリリースで利用可能に
Redshift Cloud Object
プロシージャルな雲をレンダリングするための新しいオブジェクト「Redshift Cloud Object」が追加されました。
これにより、静的なHDRIに頼ることなく、動的で美しい雲の景観をシーン内で直接生成できます。
Distorterシェーダーの全DCC対応
れまでCinema 4D限定だったDistorterシェーダーが、すべてのDCCで利用可能になりました。熱による陽炎や水の波紋のような、空間的な歪みを表現するのに役立ちます。

距離単位のサポート
シーンのスケール(単位)をRedshiftが認識できるようになりました。
これにより、ライトやボリュームなどを物理的に正しく扱えるようになり、異なるシーンサイズ間での一貫性が保たれます。プロキシの単位を上書きする機能や、単位変換シェーダーも含まれます。
グローバルフォグのUI改善と表示距離パラメータ
従来のグローバルフォグの減衰パラメータが、より直感的で物理的な「表示距離(Viewing Distance)」パラメータに置き換えられました。
これにより、アーティストはフォグの濃度を特定の距離に基づいて簡単に設定できるようになります。UIとデフォルト値も改善され、より扱いやすくなりました。

バンプマッピングの品質向上
バンプマッピングのアルゴリズムがアップグレードされ、特に高周波なディテール(マイクロノイズなど)の表現力が大幅に向上しました。
これにより、ビューポートの解像度に依存しない、より鮮明で高品質な凹凸表現が可能になります。また、バンプマッピングのアップグレードの一環として、これまで以上に多くのシェーダーの組み合わせがサポートされるようになりました。

OSLの機能拡張
OSL(Open Shading Language)で新たにdx()およびdy()微分関数がサポートされ、より高度なカスタムシェーダーの作成が可能になりました。

各プラグイン固有のアップデート
Cinema 4D
Cinema 4Dでは、メッシュの抽出パフォーマンスが向上しました。これにより、複雑で大規模なジオメトリを扱う際の処理速度が改善され、よりスムーズなワークフローが期待できます。
また、Cinema 4D R25およびS26のサポートが終了しています。
Maya
Mayaユーザー向けには、ワークフローを効率化するいくつかの機能が追加されました。
- USDバリアントのサポート: USDワークフローにおいて、制作物のバリエーションを管理するUSDバリアント(Variants)に対応しました。
- マテリアルビューアの強化: 実験的機能であるマテリアルビューアに関して、環境変数による明示的な有効化や、プログレッシブパスのパラメータが追加され、より詳細な制御が可能になりました。
- Redshiftプリファレンスの新設: Mayaのプリファレンスメニュー内にRedshift専用の設定項目が追加され、各種設定へのアクセス性が向上しました
3ds Max
3ds Maxでは、特にIPRのリアルタイム性が大幅に向上しています。Redshiftプロキシ、ボリュームグリッド、tyFlow、Forest Packといった各種オブジェクトや、UVWモディファイア、Hair and Fur WSMモディファイアの変更がIPRに即座に反映されるようになり、トライ&エラーのサイクルが高速化。シーン変更時の応答性も高められ、入力の遅延が軽減されています。

レンダリング効率も改善されており、同一のトレースセットをオブジェクト間で共有することでVRAM使用量を削減したり、モディファイアスタック操作時の不要なIPR更新を削減したりする最適化が行われました。また、RedshiftボリュームスキャタリングのUIが整理され、スライダーが追加されたことで、より直感的なパラメータ制御が可能になっています。
他にも以下のような改善と変更が行われています。
- レンダリングメッシュの処理改善: Redshiftテッセレーションを使用するポリゴンオブジェクトを除き、常にオブジェクトから「レンダーメッシュ」を要求するようになりました。これはレンダリングプロセスの内部的な改善です。
- IPRがトレースセットの変更を反映: IPR(インタラクティブ・プレビュー・レンダリング)中にトレースセット(特定のオブジェクト群にのみライトを当てたり、反射させたりする機能)を変更した場合、その結果が即座に反映されるようになりました。
- 「Redshift Sun」のクラス名変更: スクリプト開発者向けの情報として、「Redshift Sun」は「RS Sun」に名称が変更されました。スクリプトの互換性を保つためには、内部名の「rsSunLight」を使用することが推奨されています。
Houdini
Houdini 20.5.684へのサポートが追加されました。また、機能面では、シェーダーノードにおいてサブネットからプロモートされた入力を扱えるようになり、より複雑なシェーディングネットワークの構築が容易になります。
Hydra / Solaris
HoudiniのSolaris環境向けにも機能が拡張されています。Solaris 20.5.684が新たにサポートされたほか、ポイントインスタンサーベースのライトインスタンシングで多数の新しいPrimvarオーバーライドが利用可能になりました。
プロキシシーンファイルの出力機能も強化され、単一レイヤーEXRや、.jpg, .tiff, .png形式での画像出力に対応しました。さらに、新しいCryptomatteおよびDeep AOVのワークフローもサポートされます。
USD コマンドライン
コマンドラインでのUSDレンダリング機能が強化されました。タイムサンプルを含むプロダクト名や、単一レイヤーEXRおよび他の画像フォーマットのレンダリングがサポートされます。また、出力を細かく制御するための新しいオプション(-single-layer, -oif)が追加されています。
今後の新機能
新機能動画では、ディスプレイスメントマッピングが紹介されました。
これは、Tessellation-Free Displacement Mapping(テッセレーション不要ディスプレイスメントマッピング)で、ジオメトリを細かく分割せずにディスプレイスメントマッピングを適用してレンダリングすることができる手法が採用されているかと思います。これによりがメモリ消費や描画負荷の増大を防ぐことが可能となります。

ほかにも、新しいPhysical Sun & Skyオブジェクトに関連した機能と思われる夜空(Physical Sun Night Sky)も計画されているようです。
価格とシステム要件
Redshift 2026は、次のシステムで利用できます。
オペレーティングシステム
- Microsoft Windows: 64 ビット Windows 10 および Windows 11
- Linux: glibc 2.28 以降を搭載した 64 ビット ディストリビューション
- Apple macOS 13.3+ (Ventura) および 14.1+ (Sonoma)。
サポートされている3Dアプリケーション
- Autodesk Maya (Windows、macOS): 64 ビット版。2018 以降
- Autodesk Maya (Linux): 64 ビット版。2022 以降
- Autodesk 3ds Max (Windows): 64 ビット版。2018 以降
- Maxon Cinema 4D (Windows、macOS、Linux CommandLine): 64 ビット版。R25 以降
- SideFX Houdini (Windows、macOS、Linux): 64 ビット版。18.5 以降
- Foundry Katana (Windows、Linux): 64 ビット版。4.5v1 以降
- Blender (Windows、Linux): 64 ビット版。3.1.0LTS 以降
より詳しいシステム要件はこちらから
価格はサブスクリプションで8,800円/月または50,820円/年です。
また、Redshiftは、Cinema 4DのライセンスとCinema 4D 、Redshift 、RedGiant はMaxonの製品が全て利用できるサブスクリプション『MAXON ONE』の一部としても利用できます。
その他詳しい価格の確認はこちらから
























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