LightWave Digital は、3D モデリング、レンダリング、アニメーションのためのソフトウェアの最新アップデート LightWave 2024 をリリースしました。
新機能ハイライト
この新しいリリースでは、高度なリギングを可能にするRHiggitなどの強化されたアニメーションツールや、正確なウェイトマップ制御をレイアウトで直接行うWeightBrushが導入されています。さらに、プロシージャル ジオメトリノードの拡張、新しい Octane およびネイティブ レンダリング機能の追加、Unreal Engine との互換性も強化、モデラーから要望の多かった EdgeSlide ツールの追加、包括的なドキュメント、QoL アップデート、Unified Surfacing Toolといった多くの新機能が追加されています。
LW RHiggit
かつてプラグインだったRHiggit が、アップデートされてLightWave 3Dに統合し、LW RHiggitとして生まれ変わりました。
LW RHiggitは、映画、テレビ、ゲーム開発におけるキャラクターアニメーションに最適で、キャラクターにリアルさと創造性を与えるために必要なツールを提供します。
LW RHiggitにより、LightWave 3Dユーザーは、パワフルで効率的、かつユーザーフレンドリーなリギングソリューションを利用できるようになり、キャラクタアニメーションをこれまで以上に迅速かつ直感的に行うことができます。LW RHiggitは、複数のキャラクタ、その場でリグを調整する機能、二足歩行、四足歩行など、どのようなニーズにも対応します。
とても昔のものですが、基本的な使用方法は次のプレイリストで確認することができます。
- 高度なリギングシステム
- 包括的なコントロール: 複雑なリグを作成するための強力なツールセットを提供し、アニメーターにキャラクタの動きを正確にコントロールできます。
- 自動リギング: 自動化された機能でリギングプロセスを簡素化し、迅速なセットアップと調整を可能にします。
- ユーザーフレンドリーなインターフェイス
- 直感的なデザイン: 使いやすさを念頭に設計されたLW RHiggitのインターフェイスは、初心者から熟練したプロフェッショナルまでアクセス可能です
- 合理化されたワークフロー: リギングワークフローを合理化することで生産性を向上させ、リグの作成と管理に必要な時間と労力を削減。
- 互換性
- シームレスな統合: LightWave 3Dに完全に統合されているため、既存のツールや機能とともにスムーズに操作できます。
- 幅広いアセットサポート: 幅広いキャラクタモデルとアセットに対応し、さまざまなプロジェクト要件に対応します。
- 柔軟性とカスタマイズ性
- カスタムリグの作成: 特定のキャラクタのニーズに合わせたカスタムリグの作成が可能で、アニメーターのクリエイティブな柔軟性を高めます。
- 再利用可能なテンプレート: 再利用や変更が可能なリギングテンプレートのライブラリが含まれているため、複数のキャラクタのリギングプロセスをスピードアップできます。
- アニメーション機能の強化
- 改良されたデフォーメーション: よりリアルで表現力豊かなキャラクタアニメーションを実現する高品質な デフォーメーションが提供されます。
- 高度なコントロール:アニメーションを微調整するための高度なコントロールを提供し、ハイレベルなパフォーマンスと精度を保証します。
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WeightBrush
レイアウト上でウェイトマップを直接作成、操作するための新ツール「WeightBrush」が追加されました。
このツールは、ウェイトマップをライブで直感的にコントロールでき、キャラクタリギング、インスタンス化、サーフェシングなどを微調整することができます。
LW RHiggitと併用することで、迅速なCGキャラクタ制作をサポートしてくれます。
次の動画でLW RHiggitとRhiggitを使用したデモを見ることができます。
- ライブウェイトマップの作成と操作
- リアルタイム編集: ウェイトマップをその場で作成・調整できるため、視覚的なフィードバックと正確なコントロールが即座に得られます。
- インタラクティブなインターフェイス: ユーザーフレンドリーなコントロールにより、Layout内でウェイトマップを直接ペイントし、簡単に修正できます。
- ユーザーフレンドリーなインターフェイス
