2025年4月29日(現地時間)- Chaos は、V-Rayシーンを100%レイトレース環境でリアルタイムに探索・操作するためのツールの最新アップデート Chaos Vantage 2 アップデート8 のリリースを発表しました。
新機能ハイライト
このアップデートでは、より高速なレンダリング、精密なライティング制御、ブルームとグレアのカメラエフェクト、その他多数の新機能が追加されました。
シェーダー実行リオーダリング(SER)
NVIDIAのAdaおよびBlackwell GPUに搭載されたSER最適化機能に対応しました。
Shader Execution Reordering (SER)の活用により、パフォーマンスが最大80%向上し、リアルタイムおよびオフラインレンダリングが高速化されました。

ライトリンキング
シーン内の各ライトが特定のオブジェクトにどのように影響するかをコントールするためのライトリンク機能が追加されました。
ライトごとにオブジェクトを含めるか除外するかを設定し、ハイライト、シャドウ、全体的な構成を微調整できます。焦点を絞ったライティング設定やクリエイティブな制御に最適です。

レンズエフェクト
現実世界のカメラの挙動をシミュレートしたブルーム(光のにじみ)およびグレア(まぶしさ)エフェクトが追加されました。
明るい領域に映画のような輝きとリアリズムを追加し、レンダリングにおける奥行き、雰囲気、視覚的インパクトを高めることができます。

パララックスシェーダー
モデリングすることなく、レンダリング可能な部屋を視差を利用して表現するパララックスシェーダーをサポートしました。
このシェーダーはフラットなジオメトリ(形状データ)に適用でき、完全に家具が配置された内部空間のような錯覚を作り出し、時間とリソースを節約するのに役立ちます。

時間的な一貫性
散乱した要素(スキャッター要素)をフレーム間で安定させることができるようになりました。
例えば草木や小石などを地面のような表面にたくさん散布(スキャッター)して配置する場合、その表面がアニメーションで動いたり変形したりすると、散布したオブジェクトが不自然にズレたり、ちらついたりすることがあります。
この「時間的整合性」機能を有効にすると、こうした問題を抑えることができます。オブジェクトは最初に配置された基準となるフレームでの位置を保ち、表面が動いてもその動きに合わせてしっかりと追従します。これにより、アニメーションを通じて散布されたディテールが安定して表示されるようになります。

スイッチマテリアル
VRaySwitchMtl をサポートし、マテリアルのバリエーションを素早く簡単に切り替える方法が追加されました。
これはルックデベロップメントや、シェーダーを再構築せずに素早く比較するのに役立ちます。

その他
- マテリアル:
- VRayMtlおよびVRayLightMtlにおけるカメラ露出補正のサポート。
- テクスチャ:
- ビデオファイル(H.264, H.265, AV1, VP8, VP9コーデック)をビットマップテクスチャとして使用する機能。
- VRayUVWRandomizerの「Random Flip U/V」オプションのサポート。
- ハードウェア:
- 最新の統合AMD GPU(16 CU以上)のサポート。
- 環境:
- vrsceneファイルからのアニメーション化された環境回転のサポート。
- 統計情報:
- テクスチャとメッシュに関する統計情報ダイアログの実装。
- デノイザー:
- OIDN 2.3.3へのアップグレード(最新NVIDIA/AMD GPUサポート追加)。
- カラーマネジメント:
- OpenColorIO 2.4.2へのアップグレード(ACES 2.0サポート追加)。
- クラウド(雲):
- Enscape由来のvrsceneにおけるクラウド(雲)サポートの改善。
- 色補正:
- ぼかし半径のVFBとの一致度改善。
- などなど
価格とシステム要件
ChaosVantageは、Windows 10 Update 2004 (バージョン 10.0.19041)以降、DXR 互換の NVIDIA または AMD GPUで利用できます。
より詳しいシステム要件はこちらから
価格は97,200円/年または16,200円/月です。
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