リアルな流体シミュレーションを作成するためのBlenderアドオン『FluidLab』

プラグイン

2024年8月31日更新:バージョン1.2新機能情報を追加

B3FX Studios(旧 RBDLab Studio) による 新しいBlender用流体シミュレーションアドオン『FluidLab』の紹介です。

流体シミュレーションアドオン『FluidLab』

FluidLabは、流体、ソフトボディ、粘性シミュレーションを素早く効率的に生成することができるツールです。シミュレーションを生成するためにBlenderパーティクルが持つSPH(Smoothed-particle hydrodynamics)システムを、流体の外観を改善するために使用されるメッシュと多くの属性を生成するためにジオメトリノードを使用しています。

ビューポート上でリアルタイムにシミュレーションを行い、、小規模から中規模の様々な流体エフェクトを作成することができます。例えば、水、蜂蜜、血液などの流体を作成したり、異なる密度、粘度、動作を持つ異なるエミッタを相互作用させたり、砂や泥などのパーティクルを使ってエフェクトを作成したりすることができます。

また、FluidLabは、RBDLab StudioのもうひとつのシミュレーションアドオンRBDLabとの互換性もあり、ワインの入ったグラスを割ったり、金属缶を砕いたりすると、中の液体が拡散するといったようなシーンの作成も可能です。

水、蜂蜜、血液などの流体

砂、パーティクル

スライム、混合

RBDLabとの相互作用

FluidLabは、中小規模の流体で最適に動作するように設計されています。Forcesモジュールでは、様々な種類のフォースを使ったシミュレーションを作成できます。さらに、プリセット(独自のプリセットを作成することも可能)やさまざまなシェーダー、水、溶岩、血液なども利用することができ、Alembicで簡単にエクスポートして、好きな場所でシミュレーションを使用することができます。

さらに、バージョン1.2では、フォーム(泡)、バブル(気泡)、スプレー(水しぶき)の作成システムが追加されてよりリアルな表現が可能となりました。

今のところ公式ドキュメントもまだ更新されていないようなので、追加の情報があればまた更新したいと思います。

ユーザーインターフェイスの説明

FLuidLabは様々な作業モジュールに分かれています。

それぞれのモジュールには、流体を生成したり、Force、Colliders、Geometry、Effects、Shadingなどを追加するためのツールがあります。

まず、Groupsセクションがあり、ここで流体の設定と追加を行うことができます。

Fluid List について

Fluid Listは、ユーザが最初に見つけることができるパネルで、ここで流体を追加し、整理することができます。まず、エミッタとして使用したいジオメトリを選択し、Add New Groupボタンで追加し、エミッタをGeometryにするかInflowにするかを選択します。この時点で、ユーザーはエミッター “Group “を作成したことになります。次にCreate Emitterを選択し、ジオメトリに流体を作成します。

  • Geometry  エミッタは、ジオメトリを流体に変換するエミッタです。このエミッタは、ジオメトリが流体として表示されている最初のフレームからすべてのパーティクルを生成します。
  • Inflow エミッタは、ジオメトリを ” faucet ( 蛇口 ) ” として使用し、ユーザーが指定したフレームの間、常に流体を放出します。

オプションメニューからはエミッタやグループを複製することが可能です。

Main Modules について

Main Modules パネルは FLuidLab の中核部分で、ここからFLuidLabの様々なツールにアクセスすることができます。エミッタの設定、シェーディング、プリセット、メッシュなど、シミュレーションの作成に必要なものはすべてモジュールにあります。

以下では、10個のモジュールを簡単に説明したいと思います。

■Fluid Settings

流体設定モジュールでは、生成する流体のタイプを設定できます。グループ内に複数のエミッタがある場合、これらのサブモジュールで行ったすべての変更は、グループ内のすべての流体に影響することに注意してください。これによって、異なる流体を同じ値で設定する作業を自動化するのが非常に簡単になります。さらに、グループ内のどの流体に対しても、いつでも個別に(ローカルに)変更を加えることができます。

■FLuid Presets

このモジュールでは、独自のプリセットを作成、ロード、変更、保存することができます。また、このモジュールは、プリセットと別のプリセットでどのような値が変化しているのかを知りたい場合にも役立ち、あるプリセットと別のプリセットで変更されたパラメータを簡単かつ素早く確認し、設定の動作をよりよく理解することができます。

■Forces

Forcesモジュールでは、パーティクルと相互作用する力を追加できます。global forces (シーン全体)、エミッタ自体のフォース、コライダのフォースを追加できます。これらのフォースはすべてアニメーションさせることが可能です。

