Autodesk Maya 2025 がリリース!ドープシートの再設計、スマート押し出し、モーション軌跡システムの更新など

CGソフト

2024年3月27日(現地時間)- Autodesk は、3Dアニメーションソフトウェア の最新アップデート Maya 2025 のリリースを発表しました

新機能ハイライト

このリリースでは、ドープシートの再設計、スマート押し出し、LookdevXの強化、アーティストの生産性とアセットの移植性を高めるツールの追加などが行われました。公式から新機能を紹介する次の動画が公開されています。

動画では以下の新機能が紹介されています。

モデリングの改善

スマート押し出し(Smart Extrude)、ベベル フィルタリング アトリビュート、およびベベル入力にブール演算交差を利用かのうになるなどモデリングの更新が行われました。

Maya のスマート押し出し

 3ds Max 2021 に導入されたスマート押し出し(Smart Extrude)が、Maya で使用できるようになりました。

このスマート押し出し(Smart Extrude)を使用すると、操作結果によって完全または部分的にカットスルーされた面やオーバーラップした面がインタラクティブに再構築されてつなぎ合わされ、新しい多様体ジオメトリが作成されるため、隠れた面やジオメトリデータを手動で修復する必要がなくなります。

【使用手順】

スマート押し出し(Smart Extrude)を利用するには次の手順をとります。

  1. まずビューポートでフェースのコンポーネントを選択します。
  2. 次に、メッシュの編集 > スマート押し出し(Edit Mesh > Smart Extrude)を選択。
  3. マニピュレータを使用してビューポート(Viewport)で面をドラッグします。
  4. オーバーラップした面は、自動的にステッチされ、メッシュに再構築されてトポロジの結果がクリーンになります。

【使用に関するヒント】

  • スマート押し出しには、面中心のモデリング操作のための[Shift]+右マウスボタン マーキング メニューだけでなく、ポリゴン モデリング(Poly Modeling)のシェルフの新しいボタンとアイコンを使用してアクセスすることができます。
  • デフォルトでは、スマート押し出しは選択したコンポーネント選択に位置合わせされます。別の方向に位置合わせするには、方向マーキング メニューを使用します。このメニューには、標準の[Shift]+[Ctrl]+右マウスボタンのホットキーを使用してアクセスできます。
  • スマート押し出しを実行してから[G]ホットキーを押すと、アクションが繰り返されます。この方法を使用して、複数のスマート押し出しアクションを順番に実行できます。
  • スマート押し出しマニピュレータには基本的なマーキング メニューがあり、次のオプションに基づいてピボット方向(Pivot Orientation)が自動的に設定されます。
    • オブジェクトに設定(Set to Object)
    • ワールドに設定(Set to World)
    • コンポーネントに設定(Set to Component)

     

  • 外方向への押し出しは、グローや他の既存のジオメトリへの結合に使用でき、内方向への押し出しは、オブジェクトへの削り込みに使用できます。
  • 内方向に移動するスマート押し出しは、複数のエッジ セグメントにわたって適用することも、部分的または完全にメッシュ(コーナーを含む)に挿入して通過させることもできます。このような場合、ジオメトリは削除され、交差する場所から削除されます。
  • 頂点またはエッジ コンポーネントからスマート押し出しを実行しようとすると、選択がフェース コンポーネントに変わり、その後スマート押し出しが適用されます。
  • 外方向に移動するスマート押し出し選択は、交差する同じメッシュ オブジェクト上の他のポリゴン データと結合し、ステッチされます。
  • 連結を解除する場合は、メッシュの編集 > 押し出し(Edit Mesh > Extrude)を選択し、一般的な押し出しを使用します。モデリングの必要性に応じて、スマート押し出し(Smart Extrude)アクションと押し出し(Extrude)アクションを切り替えます。
  • スマート押し出し操作の結果として、自己交差したり、メッシュ オブジェクトの複数の連続したシェルを横切ったりすることがあります。結果として得られるジオメトリは、引き続きクリーンなトポロジになります。

注: この新しいスマート押し出し(Smart Extrude)機能は、従来のスマート押し出し(Smart Extrude)機能(現在のシフト押し出し(Shift Extrude)と異なるので注意してください。

