Autodeskは、ビジュアライゼーション、ゲーム、アニメーションのための3Dモデリングおよびレンダリングソフトウェアの最新アップデート3ds Max 2024.2 をリリースしました。
新機能ハイライト
このリリースでは、コントローラを割り当ての改善、ブール演算モディファイヤやボリューム選択モディファイヤの更新、新しいコンフォームモディファイヤ、リトポロジの改善といった新機能が追加されました。
コントローラを割り当てロールアウトの更新
[コントローラを割り当て](Assign Controller)ロールアウトが一新され、アニメータの作業を効率化するのに役立つオプションが追加されました。
パネルは応答性が高まり、コマンド パネルの長さと幅に合わせてサイズが変更されるようになりました。また、コンテキスト メニューが拡張され、コントローラのコピー、貼り付け、コピー/インスタンスの貼り付け、ワイヤへの貼り付け、割り当て、既定値へのリセットを実行できる便利な機能が追加され、トラック ビューに表示されるようになりました。
さらに、[コントローラを割り当て](Assign Controller)ロールアウトには、選択したノードがツリー ビューのルートとして表示されるようになりました。
ブール演算モディファイヤの更新
このリリースには、モディファイヤ スタックでのサブオペランド操作の向上、パフォーマンスおよび OpenVDB 処理の改善、さまざまなバグ修正など、いくつかの[ブール演算](Boolean)モディファイヤの更新が含まれています。
■同一平面上の面のサポート
同一平面オペランド(完全に位置合わせされていて、接触しているがオーバーラップしていない面を持つオペランド)が新しくサポートされたことにより、減算、和、減算、分割、形跡、またはクッキー ブール演算を使用した場合の結果が向上しました。
■オペランドで基点情報が保持
ブール演算オペランドで基点データが保持されるようになりました。オブジェクトをオペランドとして[ブール演算](Boolean)モディファイヤに追加したときに、その前後でオブジェクトの基点の位置が変わらなくなり、[ブール演算](Boolean)モディファイヤ内のオペランドの位置/回転/スケールを簡単に操作できるようになりました。
■その他のアップデート
- キャプチャされたオペランド操作:[ブール演算](Boolean)モディファイヤのオペランド リストからキャプチャしたオペランドを選択すると、モディファイヤ スタックに表示されます。
- 切り取り/貼り付け操作がすべてのブール演算オペランドで機能するように:切り取りおよび貼り付け操作が、キャプチャされたオペランドとライブ オペランドの両方で機能するようになりました。
- OpenVDB 処理の改善
- パフォーマンスの向上:メッシュベースのブール演算の処理が 35% 高速化されました。
- バグ修正
リトポロジの更新
リトポロジ化の基本アルゴリズムである Autodesk ReForm が更新され、パフォーマンスと安定性が向上しました。入力メッシュによって処理時間が最大 30% 短縮されました。
コンフォームモディファイヤ
スプラインまたはメッシュを他の 1 つまたは複数のメッシュのサーフェスに移動することができる新しい新しい[コンフォーム](Conform)モディファイヤが追加されました。
このモディファイヤでは、[シュリンク ラップ](Shrink Wrap)と[ボリューム](Volume)の 2 つの方法を使用して、オブジェクトを他のサーフェスに投影できます。
- [ボリューム](Volume): コンフォーム オブジェクトがターゲット メッシュに投影された後も、全体的な形状を保持しようとします。
- 例: 配管へのフランジのアタッチ。[ボリューム](Volume)方法を使用すると、フランジの上部を変形せずに、フランジのベースをパイプに適合させることができます。
- [シュリンク ラップ](Shrink Wrap): コンフォーム サーフェス全体をターゲットを囲むように縮小します。たとえば、セロハン(コンフォームオブジェクト)の一部を別のオブジェクト(ターゲット オブジェクト)の周囲にラップします。その結果、コンフォーム オブジェクトのボリュームは保持されなくなります。2 つの異なる方法の中では、シュリンクラップが一般的に使用されます。
- 例: 車の後部に付けるロゴやボトルのラベルなどのターゲット オブジェクトにテキストをアタッチします。
スプラインシェイプの角度拘束
