『Character Creator を利用して ZBrush でポーズを極める』 Part 1

チュートリアル

『Character Creator を利用して ZBrush でポーズを極める ー 高度な AccuRIG と Pose Tools』チュートリアル記事の Part 1 となります。

Character Creator を利用して ZBrush でポーズを極める Part 1

このチュートリアルは、ZBrushGuide の創設者である Pablo Munoz Gomez によるチュートリアルビデオをベースとしたトランスクリプト(文字起こし)シリーズとなっており、ポーズ付きの3Dキャラクターの制作過程を学ぶことができます。内容は彼自身の言葉で紹介されています。

チュートリアルは、 Krita でのコンセプト作成からはじまり、Character Creator 4 (CC4)、ZBrush のスカルプト、 AccuRig を使用し、2D コンセプトを 3D キャラクターに変身させます。また、Reallusion が Maxon と ZBrushGuide と共同で開発した無償プラグインの ZBrush  Pose Tools を使用して、ZBrush で人型キャラクターのリギングと簡単にポージングできるように設定する方法も学ぶことができます。

サムネイルスケッチでキャラクターをデザインする

ZBrush と CC4 を使って、フルボディのキャラクタープロジェクトをゼロから作ってみよう!

はじめに、アイデア出しのプロセスに焦点を当て、キャラクターのアイデアをいくつか生み出します。最終的にな目標は、CC4 の AccuRig 機能を使って、リギングの可能のキャラクターを作成し、ZBrush との統合をテストすることとなります。

まず、イラスト・ペイントソフトを使用してたくさんのラフなアイデアをスケッチします。それぞれのスケッチに費やした時間は 30 秒程度で、ジェスチャーとボリュームの大まかな形を把握できる程度で大丈夫です。ここでは、どのツールを使っても良いのですが、 Krita を使用しています。

設定は簡単で、背景をライトグレーにし、新規レイヤーにハードブラシを使って、真っ黒にスケッチします。

その後、シルエット内部のボリュームを把握するために、”alpha clip“を使ってブラシストロークをシルエットに限定したり、ブラシをカスタマイズして”wet mixing“を少し加えたり、各キャラクターの上からの 1 つのキーライトを想像したりして、ディテールを加えます。

そして、スケッチしたものの中からバランスが良く、さらにディテールを追加できそうなシルエットを1つ選びます。その後、キャラクターデザインの参考として、より大きな解像度でシルエットを洗練させました。

スケッチが苦手な人向けのコツ

2D スケッチが苦手な人は以下の方法を試してみてください。

1.  CC4を使って、ベースとなるシルエットをモーフィングし、スクリーンショットを撮るまたは画像を直接レンダリングして、レイヤーを黒く塗りつぶし、その上から追加のシェイプでペイントします。

2. 、ZBrush で ZSphere アーマチュアを組み立て、Rotate ツールを使ってポーズをつけ、プリミティブを追加し、BPR をレンダリングします。その後、アルファを使って黒に反転させ、上からペイントしてシルエットを洗練させることができます。

ZBrush で 3D コンセプトを設定する

作りたいものがより明確になったので、プロポーションのラフなアイデアを得るために CC4 のベースメッシュを使い用意したモデルをZBrushでダイナメッシュを使用してスカルプトします。

手、足、頭、胴体などさまざまなパーツに分割し、ダイナメッシュとスカルプトブラシを使って、シルエットをリファレンススケッチに近づけます。スーツの首と手首にはシリンダーを使ってパーツをいくつか追加し、 H.R. Giger tribute pack の”cutter brush”(Pablo氏自身の)を利用して、カットとパネルを定義しています。

この段階では、非常に大雑把で低解像度ですが、カッターブラシで切ったカットをもとに、ボディスーツにポリグループを割り当てることができました。これにより、素早くポリペイントの色でテストできるだけでなく、後の ZRemesher のガイドとしても使用できます。

次のステップは、ブラッシュアップとクリーンアップです。すべてのサブツールのダイナメッシュの解像度を上げて、ディテールを追加し、カットとパネルを洗練させます。頭部には、ダイナメッシュの解像度を上げて二次的な形状を定義し、顔の側面、首、口の周りにひだを追加、ZRemesher を使って頭部のトポロジーをよりきれいに生成し、スカルプトブラシでディテールを追加しました。ボディスーツも同様にポリグループをガイドとして ZRemesher を使用し、PanelLoops を使ってパネル内部のカットを生成しました。また、ポリグループを使っていくつかのエリアをマスクし、しわを追加することで、スーツにさまざまな種類の素材が使われていることを表現しています。

