2025年2月12日 – ワコムは、プロフェッショナル向けのペンタブレット「Wacom Intuos Pro」の刷新を発表しました。
前モデルが2017年なので、およそ8年ぶりの刷新となります。以下では、主な特長、前モデルとの比較、価格と発売時期を紹介したいと思います。
Wacom Intuos Pro (2025)の主な特長
Wacom Intuos Pro (2025)には、細やかな感覚が伝わるメカニカルなダイヤルとExpressKeyを製品本体上部に搭載したより直感的に操作しやすくなった新デザインが採用されています。また、業界をリードする「Wacom Pro Pen 3」テクノロジーに対応し、優れた操作性と精度で最新のクリエイティブソフトウェアの操作も快適に行うことができるようになっています。
ワコム曰く、ソフトウェア操作などの『WORK(作業)』とあふれ出る創造『FLOW(フロー)』が織りなす、クリエイティブなワークフローを実現し、クリエイターが作業をより直感的かつ効率的に、制作に没頭できるよう設計しているとのことです。
内部を含めたデザインを一新
Wacom Inuos Proが、2025年ワコムの最先端テクノロジーを搭載して一新されました。
新規設計のICチップにより、性能の向上と小型化を実現。ペンの位置・姿勢をセンサーから読み取る方法がより短時間かつ正確にアップグレードされました。薄くてコンパクトな製品サイズと同時に、高いペン精度を維持し、省電力化にも成功しています。

また、新しく細やかな感覚が伝わるメカニカルなダイヤルとExpressKeyを搭載。
mediumとlargeサイズにはExpressKeyとダイヤルがそれぞれ2つ、smallサイズにはExpressKeyとダイヤルが1つ搭載されています。ダイヤルは回転させた時にクリック感がある、操作しやすい新デザインが採用されています。
これらは、人間工学に基づいて、右利きでも左利きでも利用しやすく、キーボードと併用して操作しやすいようにタブレット本体上部に配置されています。

また、ダイヤルとExpressKeyにはクリエイターのワークフローにあわせて、クリエイティブソフトウェア固有のショートカットをプリセット設定から選んで簡単にカスタム設定することができます。
「Wacom Pro Pen 3」テクノロジーを搭載
「Wacom Intuos Pro」は、「Wacom Cintiq Pro」シリーズでも採用されている「Wacom Pro Pen 3」テクノロジーを搭載しています。
クリエイターのワークフローは一人ひとり異なるため、「Wacom Pro Pen 3」は、グリップやバランスウェイト、ショートカットを割り当てられるサイドスイッチの有無を選べるボタンプレートで、好みに合わせてカスタマイズできるように設計されています。
他のワコムのペンと同様に、「Wacom Pro Pen 3」 は充電やバッテリーを必要としません。替え芯も標準芯とフェルト芯の他、ソフトウェアのオペレーション操作に適した、滑りにくいラバー芯が新たに加わりました。

2つのペンテクノロジーに対応
Wacom Intuos Proは、ワコムのプロフェッショナルペンタブレットとして、初めてデュアルペンテクノロジーに対応。
付属のWacom Pro Pen 3やWacom Pro Pen 2などのPro Penシリーズのほか、パイロットやLAMY、ステッドラーなど有名文房具メーカーとのコラボペンも使用することができます。

持ち運びやすいコンパクト設計
新しい「Wacom Intuos Pro」は、持ち運びやすいコンパクト設計を採用し、クリエイターが使用するソフトウェアやOSとシームレスに連携します。
small、medium、largeの3サイズを展開し、最新のディスプレイ比率に適した16:9の作業エリアが確保されています。。
持ち運びに便利なsmallサイズは、外形寸法が215mm×163mm(読み取り可能範囲:187mm×105mm)、重量はわずか240g。読み取り範囲を広げながらも、本体は従来モデルよりも小型・薄型化を実現しています。
これにより、リモートワーク先やスタジオ間の移動時でも持ち運びが容易になり、デスクスペースを節約しながら快適に作業が可能です。さらに、スリムなデザインにより、従来以上に滑らかな手や手首の動きをサポートし、より自然な描画体験が可能となりました。

