2023年9月8日(現地時間)- Topaz Labs は、画像品質を向上するためのAIを活用したツールの最新アップデート Topaz Photo AI 2をリリースしました。Topaz Photo AIの基本的な機能はこちらのページをご参考に。
新機能ハイライト
このリリースは、大幅なメジャーアップグレードとされており、ライティング/カラー調整やRAWノイズ除去、シャープネス、オートパイロット、Photoshop統合などの既存の機能が大幅に改善されています。
ライティングとカラーバランスの調整
Photo AI 2には、ニュートラルなライティングとカラーベースラインを素早く作成するための2つの新しいフィルターが導入されています。同時または別々に使うこともできます。
- ライティング調整(Adjust Lighting)は、ライティングを改善し、視覚的に美しい方法で過剰露出/露出不足( over/underexposure )に対処します。同じ画像内の極端なハイライトやシャドウにも同時に対応できます。
- カラーバランス調整(Balance Color)は、望ましくない色調の偏り、色かぶり( color casts )を除去しようとします。それから、ニュートラルベースラインに基づいて相対的な温度を調整できます。一般的に、複数の光源と色源を同時に扱うことが可能です。
これらのフィルタは「クリエイティブ」よりも「補正」を目的としています。将来的には、よりクリエイティブなエフェクトを適用することが予定されていますが、以下のような場面で「ライティング調整」と「カラーバランス調整」が非常に役立つとされています。
・最高品質のRAW画像を現像
Photo AI 2に搭載されたツール「ライティング調整(新機能)」で露光量不足を修正し、デフォルトの「フラット」なRAWカラーを改善、「カラーバランス調整(新機能)」でカメラから取り出したままのカラーシフトを素早く修正、「RAWノイズ除去(新機能)」でRAWファイルのディテールを最大限に引き出すことができます。
・露出不足または逆光の画像を補正
露出不足の画像や逆光の被写体を適切に補正するには、一般的に手動作業と選択的な調整が必要です。ライティング調整]は、マスクを使用することなく、厳しいライティングの問題を補正し、画像全体のトーンバランスを維持するこができます。
・強い色調の偏り、色かぶりを中和
従来のツールで色かぶりを補正するには、手作業が多く、不自然な結果になることがよくあります。Balance Colorは画像の内容を理解し、スライダー1つで大幅に改善します。
■現在の技術的限界
いくつかの技術的な制限が確認されています。
- Adjust LightingとBalance Colorはdngエクスポートでは期待通りに動作しない場合があります。(他のエクスポートタイプは問題ありません)。
- どちらのフィルターも現在、Rawノイズ除去モデルの出力で動作しており、Rawフォーマットのダイナミックレンジをフルに活用できていません。このため、極端なシャドウやハイライトのある画像では、最適な結果が得られない場合があります。
- 他のフィルタを有効にしている場合、他のフィルタを先に実行する必要があるため、ライティングやカラーパラメータの編集に時間がかかります。また、来週のリリースでは、Balance Colorのパフォーマンスが大幅に最適化される予定です。
- Adjust LightingとBalance Colorは現在Autopilotから除外されています。ユーザーの使い方をより理解した上で、環境設定に追加する可能性があります。
この新機能についてのフィードバックを投稿することが可能です。
RAW処理とノイズ除去が大幅に改善
Photo AI 2には、強力なノイズをよりよく除去し、より多くのディテールを保持する、まったく新しいRAWノイズ除去モデルが含まれています。また、オートパイロットは、画像の内容と検出されたISOの両方に基づいてパラメータを推定するようになりました。
- RAW Normal v2: ネイティブISOでの通常のRAW画像用。極端に高いISO設定で撮影しない限り、このオプションを使用してください。
- RAW Strong v2:拡張 ISO 画像用。露出を上げ、カメラ内でノイズリダクションを適用することで、カメラがより高いISOをシミュレートする場合にこのオプションを選択してください。
Topaz Labs によると、内部テストでは、新しいRaw Remove Noise v2モデルは、高ISO画像に対して、他のノイズ除去ソフト(Lightroom、DxO、Topaz v1を含む)よりも圧倒的に優れた結果が得られたとしています。違いをご覧になりたい方はこちらのサンプルファイルが提供されています。
さらに、v1.5.2ではRAWパイプラインが更新され、時折発生するエイリアシング、カラーフリンジ、グリッドアーティファクトが修正されました。例えば、400%ズームでエイリアシングの影響を受けた画像の違いは以下の通りです。
この高画質なRawノイズ除去は、Raw画像を直接Photo AIにインポートした場合のみ有効になります(tiffではなく)
- Photo AIスタンドアロンで:Rawファイル(CR3、NEF、ARW、DNGなど)を直接開くと、Photo AIは自動的にRawモデルを使用します。
- Lightroomクラシックから:オリジナルのRAWファイルを選択し、File → Plug-In ExtrasからPhoto AIを起動します。(Edit In → Photo AIを選択すると、代わりにtiffコピーが編集されます)。
この高画質モデルを使用している場合、モデル名には「RAW」が含まれます。最高品質の変換を行うには、RAWファイルを直接Photo AIにインポートすることが推奨されます。
Sharpen Standard v2
