2024年11月19日(現地時間) – Chaos は、3ds Max &Cinema4D 用建築ビジュアライゼーション向けのレンダリングソフトウェアの最新アップデート Corona 12 Update 1 のリリースを発表しました。
新機能ハイライト
このリリースでは、Chaos Vantageへのライブリンク、クラウドコラボレーション、コースティクスの高速化、ボリューム内のコースティクスの可視化、イメージアップスケーリングによるIRやテストレンダーの高速化などが追加されました。
CoronaからVantageへのライブリンク
Corona 12 Update 1では、ライブリンクの初期実装が導入されました。
この初期実装では、Vantageを一種の 「インタラクティブレンダリング 」として使用することができ 、3ds MaxやCinema 4Dでの変更に合わせて更新されます。
詳細なレイトレースGPUレンダリングは、シーンの作業中に、素晴らしいカメラアングルの発見、ライティングの調整、シーンの配置、マテリアルの一部設定など、さまざまな場面で役立ちます。
将来のリリースでより多くの機能が追加される予定です。
今後の最大のアップデートは、Vantageを使用してDCCで設定したアニメーションをレンダリングする機能です。また、VantageへのScatter送信をより効率的にすることも検討されています(現在、Live LinkではScatterの更新に時間がかかることがあります)。
Chaos Cloud コラボレーション
すべてのプロジェクトで重要なことは、ドラフトと最終レンダリングをクライアントに送り、フィードバックや変更要求を聞くことです。
VFBから直接Chaos Cloud Collaborationに画像を送信して、クライアントと共有し、マークアップとコメントで会話することができるようになりました。
これにより、電子メール、dropbox、google driveなどに頼る必要がなくなり、さらに、クライアントが画像の特定の部分に注目するためにペイントやフォトショップを使用する必要がなくなります。
クラウドコラボレーションでは、好きなだけプロジェクトを設定し、共有方法をコントロールできます。プロジェクト中の画像のバージョンを管理し、最終的なレンダリングを便利に送信することもできます。

バーチャルツアー
クラウドコラボレーションではバーチャルツアーも作成し、簡単に設定できます。
このリリースでは、ホットスポットを手動で設定する必要がありますが、将来的にはV-Ray 7のバーチャルツアーを自動的に作成する機能に合わせて合理化される予定です。
クラウドコラボレーションとの統合は、将来の多くの機能拡張への扉を開くものでもあります。その一例が、現在Enscapeで動作しているAIイメージエンハンサーで、将来的にはCoronaにも拡張される予定です。Cloud Collaborationがプロジェクトで作業する際に、さらに多くのニーズを満たすことができるよう、他の機能も計画しているとのことです。
コースティクスの改良
コースティクス(Caustics)には3つの主な改良点があります。
コースティクスの高速化
1つ目は、同じレンダリング時間でよりクリーンな結果が得られるようになったことです。
シーンでコースティクスがどの程度占めているかに大きく左右されるので、スピードアップの正確な数値はシーンによりますが、シーンがほとんど全てコースティックスに影響される場合、コースティックスがほんの一部しか作用しないシーンよりも、より大きなスピードアップが見られるます。
おおよそですが、コースティックス自体は、同じレンダリング時間で視覚的に「約2倍」良くなるとされています。
コースティックスサーフェス乗算
2つ目のコースティクスの改善は、Caustics Surface Multiplier設定で、Beautyパスでコースティクスの強度を調整可能になったことです。
これにより、求める結果を得るためにレンダーエレメントやポストプロセッシングを使用する必要がなくなりました。