- 詳細なボーン影響力(Bone Influence): 正確なウェイト ペイントでキャラクタ ボーンの影響を微調整し、スムーズで自然な変形を実現します。
- ダイナミックな調整: ウェイトマップを簡単に調整して、キャラクタのポーズやアニメーションを微調整できます。
- インスタンス化コントロール
- ウェイトベースのインスタンス化: ウェイトマップを使用して、シーン内のインスタンスの分布と動作を制御し、アーティスティックな自由度と効率性を高めます。
- カスタマイズ可能なパラメータ: ウェイトマップに基づいてパラメータを調整し、インスタンスの望ましいルックと機能を実現します。
- サーフェシングとテクスチャリング
- ウェイト駆動型サーフェシング: ウェイトマップを利用してサーフェシング属性に影響を与え、より複雑でダイナミックなテクスチャを作成できます。
- シームレスな統合: LightWaveの既存のサーフェシングツールとスムーズに統合でき、ワークフローを中断することなく強化できます。
- 多用途に応用
- キャラクタアニメーション: 詳細なキャラクタリギングとアニメーションに最適で、プロ品質の結果を得るために必要なツールを提供します。
- 環境エフェクト: ウェイトマップを使用して、葉の分布やサーフェスのバリエーションなどの環境要素を制御できます。
- 使いやすさ
- 直感的なコントロール: 使いやすさを追求した設計により、初心者から経験豊富なアーティストまで幅広く使用できます。
- 効率的なワークフロー: ウェイトマップ作成プロセスを合理化し、時間を節約して生産性を高めます。
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プロシージャルジオメトリノード
Tendril
Tendrilは、クリエイティブなワークフローを強化するために設計された、LightWave 3D用の高度なプロシージャルジオメトリツールです。
ビジュアルエフェクト、建築ビジュアライゼーション、ゲーム開発、アニメ制作、アーティスティックなプロジェクトなど様々な様々な用途で利用でき、複雑でダイナミックなエフェクトを簡単に生成できます。
2つの新しいProGeoノードを活用することで、ダイナミックなシェイプとエフェクトを作成することが可能です。
- ダイナミックなブラシストローク
- カスタマイズ可能なパス: 調整可能なパラメータで複雑なブラシストロークを作成。
- リアルタイム作成: リアルタイムでストロークを作成。
- アダプティブ解像度: 最適なパフォーマンスと品質が保証されます。
- 成長するツタ(Growing Ivy)
- プロシージャル成長: 枝分かれや葉の密度をカスタマイズして、リアルなツタの成長をシミュレートできます。
- 環境との相互作用: ツタは周囲のジオメトリに適応し、相互作用します。
- バリエーション: オブジェクトやテクスチャを変更可能。
- モーショングラフィック要素
- ダイナミックなシェイプ: アニメーション化されたライン、シェイプ、パターンを生成します。
- パラメータアニメーション: さまざまなパラメータをキーフレーム化して、ダイナミックなエフェクトを実現できます。
- テンプレートライブラリ: あらかじめ用意されたテンプレートにアクセスして、すばやく統合できます。
- ライトニングエフェクト
- リアルなシミュレーション: 分岐や強度をコントロールして、リアルな稲妻を作成できます。
- インタラクティブな稲妻: 環境への雷の影響をシミュレート。
- プリセットエフェクト: プリセットの雷エフェクトを利用したり、独自にカスタマイズしたりできます。
- ユーザビリティと統合性
- ユーザーフレンドリーなインターフェース: 初心者から経験豊富なユーザーまでアクセス可能。
- シームレスな統合: LightWave 3Dのツールセットとスムーズに連携します。
- ドキュメントとチュートリアル: 包括的なガイドとサンプルプロジェクトが含まれています。
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その他
他にもジオメトリノードには以下の機能が追加されています。
- ノードプリセット:ジオノードにプリセットを保存できるため、Tendrilのような複雑なジオノードセットアップのスタートポイントを提供できます。