■ベベル フィルタ アトリビュート

ベベル ノードに、入力エッジを複数の方法でフィルタする機能が追加されました。選択したエッジ(Selected Edges)、ハード エッジ(Hard Edges)、または角度によるエッジ(Edges by Angle)/フィルタ角度(Filter Angle)でフィルタを実行することができます。

これらのオプションを使用して、メッシュ全体に影響を与えるか、選択したエッジのみに影響を与えるか、または他の方法(ブール演算出力など)を介して接続されたエッジのみに影響を与えるかを切り替えることができます。また、ベベルの効果をハード エッジだけに制限したり、ユーザ定義の角度でエッジを指定したりすることも可能です。

■ベベル入力としてブール演算交差を使用

ブール演算の結果として作成されたメッシュにベベル(Bevel)を適用すると、デフォルトでブール演算の交差で作成されたエッジにのみ影響を与えるようになりました。ブール演算(Boolean)ノードの入力メッシュを変更すると、ベベル(Bevel)は手続き的に更新され、更新時に新しい交差エッジにのみ影響します。

■エッジの押し出しの改善

エッジの押し出し(Extrude Edge)は、新しく作成されたエッジ/面の UV を自動的に作成するようになりました。新しい UV は UV 空間のオリジナルの UV からオフセットされるため、手動でのクリーンアップの必要性が少なくなり、時間を節約できます。

リギングとキャラクタ アニメーションの強化

ユーザーからの要望に応えて、リガーやアニメータ向けに各種の更新と改良が行われました。

■新しいアトリビュート エディタのデフォーマウィジェット

新しいデフォメーション(Deformation)ウィジェットがアトリビュート エディタ(Attribute Editor)に追加され、ノード グラフ(Node Graph)を参照しなくてもデフォメーション チェーンを管理できるようになりました。

デフォメーション(Deformation)ウィジェットでは、オブジェクトに影響を与えるデフォーマとトポロジ モディファイヤを表示できます。このテーブルを使用すると、各デフォーマの基本情報(頂点の数、コンポーネント タイプ、基本的なウェイト付け情報、並べ替え、アクティブ化、無効化など)にすばやくアクセスできます。コンテキスト メニューでは、ノードの選択、ウェイトの表示とペイント、および微調整の除去も行うことができます。

■その他のアップデート

  • ベイク デフォーマ: サンプル ポーズをベイク処理してキーのポーズを設定し、カスタムのモーション範囲をサポート。
  • ジョイント ラベルの文字が大きく。
  • 新しい proximityWrap 機能。
  • 新しいコンポーネント タグ エクスプレッション。
  • 新しい parentMatrix ノードが行列ベースのノードのグループに追加。
  • 新しいジョイントの方向付けオプション。

これらのアップデートの詳細はこちらから

モーション軌跡の更新

Maya のモーション軌跡システムが 2025 リリースで見直され、効率性と柔軟性が向上しました。

Maya の前バージョンでは、アウトライナ、チャネル ボックス、アトリビュート エディタなどのさまざまなウィンドウで、モーション軌跡(Motion Trail)設定にアクセスする必要がありましたが。このリリースでは、モーション軌跡(Motion Trail)に関連する情報がすべて単一の場所(モーション軌跡エディタ(Motion Trail Editor))に表示されるようになりました。

モーション軌跡エディタには、アニメーション(Animation)メニュー セット([F4])の視覚化(Visualize)メニューからアクセスするか、またはアニメーション(Animation)シェルフの新しいモーション軌跡エディタ(Motion Trail Editor)アイコンからアクセスできます。

また、カスタム(Custom)設定を使用して、オブジェクトに複数のモーション軌跡(Motion Trail)を設定できるようになりました。

他にも長年のバグに対処する以外に、次の改良が行われています。

  • 表示/非表示を切り替えたり、再描画するためのコントロール
  • さまざまな描画スタイルとモード: 常に描画(Always draw)、選択時に描画(Draw when selected)、X 線描画と後方/前方(X-Ray Draw and Past/Future)、一定(Constant)、代替フレーム(Alternating Frames)、アンカー トランスフォーム(Anchor Transform)
  • モーション軌跡をワールド空間またはカメラ空間に表示するためのスペース スイッチャ
  • 作成後にインタラクティブに再配置することが可能なモーション軌跡のピボット
  • 名前変更可能な軌跡
  • 設定可能なサンプル レート(増分)
  • 複数の接線タイプのサポート
  • すべてのアトリビュートのカスタマイズ可能なカラー

