2025年4月3日(現地時間) – Nekkiは、AIアシストキャラクターアニメーションソフトウェアの最新アップデート Cascadeur 2025.2 をリリースしました。
新機能ハイライト
このアップデートでは、中間ポーズ生成機能の強化、支点自動検出、軌道接線編集（ベータ）など、多数の機能が強化されました。
Inbetweeningの改善
今回のアップデートでは2025.1で新機能として追加されたInbetweening（中割り）機能の改善が行われました。
新たに「歩行」「走行」「ジャンプ」など9種類のモーションスタイルが追加され、生成したいアニメーションの種類をより細かく制御できるようになりました。
これにより、異なるアニメーション間でもシームレスなトランジションを簡単に作成できます。
内部アルゴリズムも更新され、特に短い間隔でのアニメーション生成品質が向上し、キーポーズ間の遷移がより滑らかになっています。
キーフレームを変更せずに中割りアニメーションをクリーンアップする「Use Fulcrum Motion Cleaning」オプションも追加され、作業効率がさらに向上しました。なお、生成可能なアニメーションの最大長は120フレームに拡張されています。
Trajectoriesの改善
ビューポートでのタンジェント編集（ベータ版）
ベータ機能として、ビューポート上で直接軌道（Trajectory）のタンジェントを編集できるようになりました。ツールバーの専用アイコンからこのモードに切り替えることで、ベジェタイプの補間カーブを直感的に調整できます。
タイムライン上では編集されたタンジェントが赤い点で示され、リセットボタンや右クリックメニューから簡単に元に戻すことも可能です。タンジェントを連動させて動かす「Link tangents」オプションも用意されており、より効率的な編集が可能です。
方向の軌道 (Direction Trajectories)
今回のリリースでは、新しいタイプの軌道として方向の軌道が追加されました。これは、補間に方向データを使用するすべてのポイントで有効にできる機能です。
ツールバーのボタンから、通常の平行移動の軌道と回転の軌道を切り替えるのと同じようにして、この新しい方向の軌道を有効にすることができます。
Fulcrums（支点）の改善
支点（Fulcrum）の自動検出
支点の検出プロセスが、よりスマートなアルゴリズムによって完全に自動化されました。ほとんどのケースで手動設定が不要になり、アニメーターはより創造的な作業に集中できます。もちろん、従来通りの手動設定を好む方や、特定の挙動を強制したい場合は、オブジェクトプロパティから支点の状態をカスタマイズすることも可能です。
その他の改善
Fulcrum Motion Cleaningツールが、膝が不自然に「ポッピング」する現象も除去するようになりました。さらに、このツールには、「キーフレームのみ使用（Use Only Keyframes）」オプションが追加されています。
Video Mocapの改善
Video Mocapツールが更新され、キャラクターの全体的な位置決めや足の滑りが自動で改善されるようになりました。これにより、モーキャップデータの後処理にかかる時間が短縮されます。
ユーザーインターフェースの改善
今回のアップデートでは、多数のUI改善が含まれています。Cascadeurは最後に使用したレイアウトで起動するようになり、作業の再開がスムーズになりました。
その他にも、アウトライナーの「すべてを折りたたむ」ボタン、補間タイプを切り替えるホットキーの割り当て、Twin Machineの別ウィンドウ化など、日々の作業を快適にするための細かな改良が加えられています。
改善リスト：
- Cascadeurが最後に使用したレイアウトで起動するようになりました。
- アウトライナーに「すべてを折りたたむ（ Collapse All）」ボタンが追加されました。
- ホットキーのツールチップが、ホットキー編集後に更新されるようになりました。
- 補間タイプを切り替えるホットキーを割り当てられるようになりました。
- Twin Machineが別のウィンドウで開くようになりました。
- カメラコマンドがコマンドメニュー内の別のフォルダに移動しました。
- コマンドメニューにn番目のキーを削除するコマンドが追加されました。
- カスタムタンジェントの表示がタイムラインに追加されました。
- AutoPosingコントローラーが軌道編集（Trajectory Edit）モードで編集できるようになりました。
- スイングとツイストのデータが度単位で測定されるようになりました（以前はラジアンでした）。
- タイムラインの高さを自動調整するボタンが追加されました。