- Thicken:Thickenを使用すると、パイプやオープンボックスの壁など、生成されたメッシュに厚みを持たせることができます。リアルタイムのブール型オブジェクトに厚みを自動的に追加することもできます。Thickenはアニメーション可能なコントロールも提供するので、時間の経過とともに厚みを変化させることができます。
- Lathe:その名の通り、軸を中心にジオメトリを回転/スピンさ せることができます。回転数、セグメント数、スクリュー/スパイラルジオメトリを作成するためのオフセットもコントロールできます。
Flow
FlowはLightWave用の統合物理プラグインで、Newton Physicsライブラリを使用し、Layoutで物理シミュレーションツールを提供します。
Flowの搭載により、グラスに注ぐ液体、床に飛び散る水、リアルタイムで跳ねたり変形したりするゼリーキューブなど、粘度の異なる流体を作成できるようになりました。
- 細分化されたあらゆるオブジェクトを、その場で変形させることができます:単語を床に落として、それが変形して元の形に跳ね返る様子を見ることができます
- ハードボディとソフトボディのインタラクション:お風呂に浮かんだアヒルや、冷たい飲み物の中の角氷。すべてFlowで簡単に実現できます。
- エミッタを使って液体の流れを演出すれば、シーン内のオブジェクトとダイナミックに相互作用し、衝突させることができます。サードパーティのプラグインは不要で、すべてLightWave 2024に組み込まれています。
新しい点とエッジのスライド
モデリングでは、ディテールやシワを必要な場所に正確に配置するために、ポリゴンのエッジ上でポイントやエッジを移動する必要がある場合があります。
LightWaveの新しいポイントスライド(Point Slide)とエッジスライド(Edge slide)ツールでこれができるようになり、しわの作成、ポイントやエッジの変更、正確なベベルの配置が可能になりました。
Open VDBアップデート
LightWave 3DにOpen VDB 11が統合され、以前のバージョン8からアップグレードされました。この機能強化により、特に火炎ツールTurbulenceと水ジェネレーターFlowが大きく改善、最適化されました。
■主な機能強化
- パフォーマンスの向上:Open VDB 11への移行により、パフォーマンスが大幅に向上し、すべてのボリューメトリック操作において、より高速な計算と効率的なメモリ使用が可能になりました。
- 炎、煙、水(Turbulence および LW Flow):新しいOpen VDB 11では、火炎ツールがより複雑で詳細なシミュ レーションが可能になり、よりリアルな火炎と煙のエフェクトを 作成できます。流体シミュレーションの精度と安定性が向上したOpen VDBライブラリにより、よりリアルな水の挙動が得られます。
- 最適化されたシミュレーション:複雑な炎のダイナミクスをよりスムーズかつ高速にレンダリングし、ビジュアル・エフェクト制作における忠実度を高めます。
統合サーフェシングツール
統合サーフェシングツール(Unified Surfacing Tool)は、購入したアセットとサーフェスの統合を自動化し、シームレスな互換性を確保し、手作業による調整の必要性を減らします。購入したアセットをLightWave 3Dプロジェクトに統合することが、これまで以上に簡単かつ高速になりました。
シームレスな統合
Kitbash、Megascans、Maxtrees、Textures.comなどの一般的なソースからのアセットを自動的に適合させ、余分な作業をすることなくLightWaveシーンに完璧にフィットさせます。
時間の節約
テクスチャやモデルの準備や調整に費やす時間を大幅に削減できるため、冗長な技術的詳細よりも創造性や制作に集中できます。
一貫性と品質
インポートされたすべてのアセットが高品質と一貫性を維持し、プロジェクトのビジュアルスタイルの整合性が保たれます。
ユーザーフレンドリーなインターフェイス
分かりやすいインターフェイスで使いやすく、初心者から経験豊富なプロまで、同じようにアクセスできます。
幅広い互換性
幅広いアセットタイプとフォーマットをサポートしているため、汎用性が高く、さまざまなプロジェクトのニーズに対応できます。
インポートしたアイテムは、ブリッジを経由してUnreal Engine、Octaneレンダラー、LightWaveのネイティブレンダラーで表示することができます。
Octane for LightWave
フォトンシェーダーと霧ツール