ドープ シートエディタの改善

Maya ドープシート(Dope Sheet)エディタが一新され、大規模なアニメーション変更を直感的かつ効率的に管理できるようになりました。

新しいドープシートの特長は以下の通りです。

  • グラフ エディタと同様に使いやすく整理されたインタフェース
  • 異なるキー セットを視覚的に区別するためにカスタマイズ可能なカラー パレット
  • キーフレーム プロパティの新しいビジュアル インジケータ
  • キーを操作および移動するための直感的なコントロール
  • キーを移動またはスケールする波紋編集機能
  • カスタム チャネル セット
  • キー値を表示および操作できる新しい精度モード
  • 関連する ドープシート(Dope Sheet)ツールとオプションにすばやくアクセスするために修正されたメニュー オプション
  • すばやく編集するための直感的なホットキー

LookdevX for Maya 1.3.0 プラグイン

LookdevX の最新の更新により、MaterialX データ形式がサポートされるようになりました。MaterialX マテリアルを Maya ジオメトリに直接割り当てることができます。

他にも以下のような新機能が追加されています。

  • MaterialX マテリアルを作成した時、Maya は対応するデータ構造、MaterialX スタックおよび MaterialX ドキュメントを自動的に作成。
  • 右クリックして MaterialX マテリアルを Maya ジオメトリに割り当てることができるように。
  • グラフ エディタの[タブ]メニューで、各ノードに読み込み元のライブラリの名前が表示されるように。
  • 選択したマテリアルの表示とクリア、すべてのノードの折りたたみと展開、ソロ化のクリアなど、頻繁に使用するアクションに簡単にアクセスできる新しいツールバーが導入。
  • 簡単な右クリックで、入力または出力ノードに対するアトリビュートを上下の階層に移動できるように。

新機能、改善点、バグ修正の完全なリストについては、「LookdevX for Maya v1.3.0 リリース ノート」を参照してください。

Bifrost 2.9.0.0

Bifrost 2.9.0.0 には、泡を使用して海の波をシミュレートするための新しいノードなど、多くの新機能および機能強化が含まれています。

■海面シミュレーション

新しいBOSS(Bifrost Ocean Simulation System)ノードは、Bifrost FluidsプラグインのBOSSと同じように、泡による海洋波をシミュレーションできるものですが、グラフでも利用することができます。時間や距離の経過とともに風によって駆動される水面のスペクトル波を作成し、衝突物によって引き起こされる航跡や波紋の動的波と組み合わせることができます。

この実装は以下のような改良が行われています。

  • 波の高さとサイズが連動するようになり、メッシュをずらして波のピークをより適切に維持できるように。
  • より簡単にアートの方向性を示すF曲線。
  • 入力パラメータが変更されない場合、最初のフレーム以降、波のスペクトルの生成が高速化されるように。

グラフで BOSS を使用するには、  basic_dynamic_wave_graph   ノードを分解し、必要に応じて修正してください。Bifrost ブラウザで使用可能なサンプル グラフも用意されています。

このバージョンに含まれる機能とバグ修正の完全なリストについては、「Bifrost リリース ノート」を参照してください。

Arnold for Maya 5.4.0

Maya 2025 には 、Arnold 7.3.0.0 Core が導入された MtoA 5.4.0 が付属しています。

MtoA 5.4.0 には、新しい LookDevX MaterialX ノード グラフ エディタのサポートが追加されました。これにより、LookdevX シェーダ ネットワークを Maya ジオメトリに割り当て、MaterialX シェーダ ノードを Arnold シェーダと混合することができます。

また、最近のArnoldのアップデートについては以下の記事をご覧ください。

Arnold 7.2.5 がリリース!GPUレンダラーが NVIDIA OptiX 8 になりパフォーマンスが向上
2023年12月13日(現地時間)- Autodesk は、同社のグローバル イルミネーション レンダリング ソフトウェアの最新アップデート Arnold 7....

