2025年4月15日(現地時間)- Leopolyは、VR&PCスカルプトツール Shapelab2025 の春のアップデートを発表しました。
Shapelabは、主に有機的なモデリングを目的としたVR専用の3Dデザインアプリケーションです。堅牢なポリゴンベースのエンジンと機能セットにより、アプリケーション、ゲーム、仮想世界向けの高品質な小道具、キャラクター、コンセプトの作成に加え、デジタルコンセプトアートやストーリーボード、3Dプリント用素材の作成も可能です。
新機能ハイライト
この「Shapelab 2025 春のアップデート」では、長らく期待されていたボクセルモデリング機能が初めて導入され、既存のポリゴンモデリングと組み合わせたハイブリッドなワークフローが可能になりました
その他にも、操作性やワークフローを改善する多くの新機能や改善が加えられています。
ボクセルエンジン
今回のアップデート最大の目玉は、ボクセルベースのモデリングツールの初実装です。
Shapelabは引き続きポリゴンメッシュベースが主体ですが、ボクセルは強力なセカンダリエンジンとして、特にスケッチング、ブロックアウト(大まかな形状作成)、アイデア出しといった初期段階のワークフローでその力を発揮します。これにより、ポリゴンの精密さとボクセルの直感的な造形性を組み合わせた、新しいハイブリッドなモデリング体験が実現します。
■アクセス方法:
- 既存のポリメッシュオブジェクトを、コンテキストメニューの「
Object Transform
」タブからボクセルに変換できます。 - 「
Create Tool
」で、生成するオブジェクトの種類をポリメッシュかボクセルか選択できます。 - シーンモードツールパレットから「
Voxel Clay Brush
」を選択し、シーンに直接新しいボクセルオブジェクト(レイヤー)を描画することも可能です。
■解像度とパフォーマンス
ボクセルツールのパフォーマンスは解像度に依存します。各ボクセルオブジェクトは固定サイズのワークスペースを持つため、解像度を上げると実質的なボクセル数が増え、負荷が高まります。
パフォーマンスに問題がある場合は、ボクセルオブジェクトの「Volume Control
」タブで解像度を調整してください。
■初期ブラシセット
まずは以下の基本的なボクセルブラシが利用可能となっています。
Voxel Clay
: ボリュームの追加・削除Smooth Voxel
: ジオメトリの平滑化・ブレンドInflate/Deflate Voxel
: ボリュームの拡大・縮小Stamp Voxel
: 定義済み形状のスタンプ
■開発中の機能
このボクセルエンジンはまだ開発中 (Work in Progress)であり、いくつかの既知の制限事項があります。
- パフォーマンス/滑らかさ: 特定解像度以上でのブラシの滑らかさなど、改善に取り組んでいます。
- 視覚的グリッチ: 表面に小さな穴のように見えるレンダリング上の問題が発生することがあります。
- 変換時のアーティファクト: ポリメッシュ↔ボクセル変換時に、わずかなボリュームや色の異常が発生する可能性があります。
- 解像度の蓄積: 繰り返しの変換で意図せず解像度が上がる場合があります。
- 未対応機能: ボクセルペイントはまだ改良中、マスキングは未対応(変換時に情報消失)、ブーリアン演算未対応、その他ワイヤーフレーム表示、ピボット編集、ミラーリング、結合/分離などもボクセルオブジェクトには未対応です。
- などなど
テンプレートとスタンプ
再利用可能なアセットとして、「テンプレート」(Create Tool
用、未処理の複雑な形状、.fbxなど)と「スタンプ」(Stamp Tools
用、処理済みの単純な形状、.stamp3d)の2種類が導入されました。
ユーザーは独自のカスタムシェイプ(.stamp3d)をStamp Tools
で使用できるようになり、モデリングの自由度が大幅に向上しました。
スカルプトカーソル再配置
スカルプト作業中の快適性と操作性(エルゴノミクス)を向上させるため、ツールカーソルの位置を自由に変更できるようになりました。
スカルプトツール、ブラシ、シーンツールパレットの「Create Tool
」で使用可能です。Options
→ VR Settings
でオン/オフを切り替えることができます。
オフハンド(利き手でない方の)コントローラーをメインツールカーソルに近づけ、グラブインジケーターが表示されたらグリップボタンを押しながらカーソルを好きな位置に移動し、ボタンを離します。リセットするには、再度グラブして副コントローラーのコンテキストリセットボタンを押すか、Options
→ VR Settings
に移動します。
クイックスイッチ
クイックスイッチ機能により、ナビゲーション、オブジェクト選択、編集モードへの移行が一つの流れるようなアクションに統合され、ワークフローが高速化します。
オフハンドコントローラーのサムスティックを上に倒すとレイキャスト選択モードが起動します。オブジェクトにカーソルを合わせてサムスティックを離すと、そのオブジェクトが即座に選択され、Edit Mode
に入ります。(デスクトップでは Alt + Q)
キャビティマスキング
表面の曲率(凹凸)に基づいてマスキングを行える新機能です。
マスキングUIに「Curvature Constraints
」セクションが追加され、くぼみ(キャビティ)や隆起(バンプ)を選択的にマスクできます。特にペイント作業で有効です。複数のマスキングモードと組み合わせたり、「Spread Slider
」でマスクの広がり方を調整したりできます。

