でも知られる bartoszstyperek 氏によるBlenderアドオン『Blob Fusion』の紹介です。
Blob Fusion とは
Blob Fusionはキャラクターやクリーチャーのベースメッシュを作成するためのBlenderアドオンです。このアドオンは、ZBrush の ZSpheres とMetaballs をミックスしたようなもので、その両方の長所を兼ね備えており、ユニークなモデリング方法が可能となります。
最新のバージョン1.5では、Blobライブラリの追加、 Blender 4.0以上でのBlob計算の高速化、Blob Domainの自動サイズ変更などが行われました。以下が最新バージョンのデモ動画となります。
主な機能
- 球体と丸い円錐2つのプリミティブを使用してキャラクターをモデリング。
- 新しいBlobを追加すると、オブジェクトの階層(リグのようなもの)が自動生成されます。
- プリセットライブラリ(ヒューマノイドと動物)。
- 有機的な結果を得るためのBlobブレンドコントロール。
- 簡単操作:押し出し(Extrude)、細分化(Subdivide)、接続(Connect)、複製(Duplicate)だけでモデリングが可能。
- ワンクリックでアーマチュア生成。
- 自動更新機能:Blob Fusionには自動更新機能があり、アドオン環境設定から利用できます。アドオンアップデート後にBlenderを再起動してください。
使用手順
- 右サイドバー(N) ->”Tools” -> “Blob Fusion “タブ -> [+]アイコン(Add Blob Domain)をクリックします。
- ワークスペースツールが自動的に’Blob Fusion’に切り替わります。
- Shift+A (add menu) -> Add blob (first entry) 選択
- 作成したBlob(empty)を選択 – E – を押してカプセルに押し出します。
その他のホットキーは以下の通り:
ホットキー | 機能 |
---|---|
Shift+A | メニュー Blob を追加 – これは最初に使用するものになります |
E | 押し出し |
Shift+D | Blobの複製 |
F | 2つのblobを連結 |
W | blobセグメントを細分化 |
Ctrl + MMB スクロール | 隣接するBlobの選択 |
P | 選択したblobセグメントをリッピング/分離 |
Shift+G | 子 Blobの選択, TypeによるBlobの選択 |
Alt+B | Blob ブレンド係数(Blend factor)の調整 |
Ctrl+B | Blobパラメータポップアップ |
M | Blobのミュート切り替え |
Alt+M | すべてのミュートを解除 |
X\Del | 消去 |
Alt+S | スケールを統一 – makes empty Round |
Shift+V | 隣接するノードの終了点/親に向かってEmptyをスライド |
主なモデリングツール
■複製(Duplicate)、押し出し(Extrude)、分割(Divide)
Blob Fusionでは、複製、押し出し、分割がモデリングのコアコマンドとなります。選択したBlob(球体またはカプセル)を複製または押し出すことができます。DivideはカプセルBlobに対してのみ機能します。
■Free MoveとFKモード
Blobを作成すると、アドオンが自動的に親子関係を生成します。これは、’Free Move Mode’にすることで無効にすることができます。
■接続(Connect)
すでにカプセルBlobを定義している場合を除き、Fキーで2つのブロブをつなげることができます。
■Blobをミュート(Mute Blobs)
Shift+GメニューでSphere Blobを選択し、Mキーでミュートできます。Alt+M – すべてのミュートを解除します。
■選択したものを分離(Separate Selected)
分離することで、局所的にモデルの解像度を上げるのに役立ちます。
注意 – Join Domainオペレータを使用すると、この操作を元に戻すことができます。これは手をボディBlobにマージします。JoinはSeparate “Selected Button “の下にあります。
■Armature生成
Blobの階層構造を使用して、Blob Domainオブジェクトからアーマチュアを生成できます。
■Blob ブレンディング
上記の動画のように、Blob Blendingがメッシュの見た目に与える影響を調節することができます。
■Blob のファイナライズ
FinalizeはアクティブなBlob Domainのメッシュコピーを作成します。その後スカルプトで詳細を追加することができるようになります。
パフォーマンスについて
■パフォーマンスに影響すること
Blobを使ったモデリングにおいて、パフォーマンスに影響する大きな要因が2つあります。
- ドメイン解像度(Domain Resolution) – 低いほど高速ですが、ディテールは少なくなります。
- ドメインサイズ(Domain size) – できるだけ小さく、キャラクターに近いサイズにするのがベスト。
- また、あまり目立ちませんが3つ目の要因もあります。均一のスケールを持つEmptiesは、均等でないBlobよりもパフォーマンスが良くなります。Alt+Sで、オブジェクトのX,Y,Z方向のスケールを統一することができます(Blob Fusion Workspaceツールがアクティブな時のみ動作します)。
■高速変換
Utilitiesポップアップメニューから高速変換(Fast Transform)を使用できます。高速変換は、Blobをモデリングする際に、一時的にBlobの解像度を下げることでパフォーマンスを向上させます。
対称について
■ワンクリックで対称化
ワンクリックでキャラクタを左右対称にすることができるボタンが用意されています。Symmetryボタンは解像度スライダーの隣にあります。
■ミラーモディファイアによる対称化
Symmetryボタンを使う代わりに、ミラーモディファイアを使用して対称化できます。Domain Sizeを最も小さくするには、キャラクタの左半分を削除し、Mirrorモディファイアをします。こうすることで、ボリュームの半分だけが計算されます。
■対称性の適用
対称性の適用(Apply Symmetry )を使うと、対称でないキャラクターをモデリングできます。
注意 – この操作によってBlobの数が2倍になるため、複雑なキャラクタの場合、Blobの編集が遅くなることがあります。
価格とシステム要件
Blob Fusion 1.5 は、現在 Blender 3.6 – 4.x. で利用できます
価格は22ドル、日本居住者は14.52ドルとなります。
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