3Dスキャンアプリ KIRI Engine 4.0 がリリース!写真スキャンの高速化、新しい AR モード、AI 搭載 PBR など

CGソフト

2025年9月5日、スマートフォン向け3Dスキャンアプリ「KIRI Engine」がメジャーアップデートとなるバージョン4.0をリリースしました。本記事では、KIRI Engineの基本機能から、今回のアップデートで追加された注目の新機能を紹介したいと思います。

KIRI Engineとは

KIRI Engineは、スマートフォンだけで手軽に高品質な3Dモデルを作成できる3Dスキャナーアプリです。

特別なLiDARセンサーや高価な機材は不要で、誰でも簡単に3Dスキャンの世界に飛び込めるのが最大の魅力です。1つのアプリに、スキャンから編集、エクスポートまでの機能が統合されています。

4つの主要スキャン技術

  • フォトグラメトリ (Photo Scan):KIRI Engineの最先端フォトグラメトリアルゴリズムを使用して、オブジェクトの周りで撮影した写真を、息をのむような美しい3Dアセットに変換します。
  • LiDARスキャン:LiDARセンサーは多くのユーザーにとって未開の領域ですが、KIRI Engineはそれを変えます。iPhone Proなどに搭載されたLiDARセンサーを活用し、空間を素早くスキャンして、寸法精度の高いモデルを作成するのに適しています。
  • Featureless Object Scan (NSR):従来のフォトグラメトリではスキャンが困難だった、光沢のある物体や反射・透明なオブジェクトも、このNeRF(Neural Radiance Fields)から派生した3Dスキャン技術なら見事に捉えることができます。フォトグラメトリで失敗したときに、最も頼りになる機能です。(Pro機能)
  • 3D Gaussian Splatting:モバイルおよびWebプラットフォームでアクセス可能になった、リアルタイムのRadiance Fieldsレンダリング技術です。動画を撮影することで、反射や透明なオブジェクトを含むシーン全体を忠実に3D空間に再現できます。

高度な編集・最適化とエクスポート機能

KIRI Engineはスキャンだけでなく、生成されたモデルを編集・最適化し、プロの現場でも活用できる強力なツールを提供しています。これらの多くはProプランで利用可能です。

豊富な対応フォーマット

作成したモデルは、様々な3Dソフトウェアやプラットフォームで利用できるよう、多彩なフォーマットでエクスポートできます。(OBJ, STL, GLTF, FBX, USDZ, PLY, XYZなど)

クアッドメッシュ リトポロジー

スキャンで生成された不規則な三角ポリゴン(トライアングルメッシュ)を、アニメーションやスカルプトに適した綺麗な四角ポリゴン(クアッドメッシュ)に自動で変換します。UVマップもクリーンに展開されるため、プロの制作フローにも対応できます。

自動リギング

生成した人型のモデルなどに、アニメーションを付けるための骨格(リグ)を自動で生成する機能です。複雑なリギング作業を自動化し、モデルを素早く動かせるようになります。

動的ポリゴン数削減

生成された高精細な3Dモデルのポリゴン数を、品質を維持しつつ動的に削減する機能です。ゲームエンジンやAR/VRアプリケーションで使用するためにモデルを軽量化する際に非常に役立ちます。

高解像度エクスポート

Proプランでは、数百万ポリゴンの高精細メッシュや、最大8K解像度の高品質なテクスチャでモデルを書き出すことが可能です。

PBRマテリアル

プロダクション用途に対応した、物理的に正確なノーマルマップを含むPBRマップを書き出せます。モデルにリアルな質感と陰影を与えます。

メッシュを含む3DGSエクスポート

3D Gaussian Splattingで生成したシーンを、メッシュデータを含んだ形式でエクスポートできます。これにより、他の3Dソフトウェアでの編集や活用が容易になります。

その他詳しい情報は公式ウェブサイトへ

KIRI Engine 4.0 新機能と改善点

今回のバージョン4.0アップデートでは、特に人気の高い「フォトスキャンモード」が大幅に強化されたほか、AIを活用した新機能導入されました。

Free 3D Scan On Phone Got Better | Introducing KIRI Engine 4.0 | Improved 3D Scan Quality

