2023年10月18日 – Topazlabsは、同社の動画の品質向上のためのソフトウェアの最新アップデート Topaz Video AI v4.0 をリリースしました。
Topaz Video AI とは
Topaz Video AIは、独自のビデオAIモデルを使って動画のビジュアルクオリティを向上させることができるソフトウェアです。アップスケーリング、インターレース解除、モーション補間、手ぶれ補正のためのニューラルネットワークをローカルで無制限に利用することができます。また、Video AI は、 処理時間を最適化するために intel, Nvidia, AMD, Appleなどのハードウェア メーカーと提携して作成されています
Topaz Video AI v4.0 時点での主な機能は以下の通りです。
■ノイズ除去
何百万ものビデオフレームでトレーニングされたVideo AI 4は、ノイズとディテールの違いをインテリジェントに理解することができます。
- Nyx AIモデル(v2)は、高ISO設定の4K映像からノイズを除去し、圧縮アーチファクトを修正します。
■FacePlus+
広大な砂漠と美しいポートレートでは、補正方法も大きく異なります。Video AI4は、人と顔を認識し、補正方法を正確に把握します。テンポラルアウェア顔認識を使って、それを自動的かつ瞬時に行います。
- Iris MQ AIモデル(v2):標準画質の映像から人の顔を復元し、ディテールを強化します。
■フレーム補間
異なるフレームレートのカメラに合わせたり、カメラの設定を変えずにスローモーションを実現したりすることができます。ApolloとChronosモデルが新しいフレームを生成し、すべてをウルトラスムーズにします。
- Apollo AIモデル(v8):最大16倍fps補間でスローモーションを実現。
- Chronos AIモデル(v3):24fpsから60fpsへのシルクのように滑らかな変換。120fps以上へのブーストも可能。
■手振れ補正
フレームを安定させ、不要なカメラの動きによって失われたディテールを回復し、動きやスローシャッター速度によるブレを軽減することができます。
- Themis AIモデル(v2):Themisでスローシャッターのスミア効果を軽減し、Stabilizationで手ブレを除去することができます。
■アップスケーリング
画質を犠牲にすることなく、思い通りのアップスケーリングが可能です。Video AI 4は、解像度を上げると同時に、従来のアップスケーリング方法によって引き起こされる不要なアーティファクトを処理します。Video AI 4なら、4K、8K、最大16Kの解像度をすべてワンクリックで手に入れることができます。
V4新機能ハイライト
最新リリースでは、Topaz Video AIとの一般的なインタラクション方法が一新されました。これまでの入力と出力の一般的なビューの代わりに、モデルを適用できる2つのビューが搭載されました。これらのビューを使用して、モデルのさまざまな組み合わせを構築して比較し、元の入力に最適なモデル構成を見つけることができます。
ダイレクト比較UI
Video AIにモデルやコントロールが追加されるにつれて、ユーザーには、さまざまなフィルタの組み合わせを構築し、アプリのインターフェイス内で結果を表示する新しい方法が必要となりました。Video AI v4には、プレビューを生成するためのまったく新しいシステムが搭載されています。このアップデートは、アプリのコア機能を維持しながら、パワーユーザーに柔軟性を提供することが目的とされています。
■複数のモデルを簡単に比較
新しいインターフェースは、完璧なAI出力を見つけるためのユーザーのツールセットを拡張します。
■ビュー1とビュー2
Video AIでは、編集者が入力クリップとプレビューを自由に切り替えて確認できるようになりました。オリジナルの入力を表示したまま、または2つの異なるプレビューをA-B比較し、バージョン間の正確な違いを確認できます。
比較ビューの動作について
比較ビューは、2つの異なるモデルを比較するのに便利ですが、同じモデルのオートとマニュアルのパラメーターを比較するのにも使用できます。
■カスタマイズ可能なプレーヤーウィンドウ
Video AIで生成されたプレビューには、ビュー1と2を割り当てることができます。プレビューパネルを使用して、ビデオプレーヤーの左側と右側に表示する設定を選択できます。
■マルチエリア プレビュー
もう一つの大きな変更点は、プレビューの構成です。この変更により、タイムラインのどの領域がプレビューとしてレンダリングされたかをより簡単に確認できるようになりました。
UIとフィルターアイコンの刷新
