Blender Procedural による Blender アドオン『Auto Painter AI』の紹介です。
Auto Painter AI とは
AutoPainter Alは、Stable Diffusion とControlNetのパワーを活用して3Dモデルに合わせた高品質のテクスチャを生成することができるBlender用のアドオンです。ローカルとクラウド処理の両方に対応しています。
主な機能
■AIテクスチャリング
Stable Diffusionのパワーを利用して、高品質で、スタイルライズされた、詳細なテクスチャを生成できます。
カスタマイズ可能な設定には以下のようなものがあります。
- 解像度(Resolution):生成されるテクスチャの解像度を調整して、プロジェクトの要求に応えます。
- スタイルプロンプト(Style Prompts):特定のスタイルプロンプトを使用し、AIの芸術的解釈をガイドし、希望する見た目を実現します。
- アーティスティックな影響(Artistic Influences):特定のスタイルなど、アーティスティックな影響を取り入れて、Alのテクスチャ生成を形成します。
■ControlNetの統合
モデルのジオメトリとControlNet入力に基づいて、リアルなテクスチャをシームレスに生成します。
- 深度マップ(Depth Maps):デプスマップを使用してAlのテクスチャ生成をガイドし、テクスチャがモデルの構造に完全に一致するようにします。
- エッジ検出(Edge Detection):エッジ検出を使用して、モデルのジオメトリに対するAlの理解を深め、より正確なテクスチャを生成します。
- その他のControlNet機能:ControlNetのその他の機能を使用して、Alのテクスチャ生成プロセスをさらに洗練させ、カスタマイズすることができます。
■ローカルまたはクラウド処理
テクスチャ生成をローカルマシンで実行するか、クラウドに処理をオフロードするか、ニーズとハードウェアの性能に応じて選択できます。
■その他
- リアルタイムプレビューとコントロール: Blender内で直接テクスチャをプレビューして調整できます。
- Alアップスケール: Alアップスケーリング(クラウド処理)を使ってテクスチャのディテールを強化。
- マルチモデルのサポート:シンプルな形状から複雑なデザインまで、あらゆる3Dモデルに対応。
- シームレスなUVベイク: 生成されたテクスチャをモデルのオリジナルのUVマップに転送します。
インストール方法
アドオンのインストール
ステップ1: 管理者としてBlenderを実行する
必要なファイルのインストールを許可するために、管理者権限でBlenderを実行します。
- Blenderのショートカットまたは実行ファイルを右クリックします。
- 「管理者として実行(Run as administrator)」を選択します。
ステップ2:アドオンのインストール
BlenderにAutoPainter Alをインストールします。
- Blenderを開きます。
- Edit > Preferencesに移動します。
- サイドバーのAdd-onsをクリックします。
- 一番上の「インストール(Install)…」をクリックします。
- AutoPainter AI ZIPファイルを探して選択します。
- アドオンのインストールをクリックします。
- リストのAutoPainter Alの隣にあるチェックボックスをオンにして、アドオンを有効にします。
ステップ3:依存関係のインストール
必要なPythonモジュールをインストールします。
- AutoPainter Alアドオンの環境設定で、Install Dependenciesボタンをクリックします。
- Blenderが反応しないように見えるかもしれませんが、これは必要なファイルをインストールする際の正常な状態です。
- インストールが完了するまで待ちます。
ステップ4:モジュールのインストールを確認する
すべてのモジュールが正しくインストールされていることを確認します。
- Check Module Installation ボタンをクリックします。
- 「Modules Are Successfully Installed(モジュールは正常にインストールされました)」というメッセージが表示されます。
- インストールされていない場合は、Blender を管理者として起動し、インターネットに接続していることを確認してください。
Stability Matrixを使用したコンポーネントのインストール
Stability Matrixは、Stable Diffusionのための推論UIを備えたマルチプラットフォームパッケージマネージャです。Stable Diffusion WebUIとControlNetのセットアップを簡素化する包括的なツールで、AutoPainter AIをローカルで利用する場合に推奨されています。このツールは、すべての依存関係を処理し、ローカルのAIサーバー設定して、AutoPainter AIで使用できるようにします。インストール手順は以下の通りです。
ステップ1:Stability Matrixのダウンロードとインストール
1.Stability Matrixをダウンロード
- 公式Stability Matrix GitHubリポジトリにアクセスし、最新リリースをダウンロードします。
2.解凍して実行
- ダウンロードしたZIPファイルを任意の場所に解凍します。
- 解凍したフォルダに移動します。
- install_stability_matrix.batファイルを実行。このスクリプトは、Python、Git、その他の必要な依存関係を自動的にインストールします。
ステップ2:Stable Diffusion WebUIとControlNetのインストール
Stability Matrixをインストールしたら、Stable Diffusion WebUIとControlNet extensionをインストールします。
- Stability Matrixを起動
- stability_matrix_launcher.exeを実行して、Stability Matrixアプリケーションを開きます。
- Stable Diffusion WebUIをインストール
- Stability Matrixインタフェースで、[ Install WebUI (WebUIのインストール)] をクリックします。
- これにより、Stable Diffusion WebUI (Automatic1111) が自動的にクローンされ、Pythonパッケージやモデル処理ツールなど、必要な依存関係がインストールされます。
- Stability Matrixは、WebUIをローカルで実行するための正しい環境を設定します。
- ControlNet Extensionをインストール
- WebUIがインストールされたら、Stability Matrixの[Extensions]タブに移動します。
