2024年3月12日 – Epic Games は、今年の4月下旬に行われるUnreal Engine、Twinmotion、および RealityCapture 価格変更の詳細を発表しました。
今後の開発に資金を投入するため、このゲーム以外を対象とする新しい価格モデルは 4 月下旬、Unreal Engine 5.4 と同時に開始される予定です。以下その詳細となります。
変更されない点
- 今後も Unreal Engine は学生、教育者、アマチュア デベロッパー、年間総収益が 100 万ドルに満たない企業では無料で使用することができます。
- ゲーム開発者向けのライセンスモデルに変更はなく、引き続きライフタイム総収益が 100 万ドルを超える製品については 5% のロイヤリティを支払う必要があります。現在と同様に、ゲームによる最初の 100 万ドルの収益に対してはロイヤリティが控除され、Epic Games Store を通じて得た収益も全体的なロイヤリティの計算から控除されます。
新しいシートベースの Unreal サブスクリプションが導入
Unreal Engine 5.4 のリリースと同時に、新しいシートベースの Unreal サブスクリプションが導入されます。これは、固定ユーザー ベースで、毎年更新できる年間サブスクリプションとして販売されます。
この新しいシートベースの Unreal サブスクリプションは、Unreal Engine 5.4 のリリースに伴って行われる EULA (エンド ユーザー ライセンス契約書) の更新の一環として導入されます。シートあたりの年間料金は 1,850 ドルとなる予定ですが、一部の国や地域では地域ごとの価格が適用されます。
■支払いが必要な基準
次の基準をすべて満たす場合にのみ、シートの料金を支払う必要があります。
- 年間総収益が 100 万ドルを超える企業である
- ゲームを制作していない
- サードパーティのエンド ユーザーにライセンス供与し、ランタイム時に Unreal Engine コードに依存するアプリケーションを作成していない
■シートベースのサブスクリプションで作成可能なもの
シートベースのサブスクリプションを使用すると、次のようなものを作成できるようになります。
- リニア コンテンツ (映画やテレビ番組、建築のビジュアライゼーション、放送やライブ イベント向けのグラフィックなど)
- ランタイム時に Unreal Engine コードを組み込み、サードパーティにライセンス供与されていない製品 (内部または外部で使用される製品コンフィギュレーターなど)
- 個人ユーザーに直接販売されない没入型エクスペリエンス (テーマパークの乗り物や建築物のインタラクティブなウォークスルーなど)
基本的にはゲーム以外のコンテンツを制作する場合は新しいシートベースのサブスクリプションが必要になると考えて良いでしょう。
また、サードパーティのエンド ユーザーにライセンス供与し、ランタイム時に Unreal Engine コードに依存するゲーム以外のアプリケーションを開発している場合は、ゲームデベロッパーと同様にロイヤリティを支払う必要があります。ライフタイム総収益が 100 万ドルを超える製品については、5% のロイヤリティを支払う必要があります。
■新ライセンスは Unreal Engine 5.4 から適用
現在、Unreal Engine 5.3 やそれ以前のバージョンを使用している場合は、5.4 に更新するまで価格変更が適用されません。 価格変更は、Unreal Engine 5.3 以前のバージョンをお使いの新規または既存のユーザーには適用されず、Unreal Engine 5.4 以降のユーザーにのみ適用されます。
Unreal サブスクリプションのシートに含まれるもの
シートごとに、1 人のユーザーが Unreal Engine 5.4 (およびサブスクリプション期間中にリリースされるバージョン) と、エンジン互換性を持つ Twinmotion および RealityCapture の 2 つのクリエイティブ ツールにアクセスすることができます。また、この 3 つの製品のシートは同一ユーザーに固定されており、いつでもこのシートを社内の別のユーザーに渡すことができますが、3 つの製品のシートを分割して別々のユーザーに渡すことはできません。
Epic Games は、さまざまな業界のチームが高品質な 3D エクスペリエンスを効率的に構築できるように、これらのツールをサブスクリプションの一部として提供します。また、2025年末までに Twinmotion と RealityCapture を Unreal Engine に完全に統合することを目標としています。
- Twinmotion:Twinmotion は軽量で使いやすいビジュアライゼーション機能を提供することで、デザイナーなどのより多くのチーム メンバーが Unreal Engine ユーザーと同じプロダクション パイプラインとワークフローで作業することを可能にします。