プレビューシステムの変更に伴い、Video AI v4では、画面上のコンテンツスペースがさらに広くなりました。右側のパネルは、小さなディスプレイでのスクロールを回避し、モニタの高さをより有効に活用するために作り直されました。
Nyx v2: 精度の向上と新しい2倍スケールモード
Nyxモデルは、シネマグレードの映像のために特別に設計された Topazlabs 初のAIモデルで、ノイズを低減し、圧縮アーチファクトを修正します。
Nyxは、高ISO設定で理想的とは言えない照明条件で撮影された高解像度のアウトオブカメラビデオのノイズ除去に最適化されています。Nyxが結果をクリーンアップしてくれることを知っていれば、より高いISOレベルで安心してビデオを撮影することができます。
Topaz Video AI v4.0では、このモデルがv2となり、以下のような改善がされています。
- バージョン3.5.0で発表されたNyxモデルがv2にアップデートされ、2倍アップスケールモードが追加されました。
- Nyx v2は、高解像度入力時の精度がさらに向上し、ノイズとディテールを正確に分離することができます。シネマトグラファーは、高ISOで撮影し、プロダクションレベルのナイトショットを簡単に生成できるようになりました。
その他
- フェイスリカバリーが向上したIris MQ。
- TensorRT 互換の GPU で 50% の速度向上。
- ビデオ入力オプションに “Black and White ” トグルが追加。
- このオプションは、モデルが白黒ビデオに色を追加しないように出力の彩度を下げます。
- ビデオ入力オプションに ” Telecined(テレシネ) “トグルが追加。
- このオプションは、AI モデルを適用する前にテレシネ処理を逆にし、ビデオを23.976fpsにインターレース解除します。
- 出力設定に詳細なツールチップを追加。
- Linux用のProRes、H264/5、AV1エンコーダーが有効に。
- アプリ内プレーヤーで見られる多くのカラーバンディングの問題を修正。
- フィルターツールチップを変更し、アイコンだけでなくフィルター名にカーソルを合わせた時にも表示されるように。
- 中品質/低品質を選択できるIrisオプションを追加。Medium は Iris-v2 を使用し、Low は Iris-v1 を使用します。
- オリジナルのfpsを維持するインターレースビデオのための1xと2xのインターレース解除オプションを追加。
- すべての環境設定に詳細なツールチップを追加。
- エクスポートされたビデオファイルに、Iris & Nyx エンハンスメントモデルの詳細なメタデータを追加。
- エンハンスメントモデルの ” Noise ” 値がゼロでない場合、ビデオメタデータに追加。
- fps セレクタで “original” fps オプションを選択する際の問題を修正しました。
- Nyx、Proteus、Iris Auto、Relative to Auto のモデル読み込み時間を短縮。
- NVENC AV1に10ビットを追加。
- 自動パラメータ推定が20フレームではなく8フレームで実行されるようになりました。
- Nyxを2つ目のエンハンスメントとして使用する場合の修正:1つ目のエンハンスメントが自動的にアップスケーリングを行うようになりました。
- Iris-v2 が Intel ARC でサポートされました。
各リリースの変更点の完全なリストについては、 3.5.4、3.5.3、3.5.2、3.5.1 を参照してください。
今後の予定
Topaz Video AIの利便性を大幅に向上させるために、次のような基本的なワークフローの改善が行われる予定です。
- 一般的なNLEとの直接統合
- クラウドバックエンドへの処理のオフロードが可能
- 処理の一時停止と再開
これらの改善の大部分を2023年末までにリリースされる予定です。これらの機能の開発に協力したいかたはこちらから( video beta program )ベータプログラムに応募できます。
価格とシステム要件
Topaz Video AI 4.0 は、Windows 10, 11、macOS intel Catalina 10.15以降、 macOX Silicon Big Sur 11 以降 で利用できます。より詳しいシステム要件の確認はこちらから
価格は永久ライセンスで299ドルです。12 か月間のアップデートも含まれています。
現在セール中で50ドルオフの249ドルとなっています。
有効なアップグレードライセンスをお持ちの方は、10月17日から追加料金なしでアップグレードできます。有効期限が切れている場合は10月17日からアップグレードキャンペーンが開始されるようです。アップグレードは自身のアカウントページから可能です。
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