2024年4月4日(現地時間)- Trimble SketchUpチーム は、3Dモデリングツールの最新アップデート SketchUp Desktop 2024 のリリースを発表しました。
新機能ハイライト
SketchUp 2024には、新しいグラフィックスエンジン、関係者とアイデアを共有するためのより簡単な方法、生産性を向上させるパフォーマンスなどの新機能が追加されました。
上記の動画では以下のような新機能が紹介されています。
新しいグラフィックスエンジン
SketchUp for Desktopは、最新のグラフィックステクノロジーを活用した新しいグラフィック エンジンが搭載されました。これは、新しいハードウェアおよびソフトウェア テクノロジを活用し、ファイル ナビゲーションと応答性を大幅に向上させます。
さまざまなサイズと複雑さのモデルを周回する際の 1 秒あたりのフレーム数の増加と、操作性と応答性の向上の両方が改善しています。。結果は異なる場合がありますが、内部テストによると、最も一般的な構成は SketchUp のクラシック グラフィック エンジンよりも約 2.4 倍高速に、ハイエンド構成では8.4 倍の高速化が見られ、場合によってはそれをさらに上回る場合もあるとのことです。
SketchUp for Desktop を実行できるすべてのハードウェア構成が新しいグラフィック エンジンをサポートできるわけではなく、従来の「classic」SketchUp グラフィックス エンジンは、必要に応じて引き続き利用できます。 [Preferences] ウィンドウの新しい [Graphics] セクションには、グラフィックス エンジンを切り替えるオプションが用意されています。
アンビエントオクルージョン
新しいグローバルスタイル設定「アンビエントオクルージョン(Ambient Occlusion)」を使用して、モデル内でエッジと面が相互作用する箇所に視覚的な強調を追加することができるようになりました。この新機能は、新しい SketchUp グラフィックエンジンによって可能になった新しいスタイル設定で、モデルに奥行き感を与え、現実感を高めるのに役立ちます。
アンビエントオクルージョンのリリースは、これまでで最も重要なビジュアルの強化の一つで、魅力的なビジュアルをネイティブに作成するための開発における大きなマイルストーンとされています。
Trimble Connect とSharing
ウェブとiPadで好評だったリンク共有機能 Trimble Connect がデスクトップでも利用できるようになりました。 Trimble Connect を使用すると、モデルの表示専用バージョンへのリンクを簡単に共有し、デスクトップ、iPad、Web 用の SketchUp を介してデバイス間で .skp ファイルにアクセスできます。
SketchUp サブスクリプションには、無制限のクラウド ストレージを備えた Trimble Connect へのアクセスが含まれるようになりました。以前は、Extension Warehouse で入手可能な Trimble Connect 拡張機能を介して Trimble Connect にアクセスできましたが、今回、Trimble Connect が SketchUp for Desktop に直接統合されたことで、その拡張機能の必要性が排除されました。
新しい Trimble Connect 統合により、次のことが可能になります。
- ファイルを簡単に開いてTrimble Connectに保存。
- リビジョンを追跡し、ファイルの最終更新日を確認。
- SketchUp for Desktop、SketchUp for Web、SketchUp for iPad間でモデルを素早く転送。
- Trimble Connectに保存されたモデルへの表示専用リンクを共有。
モデリングの改善
今回のアップデートでは、SketchUpのコアツールやネイティブモデリング機能の改善が行われました。
以下はその概要です:
- 移動ツールの回転グリップ:環境設定の[図面(Drawing)]セクションで、移動ツールの回転グリップのオフ/オンを切り替えられるようになり、視覚的なノイズを制限し、移動ツールを操作しやすくなりました。この新しい描画環境設定にはショートカットも用意されています。
- 操作の途中での取り消し:取り消し(Undo)は、以前に完了した操作を取り消すことなく、実行中の操作をキャンセルできるようになりました。
- ガイドへの参照:オブジェクトからガイドに線を引く場合、ガイドへの参照ができないことがありました。描画時にガイドをより効果的に推論として使用できるようになりました。
- 長方形の推論:面に長方形を描くときに、その面内のエッジを推論できるようになりました。
- 傾いた梯子の推論:これは、壁に梯子を傾けるときのように、回転中のジオメトリが「傾いた」面と交差するときに「X」で知らせる新しい機能です。
- Unsaved Progress* (Windows) : Windowsでは、モデルに変更を加えても保存されていない場合、アプリケーションのタイトルバーのファイル名の横に「*」が表示されるようになりました。Macユーザーの方は、赤い「閉じる」ボタンの中央に灰色の点が表示され、進捗がまだ保存されていないことを確認できます。