簡単に切り替えられる接続
「Wacom Intuos Pro」は、すべてのモデルがBluetoothに対応し、付属のUSBケーブルで接続することもBluetooth 5.3でワイヤレス接続することもできます。ワイヤレス接続時には1回の充電で最大16時間連続使用が可能です。。
さらに、最大3台のパソコンとの接続が可能で、USBを使用した有線接続に加え、2台のパソコンとワイヤレスで連携できます。
ペンタブレット上部に配置された新しいUSB/Bluetoothセレクターでは、USB接続したままBluetooth接続できるので、自宅やスタジオのパソコンにスムーズに切り替えて接続することができます。

ワコム独自のサービス「Wacom Yuify」
デジタル作品の保護と著作者証明を可能にするワコム独自のサービス「Wacom Yuify」が利用できます。(日本では利用できない模様)
Wacom Yuifyは、CLIP STUDIO PAINT、Rebelle 7、およびPhotoshopで作成された2Dイラスト作品の保護に対応しており、作品にマイクロマークを埋め込むことができます。このマイクロマークは、スクリーンショットを撮ったりダウンロードしたりしても持続し、ブロックチェーン技術により原作者と作品をデジタルで結びつけます。
また、リモートデスクトップ接続時にワコムのペンタブレットを使用したペン入力を最適化する「Wacom Bridge」にも対応しています。
さらにWacom Intuos Proの購入特典として、CLIP STUDIO PAINT、MASV、Capture Oneのソフトウェアを無料で試すことができます。
その他
- 「Wacom Intuos Pro」はWindowsとMacの両OSに対応しています。ほぼすべてのクリエイティブソフトウェアと互換性を持ち、作品制作だけでなく、日常的な作業のナビゲーションにも活用できます。
- ペンの使用感にもこだわり、鉛筆のような細身のスタイルや、より太めのグリップ感を好むユーザー向けに、多様なデジタルペンに対応。ステッドラー、LAMY、Dr. Gripなどの有名文具メーカーとコラボしたデジタルペンも利用することができます。
旧モデルとのスペック比較
以下、旧モデル(2017)と新モデル(2025)のスペック表とその比較となります。
製品情報 – 大きさ、重さ、製品構成など
比較表を見る
Intuos Pro 2017 | Intuos Pro 2025 | |
---|---|---|
製品タイプ | ペンタブレット | ペンタブレット |
型番 | Small:PTH460K0D Medium:PTH-660/K0 Large:PTH-860/K0 Paper Edition Medium:PTH-660/K1 Paper Edition Large:PTH-860/K1 | Small:PTK470 Medium:PTK670 Large:PTK870 |
サイズ(外形寸法) | Small:269 x 170 x 8.45 mm Medium:338 x 219 x 8 mm Large:430 x 287 x 8 mm | Small:215 x 163 x 4~7 mm medium:291 x 206 x 4~7 mm Large:377 x 253 x 4~7 mm |
読取可能範囲 | Small:160 x 100 mm Medium:224 x 148 mm Large:311 x 216 mm | Small:187 x 105 mm Medium:263 x 148 mm Large:349 x 195 mm |
重さ | Small:450 g Medium:700 g Large:1300 g | Small:240 g Medium:411 g Large:660 g |
カラー | ブラック | ブラック |
バッテリー | なし | あり(リチウムイオン電池内蔵・最大16時間駆動) |
保証期間(日本) | 1年 | 1年 |
製品構成 | – Wacom Intuos Pro Penタブレット(Small、Medium、Large) – Wacom Pro Pen 2(電池レス) – ペンスタンド(標準芯6本、フェルト芯4本) – USB-C – USB-Aケーブル(2m) – Finetip Pen*(Paper Editionのみ) – ペーパークリップ*(Paper Editionのみ) – アクセサリーケース*(Paper Editionのみ) – 用紙10枚(A5またはA4、Paper Editionのみ) – Finetip Pen用替え芯*(Paper Editionのみ) – クイックスタートガイド | – Wacom Intuos Pro本体 – Wacom Pro Pen 3(バッテリーレス) – ペンスタンド(標準芯5本、フェルト芯3本、ラバー芯3本、芯抜き付き) – USB-C – USB-Aケーブル(1.8m) – ペンカスタマイズパーツ(グリップ、ボタンプレート) – クイックスタートガイド、重要な製品情報 |
