2023年3月29日(現地時間) -Maxon は、2023年春(3月)のMaxon One アップデートのリリースを発表しました。
今回のアップデートでは、Cinema 4Dのモデリングとシミュレーションのアップデート、VFXのアナモフィックレンズ、新しいUniverseのエフェクト、よりリアルなRedshiftの空などを機能強化が行われています。ここでは、3Dコンピュータアニメーション、モデリング、シミュレーション、レンダリングソフトウェアの最新アップデート Cinema 4D 2023.2 の新機能情報を紹介したいと思います。
新機能ハイライト
このリリースでは、コマンダーの改善、ノードシステムの強化、シミュレーションの改善、モデリング用の新しい厚み付けジェネレータなどの新機能があります。次の動画で新機能を確認することができます。
上記の動画では以下のような機能が紹介されています。
コマンダー
Cinema 4Dのアップデートにより、コマンダーという機能が一新されました。ツールメニューまたはシフト+ Cキーで呼び出すことができるコマンダーは、欲しいコマンド名を入力すると、その名前を含むコマンドが表示されます。そのコマンドをダブルクリックすることで、オブジェクトが追加されたり、ツールが切り替えられたり、コマンドが実行されたりします。
Cinema 4Dのコマンダーは、Maxon カプセルだけでなく、ユーザー自身のアセットやプリセットにも素早く簡単にアクセスできるようになりました。カプセルの検索と適用、Redshiftマテリアルの追加、BackdropプリミティブやスプラインツールなどのMaxonのノードベースカプセルの力を簡単に利用できます。検索は、カーソルがどのマネージャーの上にあるかによって優先順位が変わります。たとえば、カーソルがマテリアルマネージャーの上にある場合は、マテリアルに関するものが上に表示されます。
コマンダーの検索対象は、フィルターを指定することでコマンドやオブジェクト、マテリアルなどに限定することができます。よく使う項目はパレットにドラッグアンドドロップすることが可能です。また、複数選択した状態でシフトキーを押しながらドラッグアンドドロップすると、グループアイコンとして登録できます。
モデリングツール
■新しい厚み付けジェネレータ
これまで、厚みをつけるためには、クロスサーフェイスやジオメトリモディファイア、厚みモディファイアなどのプロシージャルな方法がありましたが、それぞれ一長一短がありました。新しい厚み付けジェネレータはこれらの欠点を解消し、より簡単かつ効果的に厚みをつけることができます。
建築パースや3Dプリントの設定に最適なこのオブジェクトは、既存のメッシュをベースにプロシージャルな厚みを生成し、角と垂直なエッジを保持します。頂点マップとポリゴン選択をサポートしているため、部分的に厚みを変えることが可能です。
さらに、厚み付けはジェネレーターだけでなく、モデリングコマンドにも追加されています。そのため、ジェネレーターのように厚みをつけることができるだけでなく、ポリゴン編集も行えます。
■対称ジェネレータ
Cinema 4Dの最近のアップデートでは、対象モデリング機能が強化されましたが、その機能がジェネレーターとして追加されました。非対称なモデルに対して対称性を持たせたり、反対側のメッシュをを除去したりすることができます。放射対象を使うことで、円形のモデルを簡単に作成することができます。
ノードシステムの強化
Cinema 4Dは、より目立つカラーリングとクリーンなインターフェイスで、ノードの設定をわかりやすくして、作業や効率的なノードベースのカプセルの作成が容易になるノードUIを提供します。
- シーンノードも改善され独自のモディファイアがより簡単に作成できるようになりました。ポイント部分をベベルして穴を開けたり、オブジェクトのエッジをスプラインに変換するなど、様々なモデリング作業をサポートしています。また、近接ポイントを検索してスプラインを生成するモディファイアも高速に処理できるようになりました。
- ノードエディターのUIも改善されノードの種類がカラーリングにより分かりやすくなっていますポートも扱うデータにより色や形が違うので扱っているデータや接続先がわかりやすくなっていますこれまで濃度のパラメーターの変更は属性マネージャーで行う必要がありましたがRedshiftのシェーダーグラフのようにノードエディターで属性マネージャーを表示できるようになりました。
次の動画では、穴空け加工モディファイアを作成する方法を見ることができます。
シミュレーションの改善
Cinema 4Dの統合シミュレーションシステムにいくつかの改良が加えられました。
■パイロ
- Cinema 4Dのビューポートでのパイロのプレビューは、カラーとライティングをサポートするようになりました。シミュレーションのセットアップや高品質のプレビューレンダリングを共有する場合に役立ちます。
- エミッタは、Maxon ノイズと頂点マップをサポートしました。頂点カラーマップによってマテリアルが燃えているようなエフェクトを作成することができるようになり、Maxonノイズにより煙などの出方のバリエーションを増やすことができます。また、速度の設定にローカル座標が選択できるようになり、オブジェクトの向きに合わせて煙や炎の向きが変わるようになりました。
- 消滅フォースは、パイロをボックスの内側または外側に制限できるようになりました。
- パイロの出力はRedshiftレンダリング用に自動的に生成され、シミュレーションシーン間で簡単に切り替えられます。
■その他
- バルーンシムも頂点マップに対応し、継ぎ目を作ったり、膨らむ場所をコントロールできるようになりました。
ハイポリゴン シミュレーションでの衝突パフォーマンスの向上
キャッシュ中のビューポートの更新
価格とシステム要件
動作環境の確認はこちらから
Cinema 4D 2023 の価格は、13,750円/月 または 94,600円/年 です。
また、Cinema 4D 、Redshift 、RedGiant Complete はMaxonの製品が全て利用できる178,200円/年のサブスクリプション『MAXON ONE』の一部としても利用できます。
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