これに加えてArnold 7.3.0では、プログレッシブ ディザ サンプリングという新機能が追加されています。ディザリングを行うと、AA サンプル数が少ない場合に、より細かいノイズ分布が得られます。これにより、プログレッシブ レンダリングとアダプティブ レンダリングでディザ サンプルをサポートするようになりました。

USD for Maya 0.27 プラグイン

更新された Universal Scene Description (USD)プラグインを使用すると、アーティストは複数のプリミティブを一括でロードおよびロード解除できるようになるなど、以下のような改善が行われました。

  • 一括編集: 複数のプリミティブをロード/ロード解除:USD for Maya 0.26 では、一括アクション コンテキスト メニューを使用して、複数のプリミティブを表示したり、アクティブにしたり、インスタンス化可能としてマークすることができます。0.27 の更新により、複数のプリミティブを同時にロードまたはロード解除することもできます。
  • USD オブジェクトに対するユニバーサル マニピュレータユニバーサル マニピュレータを使用してプリミティブを移動、回転、スケールできるようになりました。ユニバーサル マニピュレータ(Universal Manipulator)にアクセスするには、[修正] > [トランスフォーム ツール] > [ユニバーサル マニピュレータ]を選択するか、ショートカット[Ctrl]+[T]を使用します。この機能は Maya 2025 でのみ使用できることに注意してください。
  • アトリビュート名の読みやすさの改善チャネル ボックス(Channel Box)のアトリビュート名が読みやすくなりました。
  • ペイロードのロードのためウェイト カーソルペイロードのロードに通常よりも時間がかかる場合に、ウェイト カーソルが表示されるようになりました。
  • 匿名レイヤでの相対パスのサポートUSD キャッシュ機能は匿名レイヤでの参照に対する相対パスの使用をサポートするようになりました。これにより、異なる場所にあるファイルやフォルダの操作が容易になります。
  • ファイル書き出しの既定のプリミティブの設定USD ファイルを書き出す場合、既定のプリミティブを指定するオプションが追加されました。
  • レイヤ エディタの更新: 再ロード オプションの永続的な表示レイヤ エディタが更新され、レイヤのコンテキスト メニューに常に再ロード オプションが表示されるようになりました。
  • Hydra for Maya v0.6.0USD for Maya 0.27 には、USD データの選択ハイライト表示、ビューポートのデータをカスタマイズするための新しい API、デバッグ ツールとしての Hydra シーン ブラウザが導入された Hydra for Maya v0.6.0 が含まれています。Hydra for Maya のソース コードは、オートデスクの公式 Maya Hydra GitHub コミュニティで入手できます
  • 全般的な安定性の向上

新機能、改善点、バグ修正の完全なリストについては、「USD for Maya v0.27.0 リリース ノート」を参照してください。

その他のアップデート

  • グラフ エディタのホットキーの変更:グラフ エディタ(Graph Editor)のカーブ スカルプト ツールの 2 つのキーボード ショートカットが変更されました。
  • 開発者ヘルプ ポータル:Maya 開発者ヘルプが個別の Web サイトとして提供されるようになりました。ここから、テクニカル ドキュメントを簡単に参照および検索できます。
  • Substance 2.5.0:Maya 2025 には、バージョン 9.0.1 のエンジンを使用する Substance 2.5.0 が含まれています。このバージョンでは、デフォルトで GPU を使用するようになり、レンダリング速度とパフォーマンスが大幅に向上しています。さらに、Maya 2025 と互換性のある Qt6 をサポートし、さまざまなバグ修正が行われました。
  • ボーナス ツール(Bonus Tools)を追加:2025 リリース以降、以前はAutodesk App Store からダウンロードする必要があった Maya のボーナス ツール(Bonus Tools)が Maya のインストーラに含まれるようになりました。ボーナス ツールメニューは、プラグイン マネージャ(Plug-in Manager)からを有効または無効にすることができます。

その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから

価格とシステム要件

Maya 2025 は、Windows 11, 10(1809以降)、Linux® Red Hat® Enterprise 8.6 WS、Rocky Linux 8.6とmacOS 13.x,12.x, 11.xで利用することができます。より詳しいシステム要件はこちらから

価格はサブスクリプション形式で、36,300円/月、286,000円/年、858,000円/3年です。従量課金制のFlexオプションも利用可能です。

また、Mayaは、AutodeskのMedia & Entertainment Collectionの一部としても利用可能です。

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さらに、条件にあてはまる方はIndieライセンスを購入することが可能で価格は42,900円/年です。

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