2025年3月5日(現地時間)- Apple は、新しいAppleシリコン「M3 Ultra」と新しいMac studio 、M4チップMacBook Airを発表しました。
ここでは、新しいAppleシリコン「M3 Ultra」の紹介をしたいと思います。
Appleで最も高性能なチップ「M3 Ultra」
「M3 Ultra」チップは、これまでのAppleのどのチップよりも高性能で、Macに搭載される中で最も強力なCPUとGPUを搭載しています。さらに、Neural Engineのコア数は2倍になり、これまでのパーソナルコンピュータで最も大きなユニファイドメモリ容量を搭載できるようになりました。
さらに、M3 UltraはThunderbolt 5に対応しており、これによりデータの転送速度が大幅に向上し、高速で安定した接続性と拡張性が実現されています。
M3 Ultraは、Apple独自のUltraFusionアーキテクチャを使用して構築されており、2つのM3 Maxダイを10,000以上の高速接続でつなげています。この技術により、データのやり取りが非常に速く、システムは2つのダイを1つの強力なチップとして機能させることが可能となっています。

M3 Ultra の主な特長
■Macチップ史上最大のパフォーマンスと高い効率
M3 UltraはあらゆるMacチップの中で最大のパフォーマンスを提供しつつ、業界をリードするAppleシリコンの電力効率を維持しています。
24の高性能コアと8つの高効率コアを備えた最大32コアのCPUを搭載し、M2 Ultraの最大1.5倍、M1 Ultraの最大1.8倍のパフォーマンスを実現しています。
■グラフィックス性能の向上
M3 UltraはAppleチップの中でも最大の80のグラフィックスコアを搭載し、、M2 Ultraよりも最大2倍、M1 Ultraよりも最大2.6倍高速なパフォーマンスを実現しています。
また、M3 Ultraの先進的なグラフィックスアーキテクチャにより、Dynamic Cachingのほか、ハードウェアアクセラレーテッドメッシュシェーディングとレイトレーシングにも対応し、極めて負荷の高いコンテンツ制作の作業やゲームもより快適にこなせるようになります。
■AIパフォーマンスの向上
M3 UltraはAIのために設計されていて、CPU内のMLアクセラレータや、Appleの最もパワフルなGPU、32コアのNeural Engine、800GB/s以上のメモリ帯域幅を備えています。
これらにより、AIと機械学習(ML)を強化し、M3 Ultra搭載のMac Studioを使用すると、6,000億以上のパラメータを持つ大規模言語モデル(LLM)を直接デバイス上で実行することが可能となっています。
■メモリ容量が拡大
M3 Ultraのユニファイドメモリアーキテクチャは、パーソナルコンピュータにこれまで搭載された中で最も高い帯域幅を持つ低レイテンシのメモリを採用しています。
容量は96GBから最大512GBに構成可能です。これは、現在の最も先進的なワークステーション向けグラフィックカードで使われているメモリ容量を上回り、3Dレンダリング、ビジュアルエフェクト、AIなどの大量のグラフィックメモリを必要とするプロの作業に最適です。
■Thunderbolt 5をサポート
M3 UltraによりMac StudioがThunderbolt 5に対応し、Thunderbolt 4の2倍以上となる最大120Gb/sのデータ転送速度が実現します。
Thunderbolt 5の各ポートは、チップに直接組み込まれている独自に設計されたコントローラに対応しています。これによりMac Studioの各ポートに専用の帯域幅を供給し、業界で最も高性能なThunderbolt 5とされています。
また、Thunderbolt 5により複数のMac Studioのシステムをまとめて接続することで、コンテンツ制作やコンピュータサイエンス研究の限界を広げるワークフローに取り組むことも可能です。

■最先端のテクノロジーを内蔵
パフォーマンスと効率の最大化を追求し、M3 UltraではチップにAppleの先進的なテクノロジーが組み込まれています。
- Appleの専用設計のUltraFusionパッケージングテクノロジーは、10,000を超える信号で2つのM3 Maxダイを接続する埋め込みシリコンインターポーザを使用して、2.5TB/s以上の低レイテンシのプロセッサ間帯域幅を実現し、ソフトウェアがM3 Ultraを1つのチップとして認識するようにしています。
- M3 Maxの2倍のリソースにより、M3 Ultraのメディアエンジンははるかに多くのビデオ処理を同時に実行できます。M3 Ultraは、ハードウェアによって可能となる専用のH.264、HEVC、4つのProResのエンコードとデコードのエンジンを備えているため、最大22ストリームの8K ProRes 422ビデオを再生できます。
- ディスプレイエンジンは最大8台のPro Display XDRに対応し、1億6,000万以上のピクセルを実現します。
- Secure Enclaveはハードウェア検証によるセキュアブートやランタイムのエクスプロイト対策技術と連動して、最先端のセキュリティを提供します。
主なスペック比較表
M3 Ultra | M2 Ultra | M1 Ultra | |
CPU | 24の高性能コアと8つの高効率コアを搭載した最大32コアのCPU | 16の高性能コアと8つの高効率コアを搭載した24コアCPU | 16の高性能コアと4つの高効率コアを搭載した20コアCPU |
GPU | 最大80コアのGPU | 最大76コアのGPU | 最大76コアのGPU |
ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング | 〇 | ||
Neural Engine | 32コアNeural Engine | 32コアNeural Engine | 32コアNeural Engine |
メモリ | 最大512GB | 最大192GB | 最大128GB |
メモリ帯域幅 | 819GB/sのメモリ帯域幅 | 800GB/sのメモリ帯域幅 | 800GB/sのメモリ帯域幅 |
メディアエンジン | ハードウェアアクセラレーテッドH.264、HEVC、ProRes、ProRes RAW 2つのビデオデコードエンジン 4つのビデオエンコードエンジン 4つのProResエンコード/デコードエンジン AV1デコード | ハードウェアアクセラレーテッドH.264、HEVC、ProRes、ProRes RAW 2つのビデオデコードエンジン 4つのビデオエンコードエンジン 4つのProResエンコード/デコードエンジン | ハードウェアアクセラレーテッドH.264、HEVC、ProRes、ProRes RAW 2つのビデオデコードエンジン 4つのビデオエンコードエンジン 4つのProResエンコード/デコードエンジン |
利用について
M3 Ultra は、共に発表された新しい Mac Studio に搭載されています。
詳細は以下の記事をご覧ください。

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