- RealityCapture :RealityCapture は業界トップのデスクトップ フォトグラメトリ ソリューションです。これにより、高解像度のカメラ画像 (スマートフォンで撮影したものでも構いません) やレーザー スキャンを Unreal Engine や Twinmotion のプロジェクトで使用可能な忠実度の高い 3D モデルに変換し、独自のアセットを作成することができます。
※Unreal Developer Network (UDN) による Epic Direct Support は、Unreal サブスクリプションに含まれません。Unreal サブスクリプション シートを 10 シート以上購入するスタジオまたは企業の場合、Epic Direct Support は、1 シートあたり年間$1,500(最低 10 シートから)の追加料金で利用できます。
Twinmotion と RealityCapture の価格変更
Twinmotion と RealityCapture のスタンドアローン製品 は引き続き個別に購入できますが、今回の更新の一環としてアプリケーションの個別購入向け価格モデルが変更される予定です。どちらも Unreal Engine と同様にシートサブスクリプションが導入されます。また、Twinmotion と RealityCapture はどちらも学生、教育者、アマチュア デベロッパー、または年間総収益が 100 万ドルに満たない会社が使用する場合は、無料で利用できる ようになります。
以下その詳細となります。
Twinmotion
■新しいシートサブスクリプションが導入
新しい個別の Twinmotion シートは年間 445 ドルとなります。Twinmotion シートには、Twinmotion Cloud へのアクセス、およびサブスクリプション期間中にリリースされるすべてのアップデートが含まれます。
ちなみに、以前の価格は永久ライセンスで102,000円(749ドル)、アップグレードは27,200円(199ドル)でした。
■年間収益が 100 万ドル未満は無料
年間収益が 100 万ドル未満の場合、Twinmotion を無料 (商用利用も含む) で利用できるようになります。学生、教育者、アマチュア デベロッパーも無料で利用可能です。 今後、教育版やコミュニティ版は存続しなくなります。Twinmotion を無料で利用できる人はすべて同じバージョンを使用することになります。これは、今までと同様に、Epic Games Launcher から取得できます。
■サブスクリプションと無料版の違い
無料アクセスとシートサブスクリプションで違いがひとつあります。
シートサブスクリプションには、Twinmotion Cloud が含まれるという点です。それ以外は、機能は同じです。レンダリングの解像度に制限はなく、透かしもありません。
■新ライセンスはバージョン2023.2.4 から適用
Twinmotion 2023.2.3 以前のバージョンをご使用の場合、価格とライセンスの変更は、2023.2.4 以降のバージョンにアップデートするまで適用されません。Twinmotion 製品版の永続ライセンスをお持ちの場合、年間の収益を問わず、引き続き利用できます。
シー サブスクリプションは、新しいリリースを取得する場合 (無料のバージョンの資格がない場合) や、Twinmotion Cloud に公開する場合にのみ必要になります。
より詳しい情報はこちらから
RealityCapture
■新しいシートサブスクリプションが導入
RealityCapture の新しいシートサブスクリプションは、サブスクリプション期間中にリリースされるすべてのアップデートが含まれ、1 シートあたり年間 1,250 ドルとなります。
これに伴い、従来のPay-Per-Input(PPI)の価格モデルは廃止されます。未使用のPPIクレジットはリリース後12ヶ月間利用することができます。PPIライセンスモデルを使用していた場合、インターネットにアクセスできる環境であれば、RealityCapture 1.4で既存のPPIプロジェクトを開き、作業を続けることができます。
■年間収益が 100 万ドル未満は無料
上記のシートサブスクリプションは年間総収入が100万米ドル以上の企業にのみ適用されます。
年間売上が100万米ドル未満の企業は無料となり、学生、教育者、趣味の方も無料で利用することができます。
■新ライセンスは RealityCapture 1.4 から適用
現在、RealityCapture 1.3.2またはそれ以前のバージョンをお使いの方は、1.4以降のバージョンにアップデートするまでは、価格とライセンスの変更は適用されません。
RealityCaptureの永久ライセンスを持っている方は、年間収益に関係なく、引き続きご利用いただけます。また、1.4のリリース時には、12ヶ月間のアップデートが提供されます。その後、さらに新しいリリースを入手するには、サブスクリプションの購入が必要になります(無料版の利用資格がない場合)。
より詳しい情報はこちらから
4 月下旬の Unreal Engine、Twinmotion、および RealityCapture 価格変更のお知らせ
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