2025年7月15日(現地時間) – Adobe は、マテリアルオーサリングソフトウェアの最新アップデート Substance 3D Designer 15 をリリースしました。
新機能ハイライト
今回のアップデートでは、全く新しい3Dレンダラーが搭載され、USD(Universal Scene Description)のネイティブサポートによりデータの損失なしにシーンを編集およびエクスポートできるようになりました。他にも数々の機能強化が行われています。
新しい3Dレンダラー
新しく開発された高度な3Dレンダラーが利用できるようになりました。
この新しいレンダラーは、ラスタライザーモードでのシャドウなどの機能強化、品質とパフォーマンスの向上に加え、 MaterialXなどの将来の技術にも対応できるように設計されています。Designerの既存のOpenGLおよびIrayレンダラーを補完し、Substance 3Dエコシステム内の他ツール(SamplerやViewer)と一貫性のあるレンダリング結果が得られます。
USD に依存しているため、Adobe のUSDFileFormat プラグインを活用して、FBX や GLTF などの多くの 3D シーン形式をインポートし、マテリアル、テクスチャ、カメラ、ライトを含むこれらのシーンを完全にレンダリングすることが可能です。
このレンダラーは2つのモードを備えています。
- ラスタライザー (Rasterizer) モード: マテリアル制作中にリアルタイムで高速なプレビューを提供します。新たにシャドウ(影)の表示にも対応し、ライティング環境下でのマテリアルの見え方をより正確に確認できるようになりました。
- パストレーサー (Pathtracer) モード: レイトレーシング技術により、物理的に正確で完璧な最終品質のレンダリング結果を生成します。


さらに、3Dビュー ツールバーは更新され、このレンダラーで利用できる以下のような新機能にすぐにアクセスできます。
- 選択ツール:シーン内のサブメッシュを選択します。サブメッシュを選択すると、フォーカス(F)またはマテリアルプロパティ(右クリック)にアクセスできます。
- パストレーサーを有効にする:パストレーサー モードとラスタライザー モードをすばやく切り替えます。
- 影を有効にする:シーン内の影を有効にします。光に応じてマテリアルがどのように動作するかを確認するのに役立ちます。
- グラウンド プレーンを有効にする:シーン内のグラウンド プレーンを有効にするかどうかを指定します。
また、環境ライトを回転するホットキーが他の Substance アプリに合わせて変更され、Ctrl キーを押しながら Shift キーを押しながら右クリック ではなく 、Shift キーを押しながら右クリックになりました。
ポストエフェクト
ポストエフェクトが復活、カメラメニューから、ポストエフェクト機能が利用可能になりました。
- ブルーム (Bloom):光源や反射など、明るい部分の周りに美しい光のにじみをシミュレートします。
- トーンマッピング (Tone mapping):カラーレンジを調整し、HDR(ハイダイナミックレンジ)のような豊かな色彩表現を可能にします。
- 被写界深度 (Depth of Field):カメラのレンズのように、特定の場所にピントを合わせ、背景をぼかす表現が可能です(ラスタライザーのみ)。
コンテキスト内でのアセット編集
マテリアルを作成する際、「実際のシーンに適用したらどう見えるか」を常に確認したいものです。
バージョン15.0では、テクスチャ、カメラ、ライトを含む3Dシーン全体をインポートし、その中で直接マテリアルを編集できるようになりました。シーンがMaterialXシェーダーを参照している場合、ラスタライザーで正しくレンダリングできます。

これにより、以下のようなワークフローが可能になりました。
- シーンのインポート: USD(.usda, .usdc, .usdz)、glTF、FBX、OBJなど、多数のフォーマットに対応したシーンファイルを読み込みます。
- マテリアルの上書き: シーン内の任意のメッシュを選択し(Shiftキーを押しながらクリックするか、シーンブラウザを使用)、そのマテリアルを現在作成中のDesignerグラフに置き換えて、リアルタイムでプレビューできます。
- 既存マテリアルの編集: シーン内の既存マテリアルからテクスチャを抽出し、新しいグラフを生成して微調整を加えることも可能です。
その後、以下の操作が可能です。- グラフを作成またはロードし、シーン マテリアルに適用します。
- 既存のマテリアルのテクスチャを新しいグラフに抽出して調整します。
- データ損失のないエクスポート: 編集したシーンは、新しいファイルとして、または元のUSDファイルの新しいレイヤーとしてエクスポートできます。これにより、データの損失を防ぐことができます (USD 形式のみ)。
さらに、すでに利用可能な FBX および OBJ 形式に加えて、インポートとエクスポートの両方で、USD (+ usda、usdc、usdz)、STL、PLY、GLTF などのさらに多くの 3D 形式がサポートされるようになっています。
リッチツールチップ
各ノードの機能がより直感的に理解できるよう、新しいツールチップが導入されました。
ノードにカーソルを合わせると、そのノードがどのような効果をもたらすかを示す画像やアニメーションが表示されます。さらに、詳細なドキュメントへの直接リンクも含まれており、パラメータの詳細や使い方のヒントをすぐに確認できます。
※現在はアトミックノードのみ対応
非正方形テクスチャサポートの改善
3Dビューのマテリアルプロパティで、UVタイリングをX軸とY軸で個別に設定できるようになりました。
これにより、長方形などの非正方形テクスチャを扱う際の柔軟性が大幅に向上します。