USDZとglTFの相互運用性
USDZとglTFファイルのインポートおよびエクスポート機能が改善され、SketchUpと他の業界標準ツールとの間でシームレスな移行が可能になりました。
NVIDIA Omniverse や Epic Games の Twinmotion のようなリアルタイムアプリケーションでこれらのファイルを使用することで、レンダリングされたアニメーションや高度なXR表示体験が可能になります。
LayOut のアップデート
LayOutには、カラー、マテリアル、その他のスタイリング要素に加えて、2D図面をより魅力的にするためのツールが追加されました。新しいアンビエントオクルージョンのスタイルをサポートするなど以下の新機能があります。
■バージョンレスに
v24.0以降のLayOutファイルはバージョンレスになりました。つまり、2024 年に作成されたファイルは、特定の年のバージョンに保存しなくても、サポートされているバージョン(現在のバージョンより 2 年前のバージョン)の LayOut で開くことができます。
■パフォーマンスの向上
環境設定の新しいパフォーマンスタブにドラフトモードが追加され、ドキュメントでの作業中にグラフィックのパフォーマンスを向上させることができるようになりました。さらに、デフォルトでは無効になっていますが、SketchUp Labs のLayOutの実験的なグラフィックエンジンを試すことができます。
■アンビエントオクルージョン
LayOutはアンビエントオクルージョンのスタイルをサポートし、2D図面を作成する際に簡単にオン/オフを切り替えることができるようになりました。LayOutで使用するSketchUpシーンでアンビエントオクルージョンをオンにすると、LayOutファイル全体でビジュアルが自動的に更新されます。
■推論の改善
LayOutの推論ロックがSketchUpと似たものとなりました。ドキュメントでの作業中、LayOutは描画時に利用可能な参照を、最後にマウスをクリックした位置に最も近いエンティティに制限し、エンティティの移動やコピーの応答性を向上させます。
■スケーラブルでないラベル
LayOut の Label ツール()を使用すると、テキストボックス、線(専門的にはリーダと呼ばれる)、描画領域内の特定のアイテムを指す矢印または終点を持つラベルエンティティを作成できます。
これらのラベルの動作方法が更新されてスケールグリップはなくなりましたが、他のジオメトリにアタッチしたときにスケーリングできるようになりました。
■書き出しの改良
ドキュメントを書き出すときに、複数のページ範囲を一度に選択できるようになりました。エクスポート時に、ファイル名と一緒にページ名も表示されるようになりました。
その他
- ロケーションの追加(Add Location)の改良:ロケーションの追加(Add Location)が改良され、特に大規模なインポートの場合、モデルの地理的位置の特定と詳細な地形データのインポートがこれまでより簡単かつ予測可能になりました。
- IFCインポートとエクスポートの改善:IFC ファイルの SketchUp へのインポートがより速く、より予測可能になりました。また、ジオメトリ テッセレーション オプションやコンポーネントのエクスポート方法の複数のアップグレードなど、データの一貫性と最適化されたファイルの維持に役立つ IFC-4 エクスポートに対する複数の更新も行われました。
- Scan Essentials Ground Mesh:Scan Essentials は、SketchUp Studio サブスクリプションで利用できる機能です。新しいグラウンド メッシュ(Ground Mesh)ツールを使用すると、フィットクラウド、長方形、または境界メソッドを使用して 3D 点群から地形を作成すことができます。
- 拡張機能エラー ダイアログ:SketchUp の起動時に拡張機能の 1 つがロードに失敗した場合、どの拡張機能が失敗したかを判断し、利用可能な更新がある場合はその拡張機能を更新するか、削除するのに役立つ新しいエラー ダイアログが表示されるようになりました。
- Revit インポーター:SketchUpのRevit ImporterがRevit 2024に対応しました。
価格とシステム要件
SketchUp 2023は、Windows 11, Windows 10、Mac OS 13+ (Ventura), 12+ (Monterey) and 11+ (Big Sur)、またはウェブアプリケーションとして利用できます。
詳しいシステム要件はこちらから
価格は、SketchUp Go(Web, iPad)が119ドル/年、SketchUp Pro( Desktop, Web, iPad )が349ドル/年、SketchUp Studio( Desktop, Web, iPad )が749ドル/年です。
iPad版のSketchUpはすべて有料サブスクリプションに含まれており、こちらからダウンロードして利用可能です。
詳しい価格と機能比較表はこちらから確認できます。
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