主な違いまとめ
●デザインとサイズ変更
- 2025年モデルはより薄型・軽量化され、厚みも4~7mmに。
●読取可能範囲の拡大
- 2025年モデルでは、サイズが小さくなっているにもかかわらず、Small/M/Lすべてのサイズで読取可能範囲が拡大。
●バッテリー搭載(2025年モデルのみ)
- 2017年モデルは有線・Bluetoothのみ。2025年モデルはリチウムイオン電池内蔵で最大16時間のワイヤレス使用が可能。
●製品構成の変化
- 2025年モデルにはペンカスタマイズパーツが付属し、Paper Editionは廃止。
ペンとタッチテクノロジー
比較表を見る
Intuos Pro 2017 | Intuos Pro 2025 | |
---|---|---|
同梱ペン | Wacom Pro Pen 2 | Wacom Pro Pen 3 |
サイドスイッチ | 2つ | 3つ |
筆圧レベル | 8192 | 8192 |
傾き検知 | ±60° | ±60° |
読取分解能 | 最高0.005mm | 最高0.005mm |
読取方式 | 電磁誘導方式 | 電磁誘導方式 |
ペンの特長 | 筆圧対応、コードレス、バッテリーレス | 筆圧対応、コードレス、バッテリーレス |
グリップ | ラテックス不使用のシリコンラバー | ラバーグリップ |
替え芯 | 10本(標準芯6本、フェルト芯4本) | 10本(標準芯5本、フェルト芯3本、ラバー芯2本) |
ペンスタンド | ○ | ○ |
マルチタッチ機能 | ○(タッチ入力切替スイッチ搭載) | – |
ExpressKeys™ | Small:6キー Medium / Large:8キー(ソフトウェアごとにカスタマイズ可能) | Small:5キー Medium / Large:10キー(ソフトウェアごとにカスタマイズ可能) |
タッチホイール / ダイヤル | ○(4機能を割り付け可能、M/Lのみ) | Small:1つ Medium / Large:2つ(ソフトウェアごとにカスタマイズ可能) |
主な違いまとめ
●Wacom Pro Pen 3を採用
- 2025年モデルはWacom Pro Pen 3を採用し、サイドスイッチが3つに増加。
- ペングリップの素材がラテックス不使用のシリコンラバーからラバーグリップへ変更。
- 替え芯の構成が異なり、2025年モデルはラバー芯が追加。
●マルチタッチ機能の廃止
- 2017年モデルはタッチ操作対応(タッチ入力切替スイッチあり)。2025年モデルはマルチタッチ機能が非対応。
●ショートカットキーとダイヤルの変更
- ExpressKeys™の数が変更:
- 2017年モデル:Small 6個 / Medium & Large 8個
- 2025年モデル:Small 5個 / Medium & Large 10個
- タッチホイール → ダイヤルに変更:
- 2017年モデル:タッチホイール(M/Lのみ)
- 2025年モデル:ダイヤル(Small 1つ / Medium & Large 2つ)
接続・動作環境
比較表を見る
項目 | Intuos Pro 2017 | Intuos Pro 2025 |
---|---|---|
同梱ケーブル | USB-C – USB-Aケーブル(2m) | USB-C – USB-Aケーブル(1.8m) |
有線接続 | USB 2.0ポート | USB-Aポート(USB-C接続には変換アダプタが必要) |
ワイヤレス接続 | Bluetooth v2.1(クラシックBluetooth) モバイル機器にBluetooth LE接続(ペーパーモードはM/Lのみ) | Bluetooth® Low Energy(BLE) |
対応OS | Windows 7 以降 macOS 10.12 以降(Medium & Large) macOS 10.15(Small) | Windows 10 以降(最新SP/ビルド適用) macOS 13 以降 |
インターネット接続 | ドライバー・ソフトウェアのダウンロードに必要 | ドライバー・ソフトウェアのダウンロードに必要 Wacom IDと製品登録が必須 |
追加情報 | ペーパーモード(M/Lのみ)対応:A5/A4サイズの紙を使用可能 本体に最大200ページ保存可能(レイヤー数制限なし) | – |
主な違いまとめ
●ワイヤレス接続の変更
- 2017年モデル:Bluetooth v2.1(クラシックBluetooth) & Bluetooth LE(モバイル機器用)
- 2025年モデル:Bluetooth® Low Energy(BLE)に統一
●OS対応の更新
- 2017年モデルはWindows 7 以降、macOS 10.12 以降に対応
- 2025年モデルはWindows 10 以降、macOS 13 以降に対応(古いOSのサポートが終了)
●インターネット接続の要件