LightWave 3DにOctaneフォトンシェーダー(Photon Shader)とフォグツール(Fog Tool)が追加されました。これらのツールにより、フォトリアリスティックなコースティクス、霧のエフェクト、リアルさを加えることで、レンダリングを向上させることができます。Octane Studio EditionによるマルチGPUレンダリングのパワーと組み合わせることでより素早くレンダリングすることが可能です。
- フォトンシェーダー(Photon Shader)
- フォトリアリスティックなコースティクス: 反射面や屈折面とのリアルな光の相互作用を生成し、シーンの視覚的な忠実度を高めることができます。
- 高度な光シミュレーション: フォトンの挙動を正確にシミュレートし、リアルな光パターンとエフェクトを実現。
- フォグツール(Fog Tool)
- ダイナミックな霧エフェクト: 薄い霧から濃霧まで調整可能な霧パラメータで、大気の奥行きとリアリズムを簡単に追加できます。
- 環境との相互作用: 霧はシーン内の光やオブジェクトとリアルに相互作用し、没入感のあるリアルな環境を作ります。
マルチGPUレンダリング
- Octane Studio Edition: 複数のGPUのパワーを活用することで、レンダリング時間を大幅に短縮し、高速な反復処理と高い生産性を実現できます。
- スケーラビリティ: ハードウェアに合わせてシームレスに拡張できるため、GPUリソースを最大限に活用できます。
- リアリズムの向上
- 忠実度の高いレンダリング: フォトンシェーダとフォグツールの組み合わせは、プロジェクトに新しいレベルのフォトリアリズムをもたらし、より魅力的で視覚的に説得力のあるものにします。
- 自然な光の挙動: 自然な光現象を正確にシミュレートし、シーンにより没入感と本物らしさを与えます。
Octaneの新機能
- Octane APIが2023.1.3に更新
- 新しいStandard Material
- 新しいStandard Volume Medium
- 新しい Photon Tracing Kernel
- Volume Ramp (Gradient) ノード
- 高速フォグ エフェクト用の新しいOctane Post Volume ノード
- レンズフレアを含むようにPost Processingノードが更新
その他のアップデート
■ネイティブレンダーエンジン
- AAの改善(最大30%高速化)
- クリップマップのモーションブラー:クリップマップのモーションブラーが改善され、アニメーションのリアリズムが向上しました。
- 環境設定パネルのレイアウト: 環境設定パネルがより整理され、ユーザーエクスペリエンスが向上し、より直感的なナビゲーションとカスタマイズが可能になりました。
■ノードエディタのフレーム
すべてのノードエディタに追加された新機能であるフレームにより、ノードツリーの視覚的なグループ化とコメントが可能になりました。これにより、自分用にメモを残したり、他の人にエリアを教えたり、さらに学んだり、他の共有プリセットにアクセスするための外部ソースにリンクすることも可能となりました。
■LW Pro Tools
幅広いツールセットの改良が行われ、 500を超える豊富なツールセットにおいて、よりスムーズで効率的なツールパフォーマンスが実現されました。
■パイプライン、アセット、I/O
- Alembic 1.8.6アップデート – Houdini/RealFlowシミュレーションのパーティクル読み込み/保存をサポート。
- Unreal Bridge 5.3/5.4
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
LightWave 2024は、Windows 10 64ビット以降、MacOS 10.15 (Catalina)以降で利用することができます。
より詳しいシステム要件は価格ページより確認することができます。
ライセンスの価格は以下の通りです。
製品 | 価格 (GBP) | 価格 (JPY) |
---|---|---|
新しい LightWave 2023 ライセンス | £795 | 155,500円* |
LightWave 2023からのアップグレード | £450 | 88,100円* |
LightWave 2020以前からのアップグレード | £550 | 107,600円* |
*為替の変動により変更の可能有
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