2024年6月18日(現地時間)- Adobe はVFXとモーショングラフィックスソフトウェアの最新アップデート After Effects 24.5(2024年6月)をリリースしました。
新機能ハイライト
2024年6月(24.5)リリースでは、シャドウキャッチャー、アニメーションモデルのサポート、深度データの取得、ライブラリからのOBJの読み込みなどの新機能の追加に加えて、既知の問題の修正が行われています。
シャドウキャッチャー
3D シャドウキャッチャーレイヤーを使用して、上に重なる 3D モデルによって投影されるシャドウをキャプチャして、リアルな合成を作成することができるようになりました。
シャドウキャッチャーは、シャドウを投影するために特別に設計された 3D レイヤーであり、3D オブジェクトによって 2D 背景に投影される影を正確にシミュレートすることで、よりリアルな合成を作成できます。これは、独立した平面または表面で、影がない時は透明なオブジェクトです。
コンポジションで作業する場合、シャドウキャッチャーレイヤーとして使用するレイヤーのマテリアルオプションプロパティで「シャドウを受ける」を「効果のみ」に選択することで、シャドウキャッチャーを有効にすることができます。
アニメーションモデルのサポート
読み込んだ 3D モデルファイルに埋め込まれたアニメーションの 1 つを選択してコンポジションに組み込むことができるようになりました。After Effects では、埋め込まれたアニメーションを含む 3D モデルファイルをコンポジションに直接読み込み、含めたいものを選択して、埋め込まれたアニメーションを、完全なリグキャラクターのモーションやその他の複雑な動きにできます。
アニメーションが埋め込まれた 3D モデルを読み込み、タイムラインパネルで 3D モデルレイヤーのプロパティを展開し、アニメーションオプションの下のドロップダウンメニューを使用して、組み込む埋め込まれたアニメーションを選択することが可能です。
高度な 3D シーンからの深度データの取得
高度な 3Dシーン
から深度データを抽出できるようになり、マップを使用して、3D レンダリングの実際のカメラ設定をシミュレートすることで、よりリアルなコンポジットを作成できるようになりました。
深度データに基づく深度マップを使用すると、3D レンダリング用に実際のカメラ設定をシミュレートすることで、よりリアルな合成を作成したり、深度に基づいて 3D シーンの一部にエフェクトを適用したりできます。
After Effects でこの深度データを使用するには、次の 2 つの方法があります。
- 3D チャンネル抽出エフェクトを使用して深度マップを作成
- 深度データを直接参照できる 3D チャンネルエフェクトの 1 つを適用
ライブラリからの OBJ の読み込み
ライブラリ
から 3D モデルファイルを追加する機能が拡張され、GLB と GLTF に加えて、OBJファイルをサポートしました。OBJ 3D モデルは、Adobe Stock、ローカルシステムまたは After Effects プロジェクトから Creative Cloud ライブラリに追加できます。
数字、図形などの新しいプリセット
インフォグラフィック、数字、トランジション、テクスチャなどをカバーする新しいアニメーションプリセットが追加されました。
新しく追加されたプリセットのリストは次のとおりです。
- アニメラジアル – アニメにインスピレーションを得た円形の背景を作成します
- アニメスピードライン – エネルギーと勢いをもたらすクラシックなスピードラインです
■Behaviors(動作)
- ランダムカラー – 選択したカラーのアニメーション化されたランダムなバリエーションを作成します
- ランダムオン/オフ – レイヤーの不透明度をランダムにオン/オフに切り替えます
- ランダム整数 – カスタム範囲内でランダム整数を生成します
- 波形値ジェネレーター – サイン波、三角形波などによるループモーションを素早く作成します
■ダイナミックテキストボックス
- 2D テキストボックス(シェイプ)– 動的なサイズ変更とアニメーションのためにテキストレイヤーをポイントするコントロールを備えた、リグシェイプレイヤーを作成します
- 2D テキストボックス(マスクとエフェクト) – 1 つのレイヤーを使用して同じ動的なテキストボックスのテキストレイヤーに直接適用します
■ダイナミックフレーム
- バウンディングボックス – バウンディングボックス内の重要なコンテンツをハイライト表示します
- クリンクルカットステッカー – フレームにクリンクルエフェクトを追加します
- 切手 – コンテンツを切手のようにフレームに収めます
