2024年2月15日(現地時間)- Chaos は、Maya & Houdini 用の V-Ray 6 アップデート 2 のリリースを発表しました。
新機能ハイライト
Maya と Houdini 用の V-Ray 6 アップデート 2では、MaterialXのサポートとUSDの互換性の拡張が追加され、作業の継続性とスムーズなコラボレーションが保証され、部門間、スタジオ間、デジタルコンテンツ制作ツール間でのアセット転送が容易になりました。
■MaterialXのサポート
チームやツール間でシームレスなシェーダー交換を可能にするMaterialXのサポートが追加されました。MaterialX(MtlX)シェーダを作成してレンダリングしたり、既存のV-RayマテリアルをMtlXに変換したりできます。また、Mayaでは、LookDevXの初期サポートにより、MtlXシェーディンググラフで作業し、IPRで変更をプレビューできます。
■USDサポートの拡張
V-Rayは現在、MayaUSD 0.26.0の最新公式バージョンをサポートしています。アップデートされたUSD Translatorレイヤーは、Houdiniとの完全な同等性を保証し、よりスムーズなワークフローのための機能強化が導入されています。さらに、Chaos CloudレンダリングサービスでUSDシーンをレンダリングできるようになりました。
他にも以下のような新機能がそれぞれ追加されています。
Maya用の V-Ray 6
新しいスキャッタリングカスタマイズオプション
Chaos Scatterの新しいカスタマイズオプションで、これまで以上に柔軟なスキャッタリングが可能となりました。
■エッジトリミング
散らばったオブジェクトのエッジを簡単にきれいにカットできるようになりました。縁石の端に草が生えたり、歩道に小石がこぼれたりすることがなくなります。オブジェクトは定義された境界線に収まるので、よりクリーンで自然な見た目になります。
■包含リストと除外リスト
Chaos Scatterの新しいInclude(含む)リストとExclude(除外)リストを使って、草原に道を作ったり、花畑に歩道を作ったり、様々なエフェクトを実現できるようになりました。カーブやメッシュを利用してオブジェクトが散らばる場所を簡単に指定できるので、カスタムマップが不要になります。
■ライトインスタンス
Chaos Scatterのインスタンス化可能なオブジェクトリストにライトが追加されました。星でいっぱいの銀河を作ったり、コンサートホールをライトアップしたり多くのライトをインスタンスとしてスキャッタリングすることが可能になりました。
■グループインスタンス
複雑なシーンを整理して作業しやすくしながら、複雑な環境をすばやく作成できるようになりました。グループインスタンス化により、個々のオブジェクトリストではなく、オブジェクトのコレクションを1つとして散布することができます。
新しいクリエイティブ コントロール
カメラエフェクト、光と影、表面のディテールなどより細かいクリエイティブコントロールのための新しいオプションが追加されました。
■シャドウセレクト
シャドウセレクトを使えば、合成ワークフローをより細かくコントロールできます。ライトを選択し、それらが落とす影の明るさ、暗さ、色合いを簡単に調整できます。
■V-Rayデカール円筒投影
ボトル、瓶、カップ、缶、ロケット、タンク、消火栓、その他の円柱状のオブジェクトに、ステッカー、ラベル、表面の凹凸を簡単に追加できます。数回クリックするだけで、デカールの投影を対象物の表面のカーブに合わせることができます。
■光の指向性の強さ
新しい指向性の強さ(Directionality Strength)オプションは、ライトの指向性の強さの広がりを正確にコントロールできます。
■色収差(Chromatic aberration)
サードパーティのアプリケーションを起動することなく、V-Rayフレームバッファから色収差のポストエフェクトをすばやく追加できるようになりました。
GPU レンダリングの強化
新機能により、より高速でメモリ効率の高いレンダリングが可能になりました。
■V-Ray Enmesh
オブジェクト全体に3Dジオメトリ・パターンを簡単にタイル化し、ディテールの多いサーフェスを短時間で作成できます。Enmeshは、鎖帷子、織物、小石を敷き詰めた通路、フェンスなどの作成に最適です。さらに、手動でずらしたりコピーしたりするのに比べて、メモリ使用量が大幅に削減されます。
■アニメーションレンダリングの高速化
V-Ray GPUで画像シーケンスを最大4倍高速にレンダリングできるようになりました。V-Rayはアニメーションフレーム間のビットマップをキャッシュするようになり、再読み込みの必要性がなくなり、レンダリング速度の大幅な向上につながりました。
