『Character Creator を利用して ZBrush でポーズを極める ー 高度な AccuRIG と Pose Tools』チュートリアル記事の Part 2 となります。
Character Creator を利用して ZBrush でポーズを極める Part 2
このチュートリアルは、ZBrushGuide の創設者である Pablo Munoz Gomez によるチュートリアルビデオをベースとしたトランスクリプト(文字起こし)シリーズとなっており、ポーズ付きの3Dキャラクターの制作過程を学ぶことができます。内容は彼自身の言葉で紹介されています。
チュートリアルは、 Krita でのコンセプト作成からはじまり、Character Creator 4 (CC4)、ZBrush のスカルプト、 AccuRig を使用し、2D コンセプトを 3D キャラクターに変身させます。また、Reallusion が Maxon と ZBrushGuide と共同で開発した無償プラグインの ZBrush Pose Tools を使用して、ZBrush で人型キャラクターのリギングと簡単にポージングできるように設定する方法も学ぶことができます。
この記事は『Character Creator を利用して ZBrush でポーズを極める ー 高度な AccuRIG と Pose Tools』チュートリアル記事の後半となります。
AccuRIG による ZBrush キャラクターの自動リギング
Part1を終えて、UV、テクスチャ、サブディビジョンレベルを付いているスカルプトディテール、左右対称のポーズを持っているキャラクターが出来上がりました。このキャラクターを構成するすべてのものが 4 つのサブツールに入っています。
ここでは、CC4 をインストールし、ZBrush と CC4 の間でやり取りするために、GoZ を使用します。また、前の段階に戻る必要がある場合に備えて、ZBrush のファイル(ZTools)と CC4 のプロジェクトの両方を保存した方が良いです。
ツールパレットの GoZ の隣にある”All”ボタンをクリックします。これにより、選択したサブツールだけでなく、すべてのサブツールが転送されます(GoZ の場合はそうなります)。GoZ の設定で複数の接続がある場合、外部アプリケーションを選択する必要があるかもしれませんが、その場合は Character Creator 4 を選択してください。
CC4 ではウィンドウが表示され、デフォルト設定が問題ないはずです。ZBrush でキャラクター全体とベースメッシュを作成したため、アクションテンプレートは Create Prop の 1 つしかないはずです。なお、Character Creator のバージョンによっては、このウィンドウの表示が異なる場合があります。
Update をクリックすると、CC4 での左側の Scene タブに作成したキャラクターと同じサブツールが別々のメッシュとして表示されます。GoZ を介した ZBrush と CC4 間の接続は、サブツールで利用可能な最も低いサブディビジョンレベルを自動的に探し、それらをCC4に転送します。より詳細を視覚化したい場合は、法線マップを作成し、それを転送する必要があります。ZBrush にテクスチャがあれば、CC4 は自動的にそれを検出して差し込みます。しかし、ZBrush以外のマップを持っている場合は、いくつかの点を調整する必要があります。
Scene タブからすべてのメッシュを選択し、Modify ウィンドウに AccuRIG ボタンが表示されます。それをクリックして、処理を開始します。
AccuRIG を入力したら、すべてのメッシュのリグまたは一部のメッシュだけのリグを選択できます。ここでは、All Meshes オプションを使用し、Create Guides ボタンをクリックします。
AccuRIG プロセスの最初のステップは、ジョイントのリファレンス(緑、オレンジ、青の点)をキャラクタに配置することです。点を配置しながら、必要に応じて対称性のオン/オフを切り替えたり、個々のジョイントの配置を鏡映しにしたりすることができます。点を配置するのが難しい場合は、Midpoint Placement オプションをオフにすることができます。
おそらく最も重要な位置のひとつは、手首のジョイントです。このポイントを正しく配置することで、指をセットアップする時に楽になります。次のステップに進んだときに、指のポイントがまったく正しく見えない場合は、必ず戻って手首を調整してください。
次のステップでは、キャラクターの指の本数を選択します。このプロセスの多様性を示すために、意図的に3本の指と親指でクリーチャーをデザインしています。Number of Fingers のドロップダウンリストから”4 “を選択します。
選択した後、Generate Skeleton ボタンを押し、手のポイントを作成し、必要に応じて指の配置を調整することができます。
最後のステップは、Bind Skin ボタンをクリックして、作成したスケルトンにメッシュをバインドすることです。これで、ポーズを取るためのリグが完成しました。そして、Check Animation ボタンを使って、デフォーメーションをプレビューし、結果に満足したらAccuRIGを終了します。
アニメーションから好きなポーズを見つけるか、Edit Pose ボタンを使って自分でポーズを編集します。それから、すべてのメッシュを選択して、UI の一番上にある GoZ ボタンを押します。
そして、新しいウィンドウがポップアップ表示されます。この時は下から Current Pose を選択し、ドロップダウンメニューから Relink を選択することが大切です。こうすることで、CC4 が ZBrushでポーズを見つけ、すべてのサブディビジョンレベルとディテールを含め、キャラクターに再リンクできるようになります。Relink を選択しないと、ポーズは ZBrush に転送しますが、新しいメッシュとして転送し、すべてのサブディビジョンレベルとディテールが失われます。
