2025年2月25日(現地時間)- アーティスト向けCAD 『Plasticity 2025.1』 がリリースされました。
新機能ハイライト
Plasticity 2025.1では、サーフェスモデリングワークフローの改善、ユーザビリティの向上、ユーザーエクスペリエンスの効率化を目的とした様々な機能強化や新機能が追加されました。
新しいコマンド
スライドコマンドの追加
■曲線とソリッド上でのCVスライド
スプライン曲線やサーフェス上で制御点(CV)をスライドできるようになりました。
CV の方向に沿って移動できるため、モデリング時の精密な調整が可能です。
セクション解析コマンドの追加
この新しいコマンドは、モデルをスライスして内部構造を確認できる機能です。内部のコンポーネントが適切に配置されているか、干渉がないかをチェックするのに役立ちます。
特に建築、エンジニアリング、デザインの可視化に有効です。
モデリングの強化
Square コマンドのアップデート
新しいオプションが追加され、より柔軟で高品質なサーフェス生成が可能になりました。
- 「フリー(Free)」オプション:G0 の精度を犠牲にする代わりに、より高品質なサーフェスを生成。
- 「隣接(Adjacent)」境界オプション:隣接するトリムエッジを活用してスムーズな遷移を実現。
- 「テンション(Tension)」機能:サーフェスの曲率テンションを調整できる機能が追加。
- トリムサーフェスのリフィット(Refit Trimmed Surfaces):4 辺のトリムサーフェスを指定した Degree、Span、Continuity で再構築。
Xnurbs の強化
■「隣接(Adjacent)」境界オプション
隣接するトリムされたエッジを使用してよりスムーズな遷移を作成する新しい境界条件が導入されました。
■テンション機能の追加
ロフトおよびブリッジング ワークフローのツールと同様に、サーフェスの曲率のテンションを調整できる新しい機能が導入されました。これにより、サーフェスの形状をより細かく制御できます。
CV移動の編集
■プロポーショナルおよびミラー変換の対応
サーフェスCV の移動時にプロポーショナル編集とミラー変換が可能に。
スケッチとカーブツールの強化
カーブ再構築(Curve Rebuild )の強化
■新しい「ウェイト」オプションの追加
Rebuildコマンドに、明示的制御を使用してカーブを再構築する際の新しいオプション「Weight」が追加されました。
このオプションは、指定したDegreeとSpansの設定に基づいて、Weightを調整し、CVの位置をコントロールすることができます。値を低くするとカーブの形状が緩くなり、サーフェスワークフローの品質が向上します。値を高くすると、カーブは元の形状に近くなり、精度と構造が保たれます。(デフォルト:0.5)
サーフェスツールの強化
シート拡張機能の強化
■新しい「ナチュラル(Natural)」モード
シートの延長に新しい「ナチュラル」モードが追加されました。このモードでは、延長開始直前の元のサーフェスの形状を継続することで、サーフェスを「自然に(naturally)」延長することができます。
■サーフェス延長
Tabキーでサーフェスの延長モードを切り替えられるようになりました。
構築平面(Construction Plane)の機能強化
選択した2点を通過し、カメラビューと整列する構築平面を作成できるようになりました。ビュー方向との整列を維持しながら平面化する場合に最適です。
ブリッジサーフェスの強化
Bridge Surfaceコマンドに新しい「テンション(Tension)」オプションが追加されました。
UIとユーザビリティの強化
Plasticity 2025.1では、ユーザーインターフェース(UI)の刷新とユーザビリティの向上を中心に、多くの改善が行われました。
これにより、ワークフローの効率化が図られ、より直感的な操作が可能になりました。
新しいUIデザイン
PlasticityのUIは、最新のデザインに刷新されました。従来の機能性を維持しつつ、よりモダンで洗練された外観へと進化。
アイコンも直感的なデザインに変更され、操作性が向上しました。さらに、このアップデートは今後のUI改善の基盤となるものです。

