2024年3月27日(現地時間)- Autodesk は、ビジュアライゼーション、ゲーム、アニメーションのための3Dモデリングおよびレンダリングソフトウェアの最新アップデート 3ds Max 2025 のリリースを発表しました。
新機能ハイライト
3ds Maxでは、カラーマネージメントの更新、リトポロジーの改善、グローバル検索機能の更新など、重要な機能強化が行われています。新機能を確認することができる公式動画が公開されています。
動画では以下のような新機能が紹介されています。
OCIO カラー管理
OpenColorIO が新しいシーンのカラー管理のデフォルトのモードになりました。
3ds Max 2025 では、以前のバージョンで導入された変更に加えて、次の改善が行われています。
- 頂点ペイント(VertexPaint)ツールは完全にカラー管理機能対応になりました。
- 新しいカラー スペース変換(Color Space Conversion)プロセス オペレータをデータ チャネル モディファイヤに適用して、あるレンダリング スペースから別のレンダリング スペースにカラー データ(頂点カラーなど)を変換できるようになりました。
- レンダリング出力ファイル(Render Output File)ダイアログ ボックスの自動(Automatic)オプションの動作が、画像ファイルの種類に依存するようになりました。通常はリニアである形式(EXR など)には変換が適用されず、カラー管理設定(Color Management Settings)で指定した出力変換が使用されます。
- テクスチャにベイク処理(Bake to Texture)ツールで、出力ファイルのカラー スペースを選択できるようになりました。
- ColorSpaceNamePathSearch ルールは、 OCIO v1 で画像ファイルがどのようにカラースペースに割り当てられていたかに合わせるために使用できます。
- OCIO のバージョンが 2.3.2 に更新
グローバル検索機能の更新
グローバル検索が一新され、最後に使用した 5 つの項目の表示、ツールクリップを含む結果の拡張、ダブルクリックによるコマンドの実行、検索ウィンドウのドッキングなどの機能が追加されました。
グローバル検索は、[X]キーを押しながらビューポート内の何もない領域をクリックしたときに表示されます。以下のような機能が追加されています。
- 最後に使用した 5 つの項目が前に使用した項目として検索結果に自動的に表示されます。
- 検索内の新しい列に、項目の「カテゴリ」が表示されます(モディファイヤ、ツール、MassFX、レンダリングなど)。
- 検索結果をダブルクリックすることで、検索メニューからアクションをすばやく、直接起動できます。
- 検索結果には、関連する項目(現在のコンテキストに該当する項目)のみが含まれます。
- 検索結果にはショートカットと拡張ツールクリップもともに表示されます。
- 歯車アイコンのコンテキスト メニューからポップアップ幅(Popup Width)を変更することができます。
- ドッキング可能ウィンドウの作成: 歯車アイコンのコンテキスト メニューで[ウィンドウ/ポップアップを切り替え](Toggle Window/Popup)を選択できます。ウィンドウに切り替えたら、ウィンドウを右クリックし、[ドッキング](Dock]を選択し、[上](Top)、[下](Bottom)、[左](Left)、または[右](Right)から選択して検索ウィンドウをドッキングし、いつでもアクセスできるようにできます。。
- 3ds Max はツールの最後の状態を記憶するようになりました。]これらの設定は 3dsMax.ini ファイルに保存されます)。
リトポロジーツールの改善
Retopology Tools for 3ds Max がバージョン1.5にアップデートされました。スタンドアロン プロセスとして前処理および OpenVDB 再メッシュ機能が導入され、Autodesk ReForm を使用するときの処理時間を短縮できるようになりました。
■機能強化
- 前処理(Preprocess)が、アルゴリズム メニュー オプションからスタンドアロン オプション(3ds Max 2022 以降で使用可能)として使用できるようになりました。この機能を使用すると、前処理ステップのみが実行され、三角形化された出力結果が得られます。
- OpenVDB の再メッシュ(3ds Max 2024 以降で使用可能)が、アルゴリズム メニュー オプションからアクセスできるようになりました。このオプションを選択すると、Signed Distance Fields (SDF)グリッドを使って隙間のないジオメトリを再構築する OpenVDB のボリューム/メッシュ変換を使用して、選択したデータを再メッシュできます。その後、ボクセル サイズ(Voxel Size)パラメータを調整して、生成される出力の解像度を変更することができます。
