2025年8月20日(現地時間)- AMDは、開発者がFidelityFXの機能をゲームに容易に統合できるようにするためのソリューションとして、AMD FidelityFX™ SDKのメジャーアップデート版であるバージョン2.0を公開しました。
FidelityFX SDK 2.0は、今後のAMD FSR Redstone機能を含む、新しいML(機械学習)ベースのニューラルレンダリング技術すべての基盤として機能します。その第一弾として、AMD FidelityFX™ Super Resolution 4(FSR 4)が開発者向けに公開されました。
FidelityFX SDK 2.0の主な変更点
AMD FidelityFX SDK 2.0は、AMDのソフトウェア提供における転換点となるとのことで、次世代のゲーミング体験に向けた重要な基盤を構築します。
- 新旧SDKの役割分担:AMD FSR Redstoneおよび将来のMLベース技術の展開を効率化するため、既存のFidelityFX機能はv1.1.4として引き続き利用可能です。一方、SDK 2.0は、次世代のAMDハードウェアとML技術に対応するために再設計された新しい機能群(AMD FSR 4アップスケーリングおよびFSR 3.1.5フレーム生成から開始)を提供します。
- ドライバによる自動アップデート:FidelityFX SDK 2.0とAMD FSR Redstoneの導入により、将来のAMD Software: Adrenalin Edition™ドライバのリリースを通じて、ゲーム内で使用されるMLベース技術のバージョンがデフォルトで更新されるようになります。これにより、プレイヤーはゲームタイトルごとのアップデートを待つことなく、常に最新の技術を体験できます。
- FSR 3.1以降を統合済みのゲームは、将来の AMD Software: Adrenalin Edition リリースを通じて FSR 4 アップスケーリング テクノロジへの自動バージョン アップグレードの対象となります。
- FSR 3.1.4を統合済みのゲームは、今後の AMD Software: Adrenalin Edition リリースを通じて、今後の FSR ML フレーム生成テクノロジーへの自動バージョン アップグレードの対象となります。
- 必須となった署名付きDLLの使用:安定性と将来のアップグレード性を確保するため、開発者は事前ビルドされ署名された
amd_fidelityfx_loader.dllを使用してFidelityFX SDKとやり取りする必要があります。- アップスケーリング技術を使用するには、FSR 2、3.1.5、4へのアクセスを提供する
amd_fidelityfx_upscaler.dllが必要です。FSR 4はAMD Radeon™ RX 9000シリーズ以降のGPUでのみ使用可能で、それ以外のハードウェアでは自動的にFSR 3.1.5が選択されます。 - フレーム生成技術を使用するには、
amd_fidelityfx_framegeneration.dllが必要です。この機能はオプションであり、サードパーティ製のアップスケーラーとも互換性があります。
- アップスケーリング技術を使用するには、FSR 2、3.1.5、4へのアクセスを提供する
なお、SDK 2.0に含まれるFSR 3.1.5は、AMD Radeon™ RX 7000シリーズ以前のグラフィックスカードをサポートするためのマイナーアップデートです。
新しいMLアップスケーラー「AMD FSR 4」
FSR 4は、AMD Instinct™ GPU上で高品質なゲームデータを用いてトレーニングされた、最先端のMLアップスケーリングアルゴリズムです。AMD RDNA™ 4アーキテクチャのハードウェアアクセラレーション機能を使用することで、ユーザーに最高のアップスケーリング品質を提供すると同時に、ゲームパフォーマンスを大幅に向上させ、次世代のゲーム体験を提供します。
視覚的忠実度の向上
AMD FSR 4 は、時間的安定性の向上、細部の保持の改善、ゴーストの低減を支援するように設計された ML ベースのアルゴリズムにより、FSR 3.1 アップスケーリングよりも大幅に画質が向上します。
ゴースティングの削減
FSR 4は、FSR 3.1と比較して、動くオブジェクトのゴースティングを大幅に低減し、遮蔽が外れたサーフェス(Disocclusion)から生じるアーティファクトを排除します。これにより、プレイ中の画像の鮮明さが大幅に向上します。


パーティクルエフェクトの保持
FSR 3.1では、モーションベクターが提供されない場合にパーティクルのレンダリングが不正確になることがありました。FSR 4のMLアクセラレーションアルゴリズムは、開発者がリアクティブマスクや透明マスクを提供しなくても、モーション中のパーティクルシステムのディテールを正確に保持することができます。