■Colliders

Collidersモジュールでは、パーティクルの衝突物(Colliders)として動作させたいオブジェクトを選択できます。

単一のオブジェクトや オブジェクトのコレクションにStickiness、damping、friction…のような異なる値を設定することができ、よりリアルな流体の結果を得ることができます。また、オブジェクトをOutflowに変換してパーティクルを除去することもできます。さらに、シミュレーションを作成するときに、すべての値を自由にアニメーションさせることができます。

衝突物の中で異なるパラメータを設定できることは便利です。流体の挙動はどの表面でも同じではなく、表面の粗さ、組成、材質などによって異なります。同じ流体がそれぞれの物体でまったく異なる振る舞いをするので、シミュレーションがよりリアルになります。

■Fluid Interaction

シミュレーションを早くするため、デフォルトでは異なるFluidLabエミッタは互いに作用しません。このモジュールは、を相互作用させたい流体を選択することで、異なる流体同士を相互作用させることができます。

■Export/Import

このモジュールでは、必要に応じてシミュレーションをAlembicにエクスポートできます。これは、blenderの外や別のファイルでジオメトリを使う必要がある場合に便利です。Alembicにエクスポートする場合、Velocityアトリビュートはエクスポートされないので、流体にMotionBlurを適用できないことに注意してください。

オプションで、Alembicへのエクスポートが完了したら、自動的にAlembicをインポートし、パーティクルシミュレーションとGNで生成されたMeshを非表示にして、Alembicのみで動作するように設定することが可能です。また、Colliderとしてメッシュや流体を使用するために、1フレームだけをOBJにエクスポートすることもできます。

■Shading

Shading モジュールでは、流体に適したシェーダーを設定することができます。設定はカスタマイズすることが可能です。今後のアップデートでさらに多くのシェーダーが追加される予定です。

■Mesh

Meshモジュールでは、パーティクルをジオメトリに変換できます。より詳細なジオメトリを生成したり、より滑らかなジオメトリを生成したり、ノイズを使用したり、パーティクルのみを使用する(例えば砂を生成する)など、さまざまなオプションがあります。また、Motionblurを設定することもできます。

2つのオプションを紹介!

Noise + Velocity

Noise + Velocityオプションを使用すると、速度ベクトルを使用して、流体に追従してより局所的でダイナミックなノイズを生成することができます。

Extra Dots

Grain モードの Extra Dots オプションを有効にすると、パーティクルを視覚化して独自のジオメトリを追加することができます。この機能により、例えば、チョコレートにドットを使ってアーモンドを追加したり、発光効果や気泡のような内部球体を流体に含めることができます。

■Rendering

Renderingモジュールは3つのセクションに分かれており、それぞれ次のことができます。

Viewportセクションでは、ビューポート用のビジュアライゼーションオプションを設定することができます。フリップブックが作成できるので、プレビューを作成したり、異なる設定で流体の流動性や最終的な速度を確認したりするのに便利です。

Renderセクションでは、シーンの最終的な結果をどのようにするかを最終的に設定することができます。Cyclesを選択すると、GPUを使用するように設定されます。

Worldセクションでは、3回クリックするだけで、新しいHDRIマップを素早く追加することができます。

■Dynamic Paint

Dynamic Paintモジュールでは、BlenderのDynamic Paintツールにアクセスして、シミュレーションにディテールを追加したり、湿度(Humidity)エフェクトを追加したりすることができます。2つのサブモジュール、BrushesとCanvasに分かれており、Brushesではすべての流体メッシュが、CanvasではCollidersにあるすべてのジオメトリが利用できます。

より詳しい情報はFluidLabユーザーガイドへ

アップデート情報

バージョン1.2

  • フォーム(泡)、バブル(気泡)、スプレー(水しぶき)の作成システムが追加
  • デモランチャーの追加:デモシーンランチャーは、ユーザーがFluidLabで作成された様々なタイプのエフェクトを検証し、ツールがどのように機能するかをより深く理解するのに役立ちます。
  • 数多くの新しいシェーダーが追加され、以前のシェーダーも改良されました。
  • インターフェースと全体的な機能が大幅に改善されました。

チュートリアル

いくつかの公式チュートリアルが公開されています。

次の動画では、基本的な使用方法を学ぶことができます。

また、次の動画では Dynamic Paint を使用して、ウェットマップを作成する手順が説明されています。

価格とシステム要件

Fluidlab は Blender4.1で利用できます。

価格は60ドルです。

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