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Autodesk Arnold 7.4.1 がリリース!トゥーンシェーディングのGPUサポート、パフォーマンスの向上、統計レポートなど

プラグイン

2025年3月26日(現地時間) – Autodesk は、グローバル イルミネーション レンダリング ソフトウェアの最新アップデート Arnold 7.4.1 をリリースしました。

新機能ハイライト

Arnold 7.4.1.0 は、パフォーマンスの向上、Toon シェーディングの初期 GPU サポート、新しい HTML ベースのレンダリング統計レポート、および多数のバグ修正を含む機能リリースとなっています。

レンダリング統計レポート

Arnoldレンダリング統計のための HTML ベースのインタラクティブなビューアが利用可能になりました。

フレームのレンダリング時間、メモリ使用量、カテゴリ別またはノード別のレンダリング時間、テクスチャ使用量などの詳細なレンダリング統計を素早く視覚化および検査できます。

コマンドラインで kick を使ってレンダリングを実行する際は、-report というオプション(フラグ)をコマンドに追加すると、レンダリング終了後に新しいHTML形式のレンダリング統計レポートが生成されます。

MtoA や HtoA などの Arnold プラグインには、診断レンダリング設定にレンダリングレポートオプションが含まれています。

GPU トゥーンシェーディング

Arnold GPU に、トゥーン(Toon)シェーダーと輪郭(contour)フィルターの初期サポートが追加されました。

トゥーンシェーダーは現在、直接照明のレンダリングのみに制限されています(反射、屈折、間接照明は含まれません)。

パフォーマンスの向上

より高速なプロシージャルインスタンス化

Arnold は、複雑な階層とポイントインスタンサーを含むシーンのレンダリングがより高速になりました。

新しい options.procedural_instancing_optimization という設定を使うと、通常のシーンではレンダリングが1~2倍速くなります。特に、たくさんのオブジェクトが複雑に配置されたシーンでは、さらに大幅に速くなることもあります。

この新しい機能は、初期設定では exhaustive モードになっており、これが一番速いモードです。ただし、exhaustive モードは多くのメモリを使うことがあります。

もしメモリの使用量を抑えたい場合は、conservative モードに切り替えてください。このモードでは、メモリを増やさずに高速化できる範囲で最適化が行われます。なお、この設定は、大量のデータをまとめて処理するバッチCPUレンダリングでのみ利用できます。

並列シーンの初期化/更新のスケーリングの改善

並列シーンの初期化と更新が以前よりも高速になりました。これは、特に多くのコアを持つマシンで大きく高速化されます。

これにより、最初のピクセルまでの時間、IPR でのインタラクティビティ、およびバッチレンダリングのシーン処理時間が改善されています。

ライティングの強化

ポイントインスタンサーにおけるライト変換

インスタンサーにライトが含まれている場合、instance_inherit_xform が有効になっていると、ライトのローカルマトリックスが考慮されるようになりました。複製されたそれぞれのオブジェクト内のライトが、元のオブジェクトでの位置や向きを保ったまま配置されます。

グローバルライトサンプリングの改善

グローバルライトサンプリングを使用したフォトメトリック (IES) ライトおよびメッシュライトのレンダリングが、同じレンダリング設定とレンダリング時間で、より高品質になりました。

Before imageAfter image

さまざまな IES プロファイルの改善されたレンダリング(レンダリング時間とレンダリング設定は同じ

Before imageAfter image

モーションブラーのかかったメッシュライトの改善されたレンダリング(レンダリング時間とレンダリング設定は同じ)

USD の機能拡張

Hydra ベースの USD 変換

USD をレンダリングする際、Arnold はデフォルトで Hydra を使用して USD から Arnold への変換を処理するようになり、これによりレンダリングが Hydra レンダリングデリゲートと一貫性を持つようになりました。

以前の動作に戻す場合は、options.usd_legacy_translation をオンにするか、環境変数 PROCEDURAL_USE_HYDRA=0 を設定してください。

USD のメモリ使用量の削減

USDジオメトリバッファが Arnold と共有されるようになったため、インタラクティブモードでのシーンのコピーが1つ削除され、USD のメモリ使用量が削減されました。

例として、3000 万ポリゴンの高解像度 USD メッシュのレンダリングに必要なメモリは、レンダリングするために 7.5 GB ではなく 5.5 GB になりました。バッチレンダリング中、Hydra ベースの USD プロシージャルは、変換が完了すると USD ステージメモリを解放するようになりました。

API の追加

AiProceduralExpand がプロシージャルを更新するように

この API 関数は、プロシージャルノードの初期化と更新、および子ノードの展開(ロード)の両方を行うようになりました。これにより、カスタムの procedural_update 関数が必ず呼び出されるようになります。