- スカラップフレーム – 画像やビデオにエレガントなスカラップエッジを作成します
■インフォグラフィック
- 棒グラフ – エフェクトコントロールのスライダーで操作し、棒グラフでデータを視覚化します
- 折れ線グラフ – 折れ線グラフでデータポイントを簡単にプロットします
- 円形グラフ – データを円形形式で表示し、アニメーション用にリグを設定して準備を整えます
- カウンターカウントダウン等幅フォント – カクカクした動きのカウンターとはお別れです。どの書体でも動作します。コンマなどの書式設定が含まれます
- 通貨カウンター等幅フォント – 様々な通貨の標準形式で通貨値をアニメーション化します
- パーセンテージカウンター等幅フォント – 完全に書式設定されたパーセンテージ値です
- タイマーカウントダウン等幅フォント – カウントダウンタイマーが簡単に作成できます。数分から数日まで対応しています
■シェイプ要素
- 切り替え可能なカーソル要素 – デスクトップ UI インタラクションのモックアップに非常に便利です
- ビンテージスター – ビンテージスターシェイプでレトロな魅力を加えます
■合成
- CD バック – CD の表面の外観をシミュレートします
- チップフォイル – アニメーション化されたメタリックフォイルテクスチャを実現します
- ホログラフィックフォイル – 魅惑的なホログラフィックエフェクトを作成します。テキストレイヤーに最適です。
- 地形線 – 地形線をオーバーレイしてアニメーション化します
■トランジション
- インキーディゾルブ – インキーディゾルブを使用したクリップ間のトランジションです
- インキーアイリスワイプ – 有機的なアイリスワイプを使用してコンテンツを明らかにします
- インキーリニアワイプ – フレーム全体に有機的なワイプです
- ピクセル化されたディゾルブ – フッテージがディゾルブするにつれてピクセル化します
- ピクセル化されたアイリスワイプ – ピクセル化とアイリスワイプを組み合わせます
- ピクセル化されたリニアワイプ – ピクセル化によるリニアワイプです
■ユーティリティ
- XYZ スケールを分割 – X、Y、Z軸に沿って独立してアニメーション化します
- アルファのズームと保持 – ズームエフェクト適用しながら、レイヤーの既存のアルファを保持します
完全なリストはこちらから
プロパティパネルのカメラとライトのプロパティ
プロパティパネルを使用して、カメラまたはライトのプロパティとそのレイヤー変換にアクセスして編集できるようになりました。
After Effetcs でカメラレイヤーとライトレイヤーを操作する場合、プロパティパネルを中央コントロールセクションとして使用して、タイムラインに移動せずにレイヤー変換のプロパティと設定オプションを素早く調整できます。
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
ベータ版の機能
現在利用できるベータ版では以下の追加の機能が利用できます。
新しい After Effects Spectrum ユーザーインターフェイス
Adobe Spectrum デザインを使用してテーマとスタイルを設定し、アプリ全体をモダンな外観にすることができるようになりました。背景、テキスト、アイコン、標準コントロールのカラーに影響を与える After Effects アプリケーションの3 つのテーマから設定できます。
エクスプレッションの文字単位のテキストスタイル
テキストエクスプレッションを使用して、テキストレイヤー全体のスタイル属性を設定するだけでなく、レイヤー内の個々の文字のスタイル属性を設定することができるようになりました。この文字単位制御は、文字の拡大・縮小、上付き文字の使用、別のフォントの使用などを行う際のテキストの自動リフローという利点を持っています。
価格とシステム要件
After Effects 24.5は、Windows 10(64 ビット) V22H2 以降、macOS Monterey(バージョン 12)以降で利用できます。
より詳しい最新のシステム要件はこちらから
After Effectsの単体プランの価格は以下の通りです。
- 年間プラン, (月々払い) — 3,280 円/月(税込)
- 年間プラン, (一括払い) — 34,680 円/年(税込)
- 月々プラン — 4,980円 /月(税込)
また、After Effectsは、Creative Cloud コンプリートプランの一部としても利用できます。
詳しい価格はこちらから
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