ブラシフォールオフカーブ
多くのスカルプトブラシで、ストロークの影響範囲の減衰具合(フォールオフ)をカスタムプロファイルで微調整できるようになりました。
シャープなカーブ使用時のジッター(がたつき)を軽減する自動ステップサイズ調整オプションも含まれています。

この機能は、ブラシ強度スライダーの隣にある歯車アイコンから設定できます。
クイックアクセスパイメニューの強化
頻繁に使う機能を登録できるクイックアクセスホイール(QAW)がさらに便利になりました。
- 新アクション追加: マスキングワークフロー、選択オブジェクトの結合、アクティブオブジェクトのボクセルリメッシュ、アクティブオブジェクトのミラー&溶接などを登録可能になりました。
- 登録スロット数の増加とレイアウトの最適化: 登録スロット数が10から12に増加し、レイアウトも最適化されました。

その他
- パラメトリックプリミティブの密度制御:プリミティブ生成前に「
Polygon Density Slider
」で解像度を調整できるようになりました。これにより、ユーザーはプリミティブの作成時に、その詳細度や低ポリゴン数を正確に制御でき、より意図的でパフォーマンスを考慮したモデリング設定が可能になります。これは、ボクセル解像度の最適化やポリゴン数の最小化に特に役立ちます。 - 対称デッドゾーンの修正 – 重なり合う平面:以前のバージョンでは、複数の対称平面を使用すると、スカルプトの「デッド ゾーン」が原因で、重なり合う領域で予期しない結果が生じることがよくありました。ブラシは対称交差点でも正しく動作するようになり、すべてのアクティブな平面にわたって一貫したミラーストロークが保証されます。
- シーンモードの制限が解除:以前は、トポロジ変換タブの機能は、シーン モードに切り替えた後にのみアクセスできました。モードを切り替えることなくトポロジ変換タブとその機能を開いて使用できるようになり、オブジェクト レベルの変換と編集が効率化されます。
価格とシステム要件
システム要件の確認はこちらから
バージョン 2024からライセンスが変更され、サブスクリプションプランがオプションで導入されました。なお、今後 Shapelab は、年間バージョンの永久ライセンスとして、1 回限りの支払いで引き続き利用可能です。
Shapelab は永久ライセンスとサブスクリプションの両方で利用可能です。
永久ライセンスは、年末までのアップデートと将来のバージョンの割引が含まれ、通常7100円(Steam)または64.99ドルです(セール価格 – 5,325円(Steam)または48.74ドル)。
サブスクリプションは29.99ドル/年です。
Shapelab 2024 ユーザー向け(以前Shapelabを購入された方)アップグレード情報:
- 2025年4月30日まで(現地時間): Shapelab 2025 Upgrade DLCを利用することで、50%割引で Shapelab 2025 へアップグレード可能です。(正しいDLCを選択する必要があります)
- 2025年5月1日以降: 既存ユーザーは 40%割引でアップグレード可能です。
- アップグレードしない場合でも、引き続き Shapelab 2024 を使用できます。
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