ボリューメトリックマテリアルを通して見えるコースティクス
コースティクスの最後の改良点は、コースティクスから生成された光線がボリューメトリックマテリアルを通過する際に、反射光線や屈折光線を可視化するオプションが追加されたことです。
例えば、水中の太陽光が代表的な例で、動く水面を通過する太陽の屈折が、水の体積の中で興味深い光線の乱反射を引き起こします。他にも、温水プールやジャグジーの蒸気を通過する水中プールの照明や、ナイトクラブの雰囲気の中でドライアイスを通してディスコ/ミラーボールの鏡面に反射する光線、早朝の霧を通して窓ガラスに反射する太陽光など、他のケースでも発生します。
サーフェスコースティックスと同様に、Beautyパスでボリュームコースティックスの強度をコントロールできます。
自動露出とホワイトバランス
VFB 2で利用可能な機能の範囲を拡大するための作業が開始されました。
まず、自動露出(Auto Exposure)チェックボックスが追加され、最新のカメラを使用するときのように、Coronaが露出値を選択できるようになりました。これを単純な出発点として使用し、通常のExposureコントロールでさらに変更を加えたり、トーンマッピングにベイクしたりできます。
「Update during animation(アニメーション中に更新)」をチェックすると、アニメーションの各フレームで自動露出および/またはホワイトバランスが再計算され、薄暗い場所から明るい場所に移動するシーンに役立ちます。
さらにコントロールするために、「強度(Strength)」パラメーターもあり、0は露出を全く調整せず、最大1では計算された自動露出値が完全に反映されます。
互換性のため、既存のシーンは 「Legacy White Balance 」でロードされ、以前と同じようにレンダリングされます。新しいシーンでは、新しいホワイトバランスがデフォルトになります。違いは微妙ですが、結果はPhotoshopのような他の一般的なソフトウェアでのホワイトバランスの効果に近くなります。
画像のアップスケーリング
新しい画像アップスケーリングは、NVIDIAアップスケーリングを利用しています。これには、2つのメリットがあります。
主な用途は、迅速なテストアニメーションのレンダリングです。
例えば、1920×1080サイズの結果を維持しながら、約4倍速くレンダリングすることができます。
ただし、アップスケーリングには時間的な一貫性がなく、上の例に見られるようなちらつきが発生するので、これらはあくまでテスト用のアニメーションであることに注意してください。
画像は、1/4サイズ(幅の1/2、高さの1/2、例えば1920 x 1080は960 x 540でレンダリングされます)にレンダリングされ、NVIDIA AI Upscalerを使用してアップスケーリングされます。レンダリングに必要なピクセル数は4分の1なので、結果は約4倍速くなります。
2つ目の用途は、IRを有効にした場合です。
これは、編集中により応答性の高い結果が得られる可能性があり、(ただし、シーンによっては、編集中に見られるリフレッシュレートの改善は、解析時間によって否定される可能性があります)、クリーンアップされた結果に到達するのは確実に速くなります。シーンがシンプルで、IRの解像度が高ければ高いほど、より多くのメリットが得られます。
これは、照明の設定、良いカメラアングルの発見、シーンのレイアウトなどに最適です。ディテールが失われるため、精細なレベルでマテリアルを編集する場合にはあまり役に立ちません。
スキャッター分布マップ
Chaos Scatterには、ビットマップを用意することなく、スキャッターの見た目を即座に変更できる分布マップ(distribution maps)が追加されました。

Cosmosアップデート
Cosmosの植物、人物、マテリアル、家具のカテゴリーに、Coronaユーザーのための750以上の新しいアセットが追加されました。
今後の予定
今回のリリースは、ライブリンクの追加と、会社の法的要件に対応するためのChaosインストーラーへのアップデートを予定しているため、Corona 13ではなく、Corona 12 Update 1となりました。
今後の予定は、まず、第1四半期末にCorona 12 Update 2がリリースされる予定です。新機能はあまりなくメンテナンスリリースとなります。このリリースの後、Corona 13が来年の半ば、14が年の終わりにリリースされる予定となっています。
Corona 13と14では、ライブリンクの改善と、VantageでのDCCからのレンダリングアニメーションの追加が行われる予定です。また、アイデアポータルで最もリクエストの多かった項目の1つであるToon / NPRシェーダーの開発も検討されています。
さらに、V-Ray 7でデビューしたGaussian Splats、AI画像エンハンスメントや、デジタルアシスタントがプレビューをアップスケールしたり、マシンを停滞させることなく数秒でマテリアルオプションを生成したりできるPBRマテリアル生成機能も開発中とのことです。
価格とシステム要件
Chaos Corona は、 Microsoft Windows 10以降 (3ds Max と Cinema 4D)、macOS 10.14以降で動作する3ds Max2016以降とCinema 4DR17以降で利用できます。
より詳しいシステム要件の確認はこちらから
Corona Solo ライセンスの価格が8,900円/月または58,800円/年です。
Chaos Phoenix、Scans、PlayerなどのChaosツールが含まれるCorona Premiumライセンスの価格が、10,600円/月または74,400円/年です。
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すべてのユーザーが新機能を試すために30日間のトライアルを利用できます。
Corona 最新版のダウンロードはこちらから
Corona 12 Update 1: Team up and speed up with the latest version
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