[スナップ オプション](Snap Options)の新しい [シェイプの角度拘束を有効化](Enable Shape Angle Constraints)オプションを使用すると、角度スナップを使用して線分または線分オブジェクトの作成する時に([Shift]または[Ctrl]キーを押しながら)、ユーザ独自の角度コンストレイントを定義することができます。
以前は、[Shift]キーまたは[Ctrl]キーを押しながらラインを作成すると、90 度単位で角度が拘束されていましたが、現在は、デフォルトの 15.0 度を任意の値に変更したり、すべての値をオフにしたりしてライン作成の拘束に使用するスナップをカスタマイズすることができます。
ボリューム選択モディファイヤの更新
[ボリューム選択](Volume Select)モディファイヤのパフォーマンスが大幅に向上し、[マテリアル ID](Material ID)および[Sm グループ](Sm Group)の値をアニメーション化できるようになり、より即座に結果が得られるようになりました。
- [ボリューム選択](Volume Select)モディファイヤのパフォーマンスが最大で 10 倍高速になり、より迅速に結果が得られるようになりました。
- [マテリアル ID](Material ID)と [Smグループ](Sm Group)パラメータをアニメーション化できるようになり、[ボリューム選択](Volume Select)モディファイヤによって制御されるタイムラインのさまざまなポイントで変更できるようになりました。
その他
■データ チャネル モディファイヤの追加
新しいプリセット、式(Expression)エンジン、Maxscript 処理オペレータなどの更新が行われ、データ チャネル モディファイヤの使いやすさが向上しました。
■USD for 3ds Max 0.5 プラグイン
3ds Max の Universal Scene Description (USD)のサポートが更新され、アーティストは USD と 3ds Max のワークフローをシームレスに組み合わせて使用できるようになりました。インタフェースとロールアウトが更新され、次のサポートが利用可能になりました。
- スキン/モーファーの USDSkel および USD ブレンドシェイプへの書き出しのサポート
- USD エクスポータでの MaterialX マテリアルのサポート、およびスレートでの MaterialX マテリアルのサポート
■カラー管理
OCIO ベースのカラー管理が、Technology Preview フェーズから移行しました。3ds Max のカラーは、入力から出力までをコントロールできるため、エンドツーエンドのカラー管理ワークフローを実現できます。
■シーン ファイル サイズの縮小
アニメーション レイヤ、ノート トラック、およびノート キーが空のシーンは保存されなくなって、ファイル サイズが小さくなりました。
■Biped の機能強化
Biped の操作性を向上させるために変更が加えられ、安定性が向上しました。
Biped リスト コントローラ UI は以下のように更新されています(Biped リスト コントローラ: 左: 2023、右: 2024.2)。
■FBX 2020.3.4
3ds Max 2024.2 には FBX 2020.3.4 プラグインが含まれています。詳細については、「FBX SDK 2020」を参照してください。
■Arnold for 3ds Max 5.6.5.1
3ds Max には Arnold 7.2.4.1 用の MAXtoA 5.6.5.1 が付属しています。この製品では、GPU レンダリング時のグローバル ライト サンプリングのパフォーマンスの向上、大規模なシーンを修正するときのインタラクティブ性の向上、CPU ベンダー間の数値精度の差の軽減など、、いくつかの機能強化が行われています。
機能とバグ修正の完全なリストについては、「MAXtoA リリース ノート」を参照してください。
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
3ds Max2024は、64ビットWindows 10,11で利用することができます。より詳しいシステム要件の確認はこちらから
価格はサブスクリプション形式で、36,300円/月、286,000円/年、858,000円/3年となっています。
価格の確認はこちらから
また、3ds Max2024は、AutodeskのMedia & Entertainment Collectionの一部としても利用可能です。さらに、条件にあてはまる方はIndieライセンスを購入することが可能で価格は42,900円/年です。
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