2024年5月8日(現地時間) – Autodeskは、生成AI3D形状作成のための研究プロジェクト「Project Bernini」とその最初の生成AIモデルを発表 しました。
Project Berniniとは
『Project Bernini』は、Autodesk AI Lab によるデザインと製造業界向けの生成AIの開発に焦点を当てた研究活動です。この研究の最初のモデルは、単一の2D画像、オブジェクトの異なるビューを示す複数の画像、点群、ボクセル、テキストなど、さまざまな入力から優れた3D形状をすばやく生成することができます。プロフェッショナルな幾何学ワークフローに正確に対応し、与えられた入力から3D形状の複数の機能的なバリエーションを生成することが可能です。
開発したのは Autodesk Research の Autodesk AI Lab で、デザイン、製造、建築、エンジニアリング、建設、そしてメディアやエンターテインメントのクリエイティブなプロセスにおける困難なタスクを支援するために、AIの応用に取り組む科学者や専門家からなる多様なチームです。
彼らは、1,000万個の多様な3D形状(CADオブジェクトと有機的形状を混合した、一般に入手可能なデータからなる複合データセット)でBerniniモデルを学習させました。この研究に貢献した研究は、AIラボが香港中文大学と共同で今年初めに発表した『Make-A-Shape』とのことです。現段階では、Project Berniniは実験的なものであり、一般利用はできません
機能的な3D構造を生成
建築、製品デザイン、エンターテイメントなど、さまざまなユースケースで使用できる生成モデルの作成に取り組んでいます。彼らは、モデルの出力から構築または製造される製品は、現実の世界で機能し、設計者が思い描く目的を果たす必要があると考えており、機能的な3D構造( functional 3D structures )を生成することに注力しているとしています。
例えば、簡単な例として水差しがあります。他の多くの3D生成モデルは、非常に特殊な照明環境で表面的な外観を向上させるテクスチャを持つ水差しのような形状を生成するかもしれませんが、Berniniモデルは形状とテクスチャを別々に生成し、それらの変数を混乱させたり融合させたりしません。そのため、Berniniモデルはによって生成された水差しは真ん中が空洞になっており、現実世界の水差しが必要とするように、実際に水を溜めることができます。
また、Autodeskは、いくつかのバリエーションを生成する真の生成的アプローチを適用することで、デザイナーに選択肢を与え、クリエイティブなワークフローに貢献することも重要としています。
効率的なトレーニングと微調整
チームがこの技術の改良に取り組む中、オートデスクは潜在的なパートナーに積極的に働きかけ、デザインと製造のための生成モデルのさらなる研究と性能向上を目指しています。Project Bernini は生成 AI の最先端を行くものですが、そのモデルは、より大規模で質の高いプロフェッショナルなデータセットでトレーニングすることで、ますます有用で説得力のあるものになるとされています。Bernini のモデルは、簡単にこれを可能にするために、効率的なトレーニングと微調整を提供するよう特別に構成されています。
これにより、建築物でトレーニングすれば、このモデルは幾何学的に厳密な創造的デザインを生成し、新世代の建築物や建築家にインスピレーションを与えることが、ゲームのキャラクターモデルやファンタジー環境をトレーニングすれば、魅力的な新しいクリーチャーや仮想世界を生み出すことが可能となるかもしれません。また、車のデザインに訓練すれば、革新的な新型車シリーズを想像する手助けになるかもしれません。
以上の Project Bernini は、業界横断的な製品ポートフォリオにまたがるインテリジェントな支援と生成機能の提供に焦点を当てた、包括的な Autodesk AI 戦略の一部です。Autodeskは、この取り組みを通じて AI の開発と活用に安全性、透明性、人間性を組みこむことに取り組んでいくとしています。
Autodesk unveils Research Project Bernini for generative AI 3D shape creation
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