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Blenderオンラインアセット開発レポートが公開

ニュース

2024年8月6日(現地時間)- Blender Developers ブログでオンラインアセットライブラリに関する開発レポートが共有されましたので、その内容を紹介したいと思います。

7月にBlender HQで開催されたオンラインアセットライブラリに関するワークショップでは、Brush Assetsプロジェクトに続いて計画されているプロジェクトの最初のステップとして、その範囲を定めるための議論が行われました。

オンラインアセットライブラリ

このプロジェクトの目的は、ユーザーが Blender を起動するとさまざまなリソース (アセット) にアクセスできるようにすることです。

すぐに使えるエクスペリエンスを強化するために、Blender には CC-0アセットのセレクションを含むOnline Essentialsと呼ばれるリモートアセットライブラリがあらかじめ設定されて提供されるようになる予定です。これらのアセットには、ベースメッシュ、マテリアル、ブラシなどの重要なリソースが含まれており、すべてのユーザーがすぐに利用できます。

アセットシステムをインターネットと統合するために、新しいタイプのアセットライブラリ「リモートアセットライブラリ」がサポートさます。これは、既存の(ローカル)アセットライブラリシステムと同様に機能しますが、以下の点で若干異なります。

  • ライブラリーのコンテンツは、オンデマンドでダウンロードしたり、再利用のためにローカルにキャッシュしたりすることができます。
  • 各ブレンドファイルは自己完結型である必要があります(ファイル間のリンクはサポートされていません)。

さらに、Blender のオープンムービーのコンテンツのような特殊なアセットライブラリも、エクステンションプラットフォームでアクセスできるようになるかもしれません。

Blender 4.2では同梱されていたアドオンが切り離されて Extensions Platform からインストール可能になりましたが、現在同梱されているEssentialsライブラリでも同様のことが起こるということになります。これにより、今後アセットが増えるにつれてBlender自体のサイズが肥大化するのを防ぎ、必要なアセットのみをダウンロードすることができます。

エクステンションとアセットライブラリの関係

エクステンションもアセットライブラリも Blender の機能を拡張する上で極めて重要であり、概念的にはアセットライブラリもエクステンションの一種と見なすことができますが、シンプルにするために、それらは引き続き別々に設定されます。

リモートアセットライブラリの追加はアセットライブラリタブ(追加予定)で行い、エクステンションの取得タブはアドオンとテーマのために使われます。

これらは引き続き同じインターネットアクセスポリシーを共有し、Blender Extensions Platform からも利用できます。主な違いは、アセットがより厳密に管理されるのに対し、他のエクステンションは純粋にコミュニティによって組織されたプロジェクトであるということです。

Variants、Representation、Version

アセットに関する重要なトピックは、Variants、Representation、Versionで以下はその例です。

  • Variants:
    • New, old, damaged.
    • Dry, wet.
    • Red, blue.
  • Representation:
    • LOD 0, LOD 1, …
    • 1K, 2K, 4K, 8K.
  • Versionsは、variantsとrepresentationの状態。(v1.0.0、v1.0.1など)

簡単な例として、異なるカラーバリアントと異なる詳細レベルをもった、異なるジオメトリ解像度を持つアセットを想像してみてください:

より現実的な例としては、 Sintelのようなプロダクションキャラクターが挙げられています。

Asset: Sintel.
メタデータ: Name, Author, License, Tags, Catalog, …
データブロック: Damaged Lod 0、Damaged Lod 1、New Lod 0、New Lod 1。

既存のアセットシステムでは、1つのアセットにつき1つのVariant/Representation/Versionに制限されています。

オンラインプロジェクトでは、特にRepresentationに関して見直すことが重要とされています。シンプルな2K JPGパノラマで十分なのに、ユーザーが8K HDRIをダウンロードする必要はありません。

これは、Blenderにおけるアセット統合に大きな意味を持ち、その定義にまで影響を及ぼすとのことです。

アセットの定義

アセットとはもともと「アセットとは意味を持つデータブロックである。(An asset is a data-block with meaning)」と定義されていました

定義されたときから4年が経ち、Variantを念頭に置いてこの定義が次のように見直されました。

「アセットとは、意味を持つデータブロックであり、そのvariantsやrepresentationsを組み合わせたものである。
(An asset is a data-block with meaning, combined with its variants and representations.)」

この文脈では、” meaning “はメタデータ(名前、作者など)を指し、これは使用可能なすべての異なる variants や representation で共通です。

これをサポートするために、Blenderには同じIDメタデータの下で異なるデータブロックを接続する方法が必要となります。

アセットの整理

タグ付け、高度な検索、スマートカタログ、お気に入りをマークする機能などの機能は、アーティストをナビゲートし、アセットをより効率的に使用するのに役立つ重要なツールです。

  • アセットが Blender に同梱されているか、リモート アセット ライブラリから取得されているか、または現在のblend-Fileに属しているかに関係なく、あらゆるアセットのカタログを変更したり、タグを作成または削除したりすることが簡単にできる必要があります。
  • ANDOR、タグの指定、ワイルドカードの使用を可能にする構文を使用して、高度な検索をサポートする必要があります。
  • 検索結果は、アセットシェルフやアセットブラウザで素早くアクセスできるように、スマートカタログとして保存できること。
  • どのアセットもFavorites(お気に入り)としてマークすることができ、常にアセットシェルフに表示される新しいFavoritesカタログでアクセスできる。

オンラインアセットとは直接関係ありませんが、効果的な整理整頓は必要不可欠なものであり、オンラインアセットライブラリの追加によってさらに重要になります。

これらのトピックにはそれぞれ「Good-to-Have(あった方が良い)」タスクのセットがあり、オンライン機能を優先するために延期しなければならない場合があるため、コミュニティが手助けすることができるポイントです。

成果物

進捗状況を把握し、コミュニティの参加を促すために、提案されている成果物はissue trackerにまとめられています。このリストは変更される可能性があることをご了承ください。

アセット管理とエクスペリエンスの改善:

  • アセットの重複排除 (追加と再利用)  #115660
  • カタログを含むメタデータのカスタマイズ
  • お気に入り #125432
  • タグシステムの改善 #125430
  • 高度な検索構文 #125434
  • アセット公開 (ローカル)  #125437
  • アセット システムのリファクタリングを完了 #122439

オンラインアセットライブラリ:

  • リモート アセット ライブラリ (シンプル)  #125597
  • リモート アセット ライブラリ (上級)  #125600
  • 外部サムネイル #125598
  • オンラインエッセンシャルアセットライブラリコンテンツ作成
  • 承認されたアクセス(商用/プライベートのリモート アセット ライブラリの場合)

まだより明確な定義が必要なターゲット:

  • Asset representations
  • Asset variations
  • Pythonフック
  • オンラインパブリッシング
  • データブロック以外のアセット

次のステップ

今後は、デザインを改良し、技術的な要件を細分化し、プランニングすることに焦点を当てていく予定とのことです。

前述したように、アセットのエクスペリエンスの成果物のような、よりアプローチしやすい目標については、コミュニティの協力を必要としており、もし手伝いたい場合は、#asset-project チャットチャンネルで声をかけてほしいとのことです。


Online Assets Workshop Report

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