Nuke 14.1 & 15.0 がリリース、Apple siliconのネイティブサポート、CopyCatトレーニングの高速化、タイムラインの改善など

CGソフト

2023年10月12日(現地時間)- Foundry は、ノードベースのデジタルコンポジット、編集ソフトウェアとレビューツールの最新アップデート Nuke 14.1 & 15.0 のリリースを発表しました。

OSの移行を計画しているスタジオがよりスムーズに移行できるよう、Nuke 15.0 & 14.1の当時リリースとなっています。このデュアルリリースにより、Nuke 14.1にアップグレードしてCentOS 7上の既存プロジェクトを完了しながら、Nuke 15.0で利用可能な最新のパフォーマンスアップグレードとワークフロー強化機能の恩恵を受けることができます。

新機能ハイライト

Nuke の新しいバージョンには、ネイティブの Apple シリコン サポート、高速な CopyCat トレーニング、新しい 3D システムの継続的な改良、業務の効率を高めるために設計された改善が含まれています。

ネィティブAppleシリコンサポート

Nuke 15.0のネイティブAppleシリコンサポートにより、一般的な処理速度が最大20%向上しました。最新のワークフローを活用しながら、Macのパワーをフルに活用できます。

高解像度サポートの拡張

大規模なイベント、テーマパークの乗り物、バーチャルプロダクションのような設備で、非常に高い解像度で作業するユーザーのために、Nukeは、十分なハードウェアがある場合、最大64Kまでのイメージに対する多くの平面操作をサポートするようになりました。
つまり、Nuke 15.0 & 14.1では、すべてのCaraVRノード、球面変形、レンズディストーションがさらに大きな解像度で使用できるようになり、プロジェクトのスケーラビリティが向上しました。

CopyCat トレーニングの高速化

Nuke 15.0 & 14.1の新しい分散トレーニングでは、標準的なレンダーファームアプリケーションを使用して、複数のマシンで負荷を共有することができるようになりました。これによりトレーニングがより速くなり、バックグラウンドでCopyCatを実行しながらNukeを使い続けることができます。
また、マルチレゾリューショントレーニングでは、初期段階でファイルサイズを小さくするために、CopyCatが画像解像度を圧縮するようになりました。これにより、トレーニング速度を最大50%短縮することができます。

新しいGeoMergeワークフロー(ベータ版)

アップデートされた GeoMerge ノードにより、ジオメトリと USD レイヤーをマージする際のコントロールが向上しました。GeoMerge ノードには 4 つの新しいモードがあります:

  • Merge Layers(レイヤーのマージ)
  • Duplicate Prims(プリムの複製)
  • Flatten Layers(レイヤーの平坦化)
  • Flatten to Single Layer(単一レイヤーへの平坦化)

分岐パイプをすばやくマージしたい場合、従来の複製ワークフローを再現したい場合、またはレイヤーの管理方法をより詳細に制御したい場合など、新しいモードと UI により、より直感的なエクスペリエンスが提供されます。

3Dビューア選択(ベータ)

改良されたビューア選択ツールは、専用の3Dツールバーと新しい2階層選択により、3Dシステム内の非常に大きなステージで作業する際に、より大きなコントロールを提供します。
新しいツールバーでは、オブジェクト、面、頂点モードをすばやく切り替えることができ、新しいコントロールでは、シーン内のプリムのタイプや種類に基づいて選択範囲を指定できます。これにより、ジオメトリのどのレベルで選択を行うかをより細かくコントロールできるようになりました。
また、2階層選択では、ジオメトリ内に含めることができるので、ステージ内の1つのアイテムにフォーカスしやすくなり、複雑なシーンで選択を作成する際に、よりコントロールしやすくなります。

マスクノブのSceneGraphポップアップ(ベータ)

Nuke 14.0で導入されたUSDベースの3Dシステムでは、より大きく複雑なシーンで作業できますが、しかし、より大きなシーンは、より多くのデータとアセットあります。新しいシーングラフ(SceneGraph)ポップアップでは、マスク(Mask)ノブを使って3Dシーンデータを簡単にフィルタリングし、シーンの階層のコンテキストでカメラやプリムを検査、フィルタリング、選択できます。これにより、必要なアセットを探す時間を減らし、最終的なピクチャに集中する時間を増やすことができます。
また、メインの3Dシーングラフに検索とフィルター機能が追加され、ナビゲーションが簡単になりました。

ScanlineRender2のアップデート(ベータ)

Nuke 14.0で導入されたものをベースに、ScanlineRender2がさらに開発されました。新しい3Dシステムで使い慣れたユーティリティレンダー体験を提供することに加えて、Nukeにおける3Dレンダリングの将来の基礎が作成されています。
使い慣れた全てのユーティリティパスのレンダリングをサポートするためにデザインされた様々な改良の中で、UIはより直感的になり、新しいレイトレーシングサブシステムはレイトレースオクルージョンによる影の改善が行われています。

