2023年6月5日(現地時間) – Apple は、Macのパフォーマンスを大幅に向上させる新しいシステムオンチップ（SoC）M2 Ultraを発表しました。
M2 Ultra の主な特徴
M2 Ultraは、Appleが作った中で最も大きく高性能なチップとなっており、新しいMac StudioとMac Proに搭載されています。
M2 Ultraは、第2世代の5ナノメートルプロセスを使用して作られており、Appleの画期的なUltraFusionテクノロジーを使って2つのM2 Maxチップのダイを接続することで、2倍のパフォーマンスを実現しています。また、M1 Ultraよりも200億個多い1,340億個のトランジスタで構成されているとのことです。
UltraFusionテクノロジー
M2 Ultraは、Appleの業界をリードする専用設計のパッケージングテクノロジーであるUltraFusionを使って接続された、2つのM2 Maxのダイで構築されています。UltraFusionは、10,000を超える信号でダイを接続するシリコンインターポーザを使用し、2.5TB/s以上の低レイテンシのプロセッサ間帯域幅を実現します。
UltraFusionのアーキテクチャにより、M2 Ultraはソフトウェアからは1つのチップで成り立っているかのように見えます。これは、コードを書き換えなくても、M2 Ultraの高いパフォーマンスを利用できるようにするもので、業界でほかには見られないUltraFusionの特長です。
高いパフォーマンスと電力効率
M2 Ultraの24コアCPUは、16の次世代高性能コアと8つの次世代高効率コアで構成され、M1 Ultraよりも最大20パーセント高速なパフォーマンスを発揮します。
GPUは、60または76の次世代コアで構成が可能です。これは、M1 UltraのGPUと比較して最大12コア多く、最大30パーセントの向上となります。最大 76 コアの GPU は 27.2 テラフロップスのグラフィック パフォーマンスを実現します。
画期的なユニファイドメモリアーキテクチャ
Appleのユニファイドメモリアーキテクチャは、優れた帯域幅、低レイテンシ、比類のない電力効率を実現しています。M2 Ultraでは、どのWindowsパソコンよりもはるかに優れた800GB/sというシステムメモリ帯域幅を備えています。
また、192GBという膨大なユニファイドメモリでも構成することができ、Windowsパソコンではできないワークフローも可能になります。例えば、M2 Ultraでは、最もパワフルなディスクリートGPUでも処理できない膨大な機械学習のワークロードを、1つのシステム内でトレーニングすることができます。
最新のカスタムテクノロジーを搭載
M2 Ultraには、以下のようなAppleの最新のカスタムテクノロジーがチップに組み込まれており、機械学習、ビデオなどを強化しています。
- M2 Ultraは、毎秒31兆6千億回の演算を実現する32コアのNeural Engineを搭載していて、M1 Ultraよりも40パーセント高速なパフォーマンスを実現します。
- メディアエンジンはM2 Maxの2倍の能力を備え、ビデオ処理をさらに高速化します。ハードウェアによって可能となる専用のH.264、HEVC、ProResのエンコードとデコードを搭載し、ほかのどのWindowsパソコンのチップで可能な数よりもはるかに多い、最大22本の8K ProRes 422ビデオストリームを再生できます。
- ディスプレイエンジンは最大6台のPro Display XDRに対応し、1億以上のピクセルを実現します。
- 最新のSecure Enclaveは、ハードウェア検証によるセキュアブート、ランタイムのエクスプロイト対策技術と連動して、クラス最高のセキュリティを提供します。
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