- 2025年モデルはWacom IDと製品登録が必要となります。バンドルソフトウェアの製造元の利用規約とライセンス契約に同意する必要があります。(2017年モデルにはその記載なし)
アクセサリー
比較表を見る
Intuos Pro 2017 | Intuos Pro 2025 | |
---|---|---|
対応ペン | Wacom Pro Pen 2 Wacom Pro Pen slim Wacom Pro Pen 3D Wacom Finetip Pen* Wacom Ballpoint Pen* 旧世代のペン(プロペン、クラシックペン、アートペン、エアブラシ、グリップペン) | Wacom Pro Pen 3 (ACP50000DZ) Hi-uni DIGITAL for Wacom (CP20206BZ) STAEDTLER Noris digital & jumbo LAMY safari twin pen all black EMR Digital Writing LAMY AL-star black EMR Digital Writing Dr. Grip Digital for Wacom (CP202A01A/CP202A02A) THIRDWAVE Mitsubishi 9800 digitizer pen Galaxy S22 Ultra S pen Kaweco AL SPORT Connect EMR Black 旧世代のペン(プロペン、クラシックペン、アートペン、エアブラシ、グリップペン) |
替え芯 | 標準芯(10本入り) フェルト芯(10本入り) Wacom Finetip Pen用替え芯(5本入り)* Wacom Ballpoint Pen用替え芯(3本入り)* | Wacom Pro Pen 3 標準芯 (ACK24801Z) Wacom Pro Pen 3 フェルト芯 (ACK24819Z) Wacom Pro Pen 3用ラバー芯 (ACK253010Z) |
オーバーレイシート | スタンダード ラフ (Medium、Largeサイズのみ対応) | オーバーレイシート S (ACK153112Z) オーバーレイシート M (ACK153212Z) オーバーレイシート L (ACK153312Z) |
ソフトケース | MediumまたはLarge | Small (ACK53501Z) Medium (ACK52701) Large (ACK52702) |
その他アクセサリー | ペーパークリップ* | Wacom Drawing Glove (ACK4472501Z) Wacom Intuos Pro/Wacom One用USB接続ケーブル (ACK42206) Wacom One S/M用USB Type-Cケーブル (1.0m) (ACK45006Z) |
主な違いまとめ
●対応ペンの拡張
- 2025年モデルは、サードパーティ製のEMRペン(LAMY、STAEDTLER、Dr. Grip Digital、Galaxy S22 Ultra S Penなど)に幅広く対応。
●オーバーレイシートの違い
- 2017年モデルは「スタンダード」「ラフ」の2種類。2025年モデルはS/M/Lサイズごとに1種類のオーバーレイシートが用意されている。
●ソフトケースのバリエーション
- 2025年モデルはSmall/Medium/Largeの3サイズに対応。
使用方法
Wacom Intuos Pro 2025 の使い方
Bluetooth接続方法
ドライバのインストール方法
Mac
Windows
xpressKeyとダイヤルの使い方と設定方法
ペンのカスタマイズ方法
発売日と価格
「Wacom Intuos Pro」は、直販ECサイト「ワコムストア」および一部家電量販店で今春発売予定です。
価格は以下の通りです。
製品名 | 製品型番 | ワコムストア価格(税込) |
Wacom Intuos Pro small | PTK470K0C | 41,580円 |
Wacom Intuos Pro medium | PTK670K0C | 62,480円 |
Wacom Intuos Pro large | PTK870K0C | 82,280円 |
すでにAmazonでも予約が開始されているようです。
- small
- medium
- large



体験イベント情報
「Wacom Intuos Pro」は、以下の場所で体験することができます。
▼Wacom Intuos Pro 設置店舗
ワコムブランドストア新宿(新宿マルイ アネックス3階)
一部家電量販店でも試すことができます。
設置店舗は以下よりご確認ください。
https://tablet.wacom.co.jp/shoplist/
▼Adobe MAX Japan 2025 (ワコムブース)
開催日時: 2025年2月13日(木)10:00-20:00
会場: 東京ビッグサイト 東7/8ホール
https://maxjapan.adobe.com/
コメント