ポイント、ポリメッシュ、およびボリュームのビューポートプロキシ

AiProceduralViewport() は、ポイント、ポリメッシュ、ボリュームといった基本的な形状などの非プロシージャルノードに対応し、ビューポートプロキシ表現を返すようになりました。これにより、簡単にビューポートでの表示を最適化することができます。

レンダリング統計レポート API

  • AiReportSetFileName() は、レンダリングがレンダリング統計レポート(HTML ファイル)を作成するようにファイル名を設定します。
  • AiReportGetFileName() は、レンダリングレポートのファイル名を取得します。

Cryptomatte メタデータ

一般的な Cryptomatte メタデータが Arnold コアに含まれるようになったため、プラグインは Cryptomatte 用の mtd ファイルを必要としなくなりました。

互換性のない変更

バッチ処理における単一のフルシーンアップデート

Arnoldはバッチ処理の開始時に一度だけシーン全体を読み込むようになりました。

この変更は、バッチレンダリング中にシーンの内容を動的に変更するようなプラグインを使用している場合に注意が必要です。このようなプラグインの開発者は、シーンを動的に変更する必要がある場合、バッチ処理ではなくインタラクティブなレンダリングセッションを使用するように推奨されています。

アップデート情報

Arnold 7.4.2

Arnold 7.4.2.0 は、シーンの初期化速度の向上、USD関連の改善、サードパーティコンポーネントのアップグレードなどを含む機能強化リリースです。

主な強化点

  • ポリメッシュノードの初期化が高速化:多数のメッシュを同時に初期化する際、特にCPUコア数の多い環境で初期化時間が大幅に短縮されました。例として、Activision Caldera シーンでは、120コアのWindowsマシンで初期化時間が63秒から8.7秒に短縮されています。
  • インスタンサーノードの並列初期化:複数のインスタンサーノードが同時に初期化可能になりました。Intel Jungle USD シーンでは、120コアのWindowsマシンで初期化時間が115秒から43秒に短縮されています。
  • Imager のパフォーマンスの若干の向上:Imager フレームワーク内のメモリコピー処理が最適化され、チェーンごとに約60ミリ秒の処理時間短縮が確認されています。
  • parallel_init メタデータの警告表示:procedural に parallel_init メタデータが欠けている場合、警告が表示されるようになりました。これにより、本来並列初期化が可能な procedural の初期化が遅くなるケースを防げます。
  • Autodesk Desktop Licensing の更新:バージョン 15.3.0.1298 にアップデートされました。詳細はリリースノートをご参照ください。
  • OpenImageIO コンポーネントのアップグレード:JPEGファイルの読み込み・書き出し速度が向上するなど、複数のコンポーネントが最新バージョンに更新されました。
  • Customer Error Reporting(CER)の更新:セキュリティ強化のため、CER がバージョン 7.1.8 にアップグレードされました。
  • Autodesk Analytics Program の更新:安定性とパフォーマンスが向上した新バージョンが導入されています。

USD 関連の改善

  • 不可視プリミティブの最適化:レンダーデリゲート使用時、不可視プリミティブを Arnold に変換しないことで、シーンのメモリ使用量を大幅に削減できます。
  • 未使用の子ノードの最適化:Hydra procedural 内で未使用の子ノードを無効化するのではなく破棄することで、メモリ使用量を削減します。
  • インタラクティブFPSのデフォルト設定を改善:レンダーデリゲートの最大FPSと最小FPSの設定が見直され、よりスムーズな操作が可能になりました。
  • ディスプレイドライバの最適化:AOVごとに個別のドライバを使用するのではなく、1つのドライバで統合処理することで、初期化とレンダリング時間が短縮されます。
  • 角速度の対応:Point Instancer の角速度がレンダーデリゲート内で正しく機能するようになりました。

その他マイナーアップデートを含むすべてのアップデート内容の確認はこちらから

価格とシステム要件

Arnold は、Windows 10以降、macOS 10.13 以降、Linuxで利用できます。一般に、Arnold は、Houdini、Maya、Cinema 4D、3ds Max、Katana が動作するほぼすべての64 ビットシステムで動作します。

より詳しいシステム要件の確認はこちらから

Arnold はデフォルトでMaya と3dsMaxに含まれています。

その他のソフトウェアでの利用での Arnold の購入価格は、1ヵ月サブスクリプションが 8,800円、1年サブスクリプションが 67,100円、3年サブスクリプションが 202,400円です。

最新の価格の確認はこちらから

また、Media & Entertainment Collectionにも含まれています。


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