■テクスチャ用システムメモリ
ボタンをクリックするだけで、GPUメモリの制限がなくなりました。テクスチャにシステムメモリを使用するオプションの追加により、詳細で高解像度のテクスチャを安心してレンダリングできます。
その他のアップデート
- ボリューメトリックレンダリングの強化:ギズモやその他の複雑な設定を作成する手間なく、シェーディンググループにボリューメトリックを含むオブジェクト内でレンダリングできるようになりました。ボリューメトリック効果のあるシーンのレンダリングがかつてないほど簡単になりました。
- ビューポートの強化:Blendマテリアルの利便性とAlembicプロキシのメモリ効率が向上し、より優れたビューポート表現を体験できるようになりました。
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
Houdini用の V-Ray 6
■Houdini 20.0との互換性
V-RayはHoudiniの最新バージョンをサポートし、Houdiniが導入した多くの重要な機能の恩恵を受けることができます。Hydra OceanやFeatherプロシージャルをレンダリングしたり、Light Filtersでライトテクスチャやシェーディングネットワークを追加して思い通りの効果を得ることができます。
■強化されたV-Ray Hydra Delegate
- V-Ray Hydra Delegateの強化により、Solaris版V-Rayでさらに多くのことができるようになりました。
- V-Ray Environment FogとV-Ray Toonのサポートが追加され、ライトパスエクスプレッションも連鎖と複数のライトタグでパワーアップしました。
- より高度なパイプラインのためのV-Rayポストトランスレートスクリプトをサポートしています。
■強化されたV-Ray Fur
- AlembicファイルにV-Ray Furを適用することによって、プロシージャルに生成されたファーを詳細なグルーミングに活用できるようになりました。
- アセットキャッシュを活用してインタラクティブレンダリングを高速化することで、イテレーションを可能な限りリアルタイムに近づけることができます。
- V-Ray Furが変位とモーションブラーをサポートし、リアルなモモの毛並みの作成が簡単になりました。
■ボリューメトリックエフェクトのマテリアルオーバーライド
V-Rayでは、ボリュームエフェクトのマテリアルオーバーライドが可能になり、シーン内のマテリアルを迅速かつ汎用的に置換または変更できるようになりました。この機能により、シーン全体に一貫した変更を加えることができ、テストと反復をより効率的に行うことができます。
■よりスムーズなインストール体験
SideFXがリリースしたすべての主要なHoudiniバージョンと互換性のある単一のV-Rayビルドを導入することで、インストールプロセスが簡素化されました。これにより、新しいバージョンがリリースされた際に正しいビルドを探す時間を節約できます。
■その他すべてのアップデート
- 光の指向性の強さ:新しい指向性の強さ(Directionality Strength)オプションは、ライトの指向性の強さの広がりを正確にコントロールできるようになりました。
- 色収差:V-Rayフレームバッファから色収差ポストエフェクトを追加できるようになりました。
- ユーザーインターフェイスの強化:複雑なシェーディングネットワークをV-Ray Material Builderに統合することで、アセット作成が効率化さ れました。新しいCubic projectionオプションでTri-Planarテクスチャプロジェクションをコントロールできます。さらに、高解像度でのバンプマップのスケーリング改善、ライトミックス出力のグループ化の改善など。
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価格とシステム要件
システム要件の確認はこちらから( Maya / Houdini )
V-Ray 6 for Mayaと V-Ray 6 for Houdini は、同じライセンスで使用できます。価格は、シングルノードロックライセンスの V-Ray Solo が10,900円/月、64,800円/年、165,600円/3年です。
また、Chaosのすべての製品が含まれた97,200円/年の V-RayPremium の一部としても利用できます。
価格の確認はこちらから
Redefine connectivity with V-Ray 6, update 2 for Maya and Houdini
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