Polygoniq によるレンダリング管理アドオン『Renderset』の紹介です。
Blender用レンダリング管理アドオン『Renderset』
『Renderset』は、1つのシーンを多くの異なる視点でレンダリングする際に役に立つBlender用レンダリング管理アドオンです。
様々な静止画/アニメーションのレンダリング設定を1つの.blendファイルに保存するレンダーコンテキストというコンセプトにより、設定を迅速に切り替えて微調整したり、さらにそれらを一度にレンダリングして保存することができます。
レンダーコンテキスト(Render Contexts)とは
Rendersetは、シーンの設定と情報をレンダーコンテキストに保存します。これらは.blendファイルに保存され、レンダーセットUIから簡単に切り替えることができます。
カメラ、HDRI、レンダリング設定、表示オプション、その他のカスタム プロパティのさまざまな設定を使用して、さまざまなビューからのショットを保存することができます。
例えば次のロボットシーンでは、4つの異なるコンテキストがあり、それぞれ異なるカメラ、ワールド、コレクションの可視性、解像度などをもっています。
ビューポートからのコンテキスト
ビューを移動し、ボタンを押すだけで、新しいレンダーコンテキストとカメラを簡単に追加することができます。
コンテキストは、好きなだけ作成できますが、コンピュータが後ですべてのレンダリングを処理できることを確認してください。また、順番を保持するためには、コンテキストにきれいな名前を付ける必要があります。
カメラごとのコンテキスト
クライアントから大きな.skpや.fbxファイルをインポートした後など、多くのカメラが含まれていることがあります。
” context per selected Camera(選択したカメラごとのコンテキスト)”を使えば、カメラから簡単にコンテキストを追加できます。
バッチレンダリング
シーンとコンテキストの準備ができたら、”Render All “を押して、チェックされたレンダーコンテキストを1つずつレンダリングすることができます。
すべてのコンテキストを一度にレンダリングすると、Renderset は包括的な出力システムに基づいてすべてのファイルに名前を付けます。
インターフェイスはクラッシュを防ぐために自動ロックされます。また、レンダリングされたビューポートモードは、ESCキーを押した後にシーン全体がロードされないように、ソリッドモードに切り替えられます。
■レンダーパスについて

レンダーパスは、レンダリングイメージを色、直接光、間接光などに分割して個別に編集したり、深度や法線などのデータを抽出するために使用できます。
Rendersetは、チェックしたすべてのパスを自動的に保存することができます。パスはレンダーセットコンテキストごとには保持されないので注意してください。
その他レンダリングと出力に関する詳細はこちらから
主な機能
すべてを保存
オブジェクト、メッシュ、その他のほぼすべてのプロパティを右クリックでRendersetに保存できます。カスタムプロパティにも対応しているので、柔軟に扱えます。
柔軟な出力名設定
レンダー出力ファイルの名前を、シーンのプロパティを変数として使いながら自由に構成できます。整理されたファイル管理が可能です。
複数同時編集
複数のコンテキストを一括編集でき、変更内容を適用前にプレビュー表示することで安全な作業ができます。
プレビュー機能 NEW- v2.1
ワークベンチを使い、低解像度・低サンプル数ですべての設定(コンテキスト)のプレビューを高速に一括生成できます。本番設定は影響を受けません。
最終レンダリングの前に、ライティングやカメラアングルの違いを素早く比較検討できるため、試行錯誤の時間を大幅に短縮できます。生成されたプレビューは、指定したカスタムフォルダに保存されます。
保存とパック
IESテクスチャなどの外部ファイルを含めたすべてをパックして保存できるので、ファイルの抜け漏れなく共有が可能です。
コンポジター出力管理 NEW- v2.1
コンポジット出力ノードを自動で管理してくれるため、複数のコンテキスト間でも効率よくファイルを出力できます。
v2.1ではコンポジターで設定した任意のファイル出力ノード(File Output Node)をRendersetが認識・出力できるようになりました。
これにより、マルチレイヤーEXRをはじめ、AOV(Arbitrary Output Variables)やレンダーパスを個別に出力するような複雑なワークフローにも完全に対応。これまで以上に柔軟な出力設定が可能になります。
アップデート情報
V2.1
- レンダープレビュー – ワークベンチ内ですべてのコンテキストを、低解像度または低サンプル数で素早くレンダリングし、指定フォルダーに保存
- カスタムファイル出力ノード – Rendersetがコンポジター内の任意のファイル出力ノードに対応し、Multilayer EXRなどのファイルを出力可能に
- カメラレンダー領域のトグルを保存
- 選択したすべてのオブジェクトのプロパティを一括で保存/削除
- コンテキストの一括リネーム
- コンテキストのカラーコード化
- オブジェクトとコレクションの表示制限トグルが、設定変更時にシーンへ反映されるように更新
- IES テクスチャが「保存&パック」でサポートされるように
- カメラパネルに「ビューへカメラを固定」ボタンを追加
- オーバーライドで、プロパティのデータブロック名が表示されるように
- オーバーライド内のプロパティがデータブロック名ごとに分類・並び替えされるように
- FFMpeg の設定がデフォルトで保存されるように
- レンダリング後、永続データからのメモリが解放されるように
- コンテキストリストでの検索が機能するように
- Blender 4.4 および 4.5 に対応
V2.0
V2.0 – 2024/07/25
- 何でも保存:カスタムプロパティも含め、blenderのほとんどのプロパティを保存するようにrendersetに指示できるようになりました。
- カスタムファイル名: すべての出力に好きなファイル名を使用できるようになりました
- マルチ編集:同時にいくつでもレンダーセットコンテキストを編集できるようになりました。適用前に変更を確認できます。
- ポストレンダーアクションのオーバーライド:グローバルなポストレンダーアクションを使用するか、コンテキストごとにオーバーライドできます。
- ファイルパス、ファイル名、ポストレンダーアクションはシーンごとに保存されるので、.blendファイルで転送することが可能になりました。
- Blender 4.2 との互換性
V1.9
V1.9 – 2023/08/18
- ターボツールのサポート追加。
- UIのクリーンアップ。
- オペレーター使用時にCtrlを押してコンテキストを上下に移動するUXの改善。
- 現在のビューポートビューからレンダーコンテキストを作成。
- VRAMを節約しレンダリング時のクラッシュを避けるためにソリッドビューポートに切り替え。
- バグ修正。
今までのチェンジログの確認はこちらから
チュートリアル
価格とシステム要件
renderset はBlender 3.6以降をサポートしています。
ライセンスと価格は以下の通りです。



| ライセンス | 内容 | 価格 |
|---|---|---|
| Renderset Personal | 非商用・1ユーザーライセンス + 将来のアップデート | $29 |
| Renderset Pro | 商用・1ユーザーライセンス + ショーケース用シーン1点 + 将来のアップデート | $59 |
| Renderset Studio | 商用・複数ユーザーライセンス + ショーケース用シーン2点 + 将来のアップデート | $119 |
クーポン情報
V2.1アップデートに合わせてお得なクーポンが配布されています。
botaniq 25%オフクーポン: botaniqonthemap
renderset 25%オフクーポン: rendersetandgo
さらにbotaniqかrendersetのどちらかを所有していると次のクーポンが利用可能です。
35%オフクーポン: botaniqset
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