フォトスキャンモードの大幅な改善

従来のフォトグラメトリ技術は、対象物の表面に豊かな模様(テクスチャ)がないと、特徴点を認識できずにスキャンに失敗することがありました。今回のアップデートでは、この弱点が大幅に改善されています。

1. 低テクスチャオブジェクトのスキャン精度向上

のっぺりとした質感のオブジェクトでも、より安定して高品質な3Dモデルを生成できるようになりました。これにより、スキャンの失敗が大幅に減少し、より多様なオブジェクトを3D化できます。

2. 処理速度が最大5倍に高速化

モデル生成の待ち時間が劇的に短縮されました。これまで10分近くかかっていた処理が、約2分で完了するようになり、作業効率が飛躍的に向上します。

3. アップロード枚数の上限引き上げ

より多くの写真をアップロードできるようになったことで、さらに高精細なモデル作成が可能になりました。

  • 無料プラン: 100枚 → 150枚
  • Proプラン: 300枚 → 500枚

新機能「ARモード」

撮影中にARモードを有効にすると、撮影した写真が3D空間上にカメラアイコンとして表示されます。

これにより、どの角度から撮影したかを視覚的に確認でき、撮り忘れを防ぎながら、オブジェクト全体をくまなくカバーできます。

スキャン&エクスポートが無制限に

これまで無料プランでは週3回までのエクスポート(書き出し)制限がありました、この制限が完全に撤廃されました。

これにより、無料ユーザーでもスキャンからモデルのエクスポートまでを回数無制限で利用できるようになり、長期的なプロジェクトにも活用しやすくなりました。

AIによるPBRマテリアル生成(Pro機能)

最新のAI画像生成技術(拡散モデル)を活用した、新しいPBR(Physically Based Rendering)トレーニングアルゴリズムが導入され、スキャンデータから、物理的に正確でリアルな質感を持つプロ品質のPBRマテリアルを自動生成できるようになりました。

これにより、生成される3Dモデルの質感がこれまで以上にリアルになります。

アプリ内でのフル解像度レンダリングとテクスチャ表示切り替え

新しい圧縮アルゴリズムにより、これまでモバイルデバイスでは低ポリゴンのプレビューしか表示できませんでしたが、バージョン4.0からはフル解像度の3Dモデルを直接レンダリングできるようになりました。

さらに、テクスチャのオン/オフを自由に切り替えられるため、メッシュ構造の確認がしやすくなっています。

価格プランとシステム要件

KIRI Engine Proは、月額または年額のサブスクリプションで利用できます。価格はキャンペーンやプラットフォームによって変動することがありますが、基本的な料金体系は以下の通りです。iOS App Storeの情報を参考にしています。

プラン標準価格 (目安)備考
月額プラン$9.99 / 1,150円〜手軽に始めたい方向けのプランです。価格は$17.99 / 2,500円程度の場合もあります。
年額プラン$59.99 / 9,000円〜月額プランよりも割安になります。1年間の継続利用を検討している方におすすめです。($12,000円の場合もあります)
プロモーション価格$29.99 / 4,500円〜新規ユーザー向け割引や期間限定セールなどで、通常よりお得な価格で提供されることがあります。

※上記はiOS App Storeの価格情報を基にした参考価格です。最新の正確な料金は、ご利用のプラットフォーム(App Store, Google Play Store)で直接ご確認ください。

料金プラン比較

機能無料プラン (Basic)Proプラン
価格無料有料
スキャン回数 無制限 無制限
エクスポート回数 無制限 無制限
写真アップロード上限150枚500枚
カメラロールからのアップロード
Featureless Object Scan (NSR)
AIによるPBRマテリアル生成
クアッドメッシュ リトポロジー
動的ポリゴン数削減
自動リギング
WEB版からのアップロード (DSLR写真など)

システム要件と対応プラットフォーム

  • 対応OS: iOS / Android
  • プラットフォーム: スマートフォンアプリおよびWebブラウザ版
  • システム要件: LiDARスキャンなど一部機能は、対応するセンサーを搭載したデバイス(iPhone Proモデルなど)が必要です。詳細な要件は各アプリストアのページをご確認ください。

各種リンク


KIRI Engine 4.0: Major Updates in Photogrammetry and AI-Powered PBR

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