ナビゲーションと操作の強化
新たに追加された機能と改良点は以下の通りです。
Recent Files | 最近使用したファイルリストから、ファイルやアイテムをドラッグ&ドロップでビューポートへ素早くインポート可能に。 |
Sidebar | 右側のパネルがメニューとして機能するように。 左・右サイドバーの表示・非表示を切り替えるトグルボタンが追加。 |
Viewport Cube | ビューポートキューブの面を繰り返しクリックすると、反対の視点へ切り替え可能に。 |
Suggested Commands Menu | Shift + F でアクセス可能になり、より素早いコマンド入力が可能に。 |
Quick Access to Documentation | 各コマンドダイアログに、関連ドキュメントページへ直接アクセスできるアイコンを追加。 |
ビジュアルとフィードバックの向上
UIの改善に伴い、視覚的なフィードバック機能が強化されました。
Focus Point Orbiting | ビューポートでのオービット時に、フォーカスポイントを示すドットが表示されるように。 |
Progress Indicator | 大きなファイルを開く際に、進行状況インジケーターが表示されるようになり、処理状況が分かりやすく。 |
Tooltips | いくつかのツールにツールチップ画像が追加され、機能を理解しやすく。 |
ツールチップ付きコマンド
ツール | 対応オプション |
---|---|
Bridge Surface | Tension, Trim Walls |
Export OBJ | Max Width, Angle Tolerance, Inflect |
Extend Sheet | Shape |
Extend Curve | Shape |
Fillet | Shape, Y-Blend |
Imprint Curve Body | Method, Bidirectional, Hide Occluded, Complete |
Project Curve Body | Method, Bidirectional, Hide Occluded |
Offset Face | Grow |
Sweep | Twist, Scale, Alignment |
Square | Boundary |
XNurbs | Quad-sided, Boundary |
設定とカスタマイズの改善
より柔軟なカスタマイズが可能になり、ユーザー体験が向上しました。
P-Menu | 新バージョンが利用可能な場合に通知を表示(設定で無効化可能)。 |
サムネイル | ファイル保存時にサムネイルを一緒に保存可能に。 |
グリッドカラー | 設定からカスタマイズ可能に。 |
起動時設定 | 前回のセッションをロードしないオプションを追加。 |
アセットメニューの強化
アセットメニューに右クリックのコンテキストメニューが追加され、「このマテリアルですべてを選択(Select All With This Material)」オプションを使って、同じマテリアルを共有するすべてのオブジェクトをすばやく選択できるようになりました。

その他のアップデート
■モデリング機能の強化
- Raise Degreeコマンドの強化:サーフェスCVが選択されている時にRaise Degreeコマンドを実行できるようになりました。
- Toggle Pointsコマンドの強化:カーブCVが選択されている時に、Toggle Pointsコマンドを実行できるようになりました。
■スケッチとカーブツールの強化
- スナップ機能の強化
- 新しい接線(タンジェント)スナップ:楕円と一般的なスプラインにTan/Tanスナップが導入されました。
- 新しい「制御点(Control Point)」スナップオプション:新しい 「Control Point」 スナップが 「Object Snaps」 サブパネルで利用できるようになりました。
- 領域削除時の動作改善:領域を削除すると、その領域にバインドされている曲線が自動的に削除されるようになりました。
- トリミングの最適化:六角形のグリッドなど、高密度に配置された 2D スケッチのトリミング操作が最適化されました。
■変形ツールの強化
- 変形(Transform)コマンドの強化
- 移動(Move)、回転(Rotate)、拡大縮小(Scale)コマンドを使用する際に、変形ピボットがオブジェクトと共に保存されるようになりました。
- カスタマイズ可能な変形オプション:変換の方向(ローカル、CPlane、ワールド)とピボットポイント (境界ボックス、中央値、最後に選択したもの) の座標系を指定できるようになり、変換の柔軟性が向上しました。
■選択変換の強化
- 新しい変換オプション:ワイヤーボディを選択し、ポイント(VertexとControl-Vertex)に変換したり、逆に領域をバウンディングカーブに変換できるようになりました。
■UIとユーザビリティの強化
- Spacemouse のサポート:Spacemouse – キーマップ(keymap.json)ファイルを編集することで、Spacemouseボタンをバインドできるようになりました。JSONファイルを見つけるには、お使いのオペレーティングシステムで.plasticityディレクトリを探してください。
価格とシステム要件
Plasticity は、Mac OSX (12 以降)、Windows (10 以降)、および Linux (Ubuntu 22) で利用できます。
永久ライセンスで、価格はindieライセンスが149ドル、スタジオライセンスが299ドルです。新しく購入したすべてのライセンスには 12 か月の「メンテナンス」期間が付いており、その期間中にリリースされたすべてのバージョン更新が含まれています。※ライセンスとプラットフォームごとに機能が異なる場合があることに注意してください。
それぞれの価格と機能は以下の通りとなります。

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