Nukeのビューアーの彩度スライダー

Nuke 14.1と15.0では、Nukeのビューアに彩度スライダーが追加されました。これは小さいながらも要望の多かった機能で、すでにビューアにあるガンマとゲインのコントロールのように、作業のチェックに役立つように設計されています。

タイムラインレビューの改善

Nuke 15.0 & 14.1は、Nuke Studioのレビューセッションをより速く、反応良くなるようにに設計されています。プレイヘッド下のショットの自動選択により、個々のショットを選択することなく、複数のアクションをすばやく適用でき、さらに、Nuke Studioの新しいマルチプレイヘッドでは、タイムライン上の異なるフレームを素早く簡単に比較できるようになりました。

これらやその他のタイムラインの改善により、タイムライン上でショットを比較したり、エフェクトを追加したりするのが以前より大幅に速くなり、効率が向上します。

タイムライン上のマルチピクセル Blink エフェクト

Nuke StudioとHieroでは、LensDistortionやDenoiseなどのBlinkエフェクトをタイムラインレベルで適用できるようになったため、タイムラインとカンプ環境を行ったり来たりする必要がなくなりました。改良されたBlinkScriptでは、一度に1ピクセル以上の計算が可能になったので、タイムライン上で強力で複雑な操作を実行する独自のエフェクトを書くことができます。

タイムラインでの機械学習推論

タイムラインの機械学習推論を使えば、コンフォームやレビューの際に、複数のショットに一度にこれらのエフェクトを「試聴」して適用できます。事前に学習された.catファイルを、Inferenceソフトエフェクトを使ってショットやシーケンスに直接適用することが可能です。これにより、タイムラインとコンプ環境を交互に切り替えることなく、編集に集中したまま、複数のショットの結果をすばやく確認できます。

自動タイムラインディスクキャッシュ

以前は、タイムライン上で編集やソフトエフェクトに変更が加えられるたびに、ディスクキャッシュを手動で再作成することが、迅速で効率的なレビューの障害となっていました。

改良されたタイムラインツールにより、Nuke StudioとHieroは更新が必要なフレームを自動的に再キャッシュできます。そのため、どんなに複雑なタイムラインエフェクトや、いくつのエフェクトを適用しても、Nukeがバックグラウンドで自動的にディスクキャッシュをリフレッシュしている間、レビューを続けることができます。

VFX Reference Platform 2023

Nuke 15.0がVFX Reference Platform 2023をフルサポートすることで、パイプラインがスムーズに動作するようになり、更新された他のソフトウェアパッケージとの完全な互換性とシームレスな統合が実現します。

初のデュアルリリースにより、ワークフローの更新、テストの実行、既存プロジェクトの終了にまだ時間がかかる場合はNuke 14.1にアップグレードし、Rocky 9または同等のものに移行する準備ができたら、Nuke 15.0にパイプラインを移行することができます。

ファイルフォーマットSDKの更新

最新のSDKとカメラをサポートし、業界標準の最新状態を維持します。Nuke 15.0 & 14.1では、新しいARRI Alexa 35カメラのサポートが改善され、HDEフォーマットのファイルを読み込めるようになりました。

また、Nuke 15.0では、レガシーを含むすべてのARRIファイルについて、バージョン6.2.3に代わって新しいARRI IMAGE 8.0.0 SDKを使用するようになりました。対応するカメラ、モニター出力カード、ファイルフォーマットなど、幅広いアップデートが用意されています。

OpenColorIOのアップデート

Nuke 15.0 & 14.1のOpenColorIO(OCIO)アップデートで、パイプライン全体の色の一貫性を維持できます。OCIOバージョン2に合わせるため、Nuke Studioの “Write “ノードとエクスポートダイアログが更新され、出力トランスフォームサブセクションは分かりやすくラベル付けされました。新しい OCIO Aliases attribute は、コンフィグで色空間の代替名のセットを定義できるようになりました。

Nuke 15.0にはOCIOバージョン2.2が含まれ、プロジェクトで直接使用できるOCIOZコンフィグがサポートされます。

OpenAssetIO(技術プレビュー)

Nuke 15.0 & 14.1 では、ツールとコンテンツ管理システムのためのオープンソースの相互運用性標準である OpenAssetIO の技術プレビューが導入されました。ソフトウェア・スタック全体に OpenAssetIO を実装することで、パイプラインの統合を簡素化し、ワークフローを合理化することができます。また、この新しい標準は、より洗練されたアセットとバージョン管理ワークフローにより、アーティストが必要なアセットを見つけ、特定することを容易にします。

OpenAssetIOは、”Manager Plugin “を介してNukeを資産管理システムに接続します。この詳細については、OpenAssetIO統合ガイドを参照してください。

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価格とシステム要件

詳しいシステム要件はこちらから

1年間のメンテナンスプランを含む永久ライセンスのNukeの価格は 3,299ドル、NukeXの価格は4,499ドル、Nuke Studioの価格は5,499ドルです。四半期ごとのサブスクリプションライセンスもあります。ソロアーティスト向けのNUKEインディーライセンスは499ドル/年です。

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