2023年4月16日 (現地時間) – Blackmagic Designは、動画編集ソフトウェア DaVinci Resolve & DaVinci Resolve studio 18.5 パブリックベータ版のリリースを発表しました。
新機能ハイライト
このリリースでは、150種類以上の機能がアップグレードされ、新しいAIツール、ResolveFXリライト、音声のテキスト化、自動字幕、AIによるオーディオ分類、Universal Scene Descriptionファイルのサポートといった新機能が追加されています。
カットページの改善
■3つの新しいメニュー
カットページタイムラインに3つの新しいメニューが追加され、編集がより高速かつ柔軟にできるようになりました。タイムラインオプション、タイムラインアクション、編集アクションを使用して、リップル編集の切り替え、編集点の再生ヘッドの位置までのトリム、オーディオの再同期、タイムラインの表示変更などが実行可能です。
■シーンカット検出の更新
シーンカット検出はカットページのタイムラインで直接実行できるようになりました。タイムラインメニューで「シーンカットを検出」をクリックするだけで、選択したクリップの内容が分析され、レンダリングされたクリップの新しい編集ごとにカットポイントが自動的に配置されます。トリムポイントは必要に応じて修正・削除可能です。
■新しいリップルボタン
カットページの新しいリップルボタンでは、リップル編集の有効・無効を切り替えられる。以前は編集が常にリップルされたが、リップルボタンを無効にすることで、編集全体の長さが維持され、タイムラインにギャップを作成可能。Optionキーを押しながら作業することで、任意の編集のみのリップルを無効にできる。
■オーディオ&ビデオのスプリット編集
オーディオ&ビデオのスプリット編集では、オーディオとビデオの編集点を別々に調整可能になりました。クリップの下部をドラッグしてオーディオトラックのみを調整することで、ビデオクリップの表示前に、または表示後に継続して、会話音声が聞こえるようにできます。エディターは、音声を用いて視覚的にシーンに集中させ、会話シーンに面白味、感情、緊張感を加えるなど、クリエイティブな演出が可能となります。
カラーに関する改善
■タイムラインごとのResolveカラーマネージメント
カラーページでは、DaVinci Resolveカラーマネージメントをタイムライン単位でコンフィギュレーション可能になりました。これまでのカスタムタイムラインは、自動的にプロジェクトのカラーマネージメント設定に初期化されていました。これにより、メディアが混在するプロジェクトにおいて、独立したタイムラインの設定およびタイムラインごとの出力カラースペース設定が可能になます。
■バーチャル光源を追加する新しいResolveFXリライトツール
新しいリライトFXでは、バーチャル光源をシーンに追加して、環境光を調整したり、暗い影を緩和したり、雰囲気を変えたりなど、クリエイティブな作業が可能になりました。光源は向きを変更でき、ブロードライト、点光源、スポットライトに対応、表面のソフトネスや鏡面性も調整することができます。
また、カラーページのビューアは、マーカーオーバーレイと、タイムラインおよびクリップマーカーに対する注釈をサポートするようになりました。
オーディオからの字幕機能とテキストベースの編集(Studio)
カットページとエディットページの自動字幕機能は、音声をテキスト化し、タイムラインの字幕トラックに自動的に配置してくれます。この機能は、タイムラインメニューで「オーディオから字幕を作成」をクリックするだけで実行でき、分析が終わったら、インスペクタで各キャプションをクリックして修正することが可能です。
テキストベース編集が、ビデオおよびオーディオクリップを自動的に文字に起こすテキスト化機能に追加されました。この機能を使用して、ユーザーは特定の用語を検索したり、任意の言葉が含まれる部分にジャンプしたりすることができます。シーン全体またはインタビュー全体を聴くことなく、必要なトピックの位置をすばやく特定してタイムラインに追加できるため、時間の大幅な節約につながります。
Fusionの改善
■Universal Scene Descriptionベースのワークフローをサポート