- OpenVDB ベースのメッシュを中断する新しいエスケープ メカニズムも追加されました。[Esc]キーを使用して、OpenVDB プロセスに対する中止要求を呼び出すことができます。このメカニズムは、誤ってボクセル サイズを設定し、処理時間が長くなってしまった場合に役立ちます。
注: 複雑な OpenVDB 計算で OpenVDB が既に大量の CPU とメモリ リソースを消費している場合、この中断はすぐには行われず、遅延が発生する可能性があります。
- OpenVDB ベースのメッシュを中断する新しいエスケープ メカニズムも追加されました。[Esc]キーを使用して、OpenVDB プロセスに対する中止要求を呼び出すことができます。このメカニズムは、誤ってボクセル サイズを設定し、処理時間が長くなってしまった場合に役立ちます。
- 新しいツールチップや更新されたツールチップがインタフェースに表示されるようになりました。
リトポロジ化の基本アルゴリズムである Autodesk ReForm がバージョン 1.5 に更新され、パフォーマンスと安定性が向上しました。入力メッシュによってパフォーマンスの上昇度は異なる場合がありますが、処理時間は最大 8% 短縮されました。ReForm バージョン 1.5 は 3ds Max 2025 でのみ使用できます。
メニュー エディタ
3ds Maxの新しいメニュー カスタマイズ システムの一部として、新しいメニュー エディタが導入されました。
新しいメニュー エディタを使用すると、3ds Max のメニューとクアッド メニューを簡単にカスタマイズできます。エディタでは、メニュー項目およびクアッド メニュー項目の追加、名前変更、削除、新しいセパレータとサブメニューの作成、およびメニューの並べ替えを行うことができます。
また、3ds Max のメニューシステムは完全に更新され、カスタマイズしたメニュー設定を保存して、アップグレード時に以降のバージョンで使用できるようになりました。
USD for 3ds Max 0.7 プラグイン
更新された Universal Scene Description (USD)プラグインを使用すると、アーティストはアニメートされたライトやカメラ、blendShape などのアニメーションを読み込むことができます。新機能は以下の通りです。
- アニメーションの読み込み – カメラとライト:この更新により、カメラの USD アニメーションとライトのアトリビュートを 3ds Max に読み込むことができるようになりました。
- アニメーションを読み込む – blendShapes:カメラとライトに加えて、USD の blendShapes をモーファーとして 3ds Max に読み込むこともできるようになりました。
- USD プリミティブを選択および移動する機能: この更新プログラムに、プリミティブのサブオブジェクト モードの場合に、ビューポート内で USD プリミティブを選択して移動する機能が導入されました。
- USD エクスポータでのマルチ/サブオブジェクト マテリアルのサポート:USD ファイルを書き出す際に、マルチ/サブオブジェクト マテリアルの使用に対応するように、マテリアル スイッチャの機能を拡張しました。
新機能、改善点、バグ修正の完全なリストについては、「USD for 3ds Max v0.7.0 リリース ノート」を参照してください。
Arnold for 3ds Max 5.7.0.0
3ds Max 2025 には、Arnold 7.3.0.0 Core が導入された MAXtoA 5.7.0.0 が付属しています。
最近のArnoldのアップデートについては以下の記事をご覧ください。
これに加えてArnold 7.3.0では、プログレッシブ ディザ サンプリングという新機能が追加されています。ディザリングを行うと、AA サンプル数が少ない場合に、より細かいノイズ分布が得られます。これにより、プログレッシブ レンダリングとアダプティブ レンダリングでディザ サンプルをサポートするようになりました。
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
3ds Max 2025は、64ビットWindows 10,11で利用することができます。より詳しいシステム要件の確認はこちらから
価格はサブスクリプション形式で、36,300円/月、286,000円/年、858,000円/3年となっています。従量課金制のFlexオプションも利用可能です。
また、3ds Max 2025は、AutodeskのMedia & Entertainment Collectionの一部としても利用可能です。
価格の確認はこちらから
さらに、条件にあてはまる方は 42,900円/年のIndieライセンスを購入することが可能です。
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