2023年5月10日(現地時間)- Google は、開発者向けに主催する年次カンファレンス Google I/O にて世界規模のAR(拡張現実)体験を数分で作成できる Geospatial Creator を発表しました。
Geospatial Creator(地理空間クリエイター)
Google の拡張現実開発者向けプラットフォームであるARCoreは、14億台のAndroidデバイス上でワールドスケールやルームスケールの没入型体験を構築するためのシンプルかつパワフルなツールを、開発者やクリエイターに提供しています。
昨年から、Google の Visual Positioning System とストリートビューの提供範囲の拡大により ARCore Geospatial API の提供範囲は87カ国から100カ国以上に広がり、開発者がより変革的で堅牢な位置情報に基づく没入体験を構築し公開できるようになりました。
Geospatial Creator は、Unity や Adobe Aero などのプラットフォームから、誰でも簡単に世界観のある没入型コンテンツを数分で視覚化、作成、公開することができるツールです。
ARCore と Google Maps Platform の Photorealistic 3D Tiles を搭載した Geospatial Creator は、Google Earth や Google Street View が世界を可視化するのと同様に、開発者やクリエイターがデジタルコンテンツを現実世界で設置したい場所を容易に可視化することができます。また、Geospatial Creatorは、 Rooftop anchors などの新機能を搭載しており、3D Tilesを使ったバーチャルコンテンツのアンカーリングがさらに容易になります。これにより、開発者やクリエイターの作成プロセスの時間と労力を削減できます。
これらのツールにより、Android および iOS 両方のサポートされているデバイスで、世界をまたいだクロス プラットフォームのエクスペリエンスを構築できます。作成したものはすべて、リアルタイムのローカリゼーションと実世界の拡張によって、実世界で経験できます。
Adobe Aeroで構築した没入型体験は、アプリのフルダウンロードが不要で、シンプルなQRコードスキャンやリンクで共有することが可能です。
■ユースケース
GapとMattelは、Adobe AeroのGeospatial Creatorを利用して、象徴的なタイムズスクエアGapストアをインタラクティブなGap x Barbie体験に変身させました。
Google Partner Innovationチームは、シンガポール政府観光局と提携し、シンガポールを探索する没入型ガイドツアーを作成。
ARCoreの新機能に関して詳しい情報はこちらから
Google I/O 発表内容まとめ
Google I/Oの発表ハイライトは以下のようになっています。3D、グラフィックスと関連が深い発表としては、Geospatial Creator、MediaPipe Studio、WebGPU、Vertex AIあたりでしょうか。
■AI
- PaLM API と MakerSuite:PaLM APIを通じてGoogleの最先端大規模言語モデルにアクセスし、生成的なAIアプリケーションを構築することができます。
- Firebase AI extensions:開発者はFirebase ExtensionsでPaLM APIにアクセスできるようになりました。テキスト要約などのためのチャットインターフェイスを追加することができます。
- MediaPipe Studio と solutions:MediaPipe Studioを使えば、顔のランドマーカーなど9つの新しいソリューションを、ブラウザ上でローカルに実行することができます。
- ワークフロー全体をカバーするツール
■Mobile
- Studio Bot:生産性を高めるAndroid StudioのAI搭載の会話体験、Studio Botは、コードの記述やデバッグを支援し、Android開発の質問に答えてくれる初期の実験。
- Going big on Android foldables & tablets:PixelからPixel FoldとPixel Tabletという2つの新しいAndroidデバイスが登場。
- Wear OS: Watch faces, Wear OS 4, & Tiles animations
- Modern Android Development
- Flutter 3.10
- Geospatial Creator:ARCore を搭載した新しい Geospatial Creator と Google Maps Platform の 3D マップで、AR コンテンツを簡単にデザインして公開することができます。
■Web
- WebAssembly (aka WASM) – managed memory language support
- WebGPU:この新しく利用できるAPIは、GPUハードウェアのパワーを解き放ち、ウェブをAI対応に
- Support for web frameworks:Chrome DevToolsでは、様々なフレームワークのデバッグが改善されました。
- Baseline:W3Cのブラウザベンダーやフレームワークプロバイダーと並んで、安定的で予測可能なウェブのビューであるBaselineを紹介。
■Cloud
- Duet AI:Cloud Workstations、Cloud Console、およびChat内で支援を提供する、新しい生成AI搭載のインターフェースです。
- Vertex AI:ML の専門知識がなくても、簡単なプロンプトで基礎モデルの調整、カスタマイズ、配備を行うことができます。これにより、テキストから画像への基礎モデルである Imagen 2 のような基礎モデルにアクセスすることができます。
- Text Embeddings API
- Workspace additions
その他すべての発表の確認はこちらから
Google I/O 2023 recap: Updates across mobile, web, AI, and cloudCreate world-scale augmented reality experiences in minutes with Google’s Geospatial Creator
コメント