2023年5月11日(現地時間)- Epic Games は Unreal Engine 5.2 のリリースを発表しました。
新機能ハイライト
今回のリリースには、注目の機能プロシージャル コンテンツ生成フレームワーク、Substrate、バーチャル プロダクション ツールセットの強化、ML デフォーマ、モデリングツールの強化など多くのアップデートがあります。
プロシージャル コンテンツ生成(PCG)フレームワーク
Unreal Engine 5.2 では、外部パッケージに依存することなく、Unreal Engine 内で直接使用できる Procedural Content Generation フレームワーク (PCG) の早期版が備わっています。このフレームワークには、エディター内ツールとランタイム コンポーネントの両方が含まれています。
PCG ツールでは、大規模なシーンに好みの Unreal Engine アセットを投入するためのルールやパラメータを定義することができ、大規模なワールドの作成プロセスを迅速かつ効率的に行うことができます。
ランタイムコンポーネントは、ゲームやその他のリアルタイムアプリケーションの内部でシステムを実行できることを意味し、ゲームプレイやジオメトリの変更に世界が反応するようにします。また、PCGツールは、大規模な建築プロジェクトや映画のシーンなど、大量のアセットを必要とするリニアコンテンツに使用することも可能です。
これは実験的な機能であり、今後のリリースでさらに開発される予定です。
Substrate
このリリースでは、ゲームなどのリアルタイムアプリケーションやリニアコンテンツ制作で使用されるオブジェクトのルック&フィールをより自由にコントロールできる、マテリアルの新しいオーサリング方法である Substrate が導入されています。
この機能を有効にすると、固定された一連のシェーディングモデルが、より表現力豊かでモジュール化されたマルチローブフレームワークに置き換えられ、より幅広いサーフェス外観と、より広いパラメータ空間が提供されます。特に、”金属の上の液体 “や “クリアコートの上の埃 “など、レイヤーの外観を表現する際に威力を発揮します。
Substrateを試すには、プロジェクト設定で有効にする必要があります。実験的な機能であるため、本番での使用は推奨されれていません。引き続き機能を改良するため、フィードバックを募集しています。
バーチャル プロダクション ツールセットの強化
このリリースでは、バーチャルプロダクションツールセットに新機能が追加され、映画制作者の創造力をより高めることができるように強化されています。
デスクトップのICVFX Editorと連携し、ICVFXステージオペレーション用の新しいiOSアプリ(Apple App StoreでiPad向けに近日リリース予定)は、カラーグレーディング、ライトカード配置、nDisplay管理タスクなどのステージオペレーションをLEDボリューム内の任意の場所から直感的にタッチベースで操作できるようになります。これにより、クリエイティブなコントロールが映画制作者の手に直接渡り、Unreal Engineのオペレーターにコールバックすることなく、実際に撮影が行われている場所で希望通りのルックを実現することができます。
一方、Unreal EngineのVCamシステムも強化され、プリプロダクションの段階でクリエイティブな意思決定の幅が広がりました。例えば、1つのエディターインスタンスから複数のバーチャルカメラを同時に操作したり、より高度でレイヤー化されたカメラムーブを作成したりすることができるようになりました。
さらにSMPTE 2110の拡張nDisplayサポートは、次世代のICVFXハードウェアの展開に向けて、Unreal Engine 5.1で築かれた最初の土台をベースに構築されています。この実験的な機能は、Unreal Engine 5.3でのプロダクション対応になる予定です。
Apple Silicon サポート
Apple Silicon のネイティブ サポートが、Unreal Editor に追加されました。これにより、より良いユーザーエクスペリエンス、パフォーマンスの向上、そして安定性が向上しました。Apple Silicon と Intel CPU の両方をネイティブにサポートする Unreal Engine の Universal Binary は、Epic Games のランチャーからダウンロードできるようになっています。
新しいML Deformerサンプル
Unreal Engineの機械学習技術を使用して、筋肉、肉、布の完全なシミュレーションによってデフォルメされたPCおよびコンソール用の高忠実度のリアルタイムキャラクターを作成する方法を確認できる、新しいML Deformerサンプルが用意されました。
ダウンロードには、筋肉が膨らんで皮膚の下を滑ったり、服にひだができたりするインタラクティブなデモ・シーケンスが含まれています。また、ML Deformerのオンとオフで結果を比較したり、付属のControl Rigアセットでモデルをアニメーションさせることができます。
パッケージにはソースアセットが含まれており、プロジェクトで使用するために再利用したり修正したりすることができます。
その他
モデリングやシミュレーションなど他にも多くのアップデートがあります。
ロードマップが公開されたときに紹介した以下の記事もご参考に

より詳しい情報はこちらのリリースノートページから確認できます。
ダウンロード
Unreal Engine 5.2 は、Epic Games ランチャー、GitHub または Linux からダウンロードすることができます。
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