2025年3月27日(現地時間)- Apple は、Final Cut Pro11.1&iPad用Final Cut Pro 2.2をリリースしました。
新機能ハイライト
Final Cut Pro 11.1
Final Cut Pro 11.1 for Macでは、複数のクリップにエフェクトを適用できる調整クリップが導入され、AIを活用した画像生成が可能なImage Playground機能と、リアルな音響効果を実現するQuantec Room Simulatorが追加されました。
調整クリップ
調整クリップ(透明オーバーレイ)を使用して、一度に複数のクリップにエフェクトを適用できるようになりました。
調整クリップに適用されたエフェクトは、タイムライン内でその下にあるすべてのクリップに適用されます。調整クリップには、クリップエフェクト、内蔵エフェクト、およびトランジションを適用可能です。

調整クリップを使用すると、例えば均一なスタイルや調整が必要な複数のクリップを含むシーンで作業する場合などに、タイムライン内の複数のクリップに包括的な変更を加えることができます。
デフォルトでは、すべての調整クリップに特別な「調整クリップ」ロールが割り当てられます。このロールを使用して、プロジェクトの外観と書き出し方法を管理できます。
ロールは、ブラウザまたはタイムラインのクリップに割り当てるメタデータ・テキスト・ラベルおよびカラーラベルで、編集ワークフローを管理するためのものです。

Image Playgroundの統合
Final Cut Proで、Image PlaygroundとApple Intelligenceを使用して、説明テキスト、提案されたコンセプト、または写真ライブラリに含まれている人をもとに、特定のスタイルの画像を素早く作成できるようになりました。
Final Cut ProからImage Playgroundを呼び出す方法は以下の2通りあります。
- 「ファイル」>「読み込む」>「Image Playground」と選択(またはOption+Shift+Pキー)。
- ツールバーの左側にある「メディアを読み込む」ボタンをクリックし、「Image Playground」を選択。

生成された画像は1024 x 1024のHEICファイルとしてブラウザに読み込まれ、ほかの静止画像と同様にプロジェクトで使用できます。
Quantec Room Simulatorエフェクト
Quantec QRS(Quantum Room Simulator)エフェクトを使用して、現実の音響空間をシミュレートする自然な透明感のあるオーディオリバーブを作成できるようになりました。
Quantec Room Simulatorについては以下の記事をご参考に
ワークフローの改善
- クリップ内でドラッグしてタイムライン内のマーカーを移動できるようになりました。(注記: マーカーはクリップ内でのみドラッグできます。)
- インスペクタでオーディオエフェクトの名前を変更可能に。Mac用Final Cut Proでエフェクトの名前を変更するを参照してください。
- マグネティックマスクエディタを表示/非表示にするための新しいキーボードショートカットが追加。
- Control+Option+Command+Mキー。また、Controlキーを押しながらタイムラインのクリップをクリックし、「マグネティックマスクエディタを表示」または「マグネティックマスクエディタを非表示」を選択することもできます。
- マルチカムクリップのアクティブアングルまたは同期クリップのソースをブラウザで表示できるようになりました。
iPad用 Final Cut Pro2.2
iPad用Final Cut Pro 2.2では、縦向き編集レイアウト、編集を効率化するキーボードショートカット、Image Playgroundの統合、50fpsの録画サポート、そしてFinal Cut Cameraアプリの機能向上が図られています(モデルによって利用できる機能が異なります)。
縦向きのレイアウト
iPadを縦向きにしてビデオ編集を行えるようになりました。横向きと縦向きの表示は自由に切り替え可能です。
キーボードショートカット
選択範囲の微調整、ギャップに置き換え、ストーリーラインからリフトなど、編集作業を高速化するための新しいキーボードショートカットが追加されました。
Image Playground
iPad用Final Cut Proで、Image PlaygroundとApple Intelligenceを使用して、コンセプト、テキストの説明、および写真ライブラリに含まれている人を組み合わせることでカスタム画像を数秒以内に作成できるようになりました。
この機能には、プロジェクトを開き、ツールバーの「Image Playground」へのアイコンからアクセスできます。
50 fpsの録画
50フレーム/秒でのビデオ撮影に対応しました。これにより、編集時の自由度が高まり、様々な配信オプションに対応可能となります。
現在、フレームレートの設定では、「24 fps」、「25 fps」、「30 fps」、「50 fps」、「60 fps」を選ぶことができます。一部のデバイスと一部のフレームサイズでは、色空間をSDRに設定した場合、最大240 fpsのフレームレートを利用可能です。
Final Cut Cameraの改善(V1.2)
- 48 mmレンズ: iPhone 14 Pro以降で、2倍望遠レンズに素早く切り替えて撮影できるようになりました。
- 再生のLUTプレビュー: iPhone 15 Pro以降で、Apple Log LUTを適用して、オリジナルの鮮やかさを保ちながらLogビデオをSDRまたはHDRで再生できるようになりました。
- 空間オーディオ: iPhone 16で、よりリアルで没入感のあるサウンドのビデオを録画可能になりました。
- 50 fpsの録画: カメラアプリ内でも50フレーム/秒でのビデオ撮影に対応し、編集の自由度と配信オプションが向上しました。
価格とシステム要件
■Final Cut Pro 11.1
Final Cut Pro 11.1 の利用には、macOS 14.6以降が必要です。(Image PlaygroundはM1以降のMac、macOS 15.2以降が必要)。
価格は50,000円です。
■iPad用 Final Cut Pro2.2
iPad用 Final Cut Pro2.2の利用には、iPadOS 17.6以降で、MシリーズまたはA16以降のチップを搭載したデバイスが必要です。
700円/月または年間7,000円/年のサブスクリプションとして利用できます。
iPad用 Final Cut Pro app store ページへ
また、Final Cut Cameraは、無料のスタンドアロンアプリとしてApp Storeで入手できます。
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