2025年4月24日(現地時間)- Unity は、Unity 6ファミリー初のアップデートリリースとなるUnity 6.1のリリースが利用可能になったことを発表しました。
Unity 6リリースのサポートについて
Unity 6では、すべてのバージョンで一貫した品質と安定性を確保し、制作に適したバージョンを簡単に選択できるようにするため、新しいリリースモデルが導入されました。
新しいリリースモデルでも引き続き長期サポート(LTS)バージョンは提供されますが、それに加えて新機能とプラットフォームサポートをより迅速に提供するために、アップデートリリース(例:Unity 6.1)が導入されます。
Unity 6.1およびすべてのアップデートリリースは、LTSリリースと同じ厳格な品質保証と安定性テストを受けます。アップデートリリースは、主に新機能の早期テスト用であった以前のTech Streamリリースとは異なり、製品版としてすぐに利用可能で、完全にサポートされています。

■長期サポートリリース(LTS)
- 2024年10月にリリースされたUnity 6.0 LTSは、2年間のLTSでサポートされ、Unity EnterpriseおよびUnity Industryユーザーにはさらに1年間のサポートが提供されます。
- Unity 6.3は、今年後半にLTSバージョンとしてリリースされる予定です。年1回のリリースを目指しており、プロジェクトの安定した基盤を提供します。
- 推奨対象: ライブサービスゲームや、特定のUnityバージョンで制作を確定しようとしているクリエイター。
■アップデートリリース(サポート対象)
- アップデートリリースとして、Unity 6.1は次のリリースが公開されるまで、LTSと同等のサポート(バグ修正や重要なプラットフォームアップデートを含む)を受けます。Unity 6.2がリリースされると、それが唯一のサポート対象バージョンになります。Unityは、毎年複数のアップデートリリースをリリースすることを目指しています。
- 安定性やパフォーマンスを犠牲にすることなく、最新機能を利用できるため、アップグレードが容易です。
- 推奨対象: 新規および開発中期の制作、最新機能やサポート対象プラットフォームを求めている開発者。アップデートリリースは完全に製品版として利用可能であり、最新の機能、プラットフォームサポート、パフォーマンス改善が含まれているため、新しいプロジェクトを開始するのに最適な選択肢です。
LTSとアップデートリリースの両方をサポートすることで、Unityは開発とライブプロダクションへの取り組み方において最大限の柔軟性を提供することを目指しているとのことです。
新機能ハイライト
Unity 6.1は、Unity 6.0 LTSの安定性とパフォーマンスを基盤に、グラフィックスの向上、効率化、対応プラットフォームの拡大などのアップデートが行われています。
このアップデートリリースで利用可能な新機能のハイライトには以下のようなものがあります。
■パフォーマンス最適化
Unity 6.1は、さまざまなハードウェアでゲームがスムーズに動作するように、大幅なパフォーマンス最適化が行われています。
- Deferred+: ユニバーサルレンダーパイプライン(URP)の新しいDeferredレンダリングパスにより、高度なクラスターベースのライトカリングとGPU Resident Drawerを活用し、より多くのライトやオブジェクトを含む豊かな世界の構築をGPUパフォーマンスを向上させながら実現します。
- Variable Rate Shading: 視覚的な品質への影響を最小限に抑えつつ、GPUパフォーマンスを向上させます。URP/HDRP内でカスタムパスのシェーディングレートを設定し、テクスチャやシェーダーからシェーディングレートイメージ(SRI)を生成することができます。
■ワークフローの改善
より高品質なゲームをより効率的に提供するためのツールで開発プロセスを効率化できます。
- Project Auditor(静的分析): スクリプト、アセット、プロジェクト設定、ビルドを分析し、品質やパフォーマンスの最適化、問題解決に役立つ情報を提供します。
- Build Automation: エディターに直接統合されたクラウドビルド機能により、ビルドプロセスを効率化し、イテレーションサイクルを加速します。
■プラットフォームやデバイスサポート
- 大画面・折りたたみ式デバイス: 最新のAndroid APIに対応し、大画面と折りたたみ式デバイスのサポートが強化されました。
- Unity for Web: Webブラウザのコンピューティングアクセラレーションを利用可能な最新のWebGPUグラフィックスAPI統合を試すことができます。モバイルブラウザを含む、Webが存在する場所ならどこでもUnityゲームを実行できます。
- Instant Games (Facebook/Messenger): FacebookおよびMessengerへのインスタントゲームのビルド、最適化、アップロードプロセスが効率化。
- Android XR / Meta Quest: 複数のビルド構成作成や、URP Application Spacewarpを使用したShader Graphのサポートにより、開発プロセスを効率化。
- PC / コンソール: 強化されたDirectX 12サポートにより、CPUパフォーマンス、PSOキャッシング、レイトレーシングが向上します。
■安定性とパフォーマンス向上
Unity 6世代ではリリースプロセスが見直され、アップデートリリース間のアップグレードがよりスムーズに、中断を最小限に行えるようになりました。
すべてのアップデートリリースは、最低2ヶ月間のリグレッションテストを受け、実際のゲームを用いた本番環境でのテスト(Production Verification)も行われます。
Unity 6リリースは、さまざまなジャンルやプラットフォームでゲームを構築しているスタジオとの実際の制作環境でテストおよび検証されています。これらのチームは最新バージョンのUnityを使用しており、一部のプロジェクトでは、エンジニアを制作チームに直接組み込む共同開発者として活動しています。 このProduction Verification アプローチにより、次のことが可能になります。
- 複雑な実際のシナリオで機能をテストする
- 制作規模でのみ現れる問題を特定する
- ゲーム開発者からの直接的なフィードバックに基づいてツールを改良する
- 多様な開発環境での安定性を確保
このように開発者と協力することで、隔離されたテスト環境だけでなく、実際の環境で確実に機能するツールを提供できるとされています。
例えば実際に以下のような検証が行われています。
- Survival Kids(KONAMI):Unityが共同開発者としてエンドツーエンドで設計・開発。エンジンのパフォーマンスと安定性を直接改善。
- DREDGE (Black Salt Games / Google):Androidへの移植作業を通じて、ゲームサービスについて学び、最適化を実施。
- Den of Wolves (10 Chambers):開発中の協力型FPSゲームで、Unityエンジンのグラフィックス改善を検証。
- Litesport / TRIPP :新しいAndroid XRプラットフォームの準備状況(実用性)を検証。
これらのProduction Verificationプログラムを通じて得られた洞察は、最新のアップデートリリースの多くの改善に直接影響を与えているとのことです。

ダウンロード
Unity 6.1は、安定性、パフォーマンス、プラットフォームリーチへの継続的な注力を示すリリースなっています。
その他詳しい情報は以下のリンクをご参考に
詳細情報:
- Unity 6.1 リリースノート
- Unity マニュアル
- What’s new in Unity 6.1 ライブストリーム
- Unity Discussions (Q&A)
- Unity ロードマップ (フィードバック)
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