ZBrush に入ると、CC4 からのポーズがあり、すべてのサブディビジョンレベルとディテールが保持されます。変更が必要な場合は、AccuRIG に戻ってポーズをリセットしたり、新しいポーズを作成したり簡単にできます。
リグの微調整とポーズの管理
ここでは、ワークフローとポーズの品質を高めるためのコツとして ZBrush Pose Toolsを紹介します。
次の画像は、 ZBrush からエクスポートし、 Marmoset Toolbag 4 でのクイックレンダリングした最終ポーズとなります。
ZBrush Pose Tools は、新しいポーズを保存のため各サブツールのレイヤーを記録するプロセスを自動化するのに非常に便利です。
このプラグインの一番いいところは、複数のサブツールで複数のサブディビジョンレベルがあっても、ポーズを切り替えることにボタンを 1 つクリックするだけでいいことです。以下はその使用方法です:
- サブツールリストから最初のサブツールを選択する。
- サブツールの一番上のサブディビジョンレベルに移動する(該当する場合)。
- レイヤーのサブパレットから新しいスカルプトレイヤーを作成して記録する。
- 一番下のサブディビジョンレベルに戻る(該当する場合)。
- 次のサブツールに移動し、このプロセスを繰り返します。
これで、同じプロジェクト内のレイヤーに記録したポーズが保存されます。
CC4 でキャラクターのリギングを完成し、いくつかのポーズを試したい場合、それらをすべて ZBrush に転送し、ZBrush Pose Tools を使ってレイヤーに保持することができます。(ZBrush と CC4 を開き、キャラクターのリギングを完成しておく必要があります。)
次のステップでは、Character Creator でポージングツールを使ってポーズを作成するか、CC4 の Content Manager から既成のポーズを利用します。CC4 では自分が好きなポーズを作成できます。
そして、ZBrush のデフォルト A ポーズと ZBrush Pose Tools プラグインがインストールされていることを確認してください。ZPlugin パレットは簡単にアクセスできるように左にドッキングされています。
プラグインは非常にシンプルでわかりやすく、手動でできる一連のステップに従うだけです。CC4 からポーズを導入するには、プラグインの上部にある Relink to Add Pose スイッチをクリックします。
このスイッチをオンにしたら、CC4 に戻り、GoZ ボタンを使ってポーズをとったキャラクターを ZBrush に転送します。そして、ポップアップウィンドウから Relink オプションを選択してください。
次に、プラグインからスイッチをクリックしてオフにし、キャラクターのポーズを適用すると、オンまたはオフを切り替えることができる新しいポーズが追加されます。これにより、元の対称ポーズとすべてのサブディビジョンレベルを維持できます。
新規レイヤーのサブディビジョンレベルでスカルプトしてポーズを調整できるので、プロセス全体が非破壊的です。
ZBrush プラグイン Pose tool による高速ポージング
ここではリグの調整方法から完成まで紹介します。
リグの微調整は少し面倒ですが、ウェイトの編集方法さえ理解できれば、リグを改良することができます。そうすれば、キャラクターのポーズを取る時に大きな違いが出てきます。
例えば、このプロジェクトのクリーチャーには、リグで変形させるべきではない硬い表面のディテールがいくつかあります。わかりやすい首パーツを例にとってみると、デフォルトリグではこのように首のパーツが少し変形します。
リグのウェイトを編集することで、特定部分のウェイトを減らしたり増やしたりすることができます。そして、編集したいオブジェクトを選択し(私の場合は “SUIT_DETAILS”オブジェクト)、右側の Skin Weights メニューをクリックします。
下の画像で、私はスキンウェイトの編集モードに入り、首パーツのコントロールと移動に使いたいボーン(“CC_Base_Spine02” )を選択しています。
ここで首パーツの一部が白く、後ろに向かって他の部分が黒か濃いグレーになっているように見えます。真っ白な部分は選択したジョイントやボーンに 100% 影響され、真っ黒な部分は100% 影響されません(選択したジョイントが首パーツに与える影響がゼロになる)。
なので”paint operation“の隣にあるアイコンを使って、白と黒を追加したり削除したりすることで、ジョイントがパーツやオブジェクトに与える影響を自分の思いに調整することができます。つまり、”CC_Base_Spine02″のボーンを選択した時に、首パーツが 100% 白くすることで、キャラクターは胴体上部を動かすと、首パーツも動き、キャラクターは頭(別のジョイント)を動かすと、首パーツに何も動きません。
ほとんどの場合はウェイトマップで 100% 白か 100% 黒にするだけで事足ります。ハードサーフェスの部分はもっと簡単なはずです。
完成
リグをすべて調整したことで、キャラクターのポーズをとるのがとても簡単になり、ZBrush に戻ってからスカルプトを調整するプロセスが簡素化されました。以下は私がこのキャラクターで一番気に入るポーズの最終レンダリングとなります。
このチュートリアルを読んでくれてありがとうございました!
お役に立ち、参考になれば幸いです。
Cheers,
Pablo M.
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