より自然なディテールの回復、より少ないアーチファクト、スライダーの感度の向上を提供する Standard sharpening AI モデルの大幅なアップグレードが行われました。内部の品質テストでは、Standard v2 はテスト画像で Standard v1 を 4.47 倍上回ったとのことです。
少量から中程度のぼかしにはこのモデルを使用してください。非常にぼやけた画像には、今後アップグレード予定の「Sharpen Strong」モデルを使用してください。
新しいオートパイロット環境設定
Autopilotのほぼすべての面をカスタマイズできるようになりました。
- デフォルトのバッチアップスケーリングオプションを、ピクセル、インチ、またはセンチメートル単位で最長/最短エッジを使用して指定できるようになりました。
- ノイズの除去とシャープ化の有効化しきい値と、使用するモデルを決定するロジックを設定することができます。
- フィルタを有効にする際、一般的なモデルの強さについてオートパイロットにガイダンスを与える事ができます。
- 顔検出や被写体検出のような低速な機能を選択的に有効または無効にできます。
- ご希望に応じて、各機能を無効にすることで、Autopilotを完全に無効にできます。その後、画像を読み込み、自動検出を待つことなく、必要な機能を手動で有効にすることができます。
ほとんどの場合、デフォルトのオートパイロット設定で十分ですが、ワークフローに合わせて設定することで、作業効率を大幅に向上させることができます。オートパイロット機能を無効にした後は、右側のパネルで該当する機能を選択すれば、画像ごとにいつでも有効にできます。
Photoshopからアップスケール
以前は、PhotoshopのフィルターメニューからPhoto AIにアクセスしても、アップスケールはできませんでした。現在では、File → Automate → Topaz Photo AIを選択することで、Photoshop内で直接アップスケーリングモデルを使用することができます。
自動化(Automate)プラグインは次のことを行います:
- キャンバスサイズを希望の画像サイズに変更します
- アップスケールされた結果を使用して新しい Photo AI レイヤーを作成します
新しいレイヤーの表示/非表示を切り替えて、アップスケーリングの結果を表示できます。アップスケールする必要がない場合は、新しいAutomateプラグインと一緒に既存のFiltersプラグインを使用することもできます。
その他の改善点
8月のロードマップアップデート以降、上記の機能以外にも小さなビジュアルとパフォーマンスの問題の修正が行われています。
- 被写体がない場合、”被写体のみ(Subject Only)”トグルが無効になりました。
- Autopilot で選択されていないフィルタのパラメータが自動的にリセットされないようになりました。
- インストーラが利用可能なすべてのデバイスのモデルファイルをダウンロードするようになりました。
- NVIDIA A シリーズ GPU でのクラッシュやパフォーマンスの低下を修正。
- 最近のファイルのサムネイルをキャッシュすることで、ウェルカム画面のパフォーマンスを改善。
- Autopilot の実行後、右パネルがスクロール位置と折りたたまれていないフィルタを記憶するように変更。
- 一部のSony製画像の向きが正しくなかった問題を修正
- Mac 版の PS プラグインを別のドライブにインストールすると正しく動作しなかった問題を修正
- ファイルの解像度が 0 の場合、解像度が無限大に表示されることがあった問題を修正
- 多数の小規模なユーザー インターフェイスの改善
変更点の詳細については、 v2.0, v1.5.4, v1.5.3, v1.5.2, v1.5.1 から確認できます。
今後の予定
2023年の残りの期間で、次のことが計画されています。
- ローカル・ハードウェアで動作する新しい高品質除去ブラシのリリース。
- タイリングによって発生するぼやけたパッチや一貫性のないディテールの修正(ベータ版のディスカッションはこちら)。
- プレビューでOriginal/Processedを切り替える際のピクセルシフトを修正。
- バッチ処理の安定性とパフォーマンスを改善。
- DNGの書き出しで残っていた問題を解決。
- ユーザーのフィードバックに基づくライティングとカラー機能の改善。
これらの多くは間もなくベータ版に入るので、Photo AIを所有し、その開発を支援することを望む方は、こちらのベータ版グループへ。また、Topaz Labは。アップスケーリング、ノイズ除去、シャープネスのコア機能において、次のレベルの画質を達成するための新しいアイデアを試しているとしています。
価格とシステム要件
Topaz Photo AI は、Windows10,11、macOS10.15 Catalina以降で利用できます。また、Adobe Lightroom Classic, Photoshop&Photoshop Element, Capture Oneなどのプラグインとしても利用できます。
価格は、永久ライセンスで199ドルです。1年間の無償アップデート、2台のコンピュータで同時に使用できる2ライセンスシートが含まれています。
■アップグレードについて
過去1年以内にPhoto AIを購入または更新された方は、無料でPhoto AI 2を入手できます。アップグレードライセンスの有効期限が切れている場合は、半額でアップデートして、Photo AI v2とさらに1年間のアップグレードが利用できます。アップグレードはこちらから
セール情報
現在セールが開催されており、40ドルオフの特別価格159ドルでお得に購入することができます。
期間は、2023年9月22日(現地時間)まで
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