最後のステップでは、ボディスーツのメッシュ全体を複製し、選択ツールを使っていくつかのポリグループを分離し、残りを削除。そして、ダイナミックサブディビジョンを使って、厚みを追加し、余分なハードサーフェスオブジェクトを生成しました。その次に、IMM ブラシを使ってチューブコネクターを作成し、ポリグループを利用して Cloth and Drapery パックのカスタムブラシを使ってしわやひだを追加しました。

宇宙生物は、CC4内のAccuRigツールを使って、重心を低くしたり、両手に3本の指をつけたり、硬い表面と柔らかい変形パーツを組み合わせたりと、挑戦的なデザインを試みています。また、リグを作る際のことを考えて首のパーツは完全にソリッドにしています。

3D スカルプトのポリッシュとリメッシング

この階段では、3D でのキャラクターのセットアップとスカルプトが完了したので、次はテクスチャ作成に進みます。高解像度メッシュのプランニングと低解像度メッシュへのベイク、また Substance 3D Painterを使ってクリーチャーのテクスチャセットを作成します。

まずプランニングから始めます。アセットを整理することは、ベイクとテクスチャリングの段階をスムーズに進めるための重要なステップです。まず、すべてのディテールを含む高解像度メッシュと UV を含む低解像度メッシュを用意します。プロセスを単純化するため、高解像度メッシュと低解像度メッシュのサブツール数を最小限に抑え、それらが一致するようにしています。また、ディテールをより制御できるように、マテリアルやテクセル密度に基づいてオブジェクトを分けています。

サブツールを結合する時に注意すべき点

  • ZBrush では同じサブディビジョンレベル数のオブジェクトしか結合できないということ。レベルが異なる場合は、結合する前に同じレベルにする必要があります。
  • 結合するセクションの UVs スイッチが有効になっていて、UV が保持されていることを確認すること。

UV アイランドが重なっていたので、Ryzom UV を使ってそれらをパックし、低解像度メッシュの UV を更新しました。

次に、モデルの低解像度版と高解像度版をエクスポートし、サブツールの名前は同じまま、サフィックスだけを「_low」から「_high」に変更。そしてSubstance 3D Painter で、Match by Name というオプションを使って、高解像度メッシュのディテールを低解像度メッシュにベイクしました。

ベイクのプロセスが完了したらキャラクターの各パーツのベースとなるカラーパレットを生成します。使用したベースマテリアルの一部が緑の部分の六角形柄や腹部のストライプを持っていたため、すでにディテールと柄があります。

次に、私は磨耗を加え、色の明るさを調整することに時間をかけました。微妙な変化ですが、こうした微妙な変化により全体が良く見えます。そして、ベースカラーを統一し、ラフネスを少し変化させます。ここでの目標はキャラクターのスタイルに合うと思われる明るく彩度の高い色を維持しつつ、同じ色相の範囲内に収めることです。

Substance 3D Painter には、色相を上書きできる簡単な方法があります。テクスチャセットのレイヤーのスタックの上に塗りつぶしレイヤーを作成し、カラーチャンネル以外のすべてをオフにします。それから、右クリックしてレイヤーをコピーし、別のテクスチャセットに移動して、空き領域を右クリックし、「Paste Layer as Instance」オプションをクリックします。こうすることで、各テクスチャセットの色にのみ影響するレイヤーが作成でき、その設定を変更すると、テクスチャセット全体が更新されます。他にも、色を変えてブレンドモードをソフトライトのようなものに設定し、不透明度を調整してエフェクトを微調整するといった方法も便利です。

頭と手のテクスチャには、 3DSnippets プロジェクト(バイキング)で開発した Stylised Skin Smart Material リソースを使いました。凸凹の強さと色を調整するために、いくつかの設定を微調整しています。クリーチャーのテクスチャは非常にシンプルでスタイリッシュなものにしたいので、邪魔になるかもしれない柄は避けています。

スマートマテリアルに加えて、 3 つのレイヤー(うち 2 つはインスタンス)を作成し、色を変化させ、アンビエントオクルージョンに基づいて少し暗さを加えました。最後に、さらに数枚のレイヤーと別のスマートマテリアルを追加して、小さな毛穴や凹凸の一部をシャープにし、ベースカラーの赤をもう少し鮮やかにしました。

Part1は以上となります。

この記事は『Character Creator を利用して ZBrush でポーズを極める ー 高度な AccuRIG と Pose Tools』チュートリアル記事の前半となります。


Character Creator を利用して ZBrush でポーズを極める ー 高度な AccuRIG と Pose Tools

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