- スライダー変更後のアンドゥ（元に戻す）で更新がトリガーされるようになりました。
- 「選択を反転（ Invert selection ）」コマンドが追加されました。
- タイムラインのスクロール速度がマウスホイール使用時に一定になりました。
- スプラインIKを持つ背骨をダブルクリックした際に、手が正しく選択されるようになりました。
その他のアップデート
- Physicsの改善：AutoPhysicsツールがデフォルトで完全に有効になり、セットアップの手間が省かれました。また、弾道運動中のキャラクター同士が干渉するような、より複雑な物理シミュレーションにも対応しました。
- Constraints（コンストレイント）の改善：コンストレイントのユーザーエクスペリエンスが改善され、作成から管理までの一連のプロセスが、より直感的でスムーズになりました。削除時のダイアログも改善されています。
- 3DConnexion 3D Mouseのサポート：多くの要望があり、3DConnexionの3Dマウスが正式にサポートされました。これにより、3D空間でのカメラ操作がより直感的になります。（注意：現在Windows版のみの対応となり、ご使用には別途ドライバのインストールが必要です。）
- ミラーツールにカスタム接尾辞の設定が可能に
- AutoPosing の大型ポイントの配置精度が向上（2025.1.3で悪化していた挙動が改善）
- バーチャルジョイントがリギングツールの方向指定に使用可能に
- 古い形式でのシーン保存オプションを削除
- 挙動ビューアにプロパティタイプ取得用のメソッドを追加
- リンクされたシーンパラメータのインポート／エクスポートが可能に
- ノードエディタの起動速度が向上
- シーン再生後にノードエディタが更新されるように改善
- ノードエディタ内でデータ周期の表示に対応
- カスタムノードレイアウトの保存オプションを追加
- FBXインポート時に非整数のフレームレートがサポートされるように
- AutoPosing で「ピボット相対コピー」が使用可能に
- Quick Rigging Tool が標準外のジョイント階層を持つ一部スケルトンに対応
- Quick Rigging Tool におけるリグオブジェクトのトラック分配方式が変更
- ツールオブジェクトのIDを一括取得するメソッドを追加
- データエディタにおける削除操作の手法を改善
- .casc 形式での保存時の容量と速度を最適化
- テクスチャとリンクされたシーンを相対パスで自動検索する機能を追加
その他多数の修正が行われています。すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
Cascadeur は、Windows 10 (バージョン1809以降), 11、Ubuntu 20.04以降macOS 13.3以降で利用できます。
より詳しいシステム要件の確認はこちらから
Cascadeur Free、Indie、Pro、Teamsライセンスの4種類となります。
- Cascadeur Free： アニメーションのアンベイクやレイアウトのカスタマイズなど、新機能の多くを提供。アニメーションは独自の.CASCフォーマットでのみ保存されます。
- Cascadeur Indie (96ドル/年または12ドル/月)： 独立系アニメーターや小規模スタジオ向け、従来のProオプションの3分の1以下のコストで、無制限のアニメーションエクスポートを提供します。このライセンスには、Cascadeur Freeのすべての利点と、FBX、DAE、USDへのエクスポートオプションが含まれています。
- Cascadeur Pro (396ドル/年または49ドル/月)： 最も包括的なツールをお探しのプロのアニメーターやスタジオ向けです。Cascadeur Proには、シーンリンキング、アニメーションリターゲット、Physicsの環境インタラクション強化などの高度な機能が含まれており、高品質なアニメーションの制作に必要なすべてを提供します。
- Cascadeur Teams ： 6人以上のチームには割引が適用されます。このプランはお問い合わせが必要です。
※CascadeurのIndieおよびProライセンスは、年払いを選択すると、最低利用期間である1年後に自動的に永久ライセンスに変更されます。
つまり、最初の1年後にサブスクリプションをキャンセルした場合でも、サブスクリプション期間中にリリースされた最後のバージョンを、時間の制限なくフルに使用し続けることができます。
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