ディテールと時間的安定性の向上
FSR 4は、FSR 3.1よりも細かいディテールを抽出し、画像の鮮明さと時間的安定性を向上させます。これにより、草木のような細かいオブジェクトや、高光沢な表面でのちらつき(Flickering)も低減されます。


要件
- 対応GPU:
- [FSR 4.0.2 アップスケーリング] AMD Radeon™ RX 9000シリーズGPU以降
- [FSR 3.1.5 アップスケーリング/フレーム生成] Shader Model 6.2以上をサポートするGPU
- 対応APIとエンジン:
- DirectX® 12
- Unreal® Engine 5.1から5.6(プラグインによるFSR 4サポート)
- 対応OS:
- Windows® 10
- Windows® 11
Unreal Engine 5向けFSR 4プラグインガイド
AMDは、Unreal® Engine 5(バージョン5.1から5.6)向けに、FSR 4を容易に統合するためのプラグインを開発しました。このプラグインは、最先端のMLアップスケーラーと分析的フレーム生成を組み合わせ、サポートされるゲームのフレームレートを大幅に向上させます。
このFSR 4プラグインは、従来のFSR 3プラグインを完全に置き換えるもので、FSR 2、FSR 3、そして新しいMLアクセラレーションによるFSR 4アップスケーリング、さらにフレーム生成を単一のプラグイン内で提供します。AMD Radeon™ RX 9000シリーズ以降のGPUでは自動的にFSR 4が選択され、それ以外のハードウェアではFSR 3.1.5にフォールバックします。
また、パッケージにはUnrealのMovie Render Queue使用時のレンダリングを高速化するFSR4MovieRenderPipelineプラグインも含まれています。
セットアップと設定
- プラグインをダウンロードし、Unreal EngineのEngine/Plugins/Marketplaceディレクトリに配置します。
- Unreal Engineプロジェクトを開き、「Edit > Plugins」から「FSR 4」プラグインを有効にしてエディタを再起動します。
- プロジェクト設定のレンダリング項目で「Temporal Upsampling」を有効にし、「Anti-Aliasing Method」を「Temporal Super-Resolution (TSR)」に設定します。
- FSR 4は、プロジェクト設定の「FidelityFX Super Resolution 4.0」セクション、またはコンソール変数
r.FidelityFX.FSR4.Enabledで有効/無効を切り替えられます。
品質モードは、コンソール変数r.FidelityFX.FSR4.QualityMode(0: Native AA, 1: Quality, 2: Balanced, 3: Performance, 4: Ultra Performance)で設定できます。
統合に関する注意点と既知の問題
- World-Position-Offset (WPO):WPOを使用するマテリアルを正しく処理するためには、
r.Velocity.EnableVertexDeformationを有効にする必要があります。プラグインはデフォルトでこの設定を強制的に有効にします。 - 複数のアップスケーラー:別のテンポラルアップスケーラーに切り替える際は、常に一度に1つのアップスケーラーのみが有効になるようにしてください。現在のアップスケーラーを無効にしてから、新しいものを有効にする必要があります。
- UIレンダリング:フレーム生成を有効にすると、UIのレンダリング方法に2つのメカニズム(Slate RedrawまたはUI Extraction)があり、それぞれにトレードオフが存在します。半透明のUI要素などで品質差が出ることがあります。
- FSR 3の要件:FSR 4プラグインはFSR 3をフォールバックとして含むため、最適な品質を得るには、FSR 3に関する推奨事項(エンジンへのパッチ適用、リアクティブマスクの調整など)を理解し、プロジェクトごとに対応する必要があります。
詳細な設定項目やトラブルシューティングについては、公式のプラグインガイドを参照してください。
関連情報
バイナリと限定的なソースコードがGitHubで公開されています。また、GPUOpenでは詳細なドキュメントも提供されています。
機能リクエストやSDKに関する問題を発見した場合は、AMDの担当者に連絡するか、AMD Developer Community Discord Serverに参加してフィードバックを提供することが推奨されています。
FSR 4やFidelityFX SDK 2.0に関するさらなる情報は、以下のページで確認できます。
AMD FidelityFX SDK 2.0 launches our neural rendering technologies for developers
























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