Nodes Interactive によるBlender用UVマッピングツール『Xyz Mapper』の紹介です。
Xyz Mapperとは
『Xyz Mapper』は、3Dビューポート上でギズモを使いながら、マッピングを直接調整できるのが特徴のUVマッピングツールです。
ジオメトリノードベースのモディファイアとして利用可能で、リアルタイムのUV展開が可能で、UVマップの配置や回転を簡単に変更することができます。
マッピングには次のオプションが用意されています。
- 平面(Planar)
- ボックス(Box)
- 円筒(Cylindrical)
- 円筒(Cap)
- 球体(Spherical)
主にタイルテクスチャを使用するモデル向けに設計されており、ビジュアライゼーションなどの用途に最適なツールです。
シェーダーによるテクスチャリングよりも、異なるソフトウェア間でメッシュを簡単に共有できるメリットがあります。
使用方法
詳しい説明文書はありませんが、モディファイアの動作の説明やヒント、注意などを次の動画で見ることができます。
上記の動画では、マッピング範囲、Fitオプション、選択範囲の適用などの以下のような機能が説明されています。
マッピング範囲(Mapping Range)
マッピング範囲は、UVマッピングが適用される領域を制御するオプションです。特に、円筒型や球状のマッピングなど、特定のマッピング手法で重要な機能となります。
これには、次の2つの方法が用意されています。
Gizmoオプション:
- Gizmoを使うと、マッピング範囲を視覚的に操作できます。例えば、円筒形のマッピングを使用している場合、Gizmoを使ってテクスチャがどの部分に適用されるかを手動で調整できます。
- 操作方法:Gizmo(黄色のコントロールハンドル)をドラッグして、範囲を変更できます。
- この方法では、マッピングスケールの変更がマッピング範囲に影響しないので、範囲を設定した後にスケールを変更しても、マッピングの影響を受けません。
Automaticオプション:
- 自動オプションを使用すると、マッピング範囲は自動的に変更されます。マッピング自体のスケールを変更するたびに、範囲も合わせて調整されます。
- 例えば、円筒型のマッピングでスケールを変更すると、そのスケールに応じてマッピング範囲も自動的に調整されます。
Use Selection
「Use Selection」は、特定のメッシュ部分に異なるUVマッピングを適用するための機能です。
例えば、テーブルの脚と側面で異なる方向のテクスチャを適用したい場合、次のような手順で使います:
- 対象メッシュの選択
- 脚部分のみを選択し、Vertex Group(頂点グループ) を作成して割り当てる。
- UVマッピングの適用
- 「Use Selection」をオンにし、作成したVertex Groupを選択することで、脚部分だけに適用できる。
- 異なるマッピングの適用
- 側面にも別のVertex Groupを作成し、異なるマッピングを適用することで、それぞれ独立したUVマッピングが可能になる。
- 「Invert Selection」オプション
- 「Invert Selection」を使えば、選択した部分以外にマッピングを適用できるため、手間を省くことができます。
この機能は、異なる部分に適切なUVマッピングを設定する際に役立ちます。
Fitオプション
「Fit」オプションは、UVマッピングのスケールと配置を自動的に調整し、オブジェクトのサイズに適切にフィットさせるための機能です。
通常、UVマッピングを適用すると、オブジェクトのオリジン(原点)の位置やスケールによって、UVがずれてしまうことがあります。特に、オブジェクトのオリジンが中央ではなく端にある場合や、スケールが適用されていない場合、UVマップのサイズが合わずに意図しない結果になることがあります。
このオプションを使用することで、原点をオブジェクトの中心に合わせることができます。
Apply Face Attribute
通常、「Use Selection」でVertex Groupを使用すると、選択された頂点に基づいてUVマッピングが適用されます。しかし、場合によっては、隣接する面が1つの大きな領域として認識されてしまうことがあります。
例えば、2つの異なるポリループ(ポリゴンの帯状のグループ)に対して異なるマッピングを適用したい場合、通常のVertex Groupでは全体が1つの領域と認識されてしまいます。
「Apply Face Attribute」 は、この問題を解決するためのGeometry Nodesベースのオペレーターで、面単位でグループを作成することができます。
次のような手順で使います:
- 面を選択
- 2つの異なるポリループを選択する。
- Apply Face Attributeの適用
- 「Apply Face Attribute」 を実行すると、面単位のグループが作成される。
- 新しいグループをUVマッピングで使用
- 「Use Selection」でこの新しいグループを選択すれば、それぞれのポリループに個別のマッピングが適用されます。
インポートモデルで使用する際の注意
- UVマップの名前が一致しないとデバッグエラーが発生
- UVマップ名を「UV Map」に変更 することで解決。
- インポート後のオブジェクトのスケールが適用されていないと、テクスチャのスケールが異常になる
- スケール適用(Ctrl+A → Scale & Rotation)を実行 することで解決。
その他のTips
- スライダーをリセット
- 数値スライダーを選択して[Backspace]を押すとデフォルト値にリセット できます。
- 一括設定変更
- 複数のオブジェクトに同じモディファイアを適用している場合、Alt+クリックで一括変更 できます。
- スライダーをまとめて調整
- 複数のスライダーをドラッグで選択し、一括で数値調整 可能。
- ギズモのローカル設定
- デフォルトではグローバル座標になっているため、ローカル座標に変更すると正しく動作 します。
これらの説明は上記の動画で見ることができます。
インストール方法
UV Mapper はアセットとして機能します。
使用するには、UVMapper の zip ファイルを解凍し、解凍したフォルダーをアセットライブラリとして設定してください。

手順は以下の通りです。
- ZIPファイルの展開
まず、ZIPファイルを解凍します。その中には、以下のファイルが含まれています:- blendファイル
- カタログファイル
- ReadMeファイル
- アセットライブラリの登録
インストールするには、これをアセットライブラリとして登録する必要があります。- 解凍したフォルダのパスをコピー。
- Blenderの[編集] → [プリファレンス] → [ファイルパス] に移動。
- アセットライブラリのパスとして、フォルダを追加 (blendファイルではなくフォルダを指定する点に注意)。
- ツールの使用
アセットライブラリが追加されると、アセットワークスペース にUV Mapperが表示されます。- ドラッグ&ドロップでシーンに追加し、モディファイアタブ に移動すると、UV Mapperが適用されます。

これで、異なるマッピングタイプを選択したり、シームをプレビュー したり、ギズモを使ってマッピングの影響範囲を調整したりすることができるようになります。
価格とシステム要件
UV Mapper は、Blender 4.3以降で利用することができます。
価格は8.99ドルです。
発売記念セール
現在発売記念セールが行われており、1週間程度の期間 6.99ドルで購入可能です。
また、日本からの購入の場合、Gumrodでは4.89ドルとなります。
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