- [Install ControlNet]をクリックすると、Stable Diffusion WebUI用のControlNet拡張機能が自動的にダウンロードおよびインストールされます。
- これにより、AIガイド付きテクスチャを生成するためのControlNet機能が有効になります。
ステップ3:ControlNetモデルのダウンロード
Stability Matrixでは、必要なControlNetモデルを自動的にダウンロードすることもできます。
- ControlNetモデルのダウンロード
- [Models] タブで、[Download ControlNet Models]をクリックします。
- これにより、AutoPainter AIに必要なDepthモデルとNormalモデル(control_sd15_depth.pth、control_sd15_normal.pth)がダウンロードされます。
- Stability Matrixは、これらのモデルを適切なフォルダ(extensions/sd-webui-controlnet/models)に配置します。
- モデルを検証
- ダウンロード後、Stability Matrixは、モデルが適切に配置され、WebUIで使用できる状態になっていることを確認します。
ステップ4:Stable Diffusion WebUIの起動
すべてのインストールが完了したらWebUIサーバを起動します。
- WebUIサーバの起動
- Stability Matrixのコントロールパネルで、[Launch WebUI]をクリックします。
- これにより、ローカルマシンでStable Diffusion WebUIサーバーが起動します(通常、http://localhost:7860)。
- WebUIにアクセス
- ブラウザを開き、http://localhost:7860 へアクセスします。
- これでStable Diffusionインターフェースの準備が整い、AutoPainter AIでテクスチャを生成するためのControlNet機能が利用できるようになります。
AutoPainter AIとStability Matrixを接続する
Stability Matrix、Stable Diffusion WebUI、ControlNetをセットアップしたら、AutoPainter AIでローカル処理に使用できます。
ステップ1:AutoPainter AIでローカル処理を選択する
- BlenderでAutoPainter AIの設定を開きます。
- Connection Typeドロップダウンで、Local WebUIを選択します。
- WebUIのアドレス(http://localhost:7860)を入力します。
ステップ2:マルチビューマップとテクスチャの生成
- マルチビューマップをベイク
- Blenderで3Dモデルを選択します。
- Generate Multiview Mapsをクリックし、ControlNetを使って深度マップと法線マップを作成します。
- AIテクスチャを生成
- 希望のテクスチャプロンプトを入力します。
- Generate Guided AI Imageをクリックして、マップとプロンプトをStability Matrix経由でローカルのWebUIに送信します。
- アップスケールとエンハンス(オプション)
- クラウドのアップスケーリングを使用する場合はこのステップをクラウド処理に切り替え、そうでない場合は標準解像度のためにローカルのControlNetモデルを使用してください。
次の動画でインストール方法が説明されています。
使用ガイド
ステップ1:Blenderファイルを保存する
Blenderプロジェクトを保存します。
- これは深度マップと法線マップをプロジェクトディレクトリに保存するために必要です。
ステップ2:接続タイプの選択
お好みの処理方法を選択してください。
- ローカル処理: Stable Diffusion Web UlとControlNetのインストールが必要です。
- クラウド処理: ローカルにインストールする必要はありません。
(Stable Diffusion Web UlとControlNetのインストールは、Stability Matrixが推奨されています。)
ステップ3:マルチビューマップの生成
モデルの深度マップと法線マップを作成します。
- テクスチャを作成したいオブジェクトを選択します。
- AutoPainter Alパネルで、「Generate Multiview Maps 」をクリックします。
- これは複数の角度から深度マップと法線マップをベイクします。
- パッキングアルゴリズムを使用して、オブジェクトを1×1グリッドに効率的にフィットさせます。
ステップ4:ガイド付きAlイメージの生成
Alを使ってテクスチャを生成します。
- Prompt フィールドに説明的なプロンプトを入力します。
- 例 「A detailed oak wood texture with intricate grain patterns.」
- 「Generate Guided Al Image 」をクリックします。
- アドオンは、プロンプトとマップをAlモデルに送信します。
- テクスチャ生成が完了するまで待ちます。
ステップ5:投影(Projection)設定の調整
テクスチャのモデルへの適用方法を調整します。
- Projection Smoothing(投影スムージング)
- 異なる角度からのテクスチャ間のスムージングを調整します。
- これは、テクスチャをシームレスにブレンドするのに役立ちます。
- パラメータ
- Blend Amount: 投影間の重なりをコントロールします。
- Sharpness: テクスチャの細部の鮮明度を調整します。
ステップ6:Alアップスケーラーを使う
Alアップスケーラーでテクスチャのディテールを強調します。
- 「Upscale & Enhance Image Details 」をクリックします。
- 注意:この機能はクラウド処理モードでのみ実行できます。
- テクスチャの解像度を上げ、より細かいディテールを追加します。
- アップスケール処理が終了するまで待ちます。
ステップ7:オリジナルUVにイメージをベイク
テクスチャをモデルのUVマップに転送します。
モデルにきれいなUVレイアウトがある場合
- 「Bake Image into Original UV 」をクリックします。
- アドオンは、生成されたテクスチャをオリジナルのUVマップに投影します。
- 結果を確認し、必要に応じて調整します。
価格とシステム要件
Auto Painter AIは、Blender 4.2以上で利用できます。ハードウェアの要件は以下の通りです。
- ローカル処理: Al/ディープラーニング機能付きGPU(NVIDIA GPU推奨)
- クラウド処理: 安定したインターネット接続
価格は19ドルです。
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