ベイカーのパフォーマンス向上
ベイクインターフェースはマイナーアップデートのみですが、ベイカーライブラリが全面的に再構築され、GPUベースで動作するようになりました。これにより、ベイク処理のパフォーマンスが劇的に向上し、作業時間を大幅に短縮できます。
これに伴い、コマンドラインツールの名称がsbsbaker.exeからsubstance3d_baker.exeに変更されています。
その他の新機能
【3Dビュー & レンダリング】
- 全く新しいレンダラーを搭載(ラスタライザー&パストレーサーモード)
- 3Dシーン内のオブジェクトを選択するツールを追加
- USDシーンに含まれる複数カメラの切り替えに対応
- リアルタイムモードでのシャドウと半透明をサポート
- インポートしたUSDシーンのMaterialXシェーダーをサポート
- ポストエフェクト(ブルーム、被写界深度、トーンマッピング)を実装
- UVタイリングをX軸とY軸で個別に設定可能に
【ベイカー機能】
- GPUベースに刷新され、パフォーマンスが大幅に向上
- UDIMワークフローのテクスチャ入力に対応
- ベイクウィンドウがモーダル化
- 接線再計算のオプションを追加
【相互運用性】
- GLTF, PLY, STL ファイルフォーマットのインポート・エクスポートに対応
- エクスポートしたUSDZファイルが自己完結型に
【UI & UX】
- アトミックノードにリッチツールチップを導入
- 環境光の回転ショートカットを
Shift + 右クリックに変更(他のSubstanceアプリと統一) - コマンドラインベイカーの名称が
sbsbaker.exeからsubstance3d_baker.exeに変更されました
【プラットフォーム】
- Intel CPU搭載Mac (MacIntel) のサポートを終了
- VFX Reference Platformの各種ライブラリを更新 (Qt 6.5.8, OpenColorIO 2.4.x など)
価格とシステム要件
Substance 3D Designer は、Windows 10 64ビットバージョン22H2以降、macOS 11 Big Sur以降、Linuxで利用できます。
より詳しいシステム要件はこちらから
Substance 3D Designerは、Adobe Substance 3D アプリのサブスクリプションプランに含まれています。
- Adobe Substance 3Dテクスチャリングプランには、Painter、Designer、Samplerアプリと、豊富な3Dアセット、100GBのクラウドストレージ、25 – 毎月の生成クレジットが含まれています。
- Adobe Substance 3D Collectionプランには、Painter、Designer、Sampler、Stager、Modelerアプリと、豊富な3Dアセット、100GBのクラウドストレージ、25 – 毎月の生成クレジットが含まれています。
- グループ版Adobe Substance 3D Collectionプランには、5つのアプリ、豊富な3Dアセット、1TBのストレージ、とライセンス管理や高度なサポートが含まれています。
価格は次のようになっています。
| Adobe Substance 3D テクスチャリング | 月々プラン月々払い | 3,380 円 |
| 年間プラン(一括払い) | 33,880 円 | |
| Adobe Substance 3D Collection | 月々プラン月々払い | 8,180円 |
| 年間プラン(一括払い) | 81,880円 | |
| グループ版 Adobe Substance 3D Collection | 月々プラン月々払い | 16,280 円 |
| 年間プラン(一括払い) | 195,360 円 |
Substance 3Dは、大学・高等教育機関向けCreative Cloudコンプリートプラン(小中高校は対象外)に含まれており、追加料金なしで利用できます。高等教育機関向けプランにアセットは含まれていません。
また、Substance 3D Collection アプリは、高等教育機関の学生と教師が無料で利用できます。(非営利、教育目的での使用のみ)
■Steam版ライセンス
Adobe Substance 3D Designer はSteamでも購入可能です。
価格は、個別の買い切り価格が22,000円です。
Painter、Designer、Modelerが利用可能な Substance 3D Indie サブスクリプションが2800円/月です。
Adobe Substance 3D Designer Steam ページへ

























コメント