FusionがUniversal Scene Descriptorファイルをサポートしたことで、VFXアーティスト間のコラボレーションがより簡単になりました。Fusionの新しいUSDツールでは、ジオメトリ、ライト、カメラ、マテリアル、アニメーションなどのUSDデータを読み込むことができ、StormなどのHydraベースのレンダラーを使用して、ファイルの処理、リライト、レンダーを実行することができます。
■新しいマルチマージツールで複数レイヤーを合成および管理
新しいマルチマージツールは、多数のメディアソースを1つのマルチレイヤースタックに結合できるので、レイヤーを使用してクリップ、スチル、グラフィックを結合して、簡単に合成を作成可能です。
各レイヤーにコントロールがあるので、位置、サイズ、適用モードなどの特性は変更でき、ネイティブAIベースの深度マップツールもFusion Studioでサポートされています。
リモートモニタリングの改善
リモートモニタリングは、Blackmagic IDとセッションコードを使用するだけで開始可能になりました。DaVinci Resolveでリモートモニタリングを有効にし、コードを共有するだけで、IPアドレスやポートフォワーディングは不要で、配信は複数のコンピューター、iPad、iPhoneに対して同時に行えます。
Blackmagic Cloud Presentationsをサポート
プロジェクトライブラリを所有しているユーザーは、Presentations機能でタイムラインをBlackmagic Cloudに書き出すことができます。
Presentationsでは、複数のユーザーがそれぞれのタイムラインを見て、コメントを残し、ライブチャットで通信することも可能。コメントはDaVinci Resolveタイムラインにマーカーとして表示されるので、すばやく対応可能です。
OTIO(OpenTimelineIO)フォーマットのサポート
OTIO(OpenTimelineIO)フォーマットがサポートされたことで、他のNLEアプリケーションからのタイムラインの読み込みと書き込みもさらに高速かつ簡単になりました。OTIOはクリップ、タイミング、トラック、トランジション、マーカーのメタデータだけでなく、カットの順と長さ、および外部メディアへのリファレンスに関する情報もサポートしています。
■タイムラインごとの高速バックアップをサポート
環境設定でタイムラインごとのバックアップを有効にすることで、作業の迅速なバックアップおよび復元が可能となりました。
ローカル、ネットワーク、Blackmagic Cloudのプロジェクトライブラリのコラボレーティブ・プロジェクトおよび非コラボレーティブ・プロジェクトは、ローカルでバックアップされるので、複数のユーザーが関わるプロジェクトにおいて作業をより確実に保存することができます。
オーディオ
■Fairlightで編集&ミックスグループをサポート
関連するオーディオトラックやミキサーチャンネルをグループにまとめ、ミックスオートメーションや編集作業を共有することができるようになりました。グループの作成時に、共有するパラメータを決定することができます。グループはネストすることができ、一時的に中断して、より小さなグループや個々のトラックに素早くフォーカスを切り替えることができます。
■AIベースのオーディオ分類をサポート(Studio版)
DaVinci Neural Engineは、オーディオクリップを内容に基づいて分類できます。分析が終わると、オーディオクリップは会話、音楽、エフェクトのコレクションビンに、爆発、水、昆虫などの細かいサブカテゴリーと共に表示されます。
■新しいボイスオプション
エラスティックウェーブ処理を使用してオーディオクリップをリタイムする際、新しいボイスオプションを使用することで、会話または歌のスピードを変更する場合でも、自然で高品質な結果が得られようになりました。これは極端なキーフレーミングを適用した場合でも同様です。
その他の更新履歴の確認と最新アップデートのダウンロードはこちらから
価格とシステム要件
DaVinci Resolve 18.5 は、macOS、Windows、Linuxで利用できます。
価格は、DaVinci Resolveは無料です。DaVinci Resolve Studio と Fusion studio はともに41980円(295ドル)となっています。
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